アクセラレータのハイスクールD×D   作:神の死者

2 / 5
第2話

早朝。

 

小鳥のさえずりと窓から差し込む光によって鈴科鈴夜は目を覚ました。

 

今日は休日ではなく休み明けの月曜日、よって学生である鈴夜はこれから学校に行かなければならない。

 

鈴夜はだりィと愚痴りながらも嫌々ベットから出ると充電器からスマホを取り転がっている制服に手を伸ばす。

 

黒い半そでのTシャツにジーパンという普段着から制服に着替えた鈴夜は足元のスクールバックを手に重い足取りで冷蔵庫の元へ。

 

それで冷蔵庫から昨日買った缶コーヒーを取り出すとふうを開け一気に飲み干しそのま

ま玄関へ行くと学校へ向かった。

 

 

 

 

 

家を出て4、5分たち普通に鈴夜が登校していた時だった。周りに誰もいないのを見計らったリアス・グレモリーが鈴夜に宿る神器がどのようなものなのか確かめるため鈴夜に向かって滅びの魔力を放つ。当然その滅びの魔力は昨日と同じようリアスに向かって跳ね返っていく。リアスは軽く避けると滅びの魔力はそのまま電柱に当たりそれを消し飛ばした。

 

鈴夜は機嫌の悪そうにどこか殺気じみた視線をリアスに向ける。

 

「なんのよォだ?」

 

リアスは心地いい足音を立てながら自身の髪をサッとかきあげ鈴夜のところまで歩いていく。

 

「ただのあいさつよ。気に入らなかったかしら?」

 

鈴夜はめんどくさそうにため息を吐き出すと

 

「随分と物騒なあいさつだなァ、わりィが朝は機嫌が悪りィンだよなァ…忠告だァ、次赤いのを打てば殺す」

 

瞬間並の人間からじゃ信じられないような殺気を鈴夜は発した。そう、本当に殺すぞと言わんばかりに。だが彼女もただの『人間ではない』のでものともしなかった。

 

「…私はただあなたと話がしたいだけよ。そう警戒しなくたっていいじゃない?」

 

「電柱一本消し飛ばす魔法ぶっぱなしといて何言ってやがンだテメェは。オレはもう行く、話でもなンでもしたけりゃ空いてるときに勝手に話し掛けやがれ」

 

これ以上つきまとわれたら面倒だと思った鈴夜は諦めたようにリアスにそう吐き捨てるように言うと歩みを再開した。

 

「鈴科鈴夜、ねぇ…」

 

リアスは鈴夜の背を見ながら一人二ヤリと何か企むような意味深な笑みを浮かべるとそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校についてから授業中、鈴夜は昨日会ったことについて考えていた。

 

フラッシュバックする昨日の光景。

 

黒い露出の多い衣服を身にまとい背から黒い天使のような翼を生やしたメルヘン野郎と手から赤い魔法を放つ謎の魔法少女もどき、リアス・グレモリー。

 

ったくなンだってンだと鈴夜は片手で頬に杖つきながら窓から見える白い雲を見つめながら呟く。

 

無理な話である。いくら触れたもののベクトルを自由に操れるとしてもただの人間、堕天使や『悪魔』の存在なんて知るわけもないのだから。

 

それでそんなことを考えていく中いつの間にか3時限あった授業はあっという間に終わりお昼どき、鈴夜は屋上で一人、登校中に買った焼きそばパンを食らっていた。

 

と口の中の焼きそばパンを飲み込んだと同時に屋上のドアが開いた。

 

「兵藤かァ…めずらしいな」

 

そこには鈴夜が言った通りの人物、兵藤一誠が立っていた。兵藤は「まぁな」と返事を返し鈴夜の隣まで来ると腰を下ろし同じく弁当を一口食らう。

 

それで兵藤は口の中に残る弁当の具と米をスポーツ飲料で飲み込むと「鈴夜ってまだ気にしてんのか?7年前のこと」

 

瞬間一瞬だけ苦虫を噛潰したような顔を鈴夜は見せるとどこか目をそらし「別に…今更あンな事件がどォだってンだ」どこか辛そうな声でそう言った。

 

「だってお前学校で俺以外の奴とあんま関わり持ってないだろ?」

 

「関係ねェだろォが殺すぞテメェ」

 

「んな物騒なぁ~ってお前が言うと冗談に聞こえないからやめてくれ!!」

 

兵藤のそんなやめてくれを聞きつつ鈴夜は最後の焼きそばパンを食らうとそれを缶コーヒーで腹の中に流し込む。

 

すると鈴夜は思考に身をゆだねた。

 

こんな能力をもっていてもばれなければどうということなく(そもそも反射以外使うことがないため)平和な日常は送れている。もっとも兵藤は自身の能力について知っているがそれでもあくまで彼が自分を強く信頼しているから『化け物』と呼ばないのだ。しかし昨晩に出てきた翼の生えた女はそんな日常を崩すように現れ兵藤を殺そうとした、それにおそらくもう兵藤も自分も昨日女と会った時点でなにかに巻き込まれていくのだろう。鈴夜は直感的にそう思っていた。

 

「ったく、クソッタレがァ…」

 

隣でまじやめろよ!?と発狂する自分の『友達』を見て鈴夜は決意する。もし自分の周りに被害を及ぼすものが現れればオレはそいつを殺す、殺られる(失う)前に殺す。鈴夜は強くそう自身とその平和を失わないため決意し、無駄に昨日のことやグレモリーのことを考えるのをやめたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。

 

鈴夜はいつも通り帰りの支度を終えると席から立ち上がる。

 

とその時だった。

 

