これほど寂寥感を感じた朝があっただろうか。
「……」
朝の教室で、みおみは空のきりえの席を見つめていた。
次いで、同じく無人の芽衣の席を。
「……」
ここ数日、顔を合わせては部活動の勧誘をしていたレイカとも、今朝は会わなかった。
時は既に朝礼直前。
やがて入室してきた担任教師が追い払うようにして皆に着席を促し出欠確認を取り始めた。
その後の連絡事項で。
きりえが体調不良で休むこと、芽衣の不在をいま初めて知った担任にもまだ芽衣から連絡がないことを告げられた。
昼休みになっても芽衣は来ることはなく、きりえがいない為、みおみは別のクラスメートと机を並べて弁当を広げていた。
この辺りはグループの心の垣根すら自然に下げさせてしまうみおみの持つ不思議な雰囲気によるもので、特にこの場の誰もが疑問を感じることなくごく自然にみおみのいる状況に溶け込んで談笑していた。
もっとも、みおみも本来の調子とはいかなかったが。
昨夜見せられた魔法少女同士の苛烈な戦い。そして語られた魔法少女の残酷な真実と、打ちのめされた顔のきりえとレイカ。死体すら武器に使った芽衣の変貌。
工場に巣くっていた使い魔はきりえとレイカで撃退することができたが、事態は一同に深刻な影響を及ぼしていた。
(きりえちゃんと、志摩先輩、大丈夫でしょうか……?)
レイカはそもそも今日学校に来ているのかどうかも分からない。 ただ、昨夜、打ち拉がれたきりえの背を支えてみおみと共に自宅まで送り届けたのはレイカだった。
さすが巨大資産家の綾名家の敷地は広大だったが、玄関までの道のりの長さは昨夜に限っては酷い仕打ちだった。
「……ごめんなさいね」
去り際に、レイカは力無い笑顔でみおみに謝った。
「こんなものに、あなたを巻き込もうとしたこと。 あなたは魔法少女にならなくて、本当に良かった」
「きりえちゃんは……」
「もちろん、契約してしまったことは当人の責任ですし、こんな重要事項を隠匿していたキュゥべえには然るべき報いを受けさせねばなりませんわ」
その時は、いつの間にかキュゥべえの姿はなかった。
「わたくしは大丈夫。……きりえさんにも、いずれ心の折り合いをつけてもらわなくてはなりませんわ。その為にも、今は落ち着いて休息してもらわなくてはなりません」
レイカは、きりえを迎えに門まで出てきた家人にきりえの不調を伝え、明日は休むことを勧めていた。
「いずれわたくしときりえさんとで、今後どうするのかを話し合います。みおみさんは、どうかこのまま日常に戻って」
そうして昨夜はふたりと別れたのだ。
そして、もう一方の芽衣。
(……芽衣ちゃん、なにがあったんでしょう……?)
