俺はまた『ソレ』を掴み取り『ソレ』を余所へ放った……そしてまた新しい『ソレ』を手にし、再び放って……またそれを繰り返した。
「違う、違う、違う、これも違う───」
既に時間の感覚失われ身体が重い。
さながら俺は無間(無限)地獄に罰として墜とされた罪人であろうか……しかし手を動かなければならない。
動かなければ本物の罰が下るかもしれないのだから────
突然だが、俺こと勇崎 マサヒロは転生者である。
何をとち狂ったことを言っているのか思われるかもしれないがこれはガチなヤツである。
前世の自分が平凡でそこそこ幸福な人間だったとかどのような最後をむかえたのは朧気にしか思い出せないが、多分転生トラックさんの轢き逃げアタックが死因ではないかと推測した……その割にチートくれる神様に会っていない気がする。会っていれば今よりも俺の人生イージーモードなのになー……神様は俺のこと嫌いらしい(泣)
少々話が脱線してしまったが自我が芽生え始めた幼児の頃であっただろう……何かピコーンっときた時、知識が頭の中に入ってきた。
そして気付いたのだ、此処は前世の自分が生きた世界ではなく『牙狼の世界』なのだと。
「んー、これも違う、くそ、これもはずれか───」
───牙狼 GARO───
2000年代の初頭頃に深夜枠で放送された現代を舞台にしたダークファンタジー系特撮ドラマである。
その頃に日曜の朝に放送されている戦隊モノや一部を除く平成仮面ライダーシリーズとは違いかなり大人向けに創られた作品であった。
単純に残酷な内容だったり女性のアクターさんがビーチクを隠さない仕様の敵キャラであったりとアダルト寄りの路線を走っていたのである(おっぱいはもっと大きい方が好みです!)
放送当時の前世の俺はまだガキであったからか深夜に放送された牙狼の内容(一話)に魅力を感じずスルーした。
しかし数年後に俺は牙狼に再会した……そう、パチンコ屋で!!
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俺はまた『ソレ』を一つ掴み、すぐに後ろに積み上げられたダンボール箱に無造作に放り捨てた───ダンボール箱は幾つも重なり積み上げられそれらで摩天楼の如くダンボールタワー群が出来てしまいそうだ。それら全てのダンボール箱の中は無数の『キン消し』が詰まっていた。
そして未だに床に転がっている『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』───そう、此処は『キン消しの世界』……っと錯覚できるほどにキン消しがこの空間に散乱しているのだ。
此処は俺の職場である『湾岸博物館』の地下駐車場の更に奥にある保管場所の一室だ。
───あと『キン消し』とは漫画家 ゆでたまご先生の代表作漫画『キン肉マン』のグッズ一群である、詳しくはググってくれ・・・。
ここまで早数時間、俺は無心で陰我が宿るキン消しを
「あのロリババア上司め……面倒くさい仕事は全部押し付けやがって!」
脳裏に浮かぶのは二次元から出て来たような年齢不詳の見た目十代半ばの上司である彼女のサドっ気のある笑みを作る顔が想像できる。
ただいま俺のストレスはマッハで衝動に任せて魔導火ムカチャカファイヤーして『キン消し』を焼き払いたいがそれは出来ない……この『キン消し』は俺の貴重な
普段は寡黙な良い子ちゃんで通っている俺でも愚痴をこぼしたくなる……このままだとキン消しで溺死か圧殺しってしまうと思う。
何もかも嫌になってしまった俺はキン消しの山をベットにして大の字に寝転んだ。
「あー最後に休憩したのは昼の食休みの時だったしこれ以上は頭禿げそうだから休憩だ!休憩!あとサルパ・・・お前の方でまだ邪気とか陰我は探知できないか?」
俺は左腕に巻かれた時計型魔道具で相棒のサルパに聞いてみた。
「・・・すまないな、マサヒロ。 この『キン消し』の中に間違いなく邪気を帯びたモノを感じ取れるがぼんやりとした気配しか分からない───」
そう、本来であれば魔導具など使用すればあっさりと見つけられる陰我付きのオブジェが見つけられないので弱っているのである。
「くそ忌々しい……期限なんて有って無いようなもんだし軽く仮眠する、はい! 決定! サルパ君、ちょうど良い時間で起こしてくれ!」
「あ、おいマサヒ「Zzzzz」って早!!」
こうして俺は職務放棄に等しい眠りの世界へと旅立った────そして室内の僅かな『気配』は動き始めた。
十数分後か数時間か経過したとき『ソイツ』はキン消しの海から這い上がるように立ち上がった。
『ソイツ』はこの魔界騎士が油断するのを待っていたのだ……何せ魔戒騎士は自分達ホラーの天敵であり、直接的な戦闘で勝つのは難しい────なら奇襲で痛手を負わせれば良いとと判断し、ほぼ無音で跳躍して全体重を乗せて横たわる魔界騎士の頭を踏み潰さんとした────がそれに合わせるように魔戒騎士は身体を跳ね上げて起き上がった。
「これでも魔戒騎士だし
俺はさっさとコトを終わらせるため魔戒剣を抜刀し、構えて相手のホラーの姿を見定めたが思わず息を呑んだ───
「イチバーン!!」
俺の頭を踏み潰そうとした『ソイツ』は右手を天に突き上げ人差し指をピンと立て騎士など恐くないっと自己主張するのは素体ホラーではなく───
「────ネプチューンマン・・・だと!?」
漫画『キン肉マン』の作中屈指実力者にして
ってな具合でかなりおふざけが入ってしまいますがまた読んでね!