外の廊下からキャーキャー女子生徒の叫び声が聞こえてきたのだ。しかし鈴夜は何事かと思いながらも自分には関係ないと思い叫び声から遠いほうの教室の扉を開け廊下に出る。同時に「鈴科鈴夜君と兵藤一誠君はいますか?」という教室に男子生徒の声が響いた。

 

鈴夜はそれを聞いて一瞬止まるも自身の靴が置いてある下駄箱へと黙って歩き出す。

 

だが当然そんなことできるわけなく鈴夜君ならそこだよと男子生徒に伝える。ッチと少しイッラと来た鈴夜は舌打ちをすると既に後ろにいる兵藤と金髪イケメンの男子生徒の方へ振り向く。

 

「…なンの用だ?」

 

「リアス・グレモリーの使いで来たんだ。ついて来てくれるかな?」

 

 

 

 

場所は変わりとある旧校舎のとある部屋。

 

室内には数本のロウソクと大量の絵画が飾られ外からの光はカーテンによって一切遮断されいる。中にいる人間の一人は羊羹を食らい一人はシャワーを浴び一人は制服をシャワーにいる人間に渡している一人はシャワーに入っている人物に興奮している一人は扉の前で茫然としている。

 

「人ォ呼ンどいて自分は旧校舎内でシャワーってかァ?馬鹿にすンのも程があンだろォ…帰る」

 

扉の前で茫然といている人物、鈴科鈴夜はそう言って回れ右すると目の前の扉を開ける。しかしそうは問屋が下さないと金髪イケメン、木場祐人がまぁまぁと言いながら鈴夜の肩を掴もうとするが反射するようにその木場の手は肩に弾かれた。

 

「なんだ今の…」

 

木場がそう呟くと鈴夜はめんどくさそうに頭をポリポリと搔くとシャワーに向かって

 

「ったくよォうめんどくせェなァ話しすンだろォが。さっさと知ろよォ魔法少女もどき」

 

と吐き捨てるように言った。シャワーに入っていた人物、リアス・グレモリーは今出るわとシャワーから上がるとこれで全員そろったわねと言って机に腰掛ける。

 

「私たちオカルト研究部はあなたたち二人を歓迎するわ」

 

「ンなこたァどォでもいい。さっさと要件を話せ」

 

このよくわからない状況にイラついているのか鈴夜はいつもの声のトーンより少し低めでそうリアスに言った。それにお、おいと隣に座っている一誠が言うが鈴夜は無言でシカとする。

とそれを聞いたリアスは

 

「そうね。じゃあ単刀直入に言うわ、私たち…悪魔なの」

 

まるで本物の悪魔のような笑みを浮かべてそう言った。

 

「そ、それはとっても単刀直入で「なンだァ?魔法少女から悪魔にジョブチェンジってかァ?」ちょ鈴夜!」

 

「昨日のあの黒い翼の女は堕天使なの」

 

「随分とメルヘンな世界なこったァな。そンでなンでその堕天使は兵藤の命を狙った?何かしら理由があンだろ?」

 

「そ、そうだ!!夕麻ちゃんはなんで俺の命なんか狙ったんだよ!というかなんで彼女に関する記憶がみんなから消えてるんですか!」

 

「力を使ったのよ。命の危険を感じたからかしらね?」

 

リアスは意味深な視線を一誠に向けると

 

神器(セイクリット・ギア)、それがあなたに宿っているから天野夕麻(堕天使)はあなたの命を狙った。本来ならあの場であなたは殺されていたのだけれど…」

 

こんどは鈴夜にその視線を向けて言った。

 

「あなた、鈴科鈴夜というイレギュラーが現れたせいでその身に危険を感じて引いたのよ。ついでに力を使って自分にまつわる情報を一切消し去ったようだけれど。話を戻しましょうか。神器とは特定の人間に宿る規格外の力。歴史上に残る多くがそれを所有してたというわ。時には悪魔や堕天使の脅威になりえるものもあるの。そうまさに鈴科鈴夜君、あなたの神器がそれね」

 

「なるほどなァ。だがオレのこの能力はそんなメルヘンチックなもんじゃねェよ。」

 

「あら?じゃあなんだっていうのかしら?」

 

「超能力って言葉知ってるかァ?そのセイクリットなんちゃらと同じように特定の脳の構造をした人間だけが使える特殊な力」

 

「超能力ねぇ…なんでそんなことあなたにわかるのかしら?」

 

「実験だァ。15年前、超能力を発現、育成する施設が建てられた。だが育成っつうのは表向きの言葉で、本性は生まれて間もない赤ん坊やあずけられた年端もいかないガキの脳みそいじくって実験し超能力者を作る非人道的な場所で死んだ赤ん坊やガキは数知れずそのガキの親も研究が明るみに出ねェためにそこの人間に全員殺された。オレの両親はそこの研究員だった。オレは生まれて一歳になったころに実験が対象とされ頭ンなかをいじくりまわされ、そして成功した。他にも何人か能力が実験で開花したガキがいたらしいがオレがその中で一番圧倒的な能力だった。そンで10才の頃だったか、クソみてェな実験を繰り返しオレはその能力の使い方や知識を完全に覚えた。オレはこれ以上被害者を増やさないために開発された能力を使って実験施設を潰しそこの人間も全員殺した。それがすべてだ。これがオレの能力がそんな神器とかいうメルヘンなもンじゃねェという証明の全てだ。」

 

鈴夜は平然とその全貌を語った。

 

「オレの能力、ベクトル変換はそンな神だとか光だとかきれいなもンでも神秘的なもンでもねェよ。お前の知りたい情報は一通り教えた。オレは帰る」

 

鈴夜はそう言って立ち上がるとどこか悲しげな背中を見せて部室から出て行った。部室にいたほかの悪魔や人間も誰一人として彼を追おうとはしなかった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。