去り際の芽衣の悪意溢れる嘲笑よりも、何故そうなってしまったのか、これまで音信不通だった空白の期間の中で何が起こったのか、その原因に遭った芽衣のことをみおみは心底心配していた。
それどころか、芽衣の嘲笑すらそれを「悪意」だとは認識していなかった。
『暢気なものですわね。みおみさん』
「はい?」
「……でさあ。って、由貴さんどうしたの?」
突如脳裏に響いてきた声に応えたみおみの声に反応したのは、隣で談笑するクラスメートだった。
「ああ、いえ、志摩先輩が何かお話があるみたいで」
「は?」
『お黙りなさいこの唐変木!?』
再び脳裏に突き刺さる勢いで飛び込んできたレイカの絶叫に、みおみは思わず両耳をふさいだ。
隣のクラスメートはきょとんとするばかりだ。
『あああもう!? 耳をふさいでもテレパシーは遮れませんわ!? というか、これはいま遠話の魔法で話しかけていますから、あなたにしか聴こえてませんの! 声に出して答えてもあなたが周りから変に思われるだけですのよ!? 』
「ええと、そんなこと言われましても」
とうとう謎の電波と交信を始めてしまったらしき「不思議さま」を、同じ机を囲むクラスメートが曰く味のある顔で見つめていた。
『口も喉も動かさずにしゃべる真似をする心地で思考するのがコツですわ』
『こうですか?』
『よろしい』
唇を引き結んでどうにかテレパシーの体裁を整えたみおみは、両耳をふさいだまま宙を凝視して続けた。
突然しかめっ面の埴輪の真似に移行したみおみを、やはりクラスメートのきょとんとした顔が見つめていた。
『……御崎 芽衣は、来ていませんのね?』
『はい。 先生のところにも連絡がないって言ってました』
『そう』
そこでいったん言葉を区切ったレイカは、ややあってから怪訝な声で続けてきた。
『それからみおみさん。こちらからはあなたの姿が見えないのですけれど、お話の相槌に、いちいちうなずいていたりはしませんわよね?』
『ええと、してると思います』
『……おやめなさい。電波を受信しているようにしか見えませんから』
きりえとそっくりの溜め息混じりの声音でぼやかれ、みおみは周囲の奇異の視線に気付いた。
『そう言えば、よくわたしが耳をふさいでるってわかりましたね』
『なんとなくよ』
『……あのう、志摩先輩。ケータイに替えません?』
『万が一誰かに聞かれてはまずいお話ですので、声に出す手段は一切却下です。 それより急ぎ伝えたいことがありますの。うなずいたりしないでお聞きなさい』
うなずきかけたみおみはぴたりと身動きを止めた。
『御崎 芽衣にはお気をつけなさい。 覚えているでしょう?昨夜の彼女の去り際の台詞』
『はあ』
『わたくしも彼女に用がありますの。ついでにあなたの周辺を警戒していますから、安心なさって』
『え?どうしてですか?』
『……』
レイカが沈黙した。みおみはレイカと違って芽衣を危険だとは認識していないのである。
『あの御崎 芽衣にお姉さま呼ばわりされているあなたとあの娘の関係は良く存じませんけれど、彼女はいずれ、あなたに危害を加えるつもりよ』
『なんでですか?』
『さあ。知りませんわ。 でも、御崎 芽衣はあなたにご執心の様子ですから、いずれ姿を現すでしょう』
テレパシーなのに咳払いの声まで聴こえてきた。
軽く苛立ちの混じった調子で続ける。
『……みおみさん。バラバラの死体を攪乱に使った御崎 芽衣に対して、何か思うところはなくて?』
『亡くなられた方にはお気の毒ですけど、どうして芽衣ちゃんがそんなことをするようになったのかには、興味があります』
『……そう。テニスの素質だけでなく、度胸も据わってますのね』
レイカが溜め息を吐いた。
『仮にそれを知ったところで、どうなさるつもり? 御崎 芽衣を真人間に戻すとでも言うの?』
『良くないことは、やめて欲しいなとは思いますけど』
『あなたも聞いたでしょう?魔法少女の真実を。 一度始めたら後戻りできないの。御崎 芽衣は、決して止まらないでしょう』
『きりえさんの様子は、いかがでしたか?』
唐突に内容の異なる問いを挟まれ、レイカの声が途絶えた。
やや戸惑いがちに声が復帰する。
『……今朝もテレパシーでお伺いしたんですけれど、芳しくありませんわね』
