この魔術師に祝福を!   作:妖精絶対許さんマン

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この魔術師に裁判を!

「冒険者、サトウカズマ!貴様には現在、国家転覆罪の容疑が掛けられている!自分と共に来てもらおうか!」

 

デストロイヤー討伐の報酬を受け取りに来たはずなの、カズマが国家転覆罪で捕まりそうになっている。

 

「・・・・・・ええっと、どちら様?ていうか、国家転覆罪って何?俺、賞金を受け取りに来ただけなんだけど」

 

「自分は、王国検察官のセナ。国家転覆罪とはその名の通り、国家を揺るがす犯罪をしでかした者が問われる罪だ。貴様には現在、テロリストもしくは、魔王軍の手の者ではないかと疑いが掛けられている」

 

「ええっ!?ちょっとカズマ、また一体何をやらかしたの!?私が見ていないところで、どんな犯罪をしでかしたのよ!ほら謝って!私も一緒にごめんなさいしてあげるから、ほら早く、謝って!」

 

「このバカ!俺がそんな罪を犯す訳がねーだろ!大体、普段はほとんど一緒にいるだろうが、俺が何もしていないのはお前と秋がよく知ってるだろ!」

 

「そうだよ、アクア。それにカズマが国家転覆罪なんて大それた事ができるわけないよ」

 

「それもそうね。カズマさんが出来る犯罪なんてセクハラとか小さい犯罪ぐらいしかないものね」

 

「おい、お前ら。擁護するのか喧嘩売るのかどっちかにしろよ!」

 

めぐみんとダクネスも無言だけど頷いている。実際、カズマに国家転覆なんて出来るわけないし、そんな度胸もなければ時間も無い。

 

「その男の指示で転送された、機動要塞デストロイヤーの核であるコロナタイト。それが、この地を治める領主殿の屋敷に転送されました」

 

セナの一言にギルド内が静まり、暑くもないのに額から汗が流れてきた。確かにカズマの指示でコロナタイトをランダムテレポートで転送した。それが領主の屋敷に・・・・・・。

 

「なんて事だ、俺のせいで領主が爆死しちまったのか・・・・・・!」

 

「死んでいない、勝手に殺すな!使用人は出払っていた上に、領主殿は地下室におられたとの事で、怪我人もしくは出ていない。屋敷は吹っ飛んでしまったがな」

 

よかった・・・・・・誰も死んでなくて。

 

「それじゃあ、今回のデストロイヤー戦での死者は0って事か、良かった良かった」

 

「何が良い。貴様、状況が分かっているのか?領主殿の屋敷に爆発物を送り、屋敷を吹き飛ばしたのだ。先程も言ったが、今の貴様にはテロリストから魔王軍の手の者ではないかとの嫌疑が掛かっているかまあ、詳しい事は署で聞こう」

 

問答無用で速攻死刑では無いみたいだけど、ここで仮にカズマが抵抗したり逃げようとしたら相手の心証も悪くなる。

 

「ねぇ、検察官。カズマはあくまで嫌疑が掛かっているだけだよね?」

 

「そうだ。だが、抵抗や庇い立てするならさらに罪は重くなる。無論、庇い立てした者にも国家転覆罪が適用される」

 

「ふーん・・・・・・なら、カズマ。検察官と一緒に行ってくれる?」

 

「はぁっ!?お、お前俺を見捨てるのか!?」

 

カズマが泣きながら掴み掛かって揺さぶられる。

 

「落ち着いて、カズマ。まだ、嫌疑の段階みたいだし、ここで変に抵抗したりするよりおとなしくついて行って事情をしっかりと説明すれば分かってくれる筈だよ」

 

「そ、そうか?俺には何がなんでも俺をテロリストにしようとしてる風にしか見えないんだけど」

 

「大丈夫だって。仮に裁判になったら僕が弁護するから大丈夫。それともアクアやめぐみんに任せた方がいい?」

 

「俺の弁護は秋でお願いします」

 

アクアはともかく頭がいいで有名な紅魔族のめぐみんに弁護されるのも嫌なんだ。ダクネス?彼女は腹芸とか苦手そうだし。

 

「話は終わったか?」

 

検察官が待たされてイライラしているのか爪先で床を叩いていた。

 

「それじゃあ、カズマ。こっちは任せてちゃんと説明してきて早めに帰ってきてね」

 

「お、おう・・・・・・くれぐれも三人のこと頼むぞ。帰ってきたら借金が増えてたりしたら嫌だからな!?」

 

「大丈夫大丈夫。それじゃあいってらっしゃい」

 

検察官についていきながらカズマがこっちをチラチラと見てくるので、手を振っておいた。

 

「シュウ!どうしてカズマを行かせたのですか!?」

 

「ここで変に抵抗したり事を荒げたりしたら、カズマのただでさえ悪い印象が余計に悪くなりかねないでしょ?なら、ここは素直について行って抵抗の意思が無いことを示した方が得策だと思ったんだよ。・・・・・・くれぐれもカズマが逮捕されたりしたら、抗議のために警察署近くで問題を起こさないでね。特にアクアとめぐみん」

 

「なっ!?アクアはともかく私はそんな事しませんよ!?」

 

「そうよ!私だってそんな事・・・・・・ねえ、めぐみん。『私はともかく』って言わなかった?」

 

「言ってません」

 

「とにかく!くれぐれも問題を起こさないように。間違っても夜中に警察署の近くで爆裂魔法をぶっ放したり」

 

「うっ!?」

 

・・・・・・やるつもりだったなこのロリっ娘。

 

「夜中の警察署に差し入れと称して変な物を持ってて職質されたりしないように!」

 

「し、しないわよそんな事!」

 

・・・・・・やるつもりだったなこの駄女神。

 

「ダクネスも僕がカズマを行かせたのに不満?」

 

「不満ではあるが何より気になるのはこの土地の領主は・・・・・・いや、なんでもない」

 

・・・・・・?この土地の領主がどうかしたのかな?

 

「今はカズマが帰ってくるのを待とう。相手も馬鹿じゃないんだ。話せば分かってくれる筈だよ」

 

––––––––––––この時の考えがあまりにも浅慮だと、すぐに思い知ることになるとは思わなかった。

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