ノーゲームノーライフ ゲーマー兄妹と姉妹は魔法少女の世界に迷い込むそうです   作:スタンチッカ

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通信制限の壁は高い


魔法少女としてのルール

幽霊(ゆうれい)side

舌打ちをしたリップルを見て、トップスピードは急いで声をかけた。

 

「ん?どした?」

「魔法が一つしか無い……」

 

そう言われ、トップスピードは心の中で大笑いをした。

自分自身も魔法が一つしか無い事には驚いたものだ。

 

「魔法少女に与えられる魔法の力は一つだけなんだとさ。ゲームん中じゃいろんな魔法を使って便利だったけど世知辛いよなぁ」

 

トップスピードからの説明は、それ以外にも

リップルを憂鬱(ゆううつ)にさせるものばかりだった。

魔法少女には守らなければならない「魔法少女のルール」がある。

それは、

 

「一般人に正体を知られてはならない」

 

「魔法少女のルールや力を一般人に話してはならない」

 

という二つの決まり事で、

それを犯せば魔法少女としての資格を剥奪される。

 

週に一度チャットがある。

強制参加では無いが。重要な連絡があるかもしれないから、なるべく参加した方がいい。

 

一部の魔法少女は縄張り意識が強い。

カラミティ・メアリの城南地区、ルーラの西門前町。

この二つの地区には近寄らない方がいい。

 

カラミティ・メアリは好戦的で、ルーラは口うるさく、

どっちに絡まれても面倒な事になる。

 

シスターナナがうっかりカラミティ・メアリの縄張りに入って

撃ち殺されそうになった。

 

ピーキーエンジェルズを撮影した動画が投稿された時はちょっとした大騒ぎになった。

 

このような体験談を交えて楽しそうに話すトップスピードは、

リップルをげっそりさせた。

ようやく諸注意を終えたトップスピードが、

箒に跨り夜空に消えると、リップルは舌打ちをした。

 

「あのさ……」

「どうしたぽん?」

「ああいう説明役は誰が決めてるの……?」

「親切な先輩魔法少女が自主的にやってくれるぽん。トップスピードの説明は普通より三倍くらい時間がかかるけど、それだけ丁寧にやってくれるぽん」

 

自分の受けた注意と説明が、押し付けがましい親切によるものだったと知り、

さらに必要以上に長かった事も教えられ、

リップルはここ数年で大きな舌打ちをした。

 

トップスピードは「馬鹿っぽい先輩」から「先輩ぶった馬鹿」に

位置づけが変更された。

 

しかしそれ以降もトップスピードは何かと理由をつけては

リップルの所へやってくる。

しかも、この間は不思議な魔法少女に会ったと楽しげに話していた。

 

舌打ちをくれようと、もう来なくていいと直接告げようと

「ツンデレだね」で片付けられた。

何を言っても言葉が通じないと判断し、

ほとんど相手にしないようになったが、それでも

話したいだけ話してから帰っていく。

 

先日などはタッパーに詰められた里芋の煮物を持ってきた。

さも嫌そうに齧ってみると美味だった。

 

♢♢♢

 

トップスピードはリップルにあれこれ説明した帰り、

次の魔法少女に説明する為、箒を走らせていた。

 

Kデパートの屋上。

そこに不気味な出で立ちの魔法少女二人は突っ立っていた。

 

「やぁ!待たせちまってすまねぇな!」

 

トップスピードはにこやかに話しかけた。

 

「いや。そんなに待ってはいないよ。」

「わざわざ私らの為に説明ありがとーっス」

 

結構不気味な服装の二人だが、

話してみると陽気で気さくな方だった事にトップスピードは驚いた。

 

トップスピードはこほんと咳払いをすると、自己紹介から始めた。

 

「俺はトップスピード。よろしく!」

 

トップスピードがそう言うとガスマスクを付けた少女が

丁寧にお辞儀をして、

 

「私は、シャドウ。よろしく頼む」

 

ジャケットが特徴的な少女もにこりと笑い

 

「ゴーストっス。まぁ、よろしくっスよ」

 

トップスピードは満足げに頷きながら

リップルにした様に一から説明を始めた。

 

「トップスピード。魔法は一人一つなんスか?」

 

トップスピードは苦笑をして、

 

「あぁ、そうなんだよ、世知辛いよなぁ」

 

と答えた。

 

ゴーストはそうなんっスねと頷きお礼を述べた。

 

♢♢♢(一時間前)

 

「なぁ、ゴースト」

「何っスか?」

 

シャドウ…もとい、悠はマジカルフォンを見ながら

目を丸くして言葉を紡いだ。

 

「私の魔法…。相手の魔法をコピー出来るよ。なんだが…」

 

ゴースト…もとい、玲は目を丸くした。

 

 

 

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