ノーゲームノーライフ ゲーマー兄妹と姉妹は魔法少女の世界に迷い込むそうです 作:スタンチッカ
「「……………」」
長い沈黙の後。
「「はぁぁぁあああ………」」
大きく息を吐く二人。
それは呼吸さえ忘れるほどの勝負だった。
長い長い息を吐いた後、二人は笑い出す。
「すごい……こんな苦戦…ひさし、ぶり」
「はは、俺はお前が苦戦するのすら、初めてだぞ?」
「……すごい…にぃ、相手…ほんとに、人間…?」
「ああ、間違いない。」
兄は自信満々に答える。
「……どんな、人だろ」
「案外、グランドマスターかもよ?プログラムは正確だが人間は複雑だ」
「……そ、か…じゃあ…今度、将棋でも…竜王と、対戦したい…」
「竜王がネット将棋にノってくれるかなぁ。まぁ、考えてみようか!」
と、勝負後のエンドルフィンがもたらす幸福感に
にやけた顔で語る二人に、再び。
ーテロンッ
というメールの着信音が鳴る。
「今の対戦相手じゃねぇか?ほら、開けてみろよ。」
「……うん、うん」
とーしかし届いたメールには。
こう、書かれていた。
【おみごと。それほどまでの実力。さぞ世界が生きにくくないかい?】
そのたった一文で。
二人の心境はー氷点下まで下がった。
ー苦々しい思い出が二人の脳内を疾る。
生まれつき出来が悪く、その為、人の言葉、真意を読む事に長けすぎた兄。
生まれつき高すぎる知能と、真っ白い髪と赤い瞳故に理解者の居なかった妹。
ー両親にさえ見放されたまま他界され、ついには心を閉ざした兄妹。
『大きなお世話様どうも。なにもんだ、テメェ』
ほぼ即座に返信がくる。
ーいや、それは返信だったのか。
【君達は、この世界をどう思う?楽しいかい?】
その文面に顔を見合わせる兄妹。
答えは決まっている。
「クソゲー」 だと。
…ルールも目的も不明瞭な、くだらないゲーム。
七十億ものプレイヤーが、好き勝手に手番を動かし。
勝ちすぎてもペナルティをうけ、
ー頭が良すぎる故に、理解されずに孤立していじめられる妹。
負けすぎてもペナルティをうけ、
ー赤点が続いて、教師に、親に怒鳴られても笑顔を保つ兄。
パスする権利もなく、
目的もルールも不明。
だったらコレは、間違いなく「クソゲー」だろう。
【もし、単純なゲームだけで全てが決まる世界があったらー」
兄妹は顔を見合わせて笑う。
『あぁ。だったら、俺たちは…生まれる世界を間違えたわけだ。」
と、返信するー
刹那
パソコン画面に亀裂が走る。
「僕もそう思う。君達はまさしく生まれる世界を間違えた」
と、今度は音声が返ってくる
「……なっ!?」
「ひっ………!」
そうして、パソコンの画面から手が伸びてきて
兄妹を画面の中に引きずり込む。
「ならば、僕が生まれなおさせてあげよう!君達が生まれるべきだった世界に…!って…あれ……」
「うおぉおおおおお……?」
「…きゃぁー………?」
見渡すとそこはマンションの屋上だった。
「間違えた……」
「「もう、なにこのクソゲー」」
突然の来訪によって持たされた世界は
ここ、"魔法少女育成計画"の舞台だった。
後日談〜
空「いやぁ、マジで、ディス…の方が生きやすかったですわぁ」
白「……酷いと…思、う…」
空「あんな、カッコつけといて…」
白「…恥ずかしい…ね…」