黒の剣士と幼馴染みの進む道(リメイク中)   作:雪楓❄️

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今回、少しグダグダ長く?なってしまいました。

大分この後辺りから、かなり考えながら書くことになりそうなので今まで以上に投稿が遅れるかもしれないです。



色々言いましたが、SAOアニメ3期始まりましたね!!!
1話から作画に驚かされましたが、これがあと1年も見れると思うとかなり楽しみです!!4クールということもあって、話の進みが遅くなるかもと思っている人いるかもしれませんがアンダーワールドの話はかなり長いのでその辺の心配はご無用です!!
ちなみに、僕の推しはロニエです!!
ロニエを主人公にした新作も書きはじめたので宜しければそちらもご覧ください。ロニエ×キリトになるかはまだ未定ですが…。

長々話しましたが、それではどうぞ!


第23話

「いやぁ、久々に攻略すると疲れる〜」

 

「サラ、サボってる間に随分と老けたんじゃないか?」

 

「…なっ!?キリト…女の子にそんなこと言う人には罰を与えないと。ね?」

 

「いや、今のはジョークというものでだな…………」

 

久しぶりにキリトと2人でダンジョン攻略をした帰り、最近さぼり気味だったせいかかなりの疲労感を覚えた私が1番気にしていることを言ってきたこの男に制裁を加えようと思ったのだが。

 

「………あれって…、キリト五月蝿い」

 

私の看破スキルに引っかかったそれは、この2年近くこの世界で生きてきた私がお目にかかったことがないものだった。

未だにそれの存在に気が付かずに言い訳を続けている幼馴染みを黙らせ私は投擲用のピックを取り出した。

 

(………届くかなぁ。折角見つけたんだから、確実に仕留めたいし…)

 

若干距離的なものに不安を感じ、安くないピックを犠牲にする覚悟を決め私は一投目を敢えて外すことにした。

 

「サラ、……なにを?」

 

未だにキリトの索敵スキル範囲内にはそれの存在は引っかかっていないらしく、キリトは私の行動に疑問を抱いている。

 

「…お願いします!」

 

このデータの世界で運に頼るというのは、摩訶不思議なことだと分かっていても頼ってしまうのが人の性。

私の一投目は狙い通り、目標の真上を通過。それに驚いた目標は私の思惑通り真上へと飛び上がった。

 

「……グッジョブ」

 

私は予め用意しておいた2投目を、飛び上がり無抵抗な目標へ投擲した。

 

 

◇◇◇

 

「……それでこんな量を俺にどう買い取れと?」

 

私がSランク食材である"ラグーラビット"を仕留めたまでは良かったのだが、その後キリトに看破スキルについて勘づかれそうになり誤魔化しながら街へと戻ろうとしていたのだが、その道中さらに3匹のラグーラビットを発見し、キリトが全部余すことなくアイテムをゲット。食材が余りにも多くなってしまったため、こうしてエギルさんに買い取ってもらおうとここに足を運んだのだ。

 

「えへへ、1匹分くらいなら私が料理してキリトと二人で食べ切れると思うんですけどね。4匹となると、料理するのも大変ですし食べ切れる自信もないので。」

 

ラグーラビットを調理するには多分、調理スキルをかなり上げていなきゃいけないだろうしわざわざこんなスキルを上げている人に心当たりもない。

 

「あと1人でもいれば、パーティーでもしようかと思ったぐらいなんですけどね。」

 

これだけの量があれば軽く知り合いを呼んだパーティーぐらいは出来る。私自身、仲良くしている人も手で数えられる程度だし、キリトに関しては多くなる心配は全く必要ない。

 

「だがなぁ…流石に、うちじゃ扱えきれねぇぞ?」

 

「……ですよねぇ」

 

だからと言って、私やキリトに他に宛があるかと言われたらない。

そうなると必然的にオークションにかけるか、NPCに買取って貰うかの2択。他の素材ならば、無料で誰かにあげる選択肢もあるのだが、結局料理スキルを持っていなければダメにしてしまうのがオチであるため選択肢に含まれない。

 

「……うーん」

 

そう唸りながら私が考えていると暇そうに壁によりかかるキリトに来客がやってきた。

 

「よぉ、アスナ。こんなゴミ溜めに何の用だ?」

 

「キリトくんと、サラの反応があったからたまたま近くに来ていたから寄ったのよ」

 

(………ん?アスナ?)

