にーあおーとまた   作:SeA

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週一投稿とか無理やったんや……


AD:119450310~
ポッド、おまえってやつは


『バンカーより2Bさんへ。飛行ユニットの降下地点を設定しました。レジスタンスのキャンプよりちょっと離れた場所なんですが……敵への情報漏洩を防止する為なので我慢してください』

「了解」

 

おっけーおっけー。別にいいよそんぐらい。

実際場所漏れて強襲喰らって拠点が無くなるなんて事例は今までいくらでもあるわけで、そんぐらいしょうがないって。

 

『がんばってくださいね!』

 

めっちゃ頑張る。

今回の任務自体はそこまで気合入れるようなものでもないけど、これから起こることを考えたら全力で行かないといけないしな。

そんなこと考えてたらもう降下地点か。それじゃ、ちゃちゃっと降りますか。

 

「さて、なんとか今回は無事に着きましたね。レジスタンスキャンプまでのマップデータは僕が既に受け取ってますから、ここからは僕が先導しますね」

「お願い」

「お願いされました。それじゃあ、行きましょうか」

 

いざ行かん!初めての廃墟都市へ!

 

「……」

「うわ、データで知ってはいましたが、思った以上に緑化が進んでるみたいですね」

「……」

「元は大勢の人類が暮らしていた大都市だったみたいですけど、今じゃもう動物ばかりみたいですね。あれ見てくださいよ。下にいっぱいシカいますよ」

「……」

「……2B?」

 

なんていうか改めて実感が湧いてきた。

画面越しに見た世界にいるっていうのと、この場所で始まるんだなってことを。

本当に今さらだな俺。

 

「……9S」

「はい。なんですか?」

「キャンプの前に水場はある?」

「はい……?」

「キャンプの前に水場はある?」

「えーっと、あるみたいですけど……」

「そう……」

 

よし。こっちはゲームと一緒か。良かった。この前の工場廃墟は全然別物過ぎて大変だったしな。

え?なにがどう大変だったって?まあ、なんだ一言で言うと

 

迷子になった。

 

いや、違うんだ。言い訳を聞いてくれ。

『俺』の頃。「ベリーハードでやってやるぜ」って言って2時間あの工場廃墟までのシューティングをやり、「ハードなら余裕だし」と3時間エンゲルス君までのタイムアタックをした。

結果?Eエンドまでノーマルで行きました。

とにかくそれぐらいやってたんだ。あれから『私』になって時間も経過したけど、マップは覚えてるから行けると思ったんだ。ただ実際にはもっと広かったってだけで。

そりゃそうだよな。ゲーム同様のサイズしかないわけないよな。バンカーも実際はすげえ広かったわけだし、こうなってるのは当たり前だよな。考えればわかることだってのに。

 

「警告:ヨルハ機体2Bは現在レジスタンスキャンプでの情報収集任務を命じられている。釣りなどといった娯楽に興じる時間は設けられていない」

「……なんでいきなり釣りの話?」

「推奨:任務の……」

「……?」

 

どったよ。いきなり喋ったと思ったら黙ったりして

 

「疑問:先ほどの9Sに対する質問の意図」

「私の持ってるデータと合ってるかどうか確かめたかっただけだけど?」

「……」

「……ポッド、まさか」

 

まさか、お前

 

「ついに釣りに目覚めたの?」

「…………理解不能」

「緊張感、魚との駆け引き、釣れた時の感動。ついにわかってくれたんだポッド」

「否定」

「大丈夫。言わなくても釣りがしたいって気持ちは伝わってる」

「否定」

「うん。だからまずは任務をこなして時間を作ってから釣りをしよう。それまで一緒に我慢しよう、ね?」

「拒否」

 

そうかそうか。ついにポッドも釣りの楽しさに気づいたのか。

そんなに恥ずかしがって必死に否定しなくてもいいのにな。全く。目と目で通じ合う仲だろ俺達。9Sの前だからって隠さなくてもいいんだぜ?

って、おい。どこ行くんだよ?勝手に移動するなってば。また迷子になったら誰が俺を案内してくれるんだよ。延々と一人で彷徨っちまうぞ?

