にーあおーとまた   作:SeA

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なんか思ってたのと違う……。

「合同任務……ですか?」

「はい。その通りです」

「なんていうか、随分急な話ですね」

「ええ。次の任務先は想定よりも危険な可能性があるとのことで。相手の方は現在別の任務を行っているらしく、現地にて合流するとのことですが」

「へー。そうなんですか」

 

だとしても唐突な話だな。普段はどんな任務でも1人での調査だったのに複数での任務だなんて。

 

「それで何人で行う任務ですか?それと相手は決まってるんですか?あ、実は僕の知ってる相手だったりしますか?」

「9S。これは任務です。あまりはしゃがないでください」

「はいはーい。わかりましたよー。で、どうなんですか?」

「はいは一回でいいです。はぁ、全く……」

 

仕方ないじゃないか。誰かと一緒の任務なんて初めてだし、さっきから楽しみで仕方ないんだから。

 

「人数は貴方を含めて2人」

「お、2人っきりですか。仲良くできるひとだったらいいんですけど」

「……相手はこの方です」

「では拝見させていただきます」

 

オペレーターさんが渡してくれた画面を確認する。えーと、相手の名前は……

 

「2号B型。2Bさん。戦闘モデルですか。僕は戦いが苦手だから助かりますね。どんな人なのかオペレーターさんは知ってたりしますか?」

「……ええ。知ってます。次の画面を」

 

なになに、これは2Bの戦闘記録か。これなら大まかな戦力を確認でき――――

 

「……あの、オペレーターさん?」

「なんでしょう?」

「この画面バグってませんか?なんか数字がおかしくなってると思うんですが」

「正常です」

「へっ?」

「その数値は正常です。なにも問題はありません」

「ほ、本当ですか?これ凄まじい数だと思うんですけど……」

 

本当に間違ってないのかこれ?いやいやS型の僕と比べたらそりゃ、B型とは大きい差はできるか。いや、だとしてもこの差は大きすぎる気がするか。

 

「な、なるほどさすがB型って感じですね。この戦績はB型の中だとどれぐらいすごいのかとか、わかったりしますか?」

「1番です」

「へっ?」

「1番です。つまりヨルハ部隊最強です」

「なっ、え、最強?」

「……敵撃破数92003体。被撃墜数7。任務達成率98.9%。どれをとってもB型最強です」

 

やっぱり!おかしいと思ったんだよ。

 

「9万ってなんですか!?ヨルハはまだ稼働してから2年ぐらいしか経ってないんですよ。どんな戦いすればそんなことになるっていうんですか!?」

「……以前人類軍の支配圏内に隠蔽されていた敵基地があり、大規模作戦が発令されたのは覚えていますか?」

「覚えてるもなにも、僕が見つけたやつですよね?」

「ええ。貴方が調べたいことがあるからもうちょっとだけと言っていた。その14回目のもうちょっとで発見したものですね」

「うっ。それは、その、一旦置いといてもらって。それでその作戦がどうしたんですか?」

「結果はご存知ですか?」

「作戦は成功して、敵基地は壊滅したとだけ……」

「……その作戦で一人の隊員が敵基地に侵入。基地内部の大型エネルギー機関を破壊したことにより敵軍は崩壊。その際に約2万の機械生命体の活動が停止しました。それを行ったのが」

「この2Bさんってことですか」

「ええ。ですので彼女の直接戦闘での敵撃破数はその2万を引いた数が正しい記録になります」

 

いや、だとしても7万は自力で倒したってことになるんですけど……

でもそんなすごい人と合同での調査任務ってことは――――

 

「次の任務って、結構危ない感じなんですか?」

「先ほども言いましたが、想定よりも危険な可能性があるという話しか私も伺っていません。ですが司令部はこの任務を重要視しているようにも感じられました」

「……そうですか。わかりました。細心の注意を払います」

「常にそうして下さい」

「もー、そういうこと言うー」

 

本当にお堅いんだから。

あとこれを聞かないと。

 

