黒の剣士と幼馴染みの進む道(リメイク中)   作:雪楓❄️

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第8話〜黒猫団と噂〜

〜サラside〜

 

私とキリトは黒猫団のコーチをするために昨日の酒場に来ていた。

 

「あっ。みんな居たよ」

 

黒猫団のみんなはもう既に集まっていた。

 

「キリトさん、サラさん今日からお願いします」

ケイタさんはそう言いとても綺麗に頭を下げた。

 

「…それじゃあ、行こうか」

 

キリトは恥ずかしそうにそう言うと、足早に圏外へと歩いていった。

 

 

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 

「…テツオ、スイッチ!」

 

「お、おう」

 

黒猫団の特訓はほとんどキリトがやってくれている。

と言うのも、私よりもキリトの方が圧倒的に知識があり教えるのが適任だと私が判断したからだ。

 

(…それにして、バランスが少し悪いかなぁ)

 

現在の黒猫団は、とてもバランスが悪い。

前衛を支えられるのがテツオだけしかいないのが原因だと思う。

 

(それに…)

 

私はサチさんの方を見る。

 

(…あれじゃあ、前線に出てきたら危ない)

 

私がそんなことを考えていると、今日の訓練は終わった。

 

 

 

 

〜主街区【タフト】〜

 

「それじゃあ、また明日」

 

「…あぁ。また、明日…」

 

キリトが挨拶をすると、黒猫団のみんなは何故かとても疲れた様子で挨拶を返した。

 

(…今日は軽めだなって思ったんだけどなぁ)

 

サラの常識も少しズレてきていた。

 

 

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 

〜夜〜

 

「なぁ、今の黒猫団どう思う?」

 

不意にキリトがそんなことを聞いてきた。

 

「バランス。バランスがかなり悪いと思う。…それに、サチさんは戦うべきじゃない」

 

「…確かにな。サチは、モンスターと戦うことを怖がってる」

 

(…やっぱりキリトも気が付いてたんだ)

 

その時、1件メッセージが届いた。

キリトの方を見るとキリトにも届いていた。

 

(もしかして、攻略のことかな?)

 

などと思いながら、メッセージを見てみるとケイタさんからだった。

 

《ケイタです。サチがいなくなりました。

僕達でフィールドを探してみます。宜しければ、圏内で見かけたら教えて下さい。》

 

サチさんがいなくなってしまったらしい。

キリトを見ると驚いていたので、多分同じ内容なのだろうと思った。

 

「サチさんの事だから、多分圏内にいると思う」

 

「あぁ。俺もそう思う。俺の追跡スキルで探すからサラも着いてきてくれ」

 

「もちろん♪」

 

そう言うと私とキリトは主街区である【タフト】へと向かった。

 

 

サチさんはとても簡単に見つかった。私たちの見立て通りフィールドには出ておらず圏内の橋の下に居た。

 

「サチさんっ!」

 

「サ、サラさん!?」

 

私が話しかけたことで少し驚いたようだ。

 

「…サチ、みんなが心配してる」

 

「…うん。ねぇ、サラさん、キリト3人で黒猫団のみんなからこの街から……ううん、このゲームから逃げよう?」

 

「なっ!?それって駆け落…ち…?」

 

キリトはかなり驚いて言っていた。が、そもそも3人で駆け落ちと呼ぶのだろうか…

 

「ふふっ、冗談だよ。…そんな死ぬ勇気もないのにね」

 

サチさんは自嘲気味に言った。

 

「サチさん、あなたは死なないよ。黒猫団は十分強いギルドだし、私たちがもっと強くなるように訓練もする。…それに、あなたが無理して戦う必要もないんだよ?」

 

「え?どういう…」

 

私の言葉にサチさんは少し困惑していた。

 

「サチさんは、生産職って聞いたことある?別に、戦うことだけがギルドの力になることじゃないんだよ。生産職でギルドの裏方を支えるのだって、立派にギルドの力になることが出来てるんだよ。」

 

「……生産職、か。私、あとで相談してみる」

 

「うん。それがいいよ」

 

 

 

 

その後、黒猫団のみんなと無事合流でき、私とキリトはサチさんの生産職転向について話した。

ケイタさんも最初は困惑していたが、サチさんが抱いていた恐怖を知りみんなも認めていた。

 

「それじゃあ、あとはみんなの問題だからちゃんと話し合ってくださいね」

 

「本当にありがとう。キリト、サラさん」

 

 

 

 

〜キリトside〜

 

俺達が黒猫団を鍛えはじめて、2週間たった。

黒猫団は今では、十分最前線で戦えるレベルにもなりプレイヤースキルもかなり上がったと思う。

 

