ノーゲームノーライフ ゲーマー兄妹と姉妹は魔法少女の世界に迷い込むそうです   作:スタンチッカ

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心優しきスノーホワイトと騎士

夏場は観光客でごった返す倶辺々浜(くべがはま)

秋になれば閑散とし、さらには日が暮れた後は

人通りがほとんど無い。

そんな人気の無い倶辺々浜海水浴場を一望に見渡せる

丘の上の一際大きい鉄塔、その上に二人の魔法少女が並んで腰かけていた。

 

一人は学生服をモチーフとした白い魔法少女で

もう一人は中世の騎士に見えるが長い尻尾が生えていた。

二人は、顔を寄せ合って魔法の端末にいる

マスコットキャラクター「ファヴ」と会話している。

 

魔法少女は、ビル、鉄塔といった建造物のてっぺんを好む。

背が高く、人気の無い建物は、ただでさえ目立つ魔法少女にとって

格好の休憩場所になるからだ。

 

空を飛ぶ魔法少女はごく僅かだが、空を飛べない魔法少女であっても、

地面を走るのと同じようにビルの側面を駆け上がる事の出来るぐらいの

身体能力がある。

 

「次のチャットはぜーったいに来てもらわないと困るぽん」

「どうして?」

「重大発表があるぽん」

「新しい子が来るって聞いたけど、その事?」

「それに伴って大きなイベントがあるぽん」

「どんなイベントなの?」

「それは当日のお楽しみぽん」

「ふうん」

 

スノーホワイトは魔法の端末の電源をオフにし、

鉄塔に対し直角に腰かけていた姿勢を斜め四十五度にずらした。

ラ・ピュセルの膝に自分の膝を当て、

会話がしやすいような体制を作り、

 

「ねえねえ、そうちゃんそうちゃん。今の話聞いた?」

 

話しかけた。

 

「聞いた」

 

頓狂な調子で喋るスノーホワイトに対し、

ラ・ピュセルは何処か物憂げな様子で応じた。

 

「どう思う?」

「最近チャットの参加者が少ないから。ファヴとしてもチャットの参加者を増やしたくてあんなことを言ってるんじゃないか?」

「少ないの?」

「少ないよ。昨日だって九人しか居なかったろ?君と私とねむりん、クラムベリー、トップスビード、シスターナナ、ウィンタープリズン、シャドウとゴースト」

「最近じゃ多い方じゃない」

「それが少ないと言うんだ。全員集合なんて今までにあったか?」

 

そう言ってラ・ピュセルは口を尖らせた。

 

 

 

 

 

♢♢♢

 

「ねぇ、ゴースト。」

「はいはい。なんっスか?」

 

シャドウは魔法の端末を見ながらゴーストに話しかけた。

 

「この、チャット?参加してみる価値はあるんじゃないか?」

「……確かに。情報収集は大事っスもんね。」

「そうだろ?パジャマのアバターの参加率が多いな」

「うお、みんな可愛いっスね。」

 

ゴーストとシャドウは自身の服装が浮かないかどうかを心配し

チャットルームに入った。

だが、それが杞憂だったとすぐに知ることになった。

 

自身のアバターより派手な服装の魔法少女が多かった。

教育係だったトップスビードは面白おかしく体験談を語り、

それに合わせてパジャマのアバターの子が相槌を打つ。

 

それは、姉妹が知らなかった

人間…魔法少女達の温かい交流の場であった。

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