夕方。
学校の下校時刻はとっくにすぎた時刻は7時手前の6時50分、もっとも今日は休日なのだが。
夕焼けに染まるオレンジ一色の空の下アルビノを彷彿させる白髪に赤い目と変わった見た目男か女か見分けのつかない少年、
「帰るか」
白髪の少年、鈴夜はけだるげにそう呟くと家路に向かって歩き出す。
しばらくして公園の近くに着いた鈴夜は缶コーヒー一本ベンチに座りながら飲んでから帰ろうと考え公園内に入った。しかし何かようすがおかしい。
「人の気配が感じねェ?」
ここ一帯から全く人の声も歩く音もしない。その上公園の近くの道路には一台も車が通っていない。
「なにがどォなってンだ?ここに来るまで結構な数の車通りがあったはずだ。なのにも関わらず車一台も通らねェなンてことありえねェだろ?」
鈴夜はそうなにかおかしいと思いつつ公園内を見回しながらベンチに座った。その時自分以外だれもいない公園に二人の男女が入ってくる。
「兵藤…?なんであいつが」
男改め兵藤が入ってくるとそう呟くすると次は女性が入ってきた。
男女は公園内にはいると既にいた鈴夜に気付かずいいムードになっていく。鈴夜はあほくさと二人の男女に吐き捨てるように呟くと先ほど買ったばかりの缶コーヒーをコンビニのビニール袋から取り出しさっさと公園から出たいのかごくごくと飲み始めそうしてコーヒーを飲み終えた時だった。
男にくっついていた女が男から離れ噴水へ。
瞬間、女のある一言が空気を変えた。
「死んでくれないかな?」
鈴夜は何言ってんだあの女と思いつつ公園を取り巻く空気全体が変わったことに気付き自分の存在にいまだ気づかない女を警戒する。
当然男は聞き間違えただとか言いながらどこか焦ったようにもう一度言ってくれないと女に問うが女の発言は変わらない。
そして鈴夜が警戒を強めた瞬間女の服が破け露出の多い黒い服装へと変わる。それだけじゃなく女の背には黒い翼のようなものが生えていた。
男はしりもちをつくと冷や汗を流し怯えたように後ずさる。
対し鈴夜はメルヘンな世界にでもぶち込まれたような気分に陥り重くなる額を右手で抑える。
それでも現状をなんとなくで理解していたためベンチから立ち上がると
「随分とメルヘンなこったァ…」
そう呟き一瞬で男女の間に移動した。
男、改め鈴夜によばれた男兵藤はさらに混乱する。
「な、なんなんだよもうって鈴科!?なんでここに!?」
鈴夜は騒がしいと感じたのか「うるせェ黙っとけ殺すぞ」と威圧し兵土を黙らせた。
「なぁに?あなた?邪魔なんだけど、その子を助けるとかいうんなら…殺すわよ?」
いつの間にか翼で空を飛ぶ女、堕天使レイナーレは片手に槍を出現させると鈴夜に向けた。しかし鈴夜はそれがどうしたといわんばかりに余裕そうにけだるげに振る舞う。
「メンドクセェ。そいつはァこっちのセリフだ三下ァ。テメェが消えろ」
するとレイナーレは鈴夜の発言に青筋浮かべ
「ただの人間風情がなめた口きくじゃない。そんなに殺してほしいなら殺してあげるわッ!!」
槍を投げた。
「ただの人間風情だァ?面白いこと言うなオマエ…」
槍は言葉が終わるとともに鈴夜に刺さる…ことはなく
「なにッ!?うぐ!?」
槍はレイナーレに向かって飛び腹に刺さっていた。
「触れたもののベクトルを自由自在に操るこの俺様をただの人間風情だァ?冗談もほどほどにしとけメルヘン野郎ォ」
レイナーレは槍の突き刺さった痛みにより地に落ちる。
鈴夜はその落ちたレイナーレに向かって歩いてい行く。
レイナーレは彼に指をさし後じさりながら問う。
「貴様は何者だ!?」
「そォだなァ…」
鈴夜は本命しゃべるのは馬鹿だと思いふと頭に浮かんだ単語を仮の名前にした。
「アクセラレータだ、よろしくゥ…」
瞬間バコンと鈍い音が鳴り響いた。
「はァ…帰るか」
そう言ってレイナーレの頭を地面に叩きつけたてを離すと鈴夜は公園の出口へ。
しかしそうは問屋が下さないといわんばかりに兵藤が「まてまてまて!!」と追いかけてくる。うるせェなァと愚痴りながらも鈴夜は足を止め兵藤の方へ顔を向ける。
「ンだよかったりィなァ」
「いいじゃんか!友達だろ?」
「誰が友達だ。なんだよ?言っとくがあの女のことなら知らねェぞ」
「え?知らないのか?」
鈴夜ははぁとため息を吐くとポリポリと頭をかきながら「当たり前だろォが。誰があんなメルヘン野郎と知り合いになンだよクソが。とりあえず明日にしろ、俺はねみィンだ…」といった時だった。赤い魔法陣のようなものが地に浮かび上がった。兵藤は「今度はなんだ!?」と慌て鈴夜は「…殺す」とだるそうにそんな物騒なことを言っている。
やがて魔法陣からは一人の少女は現れた。
「リアス…グレモリー?クッハハハハ、駒王学園の第何チャラお嬢様の一人が魔法少女だってかァ?笑える冗談だなァ、冗談のコンテストでもありゃあ優勝確定だァ。笑える冗談なもんだからさっきまであった眠気なんてふっとんじまったよ」
魔法陣から出てきた少女は鈴夜の言葉を無視して問う。
「堕天使の反応を察知してここにワープしたのだけれど…あなたで間違いないわね。鈴科鈴夜君?」
それを聞いた鈴夜なるほどねェと呟くといいことでも思いついたような笑みを浮かべた。
「そォだっていったらどォすんだァ?魔法少女さんよォ?」
言い終わるとともに赤い何かがリアスの手から放たれ鈴夜の顔のちょうど横を通り過ぎそのまま壁を爆破した。
「ならこの町から出ていくことね。さもなくば今ここであなたを殺さなくてはいけないわ」
「面白れェ…殺ってみろよ」と鈴夜は言いながらリアスに挑発するように手の甲を向け指をくいくいと動かす。
瞬間再び赤い何かがリアスが手から放たれ今度は確実に鈴夜の頭に向かっていた。しかしその赤い何かは鈴夜に当たると反射されたかのようにその放ったリアスに向かって飛んでいく。リアスは間一髪反射された自分の攻撃、滅びの魔力をを交わす。
「はァ…興ざめだな。芸がねェつうかつまンねぇつうかァ」
鈴夜はまるでおもちゃに飽きた子供のように自分の攻撃を避けるリアスにそう言った。リアスはそんなことどうでもいいのか「いま、なにをしたの…?」と驚愕の表情を浮かべた。
「なにも驚くこたァねェだろ?あンたが手から放った魔法のベクトルをそっくりそのままそっちに向けただけの話だろォ?」
「ベク…トル…?」
「疑問なら勝手に自分で説いてろ、俺は帰る。あと堕天使とやらのメルヘン野郎ォならもうとっくに逃げた。あとは兵藤に任せる。じゃあな」
「え?あ、あぁ…」
そうして鈴夜は去っていった。