 

私の耳が確かならば、今の来客はアスナさんである。私の知り合いの中で唯一料理スキルを上げている人物。何よりも、私の記憶通りならば、アスナさんの料理スキルは今マスター寸前なはず。

 

「………シェフ捕獲」

 

「……えっと、サラ?」

 

アスナであることを確認した私は、アスナに確認する前にアスナの手を握って不思議なことを口走ってしまった。

案の定、アスナも状況を理解できずに小首を傾げてしまっている。

 

(………アスナさんのこの表情は男子には毒かな)

 

アスナさん程の美少女が小首を傾げて、きょとんとした表情をしている。そう言えば、全世界の男性が見惚れること間違いなしである。などと全く関係の無い話を私が考えている間にキリトもアスナも未だに状況を把握出来ていない。

 

「おい、サラ。急にどうしたんだよ」

 

漸く痺れを切らしたのか、キリトは私の肩を叩いてそう言った。

 

「あ、ごめんね。ただ、プチパーティーを開けるかもしれないって思ってさ」

 

「ほ、本当か!?いや…待てよ。やっぱりなしだ!」

 

「なんでよ!?これだけあったら、開けるよ!」

 

先程までかなり乗り気だったはずのキリトの手の平返しに、驚いた私は少し強めにキリトへと反論した。

 

「………サラの手料理を俺が食べる分が減る」

 

「……だ、大丈夫。どうせ2人だけじゃ大した量作れなかったんだしさ」

 

キリトの不意をついた言葉は今の私を動揺させるには充分すぎるものであった。

 

「……プチパーティー?」

 

キリトのせいで私に手を握られたまま、半分放置されていたアスナも漸く状況を理解し始めたらしく表情を元に戻し疑問をぶつけてくる。

 

「はい。それで、アスナさんって今料理スキルどれぐらいですか?」

 

これでアスナのスキルが900以上ならば御の字。少なくとも、800後半あれば夢のラグーラビットパーティーを開催出来る。

 

「それなら、先週コンプリートしたわよ?」

 

「…………ほんとですか!?」

 

「えぇ…キリトくん、サラどうしちゃったの?」

 

嬉しさのあまりガッツポーズを決めてしまったのだが、それがいけなかったらしい。アインクラッドに来て以来、清楚で大人しい。それが私のイメージだとついこの間、キリトから言われた。確かに元々そこまで活発な方ではなかったが、唯一食べ物のことだけは譲れないものがあったのだ。

 

「あぁ大丈夫。いつも食べ物のことになるとこうなんだ。特に肉好きなんだよ、サラは。」

 

「へ、へぇ。それでさっきのプチパーティーって何?」

 

「あぁ、それはこれを使った料理を沢山作ってパーティーしたいのに俺とサラしか居なくてさ、沢山作っても食べ切れないし、サラも料理するのが大変ってことで諦めてたんだけど……………」

 

しゃがみながらガッツポーズしたままの私を放置して、キリトはアスナさんへの事情説明を続ける。アスナさんも、ラグーラビットは食べたことがなかったらしく、キリトから実物を見せられてかなり驚いていた。

2人目のシェフを捕獲した今私には敵はいない。はずだった。

 

「あ……でも、パーティー開けるほど広いところ知らない……。」

 

「俺も知らないな」

 

「……私も知らないわね。流石にギルドは不味いだろうから」

 

完全に見落としていた事実に、MAXに近かった私のテンションは株価の如く下落していった。

 

「……4人ぐらいなら、私の家を提供出来なくもないけど。」

 

「………本当ですか!?」

 

「えぇ」

 

もはや4人だろうが関係はない。4人いれば、2人の倍はいろんな料理が作れる。

 

「それじゃあエギルさん、これだけ買取って貰えますか?」

 

私は4人分の量だけ残し、あとの残りをエギルさんに買取って貰うことにした。

Sランク食材ということもあり、残った分だけでもかなりの値段になるはず。

 

「お、おい。買い取るのはいいが、俺にも食べさせてくれよ。」

 

「ごめんなさい、エギルさん。今度、機会があれば作りに来るのでそれまで残しといてください」

 

「お、おう。その時は頼むぜ、サラ。」

 

私はエギルさんを説得し、売った分に見合うコルをエギルさんから受け取ると店を出た。

 

「ーーここまでで大丈夫です」

 

「アスナ様、もしやこの素性も知れないやつをご自宅にお招きになるのですか?」

 

私が店を出ると、何やらアスナさんとキリトが血盟騎士団の団員と口論になっていた。

 

(………あれは、誰だったかな)

 

見覚えはあるのだが思い出せない。そんなむず痒い感覚に私が襲われていると、その団員は私の方を見た。

 

「サラ様。遂に我が血盟騎士団にお入りになるのですか?」

 

私を見るなり忠誠を誓うように膝をつく、その団員。

大方、アスナと私がそう言った話をしていたと勘違いしているのだろう。

 

「いえ、私はこれからアスナさんとお食事をするんです。なので、今日はお帰りになって貰えると嬉しいんですけど」

 

