ノーゲームノーライフ ゲーマー兄妹と姉妹は魔法少女の世界に迷い込むそうです 作:スタンチッカ
それでは、前書きはこれぐらいにして、どうぞ!
【都市伝説】
ー【都市伝説】。世に囁かれる星の数にも届くそれらは、一種の願望である。
例えばそれは、かの有名な口裂け女
例えばそれは、かの有名な人面犬
例えばそれはー…と、例をあげるときりが無い。
これらの都市伝説を見てみると、明確な規則性が見えてくる。
即ち…『そうだったら面白いのに』という『願望』によって構成される。
火のないところに煙は立たぬという。
身も蓋なく言えば、デタラメが大半を占めるという事だ。
ーさて。
そんな天上を照らすほどの、数多の『都市伝説』の中に。
『事実だが都市伝説とされている』ものが含まれているのは、あまり知られていない。
ー誤解無きよう、前記した都市伝説が真実であると言うつもりも無い。
発生した原理が異なる都市伝説が存在する、という事だ。
ー例えばそれは、あまりに非現実すぎる『噂』が、都市伝説と化した事例だ。
そんな、【噂】がここに一つ。
インターネット上でまことしやかに囁かれる
曰くー二八〇を超えるゲームのオンラインランキングで、不倒の記録を打ち立て。
世界ランキングの頂点を総ナメしているプレイヤー名が"空欄"のゲーマーがいる、と。
「そんなはずは無い」とお思いだろうか。
まさしくそう、誰もが思った。
だが…恐ろしいのはそれに続いて、いつも"空欄"のゲーマーの二番手に着くモノが居た。
プレイヤー名は
僅かの差で"空欄"のゲーマーには敵わないのだ。
この二つのプレイヤーは実在していないプレイヤーなのでは無いかという仮説がたった。
だが、奇妙な事に、この二つプレイヤーと対戦したという者は跡を絶たない。
曰く…チートコードを使っても勝てない。
曰く…常軌を逸したプレイスタイルで、手を読む事が出来ない。
曰く…曰くー。
そんな【噂】に興味を持ったものは更に探りを入れる。
二つのプレイヤーのアカウント名を調べると、
「 」にはただ一つの黒星も付いてない対戦成績
幽霊を見てみると常に「 」に負けていて、それ以外には一つの黒星も付いてない対戦成績。
どちらのプレイヤーも、素顔を知る者は居ない。
ただー辛うじて、日本人だという事しか分からない。
ーなので
ー紹介しよう。
コレが、紛れもなく。
ニ八〇を超えるゲームで世界ランキングの頂点を取り続け。
ニ八〇を超えるゲームで世界ランキングのニ番手を取り続け。
『都市伝説』と呼ばれるゲーマー
「 」と幽霊の素顔であるーっ!
♢♢♢
「……ぁー…死ぬ死ぬ…あ、死んだ…ちょっとぉ…早くリザってぇ〜」
「……ズルズル……足でマウス…二つ、は、無理あった…」
「いいから早く、リザリザぁーつかズルいぞ妹よっ!こっちはもう三日も何も食べて無いのになに一人で優雅にカップ麺なんて食ってんの、しかも戦闘中に!」
「……にぃも、食べる……?カロリーメイトとか…」
「カロリーメイトなんてブルジョアな飯、誰が食うか。つか、早くリザれって!」
「……ズズッ……ん、はい」
シュヴァァァァ…キュルリンっ!
「お。あいよーさんきゅ〜……つか、今何時?」
「……えと…まだ、夜中の八時…」
「朝八時を夜中とは、 斬新な表現だな妹よ、で、何日の?」
「……さぁ…一、ニー四つめの、カップ麺…だから、四日、目?」
「いやいや妹よ、徹夜した日数じゃなくてだな。何月の何日よ」
「……ニートの…にぃに、関係…ある、の?」
「あるだろっ!ネトゲのイベントの開催日とかランク大会とか!」
ーとネットゲームに興じる一組の男女。
部屋の中で視線も合わさずゲームする二人。
部屋はー、十六畳ほどの部屋だろうか。なかなかに広い。
だが、無数のゲーム機と、一人四台ー計八台のパソコンに接続された配線は複雑に絡み合っている。
それに、カップ麺やペットボトルが散乱したそこに本来の広さは感じられない。
ゲーマーらしく反応速度を優先させたLEDディスプレイが放つ淡い光と。
とっくに登った太陽が遮光カーテンから落とす光だけがぼんやり照らす部屋で。
二人は言う。
「……にぃ、就職…しないの?」
「ーおまえこそ今日も学校、いかねぇの?」
「………」
「………」
以後、二人の間に会話が交わされる事はない。
兄ー空。十八歳・無職・童貞・非モテ・コミュんケーション障害・ゲーム廃人。
典型的引きこもりを思わせるジーパンTシャツ、そしてボサボサの黒い髪の青年。
妹ー白。十一歳・不登校・友達無し・いじめられっ子・対人恐怖症・ゲーム廃人。
血のつながりを疑うように兄とは対照的に真っ白い、だが手入れされていない様子の長い髪が顔を隠し、転校した以来、家の外で着たことは無い、小学校のセーラー服の少女。
それが
次回もお楽しみに!