「それじゃあ、俺とサラは前線に戻るけどケイタ達もすぐに上がってこれると思う。…ただ、ダッカー。もう分かってると思うけど同じこと繰り返すなよ?」

 

俺が少し怒りながらこんなことを言うのにも理由がある。

 

サラがフィリアに呼び出されいなかったので俺が、ケイタにギルドホームの相談をされ【始まりの街】に一緒に行った時のこと。

ダッカー達にはいつもの酒場で大人しくしているように言っておいたはずだった。

しかし、俺とケイタがその酒場に戻ると何故かフィリアとサラが居た。

 

「どうして、サラとフィリアがここに居るんだ?」

 

「もしかして、この人が【蒼雷】のフィリアさんかい?」

 

「あぁ。ケイタは初対面だったな。こちら、ギルド【月夜の黒猫団】マスターのケイタ。こっちはギルド【血盟騎士団】の副団長の 【蒼雷】(笑)のフィリア」

 

「…キリト〜?」

 

フィリアからとてつもなくドス黒いオーラが出ていたので、取り敢えず謝っておいた。

 

「そ、そんなことより、なんでサラとフィリアがこんな所にいるんだ?今日は最前線にいたんじゃ無かったのか?」

 

すると、慈愛など感じられない笑顔をしたサラがこちら向いて言った。

 

「それがね…私、今日フィリアさんと一緒に27層のトレジャーボックス探しをしてたの。そしたら、ダッカーさんたちを見つけたから少し後をついて行ったら案の定、罠に引っかかってさ。私たちがギリギリ部屋に入れたから良かったけど危なく死ぬところだったんだよ?結晶も使えなかったしね…」

 

「…ダッカー、どういうことだ?俺は、酒場で大人しくしているように言ったはずだけど?」

 

俺はサラに少しビビりながら、ダッカーに聞いた。

 

「俺らなら行けると思って、少し家具の分を稼ごうとー」

 

「それで、死んだら元もこうもないよね?」

 

「ひぃッ!本当にごめんなさい」

 

ダッカーはとても怖がっていたので、俺はダッカーの肩に手を置いて囁いた。

 

「今回は助かったから良かったよ………だけど、次サラを危険な目に合わせたらわかってるな?」

 

「は、はい!」

 

「ま、まぁ、2人ともみんな無事だった訳だしさ。ね?」

 

俺とサラはフィリアに止められ、宥められた。

 

 

そんなことがあったわけで、俺はわざわざ念を押すように言った。

 

「わ、分かってる。もう聖女様に誓ってあんなことはしません!」

 

ダッカーは笑いに変えようと少し巫山戯たのだがそれがいけなかった。

 

「…ダッカーさん?」

 

と、そこには神もビックリの聖女様がいた。

 

「ひぃっ!す、すみませんでしたー!」

 

ダッカーは素早く土下座を決め、周りのみんなは軽く呆れていた。

 

「ゴホン、ゴホン…キリト、サラさん。2週間も僕達を付きっきりで鍛えてくれてありがとう。いつか、2人に追いつけるようにこれからも頑張るよ!」

 

ケイタは、わざとらしく咳き込んだ後お礼を言ってくれた。

 

「いや、俺達も楽しかったし。みんながしっかり上がってきてくれることを楽しみしてるよ」

 

「うん、うん。頑張ってくださいね、これからもサチさんに会いに来るついでに様子見に来ますからね。サボったらダメですよ」

 

「「「「っ、はい」」」」

 

全員とてもいい返事をしていた。

 

「サラ、キリト、本当にありがとう。これからもアイテムが必要なことあったら私の所に来てね」

 

サチは、結局生産職に転向したがしっかりとギルドに馴染めている。元々知り合いだったというのもあるだろうがそれよりもこのギルドの雰囲気がそうさせているのだと俺は思った。

 

「うん。サチさん元気でね」

 

「サラも無茶したらダメだよ」

 

「それじゃあ、また今度」

 

俺達は挨拶を済ませて、最前線へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

それから数日後…

中層プレイヤーたちの間にはとある噂が流れた。

一つは、【黒の剣士】の訓練は覚悟して臨まなければ着いていけない。

もう一つは、【聖女】は怒らせてはならない。【蒼雷】はとても優しく、最後の頼りであるため敵に回してはいけない。

もう一つは、【聖女】を危険に晒すなら【黒の剣士】に殺される覚悟をするべきである。と…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で月夜の黒猫団の話は終わりです。
生存ルートでしたが、どうでしたか?
この後もちゃんと出てきますので安心してください。

次回も楽しみにしていて下さい。

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