ヤクザとマフィアと探偵のニセコイ物語   作:七草空斗

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前回の6話でサブタイを書き換え忘れ、更にその事に気付いたのがこれの投稿前日だったポンコツ投稿者です。
北海道は暑いですね、気温も30度を超えるとかもう真夏日みたいなもんですな。
こんなクソ暑い中皆さん学校や会社への出勤お疲れ様です。
暑いと言えばプロ野球の交流戦ですね、セ・リーグの6球団全勝やヤクルトのアチアチ打線なんかは見ものでしたね。

前書きが長くなりましたが本編です。どうぞ


第7話 スイエイ

突然だが今、俺は水泳部の練習に混ざっている。何故かって?そりゃあ

 

 

 

「そう言えばテツってさ前の高校でなんか部活とかやってた?」

 

「ん?いきなりどうした楽?」

 

突然楽に部活動に所属してるか聞かれる

 

「いや、テツって前にあのデッカイ外人を簡単に倒したじゃんか、だから何か運動の一つでもやってたのかなって思ってよ」

 

「いや、何もやってないけど、あぁいうのは全部やんごとなき家庭の事情により習得したものだからな」

 

「そっか・・・ならさ、水泳とかって出来るか」

 

「水泳?まぁ速くはないけど人並み位になら」

 

「じゃあ一緒に水泳部の練習手伝ってくれねえか?」

 

「は?水泳部?なんでよ」

 

「いや、宮本が手伝ってくれって言ってて、行くなら多いほうがいいだろ?」

 

「まぁ、確かに。分かったそれじゃあ俺も手伝いに行くわ」

 

という訳で絶賛部活動中です

 

「あぁ一条くん、と冴島くん?」

 

「手伝えって聞いて手伝いに来ました」

 

宮本さんに楽に連れてこられた事を話すと何かバツの悪い顔をする。そんな宮本さんを見ていると後ろの更衣室から小野寺さんが出てくる、それを見て楽が感謝感激雨あられ的な顔をしている。

少し察した事があったので宮本さんの元に行き察した事を報告する

 

「宮本さん宮本さん?」

 

「何かしら冴島くん」

 

「あの2人ってもしかして・・・」

 

「えぇ、多分あなたが思っている通りだと思うわ」

 

言い切る前に宮本さんが答えてくれたので疑惑が確信に変わる

 

「じゃあ俺って、お邪魔かね?」

 

「まぁ、はっきり言うと邪魔ね」

 

「やっぱり?んじゃ俺は御暇しますかね?」

 

「別にあなたが居るのが悪い訳でもないし好きに泳いでて良いわよ」

 

「本当?なら端のレーン使わせて貰うね」

 

宮本さんに許可を貰い端のレーンで耐久クロールと洒落込む。何往復かが経つと横から楽に呼ばれたのでレーンを越えて楽や小野寺さん桐崎さんが居る所まで行く。桐崎さんは端っこで座ってるけど触れないでおこう

 

「小野寺に泳ぎ方を教えたいんだが手伝ってくれないか?」

 

「俺は良いけど。ワンツーマンで教えた方が楽は嬉しいんじゃない?」

 

「まぁそうだけど。って違う違う!俺1人じゃ明日までに間に合わないから手伝って欲しいんだよ!」

 

楽が顔を真っ赤にして訂正する。よくこれで周りにバレないな、逆に感心するわ

 

「ふーん、ま、そういう事にしておきますわ。んで俺は何を教えれば良いの?」

 

「あぁ、クロールで25mゆっくりと泳いできてくれないか?何か参考になるかも知れんし」

 

「それなら桐崎さんにやって貰えよ、桐崎さんの方が身体能力高いだろうに」

 

「ハイレベル過ぎて参考にならん」

 

あー、何となく察したわ。だから桐崎さん端っこで座ってたんか。後でジュースでも奢ってあげるかなーとかそんなことを思いながら隣のレーンに移り飛び込み台にスタンバイする

 

「えー、先ず飛び込む時の姿勢ですが体全体を叩き付けるように入るのでは無く指先から顔、肩、胸、腰、足の順番に入る様にして少しの時間だけ潜水します。

飛込み水面に辿り着いたら右左交互にクロールの形で動かします、ここでの注意点は手を動かす時に手を叩き付けるよう水面に叩き付けるのでは無くここも指先から水に入れる様にします。

もう一つの注意点で出来るだけ水中から手を離さないようにクロールをしてください。

水中で水を掻く時間が増えるとその分タイムも伸びます。

次に息継ぎですが体力に自信がなければ息継ぎをする方向を決めてその方向とは逆の手を動かしている時に顔を動かしてない手側で息継ぎをします。

今の事を踏まえて俺の泳ぎ方を見ておいてください」

 

