ヤクザとマフィアと探偵のニセコイ物語   作:七草空斗

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毎日の様に外に用事があるので外出してますが雨が降ってる以外は快適ですね。いつもならもう少し暑い時期が続くのですか最近は涼しくて良いですね

では本編です。どうぞ


第11話 ビョウキ

今日は1週間待ちに待った休日。天気も良好、こんな日には愛車の点検か渋谷辺りまで愛車を走らせてナンパに励むかに限る。

 

「おーい、楽。俺これからちょっと出かけるから・・・ってどうした?」

 

楽の部屋の襖を開け中を見ると少し苦しそうにしながら楽がこちらを向く

 

「おう、風邪引いたみたいでな、うつると悪いからあんまこっち来ない方がいいぜ」

 

「おう、分かったわ。他の組員の人達にもそう言っとくな」

 

「おう、悪いな」

 

部屋の中に覗かせていた顔を引っ込めて襖を閉める

一応楽の為に体温計と薬、冷水とタオルを取りに家の中を歩いていく

 

「あ、竜さん。おはようございます」

 

「あぁ、冴島の坊ちゃん。おはよぅございやす」

 

「今、楽が風邪引いてるみたいで体温計と薬、後は冷水なんかが欲しいんですけど、何処にあるか分かりますか?」

 

「坊ちゃんがお風邪ですか!?それは組をあげて看病しなければ!!物は全部こっちで用意しますんで!!」

 

「あぁ、物さえ渡してくれれば自分一人で看病しますんで。じゃあさっき言った物と後マスクの用意お願いします。」

 

「わっかりやしたぁ!!それじゃ急いで用意しますんで!!」

 

竜さん達から物を全部預かってマスクをして部屋に入る

 

「うーっす、調子はどうだ?」

 

ぐったりと寝ていた楽が体を起こす

 

「ばっ!テツ!俺のそばに居るとお前まで風邪引くだろ!」

 

「良いから良いから。ほら、体温計。」

 

問答無用で体温計を渡し楽を寝かせて布団を腰辺りまでかける。楽の体温計がなるまで冷水にタオルを馴染ませて冷やしておく

 

ピピピ

 

「何度だ?」

 

「38.6℃」

 

「完璧に風邪だな。病人は安静にしておけ」

 

布団を肩まで上げて冷やしておいたタオルをよく絞り頭に置く

 

「粥作って来るからそれ食って寝とけ」

 

ピーンポーン

 

玄関からチャイム音が鳴り楽が出ようとするがそれを制止し玄関まで向かう

 

「はいはい。どちら様ですか?」

 

「おはよう冴島くん。ダーリンの具合はどう?」

 

「完璧に風邪だな。粥食わせて寝かせる所。何ならアイツの顔でも見てくか?」

 

「まぁ、そのつもりで来た訳だから」

 

桐崎さんにマスクを渡し楽の部屋まで案内する

 

「んじゃ俺は部屋の前に居るから。なんかあったら呼んでね」

 

「分かったわ。ありがとね冴島くん」

 

台所まで行き桐崎さん用のお茶と楽の為にスポーツドリンクを用意し部屋まで向かう

 

ピーンポーン

 

またもチャイムがなり桐崎さんと共に玄関まで向かう

 

「はーい、どちら様ですか?」

 

「どうも、小野寺です。一条くんのお見舞いに来ました・・・ってあれ?千棘ちゃんも来てたの?」

 

「うん、まぁ彼氏が風邪ひいたって聞いたから」

 

「小野寺さんはどうして来たの?」

 

「さっきたまたま舞子くんに会ってね。そしたら風邪引いてるって聞いたからお見舞いに」

 

「おぉ、それは楽も喜ぶわ。まぁ上がっていきなよ」

 

またもマスクを渡し部屋まで通す

 

「あっ、そうだ。私お粥作ろうと思うんだけど台所借りてもいいかな?」

 

「それ!私も作る!!」

 

「まぁ、良いと思うよ。俺も作って持って行こうと思ってたから」

 

楽に二人と料理する事を伝えてから二人を台所まで案内し材料を掻き集めてくる

 

「まぁ、一応材料は集めて来たから二人で自由に作っててね。俺はリンゴでも切って持って行くから。」

 

リンゴを一つ剥き塩に浸けてから取り出し冷蔵庫で冷やしておく

リンゴを切るのにはさほど時間はかからなかったので二人が使った器具などを洗っておく。

塩が1袋、納豆パック、栄養ドリンクのビン、青汁の袋、etc.・・・

普通のお粥には使わないような物がバンバン使われて行く

 

「「出来た〜!!」」

 

「ん?出来t・・・」

 

色んなものを入れてたのを知っている身からしたら小野寺さんのお粥は綺麗すぎるし、桐崎さんのお粥はもう人の食べるものではない色をしている。正直恐怖すら覚える。

 

「二人の少し味見してみてもいい?」

 

「ん?いいわよ、美味しそうだからって全部食べちゃダメだからね!」

 

