俺の大号泣大暴露事件から2か月が経過した。
今日の日付は3月9日、時刻は22時。場所はバンカーの司令室。
そんなとこで何してるかって?司令官のお話聞いてる。
「以上が第243次降下作戦の内容だ。なにか質問はあるか?」
「敵戦力の予測が随分曖昧なようですが?」
「エリア一帯にはジャミングが掛けられていて敵の反応が衛星軌道上からでは観測しづらい、よって作戦エリアには既にスキャナータイプが単独での潜入調査を行っている」
「その調査結果は確認できないのですか?」
「先ほど説明した以上のデータは送られて来ていない。ブラックボックス反応が未だ健在であることから、なんらかの不測の事態に陥ったと予想される」
マジか。大丈夫かな9S。
お話というか、正確にはこれから向かう作戦についてのブリーフィング中です。
作戦内容を簡単に言うと、敵陣地に突っ込んで秘密兵器破壊してこいみたいな感じ。
まあつまり、ゲームでの最初の戦闘。チュートリアル。体験版で無茶苦茶遊んだあの場面。アクション苦手だからぎゃーぎゃー言いながら遊んでたなあの頃は。まさか当事者になるなんて思っても無かったからベリーハードで気楽に死んでたし。
それはともかく、ついに始まる。NieR:Automataが。
俺がずっと恐れてた、終わりの始まりが。
「なるほど……。ではこの人選の意味は何でしょうか?これまでの戦果を比べれば私ではなく、そちらの2Bが隊長となり、他を率いるべきかと思いますが」
「……確かに成果だけを考えれば彼女が適任だが、味方を率いての作戦となれば2Bではなく、1D。君の方が相応しいと私がそう考えた結果だ。この答えでは満足できないか?」
「いえ……。お答えいただきありがとうございます」
あ、嘘ついた。絶対成果云々じゃなくて俺に任せるのが不安なだけだろうに。わかるけどね。俺だったらこんな最低限のことしか喋らないやつの下につくとかちょっと怖いし。あとなぜか周りにはバレてないけどバカだしな。
にしてもやっぱわかりやすいな司令官。本当に癖直さないとそのうち皆に嘘ついてるってバレるぞ?そういえば最近ひどい顔して自室に帰ってったって聞いたけど、大丈夫だろうか?今日も普段よりちょっとだけ顔色悪いし。
「だが、1Dの言うことも理解はできる。2Bの戦場での経験はこの場にいるどのヨルハ部隊員よりも多いのは事実だ。よって2B。おまえには今作戦での副隊長を命じる。経験を活かし他の隊員のサポートを行え」
「……了解」
うへぇ。まあ、しょうがないか……。
未だに俺が強いって言われるのは納得できないけど、あまりやられてないのは事実だしな。ちょっと心配だけど頑張ろうか。
「他にはないか?……よろしい。では各自戦闘準備を終え3時間後に出撃しろ。1D頼んだぞ」
「はい。了解致しました」
「人類に栄光あれ」
「「「人類に栄光あれ」」」
さて、準備しますか。
とりあえずもう一回さっきのデータを確認するのと、過去の現場付近での戦闘データの分析だな。まあ、やるのは俺じゃなくて6Oとポッドだけど。
「あのー」
別に働いてないわけじゃなくて、B型の俺より6O達の方がそういうのが得意だってだけで、サボってるわけじゃない。本当だぞ。
「えっと、もしもーし」
6O達に任せてる間に俺も回復薬とか消耗品の補充をしてるから。分担してるだけだから。
「あのー!すいません!」
「っ!?…………私?」
「あ、ごめんね。大声出しちゃって。えっと、今回ご一緒させてもらう4Bです。一度挨拶しておこうと思ってて、よろしくね!」
「そう……。よろしく」
ビックリした。心臓止まるかと思ったわ、心臓ないけど。
挨拶、ね。たまにそういうのやってる人は見かけるけど、俺にもする人は珍しいな。あんまり周りからいい目で見られてないし、俺。
「……それじゃあ」
「あっ、うん。ごめんねっ。呼び止めちゃって……。じゃあ、またあとでね!」
なんていうか、すごい元気な子だったな。前の俺のタイプど真ん中って感じ。
「あんな子、B型にいたっけ?」
「ヨルハ機体4Bは、23日前に本人希望によりH型から装備転換されている」
「Hから?珍しいね」
なるほど、通りで見ない顔と名前なわけだ。
ってそんなことは置いといて、はやく6Oの所に行かないと。
「あー、緊張した。やっぱりクールでかっこよかったな。2Bさん」
「大丈夫ですか?回復薬はちゃんと持ちました?データも覚えてますか?困ったらすぐに連絡してくださいね。こっちに繋がらないときはポッドに相談するんですよ」
「大丈夫。わかってる」
大丈夫。大丈夫。
回復薬だと思ったら、自壊用ウィルスだったとか。ポッドとはぐれちゃって迷子になったとか。1年目はよくあったけど、最近はあまりないから大丈夫だって。多分。あの時は司令官に半日ぐらい説教されたなあ。
「もう。本当に不安なんですから2Bさん。結構おっちょこちょいなのになぜかクールとかかっこいいとか言われてて、いつもわたしどういう顔したらいいかわからないんですからね」
「……怖いとか危ないじゃなくて?」
「はぁー、最近はそういう風に言われてないんですよ2Bさん」
さっきすれ違った子にも変な目で見られてたんだけど俺。
「今の9Sさんとよく話すようになってからは本当に落ち着きましたし。前みたいに、その、暴走とかも、しなくなりましたから。今じゃ仕事のできるクールビューティらしいですよ。みんなの中では」
「へー」
仕事のできる、クールビューティ?