さっきのアスナさんの発言からして、この団員が帰ろうとしないのはわかっていた。それにキリトを素性の知れない者と言っている時点で、私が友好的になる可能性は0に等しい。

 

「……しかし…」

 

それでも尚引き下がろうとするその団員だが、既に私は彼への興味などない。

 

「彼は私の大事な人です。それでも、彼は素性の知れない者ですか?」

 

私が上から言うのはかなりお門違いではある。

別に私と彼の間に上下関係なんてものは存在しないし、彼が私の言うことを聞く義理などない。

 

「……くっ。失礼しました。」

 

団員は苦虫を噛み潰したよう表情でキリトを一瞥したあと、その場を去っていった。

 

「……キリトくん、サラって怒らせたらダメな人なのね」

 

「あぁ」

 

「…………早く行こ」

 

 

◇◇◇

 

 

「おーい、遅いよ!」

 

アスナさんの家の前に辿り着くと既に到着していたフィリアがこちらに向かって手を振っていた。

 

「サラ、せめて男はいなかったのか?」

 

4人のうち1人しか男性がいないことにキリトは不満なのか、少し不満そうにそう言った。

 

「居ることはいるけど、誰かしら着いてきちゃう可能性が高かったし、1人だけで呼べる人はエギルさんかクラインさんしかいなかったんだけど、それでも良かった?あと、ヒースクリフさんとか?」

 

最後の一人に関しては、多分呼べば来る。

よくラーメン食べに行くし、むしろよく誘われる。

 

「いや、フィリアで良かったです」

 

「でしょ?」

 

流石のキリトも納得せざるおえなかったのか、渋々ながら現状を受け止めていた。

 

「二人とも、早く入って?」

 

「はい、ほらキリトも」

 

「お、おう」

 

アスナさんに招かれるままに、私とキリトも家の中へと入っていった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

「いや〜、食べたぁ」

 

「だね〜、もう食べられないよぉ」

 

私とアスナさんが作った料理は余すことなく、4人の胃袋の中へと入っていった。

 

「本当に、2年間生きてて良かったって思ったかな。」

 

「そうだね」

 

このアインクラッドでこんなに美味しい食事が出来たのなら本望だろう。1層でよく食べていた黒パン然り、ヒースクリフさんとよく食べるラーメン然り。このアインクラッドの食事は基本的に現実に劣る。

そんな中で現実に勝るとも劣らない食事が出来たのは本当に幸せだったと言える。

 

その後も、4人で世間話や攻略の話などを長々と話し続けていた。

 

「ねね、久しぶりに4人でパーティー組もうよ!!」

 

フィリアの唐突な提案に全員一瞬驚いたものの、私は何となく組んでみたい気もした。

よくよく考えてみれば、この4人でパーティーを組んだのは第1層のボス戦以来1度もない。

 

「私は組みたいかな、アスナさんは?」

 

私は敢えてキリトではなく、アスナさんに話を振った。キリトが断る可能性を減らすために。

 

「私も組みたい。どうせギルドの方は大丈夫だし」

 

敢えてキリトに聞かず、外堀を埋めていく作戦は見事にハマりあとはキリトだけという状況。

ここまで来て断れるほど、キリトの心は強くない。

 

「…………わかった。組む、組むからその視線はやめてくれ」

 

「それじゃあ、明日74層の転移門集合でいいかな?」

 

「私はそれでいいよ。でも、アスナさんあの護衛は……」

 

「大丈夫よ、ちゃんと置いてくるから。仕事熱心なのはいいんだけどね……。フィリアのところの、ノーチラス君ぐらいだと丁度いいんだけど…。」

 

アスナさん曰く、アスナさんの護衛は少しストーカー気質な部分があるらしく、アスナさんがどこに行くにしても着いてこようとするらしい。

逆に、フィリアの護衛であるノーチラスくんはあまり着いてこないらしい。それはそれで護衛として機能しているのかと思うが、フィリアに着いていく方が危ない気もしなくないためなんとも言えない。

 

「そう言えば彼、サラにお礼が言いたいって言ってたよ?なんでも彼女を助けて貰ったって。それに戦えるようになったのを見て欲しいって。」

 

「ノーチラスくん、戦えるようになったんだ。それじゃあ、今度顔出すよ。」

 

あれだけ戦うのを拒んでいた人が戦えるようになるには、かなり勇気が必要だったのだろう。あの時はある意味火事場の馬鹿力のようなものだったかもしれないが、その後戦えるのならば彼の勇気は本物だったということだ。

 

「うん♪そう伝えとくね」

 

その後、少し予定などを話し今回はお開きとなった。

 

 

 

 

(…………茅場晶彦は今何をしてるんだろう)

 

自宅へ戻っている私の疑問はただ自分の脳に反芻するだけだった。

 

 

 

 

 





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