結構細かい所まで一応事前に教えておき飛び込み台からプール内に飛び込む、ある程度の潜水時間を越えて水面に到着しゆっくりとクロールを始める、手の動かし方やバタ足の仕方などに気を付けながら泳ぎ続ける

25mを泳ぎ切り二人がいる所まで上がって行く

 

「結構ゆっくりやって見たけどなんか収穫あった?」

 

「ごめんなさい、よく分からないです」

 

小野寺さんは申し訳なさそうにこちらに謝罪してくる

 

「あぁ、良いって良いって。最初はみんなこういうもんだから」

 

謝ってくる小野寺さんを宥め笑顔で返す

 

「楽、先にバタ足手伝ってあげといて。俺はビート板持ってくるから」

 

「おう、分かった。小野寺、頑張ろうな」

 

「うん、宜しくね一条くん!」

 

2人であどけない初めて付き合ったカップルの様に練習に励んでいる

いいねえ、これが青春かね

俺はビート板を取りにプールサイドまで歩いていく

 

「ありがとうね、冴島くん」

 

「ん?なんの事かな宮本さん?」

 

「とぼけないで良いわよ、2人きりの時間を作ってくれたんでしょ?」

 

「そんな事は無いよ偶然ビート板を使う事になって偶然俺が取りに離れて仕方なく2人で手を取り合ってバタ足する事に成っただけだから俺は何もしてないよ。そう、偶然2人の仲を深めるシチュエーション成っただけだよ」

 

「そう、ならいいわ。でも偶然にしてもそういう状況を作ってくれた貴方には感謝するわ」

 

「ならさ、感謝ついでに一つお願い聞いてもらって良いかな?」

 

「なに?私に出来る事ならするけど」

 

「るりちゃんって俺も呼んでいいかな?」

 

「別に良いけど、こういう事なら小咲辺りに言ってあげれば良かったのに、貴方の転校してくる前に2人で何かあったんでしょ?小咲が転校生にあんな反応したの初めて見たわよ」

 

「小野寺さん?小野寺さんとは特に何も無いよただナンパしたされたの関係だから」

 

「何その関係、そりゃあ小咲も驚くわね。ナンパ師が学校の同じクラスまで来た訳だからね」

 

「ははっ。ま、ナンパしたって言ってもうちの仕事の為に仕方なくやった事だからね。お詫びに家まで送るまではしたけどね」

 

「そう言えば貴方のお父さんって何のお仕事してらっしゃるの?桐崎さんもだけど随分と変な時期に転校してきたから少し気になるわ。後なんで一条くんの家に住んでるのかもね」

 

「うちか?うちはしがない探偵事務所をやってるよ。今回の転校は親父が面倒な依頼の最中らしくてね今は邪魔だからって事でうちの親父が楽の父さんと知り合いらしくてそこに居候の身って訳」

 

流石にヤーさんギャングの抗争を止めるための派遣探偵なんて一般の人には言えんのでなんとなーく濁して伝えとく

 

「一条くんの家庭もまぁまぁ大変そうだけど、貴方の家も中々大変そうね」

 

「ははっ、そうかな?まぁ、話は戻るけど小野寺さんに下の名前で呼ばしてくれって言わない訳だっけ?あれはね小野寺さんは小野寺さんって感じだからかな」

 

「小咲は小咲だからってどういう事?」

 

「んー、まぁ簡単に言えば俺なんかが小野寺さんを小咲ちゃんなんて呼んじゃいかんと思ってさ。俺は彼女みたいに心が綺麗な子を名前で呼んじゃいかんと思ってね」

 

「それじゃあ私の心が綺麗じゃ無いようにきこえるけど?」

 

「いやいや、るりちゃんも充分綺麗な心の持ち主だよ?でもね俺も色々な仕事をさせられてきたけど彼女ほど一途な子は見たことないね。あんな綺麗な子に近付きすぎて汚してしまうのは忍びないしね」

 

「貴方も色々大変そうね」

 

「るりちゃんこそ小野寺さんと楽の鈍感さには困ってるんじゃない?」

 

「それはあるわね。それじゃあ桐崎さんは?」

 

「人の彼女をちゃん付けで呼ぶのはちょっと・・・」

 

「・・・確かにそうね」

 

「んじゃ、そろそろ戻りますかね。あのまま2人にイチャイチャさせるのも良いけどこっちも明日までに小野寺さんを一通り泳げるように特訓しないといけないしね。それじゃ、またねるりちゃん」

 

「ええ、また後でね冴島くん」

 

