〜サラside〜
広場に転送されて少ししたら、上空に真っ赤なローブを着たアバターが現れた。
「プレイヤー諸君、私の世界へようこそ」
(私の…世界?)
「私の名は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の存在だ。」
(あれが、茅場晶彦。でも、何のために集めたんだろう?)
「諸君らは既に、メインメニューからログアウトボタンが消失していることに気づいていると思う。しかし、これは不具合ではない。繰り返す、これは不具合などではなくソードアート・オンライン本来の仕様である。」
「し、仕様だと…?」
横にいるクラインさんが小さな声で呟いた。
キリトも唖然としているのか、口を開いている。茅場晶彦はそんな事は気にしないかのように続けている。
「諸君らは今後、自発的にログアウトする事はできない。また、外部からの強制ログアウトも有り得ない。もし、それが試みられた場合ーーーー」
私は、その先の言葉を予想して固まってしまった。
「諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される。」
脳の破壊。それはつまり人の死を意味する。
私は恐怖のあまり、声も出なかった。
「脳を破壊するって。あいつ、頭おかしいんじゃねぇか?なぁ?キリト」
私はクラインさんの質問に対する、キリトの答えに、安心を求めた。が、それは無情にも現実を突きつけられてしまった。
「いや、可能だ。ナーヴギアのマイクロウェーブの原理は電子レンジと同じだ。リミッターさえ、外せば脳を破壊できる。」
更に、キリトは説明を続ける。
「それに、ナーヴギアには大量の予備バッテリーが搭載されてる。外部からの強制ログアウトは不可能だ。」
「ほんとに…?」
「なお、誠に残念なことに実際に警告を無視してプレイヤーの家族、友人がナーヴギアの解除、破壊が試みようとした例が少なからずあり、その結果ーー」
一瞬の静寂の後…
「―――既に二百十三名のプレイヤーが、現実世界から永久退場している」
茅場晶彦のアバターの周りにはその事件のニュースらしき
画面がいくつも表示された。
そして、茅場晶彦はさらに続けた。
「しかし、十分に留意してもらいたい。今後、このゲームにおける一切の蘇生手段は機能しない。HPが0になった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し、同時に…諸君らの脳はナーヴギアによって破壊される。」
(HPが0になった瞬間…?)
私は想像出来てしまった。死ぬ瞬間を。
そして、理解もした。このゲームは本物であると。
「諸君らが解放される条件はただ一つ。このゲームをクリアすればよい。諸君らが、現在いるのはアインクラッド最下層。そこから、その層の迷宮区を攻略し、最上階にいるボスを倒せば次の層が解放される。それを繰り返し、アインクラッド第百層にいるボスを倒せば、ゲームクリアである。」
「クリア…?第百層だと!?ベータじゃ、ろくに上がれなかったんだろ!?」
「では、最後に一つ。諸君らのストレージに私からのプレゼントを入れておいた。確認してくれたまえ。」
全プレイヤーがその言葉に従い、ストレージを確認する。
「手鏡……?」
そこには、リアルよりも少し大人の女性らしい自分が写っていた。
次の瞬間…
先程のように、光に包まれる。
光が収まるとーー
そこには、14年間慣れ親しんだ自分の顔があった。周りをよく見てみると野武士面の男の人と、よく知っている女顔の少年がいた。
「キリト…!?と、…クラインさん??」
「オメェさんら誰だ?」
「サラと、…もしかして、クラインか?」
「てことは、オメェさんらがキリトとサラか!?」
周りをよく見ると、先程よりも男女比が明らかに変わっていた。スカートを履いた男性などなど……
「けどよぅ、何だってこんなことを…」
「どーせ、すぐに説明してくれるさ。」
キリトが空中のアバターを指さして言った。
「諸君らは今、”何故?”と思っているだろう。何故SAO及びナーヴギア開発者である茅場晶彦はこんなことをしたのか?と」
茅場晶彦はゆっくりと続けた。
「私はこの世界を作り、観賞するためにSAOを、ナーヴギアを作った。そしてその目的は、既に達成せしめられた。………以上で、ソードアート・オンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の、健闘を祈る」
最後にそう締めくくり、アバターは消滅してしまった。
〜キリトside〜
アバターが消滅した後、広場は叫び声と悲鳴に埋め尽くされていた。
(このままじゃ不味いな)
「サラ、クラインちょっと来い!」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「サラ、クライン俺はこれから次の村に向かう。2人はどうする?」
俺は2人の顔を見ながら続けた。
「さっき、あいつが言っていたことが本当ならばこの辺のmobはすぐに狩り尽くされる。MMORPGの供給するリソースは決まっている。そのためにも、次の村を拠点にした方がいい。」
「わ、私はキリトに着いていく。もう、覚悟も決めたから…」
「悪ぃな。俺は広場に置いたきたダチを置いては行けねぇよ。」
「そうか…。なら、何かあったらいつでもメッセージ飛ばしてくれ。」
「おう!じゃあな。俺だって、こう見えて前のゲームではギルドの頭張ってたんだ。オメェさんにならったテクでどうにかしてみせらぁ」
俺は、サラの手を引いて歩き出した。
「キリト!サラ!おめぇら、案外可愛い顔してんな。結構好みだぜ。おれ!」
「お前もその野武士面の方が何十倍も似合ってるよ!」
「クラインさんも、そっちの方が好みですよー!」
走り出して、振り返った時にはもうクラインの姿は なかった。
(紗倉だけは、絶対に現実に帰してみせる!)
今回はここで終わりです。
そこで質問何ですが、もしサラにユニークスキルを持たせるとしたら攻撃系か、サポート系どちらがいいですか?活動報告にてアンケートを取るので良ければお願いします。