「結局この2Bさんってどんな人なんですか?」

「……」

「えっと、オペレーターさん?」

「……私も詳しくは知りませんが、静かな人だとは、聞いたことがあります」

「あー、そうなんですか。それはあまり僕と性格合わないかもしれないですね」

「……ええ。ですので9S。なるべく普段のようなおかしな行動はしないように心がけて下さい」

「ひどいなー。まるで僕が普段おかしなことしてるみたいじゃないですか」

「……」

「大丈夫ですよ。さすがにちょっとは自粛します。初対面の方に自分を押し付けるような真似はさすがにしないですよ。安心してください」

 

僕だって多少は気遣いもできるんだし、模範的なS型がどういう存在なのかも知ってる。ちょっと息が詰まるかもしれないけど、うまくやれる自信はある。

 

「……9S」

「はい。なんでしょう?」

「……相手は貴方と違い戦闘に特化したB型モデルです。戦闘も自ら率先して行っている可能性もあります」

「は、はあ」

「最近はあまりいい話も聞きませんし、一時は敵と繋がっているなんて噂されることもありました」

「あの、オペレーターさん?」

「さすがにそんなことはないと思いますが、万が一ということもあります。もしそういった事態に陥るようなことがあれば冷静に対処し、すぐさま連絡を」

「オペレーターさん!」

「……はい。いえ、そうですね。よく知らない方に対して大変失礼なことを言いました。忘れてください。」

「……わかりました。それじゃあ準備ができたら現地に向かいますね」

「ええ。9Sその、気を付けてください」

「了解です。ちゃちゃっと終わらせてきますよ」

 

おかしい。オペレーターさんは厳しいことをよく言うが、相手は貶めるような話はしない人だ。それなのに詳しく知らないと言っている相手に対してあんな言葉、不自然すぎる。

これから任務に向かわないと行けないし、詳しく調べる時間は無いけど、話を聞くぐらいは出来るはず。

ターミナルルームには801Sが常駐してるはずだし。少し話を聞いていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この辺は外れかな。機械生命体の痕跡もまったく見当たらないし」

 

果たして、司令部が危惧するような状況になるんだろうか?とりあえずもうちょっとだけここを調べてから、向こう側の調査といきますか。よし。そうと決まれば……

 

「報告:ブラックボックス反応あり。ヨルハ機体2Bのものと推測される」

「お、来ましたか。では、出迎えに行くとするかな」

 

さて、多少は話を聞いてきましたが、実際にはどんな人なのやら。

 

「……」

「確認:ヨルハ機体9Sで間違いはないか」

「えっと、はい。今回の任務を合同で担当することとなりました。9Sです。2Bさんですよね?よろしくお願いします」

「……」

「……あの?」

「推奨:任務の達成」

「えーっと、とりあえず現在までで得られたデータを共有しますね」

「……」

「了解」

 

現実は予想の斜め下を突き進んでいった。

静かな人だと、オペレーターさんは言ってた。確かにそうだけど、これは喋らないから静かなだけで静かな人って評価は間違ってる気がする。静かというか冷たいって印象があってる気がする。

おかしいな。801Sは最低限のコミュニケーションは取ってくれるって言ってたんだけどな?いや確かに頷いたりはしてくれてるから、最低限のコミュニケーションは取れてると言えば取れてるけど。

さっきから目線というか、顔ごと逸らされて僕のことを視界に入れないようにされてるんだけど。なんか今気に障るようなことしたかな僕。

 

はあ、残りの調査が終わるまでは、これが続くのか。

 

「……ちょっと、思ってた合同任務と違うな」

 

なんか向こうもずっと殺気立ってるというか、気を張ってるし。緩い感じではいけなさそうだ。

結構楽しみにしてたんだけどな。合同任務。仕事だから仕方ないとはいえ、残念だ。

仕方ない。あまり隙もなさそうだし司令部のハッキングは、やっぱりしばらくは延期しないとダメかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




9Sの喋り方わかんね。
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