るりちゃんとの他愛もない話(2人の時間を作る時間稼ぎ)を終え2人の元へ向かう

 

「おーす、待たせたな。順調か?」

 

「おせーよ、ビート板取りに行くのにどれだけ時間かけてるんだよ」

 

「まぁまぁそう言わずに、小野寺さんと2人っきりの時間はどうだった、楽?」

 

「マジで最高だった。ありがとう」

 

楽は右手を差し出してくるのでその手をガッチリ握り深く握手をする

小野寺さんは頭に ? を浮かべている

 

「それじゃあ続きやりますか。楽、お前は手とお腹どっちが良い?」

 

「は?何だよそれ?」

 

「まぁまぁ、どっちがいいか選んでくれ」

 

楽に手を持つかお腹を支えるかという選択肢を出すが理解してないようで悩んでる、こうやって悩んでるのを見てるのも面白い

 

「それじゃあ手かな」

 

「OK、んじゃ小野寺さん楽と手を繋いで貰っていいかな?」

 

「へぇ!?い、一条くんと手を繋ぐの!?」

 

「お、おいテツ、何言ってるんだよ!」

 

「え、いや普通にさっきみたいに手を繋いでバタ足して欲しいだけなんだけど」

 

楽と小野寺さんは顔を真っ赤にして「や、やっちまった」みたいな顔をしてる、集がこうやって楽たちをからかってる理由が今ならわかる。めっちゃ楽しいなこれ

 

「楽は手の方を頼んだぞ、それじゃ小野寺さんはバタ足始めてね」

 

「うん、一条くん手、離さないでね」

 

「お、おう」

 

小野寺さんがバタ足を始めて少しすると太腿から下が水中に沈んでいく。沈んでいく太腿をビート板で持ち上げる

 

「ひゃあ!さ、冴島くん!?」

 

「ど、どうした小野寺!」

 

「ほら、太腿から下がどんどん下がってるよ、もうちょっと背筋はピンと張って」

 

ビート板をお腹の方に移動させて水面近くまでお腹を支える、太腿の方は左手で膝関節辺りを持ち上げる

 

「さ、冴島くん。恥ずかしいよ・・・」

 

小野寺さんは顔を赤くするも姿勢を保つために楽の方を向き続ける、それを見て釣られて楽も顔を真っ赤にする

 

「ほら、もう少し頑張ってバタ足しようね?」

 

小野寺さんが俺の言葉に反応して良い体勢をキープしてバタ足を続ける。それを見てゆっくりとお腹の下からビート板を抜き去る

 

「ぜっ、絶対離さないでね?」

 

いい感じに小野寺さんがバタ足をしていたと思っていたら不意に楽が小野寺さんの手を離す。いきなり手を離したから当然ではあるが支えを失くした小野寺さんは全身プールの中に浸かり込む

 

「わー!?小野寺さん大丈夫!?」

この後男2人で小野寺さんをプールサイドまで運び謝り尽くしている

 

「すまん!小野寺!」

 

「本当に申し訳なかった!」

 

「ううん、こっちこそ上手く出来なくて・・・」

 

「いや、オレは全然・・・。どうする?少し休むか?」

 

「ううん、せっかく一条くんと冴島くんが教えてくれてるんだもん。私頑張る・・・!」

 

小野寺さんのキラキラした笑顔により楽の心が撃ち抜かれる。あっ、元々撃ち抜かれてたか

 

「2人とも喉渇いたんじゃない?飲み物買ってくるよ」

 

「あ、私も行くよ。一条くんお茶でいい?」

 

「え?お、おう」

 

小野寺さんや桐崎さん、るりちゃんと自動販売機まで飲み物を買いに行く。一時とはいえ、美人3人と一緒の行動が出来るなんて神様が居るならガッチリと握手をしてからハグをしたい所

 

まぁ、そんな幸せな時間は長く続く訳もなく会話もみんなと何を買うかくらいで終わってしまう始末。みんなの飲み物を自腹で持ち少しばかりの経済力を見せてみんなでプールサイドまで戻って行く

 

「楽ー、お茶買ってきたぞー」

 

遠目から見てプールサイドで何か弄っている様な仕草をしていた楽がこちらを振り返ると手元には何かの鍵らしい物を握しめている

 

「一条くん・・その女子更衣室の鍵、どうするの?」

 

何かを訴えようとする楽だったけれども女子二人にボコボコにされ縄に繋がれる

 

まぁ、なんだかんだあって小野寺さんが多分免罪だろうという判決を下したので縄を解いて練習を再開する。因みに俺はニコチンが切れたので家庭の用事という名目でニコチンを摂取しに家までバイクを飛ばして帰宅する




次回は今週中に出したい(願望)

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