大丈夫だよ、と苦笑いを浮かべながら二人のお粥を味見する。

・・・あっこれはダメだ。いつもの楽ならワンチャン行けるかもしれんけど今の楽には絶対に毒だ

 

「・・・ラストにさちょっと味の手直ししてもいい?このままでも美味しいんだけど、どうせなら二人の美味しいお粥をもっと美味しく楽に食べて欲しいし」

 

「そこまで言うなら良いわよ、小咲ちゃんも良い?」

 

「うん、私も大丈夫だよ」

 

「それじゃあちょっと失礼して」

 

先ず、レバーの臭みを取るために長ネギを二人のお粥に入れる、次に大量に入れられた塩でのしょっぱさを抑えるために少し鶏ガラスープを入れ塩分を薄める。鶏ガラスープを入れる理由は黒酢が入った所を見たので中華風に纏めるため。明太子と納豆は・・・どうすれば良いか思いつかねえや。栄養ドリンク、サプリメントは知らん。次に青汁の苦味を抑えるためにハチミツを少し垂らし全体的に味が整うまで火にかけて混ぜる。味の素の顆粒を少量溶かした水を加える。水をドバッと投入。大体のゲデモノでも最終的には味の素で何もとかなるはず・・・はず

 

「・・・まぁ、多少はマシになったか」

 

「え?なんか言った?」

 

「流石女の子、俺が手を加える程じゃなかったかなって思ってさ」

 

適当な世辞を2人に伝え粥を運ぶのを手伝う

 

「出来たぞ楽」

 

楽は病人であるにも関わらず自分で窓を開けて外に顔を突き出してる。

 

「オラ、病人は寝とけ」

 

楽を担ぎ布団の上に座らせて二人の粥を渡す。楽は何かと理由を付けて食べようとしない

 

「坊ちゃん!お体大丈夫ですかー!?

すいやせん!来るなと言われやしたがつい心配で・・・おや!?彼女がお見舞いに来てくださってたんですか!」

 

「いい彼女ですなぁ」

 

「こりゃ結納も近ぇなぁ」

 

「その上愛人までいるたァ・・さすが坊ちゃん!男の器がでかい!!」

 

「皆さん、楽も風邪なんで部屋で騒ぐのはちょっと・・・」

 

「こいつやぁ失礼しました。実は坊ちゃんに美味しい粥を作って来たんですが・・・」

 

「あぁ、粥ならこちらのお二人が作ってるので・・・」

 

「!?すいやせん坊ちゃん!!彼女がお粥を作ってただなんてつゆ知らず。でしゃばった真似を・・・」

 

「早く彼女さんのお粥を食べてあげてください、早く食べねぇと冷めちまいますぜ?」

 

お粥が来てから無言でお粥を睨んでた楽は覚悟を決めたのか楽は二人の作ったお粥を一気に流し込む

 

「!美味い」

 

味の調整をした甲斐があったようでで少しは(想像よりは)美味くなった様子

 

「ハッハッハ!そうでしょう。愛する人が作ったんだ美味しいに決まってまさぁ!」

 

「それじゃぁあっしらはこの辺で。坊ちゃん、お大事に!」

 

竜さん達が帰った後に楽がこっちを向いてお前何をした的な顔をしてくる

 

「お粥二つも食って口の中しょっぱいだろ。リンゴでも食って口の中さっぱりさせろよ」

 

「お、おう。悪いな」

 

その間に楽にスポーツドリンクが入ったコップを渡し風邪薬を渡す

 

「それ飲んで寝とけ」

 

「皆んな何から何まで悪いな。何も構えなくて」

 

「お前は病人なんだから構えなくて良いんだよ。ほら布団かぶって寝とけ」

 

布団を肩まで掛けて頭に冷したタオルを乗せる

 

 

 

 

 

「・・・寝たか。んじゃ俺は食器と水変えてくるから、二人で楽の看病しといてくれ」

 

そう言い残し洗面所に向かう

 

竜さんが作ったお粥を少し分けてもらい腹を満たした後に組員全員分の食器を洗い冷水を持って部屋まで向かう

 

「あれ?桐崎さん、小野寺さんは?」

 

「ふたりで看病するのは多いからって事で小咲ちゃんは帰したよ」

 

「ん、了解。んじゃ冷水とスポーツドリンク此処に置いておくから。後これ」

 

「ん?何これ」

 

「俺が余りでぱぱっと作ったお粥。口に合えばいいけどお昼食べてないでしょ?」

 

「うん!ありがとう!お腹減ってたんだよねー!」

 

桐崎さんは満面の笑みでお粥を食べ始める

 

「お粥食べ終わったら廊下に出しておいて。後で食器回収するのと同時にコーヒーか何か渡しに来るから」

 

「うん、何から何までありがとうね冴島くん」

 

「いいってことよ。桐崎さんはお客様なんだから」

 

数十分後に食器回収と共にダージリンティーを桐崎さんに渡す。もう時刻は昼過ぎ。食事も終えてしまい一応病人が居るので他の人に菌を蔓延させるのも悪いので庭先で愛車の点検をする事に

今日も1日平和に終わりそうだ




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