ちょっと?もしもーし?置いてくなよー。

「……ちょっとポッド042に同情するよ」

「……同意」

ポッド?待てって、おーい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の名前はアネモネ。この辺り一帯のアンドロイドレジスタンスを取りまとめている」

 

知ってる。ゲームではお世話になりました。

 

「バンカーから話は聞いている。このエリアの調査担当になったらしいな」

 

調査するのは主に9Sだけどな。俺はウロチョロするしかできないし。

 

「最近は敵対行動を取らない個体も確認されているが、依然として攻撃をしてくる機械生命体の方が多いのは事実だ」

 

この時期、敵のネットワークから離脱する個体が増え始めてるんだもんな。理由はちゃんと覚えてないけどさ。

 

「情報は私よりも他の連中の方が詳しいだろう。話は通しておくから好きに動いてくれて構わない」

 

助かるな。安心できる拠点があるのって精神的に落ち着くし。

これから長い間お世話になるから、本当によろしくな。

ところで、俺達の事皆に説明するのに時間かかりそう?それならちょっと表で釣りしてきていい?

 

「皆っ!少し耳を貸してくれ!」

 

っ、大声でいきなりなにを

 

「ここにいる二人は、以前までいた42Sの後任として新たに送られてきたヨルハ部隊員だ。これから共に―――」

 

話を通すってそういう。

まあそれが一番手っ取り早いしな。皆のこっち見る目それだけで変わったし。さっきまで不審者見るような目で見てたくせに。

っていうかさすがリーダー。仲間に信頼されてるというかなんというか。

ゲームじゃ特に活躍する場面なかったけど、舞台見た後で印象がガラッと変わったのはよく覚えてる。それは司令官もだけど。

性格変わりすぎというか、成長したというか。これまでの過ごしてきた時間を想像して泣いたというか。

 

「―――助けを求められたときは協力してやってくれ。もちろん我々が困ったときにも同じように手を貸してくれる筈だ」

 

そりゃもちろん。助けてくれるんだから、こっちも助けるって。

そもそも敵じゃなきゃよっぽどでもない限りは誰だって助けるよ。困った時はお互い様ってね。

 

「話は以上だ。聞いてくれてありがとう。各自仕事に戻ってくれ」

 

いや、なんていうか助かるなほんとに。

 

「ありがとう」

「ん? いや、感謝されるような事ではないさ。当たり前の事を伝えただけだからな。それに新しい仲間が出来る度にやっている事でもある」

「それでも、ありがとう」

 

いやいや、安心できる拠点があるかどうかって一番大事だし、なにより仲間がいるのって心強いしな。まあ、今の9Sと仲良くなるまで基本ぼっちだった俺が言うことじゃないけど。

 

「……そうか。では感謝してくれると言うなら、何かあった時は存分に力を貸して貰うとしようか」

「任せて。どんな状況でも解決してみせる。9Sが」

 

俺は肉体労働担当だからな!

 

「最近2Bが何を言い出すか、少しずつ分かってきた気がする……」

 

マジか。以心伝心ってやつ?ちょっと嬉しいかも。

でも、俺は9Sの考えてる事あんまりわからないけどな。なんでわかるんだ?

 

「はははっ。なんとなくだが君たちの事がわかった気がするよ」

「そう……?」

「まあ、2Bの事は伝わったと思うよ……」

「そう……?」

 

なんか分かるような事したか俺?

 

「改めて、これからよろしく頼むな。2B。9S」

「よろしく、アネモネ」

「こちらこそ、よろしくお願いします。アネモネさん」

 

さて、それじゃあ早速周りに聞き込みしようか。確かゲームだったらサブクエとかあったはずだし。ちょっと後味悪いやつだけど。

自己紹介と調査も兼ねて、お手伝いといこうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!」

 

飛び上がり、直上から敵を槍で貫く。

目視ではもう敵は見当たらないけど、とりあえずこれで全部かな。

 

「ふぅ……。9S集まった?」

「2、3、4っと、はい。道具屋さんと武器屋さんに頼まれた部品は、これで全部揃いました」

「よかった。やっと終わった……」

「そうですね。なかなか時間かかりましたからね」

 

ほんとだよ。ゲームだったらサブクエのチュートリアルだからあっという間に終わるのに、実際には3時間くらいかかったからな。ちょっと疲れた。

 

