今年最初の投稿です!
SEEDの劇場版、公開されましたね~もちろん観に行きました!
全体的に面白かったのですが、どうしても心に残ることが。。。
ルルーシュがいた(笑)
それから数日……。
ちょうどミネルバがスエズ攻略へと加わっていた頃、シリウェルはプラントの最高評議会に来ていた。現在、最高評議会議長であるウルスレイは不在だ。いまだ地球にて、ユニウスセブン落下の支援の指揮を執っている。
「――ということです。ですが、議長よりこの件についてはくれぐれも慎重に行動をし、まずは支援要請を十二分に行うことを優先せよと」
「それでは大西洋連邦の思うがままではありませんか⁉ すでにあちらは宣戦布告をしてきているのです。このまま様子見ばかりで防戦一方では戦場にいる兵士たちの士気にも関わります」
最高評議会での議題は、既に行われた大西洋連邦からの宣戦布告に対する対応についてだった。この件でウルスレイの考えは一貫している。こちら側から攻撃をしかけないこと。戦場に割く人員よりもユニウスセブン落下による被害を受けた地へ支援と救助を優先すると。シリウェルも異論はない。どれだけ挑発されようとも、反応する必要はないとも思っている。この件について
「はぁ……」
現時点で戦場に割く人員は最小限。その中にはミネルバも含まれている。最新鋭艦でありボギーワンの件もあって彼らが追うのがふさわしいと思ったからだが、あまり楽観視していられる状況でないだけにシリウェルも胸の中ではいい気分ではなかった。
「ファンヴァルト閣下はどうお考えですか?」
「……議長の意見におおむね同意する。結果的に地球へ大打撃を与えてしまったことが事実である以上、それを避ければプラントは非難を受けるだけだ。ただ、大西洋連邦に屈するつもりはない」
シリウェルがそういえば、議員たちは安堵したように肩の力を抜いた。思わず眉を寄せる。つい先ほどまで反対意見を述べていた議員も、シリウェルがそういうのならばと意見を簡単に翻した。これでは会議の意味がない。ただ一つだけわかったことがある。この場にいる彼らは何も知らないのだということだ。何か事を考えているという雰囲気ではなく、ただウルスレイの言葉とシリウェルの言葉を合わせて、自分たちが望む答えを得たいだけなのだろう。策略を考えるような真似ができるとは思えない。やはり一番怪しいのはウルスレイ。彼女しかいない。
議会が終わった後、シリウェルは国防本部へ戻った。そこには新しいザフト軍服に身を包んだアスランの姿がある。赤服を着たアスランの襟元には、フェイスの徽章。国防軍直属であり、指揮権さえも持つ証だ。
「ファンヴァルト隊長」
「例のものとは連絡が取れたか?」
「いえ、伝手はあるのでそこへ隊長の考えをお伝えはしましたが、その返答はまだきていません」
「そうか」
例のもの、それはアークエンジェルを指す。ラクスを手元に置きたいというのはシリウェルの要望だ。下手に知らない場所で襲われるなどということはさせたくない。シリウェルにとってラクスは、ある意味でアーシェよりも近い家族のようなものなのだ。自分の手の届かない場所で、身内を失うのはもうたくさんだった。それも自軍に狙われているというのだからたまったものではない。
(……地球へ降りるのが一番かもしれないな。だが今の状況でプラントを離れるのは無理だ……)
近いうちにウルスレイがプラントへ戻ってくる。少なくとも、シリウェルとウルスレイの両方が欠けている状態は好ましくない。たとえ、ウルスレイが策略を巡らせていたとしてもだ。この状況をどうするか。シリウェルはアスランとミーアを交互に見た。
「アスラン」
「はっ」
「ミーアをつけるから、カーリアンスで地球へ行ってもらえるか?」
「……それは」
「言いたいことはわかるだろ? レンブラントにはお前から説明しておけ」
誰が聞いているかわからない状況で下手なことは言えない。国防本部はウルスレイの手には落ちていないとは思う。否、そうじゃない。ウルスレイはシリウェルを信望していることは周知の事実。そのウルスレイに言われ、シリウェルのためだと言われれば、動く人間がいないと否定しきれない。それが本当にシリウェルのためになるかなど考えることなく、ウルスレイがそういったからというだけで行動する。議長という立場は、それだけの力を持つのだ。
「任務内容はどう……」
「ミネルバに、あるMSを届けてほしい。お前の機体の隣にあったアレだ。技術部の方でもロールアウトしてよいと許可も出ている。今、最も前線に近いのはミネルバだからな。機体引き渡し後、プラントへ戻ってこい」
「はっ」
「ミーアはアスランの補佐だ。俺は行けないからな」
「お任せください!」
都合の良いことに、シリウェルの傍にはアスランがいる。前回の戦争経験者という点だけでなく、エースパイロットだったということも踏めて、かなり良い人材だ。シリウェルがいなくともレンブラントとアスランがいれば、艦は問題ない。
「ファンヴァルト隊長の方は……」
「大丈夫だ」
アスランは何か言いたそうにしているが、それを言葉にすることはできない。それはそうだろう。ここにいて、その身は安全なのかといえるはずもない。アスランが懸念することをシリウェルも理解している。彼はシリウェルを守るためにここに来たというのだからなおさらだ。それでも、これはラクスをこちらへ呼び寄せる好機。これを逃せば、状況がどう変わるかわからないのだから。
「戦闘に介入する必要はない。慎重に、ということだからな」
「遭遇したとしても防衛のみということですか?」
「あぁ。あくまで輸送目的ということを忘れるな」
「はっ」
慣れた手付きで敬礼をするアスランに苦笑しつつ、シリウェルも礼を返した。
詳細を伝えたわけではないが、アスランもレンブラントも意図をくみ取ってくれるだろう。プラントの方はシリウェルがどうにかするしかない。どこまでできるか。そしてウルスレイの息がかかった人間がどれだけいるのか。それを探るのは難しいことだと理解している。
「……あいつは俺に一体何をさせたいんだ……」
一番の謎。ウルスレイが策略を巡らせているとして、シリウェルに望んでいることが何か。今のシリウェルには見当もつかなかった。