北海道の方も暑いですが、体感去年よりはまだ涼しい感じもしますね。これから夏休みでお祭りや、花火大会なんかに行く方も多いと思いますが、お体に気をつけていい夏休みを過ごしてください
前書きが長くなりましたが本編です
放課後
時刻は4:30とっくに学生の仕事は終わってるのに事務所の仕事のせいで校庭で絶賛残業中。箱からJPSを一本取り出し親父からかっぱらってきたデュポンで火を付ける。楽達には5時前に来いと言っておいた。この時間帯の校庭に人の出入りは見かけない。
「高校生のうちから喫煙とは関心できんな」
俺が1本目のJPSを大体吸い終わったところで今回の仕事の対象がやって来る
「それはお互い様だろ銃刀法違反野郎」
ラスト一口を吸い切り持っていたタバコを地面に落とし靴の裏ですり潰す
「よく逃げずに来たな。そこは褒めてやろう」
「誰が逃げるかよ。こっちは生活が掛かってるんだ。主人への忠誠心で動いてるお前とは違うんだよ」
潰したタバコの吸い殻を拾い上げポケットにしまっておいた携帯灰皿に捨てる
「一条楽はどうした?まさか逃げ出したか」
「少し遅れてくるように俺が指示した。校内でタバコを吸ってるところを雇い主に見られたらクビにされかねんからな」
ハハッと笑いながら言うも相手の表情は変わらない
「少しくらい笑ってくれよな。お前と俺がやってる間にどさくさに紛れて楽が撃たれたりしたらたまったもんじゃねえからな。どうせ当たったとしても誤射だなんだで言い逃れされる可能性もあるしな」
「私はそのような事はしない。いや、する必要がない」
やっと少し表情を崩しフッと笑う
「あー、そんなにあいつの事見くびってると足元掬われるぞ」
箱からもう一本JPSを取り出す
「このコインが地面に付いたときが決闘開始の合図だ」
手元に持っているクウォータードルを空中へと弾き飛ばし腰に手を伸ばす。こちらも学ランのポケットに入れてある物を握りしめる
コインが地面へとチャリンという金属音を響かせる
互いに構えていた手を取り出し相手はハンドガン。こちらは小さい布状の物を取り出し投擲する
投擲した物に対してハンドガンを構える。が、球状の物体は銃で撃たれるよりも早く破裂し拡散する。中に入っていた石灰と共に
「な!?これは」
飛散した石灰が一時的ではあるが辺りを白く暗く染め上げる。相手もまさか投擲物が煙幕だとは思っていなかったらしく辺りが見えずにこちらを警戒ている。その隙に左に大きく迂回しながら背後へと近づく。途中に何回かに分け煙幕を投げ視界を常に曇らせておく
中身は野球部御用達ロジンバッグにクラッカーに入ってる程度の火薬とかを入れた代物、確実に殺傷能力はない
背後に回り込み辺りは少し視界が開けてくる。相手はハンドガンを構え警戒しながら辺りを見渡す
「よう、お目当てはこっちだぜ」
瞬間的に体をこちらに向き変えハンドガンを構える
ハンドガンを構えた手を掴み上へと弾く。弾かれた拍子に一発発射する。持ち上げた腕を脇へと抱え込み手から銃を離させる。体を抱え込んだ時に感じる違和感。他のヒットマンとは何かが違う様な感触。ハンドガンを捨てた相手を体をひねりながら投げ叩きつける。悲鳴とも呻き声ともつかない声をあげる相手、体を投げきった時に理解する違和感。他のヒットマンとの違いではなく他の男との違い。投げた後、地面に落ちていたハンドガンを回収する。転校生は背中を打ったのか痛みで立ち上がれない、そんな事はお構い無しに転校生を跨ぎハンドガンを構える
だいぶ痛みも引いてきたのか立ち上がろうとする所を持っているハンドガンで制止する
「・・・私の負けだ」
悔しそうに唇を噛み締め目の下に涙を溜めている
「そうでもないぜ」
「え?」
驚いたように潤んだ目を上げる
「これ以上俺はお前と闘わない。ま、この勝負Drawだな」
まだ楽たちが来てないことを確認しJPSに火を付ける
「何故だ?この状況誰がどう見ても私の負けなのは明らかだ」
「いや、本当なら俺としても楽に決闘なんてことさせたくはないんだがな。だけど・・・あー、なんだ?」
こちらが言葉に詰まっていると転校生は理由が分からず困ったような顔を向けてくる
「えー、と。・・・はぁ。お前が女性だって気付いたからこっちとしては手は出せない」
「あぁ、私は女だがそれがどうした?私を倒さない理由にはならないだろう」
「女性と知ってて女性の体を傷つけるのは俺のプライドが許さん。例えそれが大ギャングのヒットマンとしてもな。よってこの決闘は無効だ」
構えていたハンドガンから弾を抜き取り、転校生を抱き起こし空になった拳銃を渡す
「しかし、トドメを刺さなくとも私がほぼ負けに近かったという事は変えられない事実だ」
あちらさんとしては自分では負けだと認めているのに引き分けとして処理するのがプライドに障るのか煮え切らない押し問答が繰り返される
「なら、こうしよう。俺の勝ちに近い引き分けで一つだけ俺の要望を聴くってのはどうだ?」
転校生は少し考えた後に
「うむ、それならば」
快くとはいかなかったが一応納得してくれたようで要望を呑んでくれる
「んじゃ・・・次の楽との決闘で楽に一切の銃器での負傷をさせない。ま、簡単に言ったら銃は牽制でしか使わないって事で」
「別にそれ位ならば。やはり一条 楽の事を思っての要望か?」
「ん?いや、学校で人殺しなんて起きたら勉強熱心な学生としては困るから。ただそれだけだよ」
タバコの吸殻を拾い携帯灰皿に捨てていると時刻は4:50ほどになり楽たちがやって来る
「テツ!大丈夫だったか?」
楽や桐崎さんが心配した顔でこちらへ向かってくる
「いやー。ゴメンな楽。負けちゃったぜ、しゃあないから後は頑張ってくれよな!」
ガッハッハッと笑いながら楽を応援する。振り向き転校生を見る
「敵の俺が言うのも何だけどよ。まぁ、頑張れよな」
自分が応援を受けたのが意外だったのか目を丸くする。そのまま校庭を後にしようと歩き出す
「あ、そうだそうだ」
振り返り自分の目元を指差しながら
「あの時の泣き顔可愛かったぜ。鶫」
鶫は顔を真っ赤にして発砲する。しかし銃口から出てくるのは空気のみ。そして真っ赤に顔を染め、悔しそうに唇を噛み締める鶫の顔が見えた
次は7月中にあげます。では次回お会いしましょう