みんな節穴なんだろうか。
「もー。ほんと本人が一番わかってないんですから。9Sさんも苦労しますねこれは」
「べ、別に9Sは関係にゃい」
「……今噛みました?」
「……噛んでない」
噛んでないったら噛んでない。2Bは噛んだりしない。
「とにかく、行ってくる。」
「……はい。気を付けていってらっしゃい。2Bさん」
いってきます。6O。
『こちら隊長の1D。各員状況を報告しろ』
これからどういう風に動けばいいか。9Sは詳しく教えてくれなかった。
『こちら11B。問題ありません』
なんでも、まだ調べないといけないものはあるけど、俺は好きに動いていいんだって。大丈夫なんだろうか、俺色々やらかしそうで怖いんだけど。
『12H。私も大丈夫です。すぐ行けます』
まあでも9Sがそう言うってことは大丈夫なんだろう。頭いいし、俺の行動も全部お見通しなのかもしれないな。さすが9S頼りになるぜ。
『こちら7E。当然問題ありませーん』
とにかくまずはこの作戦成功させないとな、司令官も9Sになんかあったかもって言ってたし。
『あっ、はい。4Bも大丈夫です。問題ないです』
そうだよな。助けてもらうんだから、俺も助けてやらないとな。仲間が困ったときは助けないといけないしな。うん。頑張ろう。
「こちら2B。問題なし。出撃準備完了」
以前の俺ならともかく、今の俺にできないことなんてない。いや、多分あるけどそれぐらいの気持ちでいるってことだ。もうなにも諦めないって決めたんだから。
『よし。全員問題ないな。この作戦は地球を奪還するための大事な一歩目だ。そして我々は司令官に作戦を遂行できると選ばれた精鋭だ。この作戦に失敗は許されない。全力で任務に当たれ』
目指す未来はただ一つ。
26個のエンディング。それを越えた27個目。ご都合主義のハッピーエンド。
『副隊長。戦場に向かう前になにか皆に助言などはないか?』
俺がバカやって、ポッドが止めて、6Oが心配して、司令官が怒って、9Sが笑ってるそんな世界。
絶対に辿り着いて見せる。なにがあろうとも。絶対に。
その手始めに、まずは
「全員でバンカーに帰還する」
これくらいは出来ないとな。じゃなきゃ世界なんて変えられやしない。
『……ふっ、ふふふ』
「……1D?」
ど、どうしたいきなり笑って?大丈夫か?悪いもんでも食べたか?
『いや、なに。ただ噂なんてものは当てにならないと思っただけだ。2B、君を笑ったわけではないんだ。すまないな』
「別に、気にしてない」
お、おう。別にいいけど。噂ってクールビューティだとかなんとかってやつだっけ?やっぱそんなんじゃないって今のでわかるのか、すげえな1D。さすがお姉さまと呼びたい人ナンバー1。6Oが聞いた話ではそうらしい。大丈夫かヨルハ部隊。
『さて、副隊長の宣誓は置いといて。改めて、これより第243次降下作戦を開始する』
よし頑張るか。こっから始まるんだ。諦めてた俺の、いや、私の世界を守るために。
『全機出撃!』
全ての存在は滅びるようにデザインされている。
生と死を繰り返す螺旋に……
私達は囚われ続けている
これは、呪いか。それとも、罰か。
知ったことかバーカ!呪いでも罰でももうどうでもいいっての!全部まとめて蹴っ飛ばしてやる!ヨルハ最強舐めんじゃねえぞ自信ないけど!!
ただ、考えるのは9Sに任せます。戦うのは頑張るから許して9S。
というわけで
「2B。出撃する」
NieR:Automataならぬ
にーあおーとまたの始まりだ!
あ、待った。この作戦って誰か脱走しようとしてたんじゃなかったっけ。いきなり躓いてる気が。
2Bの勇気が世界を救うと信じて!
ごめんなさい。一応まだ続きます。
お知らせです。
これまで日刊で投稿してきましたが、これからは週一になります。多分。もしかしたらそれ以上空くかもしれないですが。
というのも、あらすじに書いてある通りこの作品は思いつきです。
プロットもなにもありません。キャラ設定もブレブレです。頭に浮かんだものをただ打ち込んでるだけです。
もともと1話だけの短編の予定だったんですけど、なぜか調子に乗って連載にしたバカのせいです。初投稿でなにやってんだって話ですが。
なので設定を固めるというか、ゲームをやりなおす時間をちょっと取ろうと思います。設定勘違いしてる可能性もありますし。
楽しみにしていただいた読者様がどれほどいらっしゃるかはわかりませんが、ここで謝罪させていただきます。本当にすいません。
あと感謝を。ゲームが人気だったおかげか、それこそ生放送のおかげかランキングにも載ることができました。本当にありがとうございました。
それでは、ここまで読んでいただいて本当にありがとうございました。
お目汚し失礼いたしました。