「それじゃあ、戻りましょうか。補給したあとに次の調査地点を決めないといけないですから」

「……次の場所なんだけど」

「ええ。砂漠ですよね。僕もキャンプを出る前に少し聞きました。砂漠地帯で凶悪な機械生命体が多く出現しているらしいと」

「そう、なんだけど。出来たら」

「出来たら?」

 

その話は聞いてるんだけど、その前に

 

「出来たら、工場廃墟に行きたい」

「工場廃墟、ですか。この前の作戦があったあの場所ですか?」

「そう」

「何か気になる事でもあったんですか?」

「……頼まれたから」

 

あんまり気は進まないけどな。

 

「頼まれた?レジスタンスの人にですか?」

 

ん?ああ、違う違う。そっちじゃなくて

 

「バンカーで16Dから……」

「16D?前回の作戦には関わってない方ですよね。何を頼まれたんですか?」

「16Dは11Bが指導官をしていたらしい。頼まれたのは撃墜した11Bの遺品回収」

「それは……」

 

仲間の死体を探すってのもそうだけど、なによりも、頼まれたことでゲームでの11Bを思い出したからこそ、あまり気が進まない。

11Bはゲームでは作戦時に脱走を試みていた。撃墜を偽装してそのまま逃走。そして逃げている最中に死亡した。選択肢によってはすっごく苦い気分になるサブクエだったはずだ。

 

「……2Bはよくやったと思います。1D、4B、7E、そして僕達2人。あの状況で5人も生還する事が出来たのは2Bのおかげです」

「……でも、11Bと12Hは墜ちた」

「大気圏突入後すぐに攻撃を受けた例はあまり多くはないですが確かにあります。ですが、大気圏突入中にレーザー狙撃をされる、なんて事例は今まで一度も確認されていません」

 

前回の作戦。第243次降下作戦で俺達は地球に降りてる最中に敵の攻撃を喰らった。

一瞬で12Hが、12Hだったモノに変わり、視界から通り過ぎていく。

すぐに集団から突出することで俺が長距離砲撃の囮になり、その間に残った1D達が施設内に突入する事にしたんだけど、他の皆は飛行型の敵集団に攻撃を受けてしまい、11Bはその際に撃墜された。

 

「でも、私は……」

「あの後、2Bが作戦前に何を言ったのかは聞きましたが、あの状況では全滅の可能性も十分にあり得ました。それを避ける事が出来ただけでも、誇るべき事です」

 

わかってはいるんだ。

本来なら、突入部隊の壊滅。そして唯一生き残った2Bと9Sのブラックボックスの暴走による超大型機械生命体の破壊。生還者はなし。

この世界ではそうは成らず、突入部隊4人と調査を行っていた9Sの計5人が生き残った。喜ぶべきことだ。世界を変えることに成功したんだから。

でも、2人死んだ。

 

「2B」

「……なに?」

「後悔も反省も良い事ではありますが、引きずるのは違うと思います」

「……そう、だね。ごめん。ありがとう」

 

そうなのかもな。いつもそれでドツボに嵌って自己嫌悪のループに入ってる気がするし。

そうだな。いい加減切り替えないとな。

目標であった世界を変えるってのは一応成功したわけだし。これはつまりエンディングも変えられる可能性も見えてきたって事だからな。

そもそも11Bも死んでること前提で考えてるけど、もしかしたら脱走に成功していて今も生きてるかもしれないしな。もしそうだったら嬉しいな。そうなってたら、それも世界が変わったって事の証明になるし。

 

「それじゃあキャンプに戻る前に行っちゃいましょうか。こういうのは手早く終わらせるに限ります」

「……ありがとう。付き合ってもらって」

「いいんですよ、これぐらい。仲間じゃないですか」

「そうだね……ところで9S、一つお願いしたい事があるんだけど」

「あ、はい。なんですか?」

 

これだけは言っておかないといけないしな。

 

「道案内よろしく」

「あ、はい」

 

もう迷子はこりごりだからな!

 

 

 

 

 

 

 




戦闘描写書けないなってカットしたら、降下作戦が無くなった……
多分今後もカット多めな予感。
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