『志摩先輩、言ってましたよね? 心の折り合いをつけて、これからどうするかを話し合うって』
『魔法少女の件に関しての時は、名前で呼んで下さって構いませんわ。 ……で、それがどうかしましたの?』
『芽衣ちゃんも同じです。魔法少女でもなんでも、これからも生きていかなくちゃいけないんです。それなのに、あんなひどいことを続けていても、辛いだけです。だから、芽衣ちゃんに何があったのか、わたしは聞きたいと思ってます』
『みおみさん。魔法少女の世界は、生きるか死ぬかの戦いの世界ですの。一度その世界に足を踏み入れた御崎 芽衣に、そんな平和な日常世界の話は、もう通用しませんわ』
『それを判断するのは、わたしだと思いますけど』
茫洋とした調子で頑なに主張を続けるみおみに対し、レイカの沈黙にはどこかぴりぴりとした苛立ちが渦巻いていた。
やがて溜め息の音と共に応える。
『……結構。 まあいずれにせよ、わたくしの行動方針は変わりません。あなたも、御崎 芽衣を説得するおつもりだとして、相手はいきなり攻撃してくるかもしれないということを忘れないでくださいね。 もっとも、わたくしもなるべくみおみさんから目を離しませんから』
『はあ。よろしくお願いします』
『交信終了』
それきりレイカの声が途絶えた。
ケータイと違って通話のオン・オフの区切りがない為、みおみは両手を耳から離しても、ふた呼吸ほど虚空を眺めて声がしないことを確認してからようやくお弁当に向き直った。
そして何事もなかったかのように食事を再開する。
「……あの、由貴さん?」
「ふぁい?なんれすか?」
ずっと呆気に取られていたクラスメートが怪訝に訊くも、みおみはごく普通にもぐもぐと返事した。
「ええと……その、妖精さんから電波でも受けてたのかな?」
クラスメートの指す疑問が、先ほどのテレパシーのことだということはすぐに分かった。
「いいえ? レイカさんからの連絡でしたよ?」
「……ああそう……」
みおみが箸を運んでいる間に、クラスメートたちが顔を寄せ合って何事かこそこそと話し出した。
そう言えば最近、三年生の志摩 レイカがみおみに執心しているという噂を彼女らも聞いている。
この後、一部の生徒たちの間で「志摩 レイカも実はみおみと同類か?」という噂が流布し始めた。
図らずも、みおみの「異常事態を異常だと認識せずに全て受け容れてしまう特性」のせいで。
きりえは暗闇に包まれた部屋の中でベッドの中にうずくまっていた。
今朝早くに改めて不調を訴えたきりえは、慌てた父親によって綾名家お抱えの医師の診察を受けさせられ、ありもしない病気の為に栄養剤のみを投与されて再び自室に戻った。
(……医者でもおかしいと思わない!? 本当に、私の身体は……魂は……!? )
結局、父親が手配した医師の診断結果も、昨夜の御崎 芽衣の発言がもたらした恐怖を後押しするものにしかならなかった。
毛布の中で、きりえは指輪から元の卵形の宝玉に変換したソウルジェムを手のひらに取り出して見つめた。
布団の中が、緑色の灯りに照らされる。
(……私は……!? )
緑の灯りを呆然と照り返すきりえの顔には生気がなかった。
『どうしたのさ、きりえ。 学校には行かないのかい?』
跳ね起きたきりえは枕をひっ掴んで投げつけた。
ろくに見当も付けずに投げつけられた枕は何も無い壁にぶつかって床に落ちた。
そこから離れた机の上に、キュゥべえの姿があった。
「……あんた……よくもノコノコと……」
毛布をはぐり、押し殺した声音できりえは床に降り立った。
怒りとも悲しみともつかない、崩壊寸前の非常に均衡の危うい形相で。
「なによこれ!? 私、ちっとも幸せになってないじゃない!? なおさらひどくなってるじゃない!? 」
『でも、君の願いは間違いなく叶っただろう?』
「ッ!? 」
あくまでも朗らかに言うキュゥべえの言葉に、きりえは詰まった。
『奇跡は間違いなく起きたじゃないか。契約通りだろう?』
「……こんな身体にされるだなんて、聞いてないよ……?」
『ボクは「魔法少女になってくれ」って、きちんとお願いしたよ? そりゃ細かい説明は省略したけど、でも、これまで何の不都合もなかったじゃないか?』
「最初に聞いてたら、私は絶対に契約なんかしなかった!」
『御崎 芽衣は、自分であのことに気付いた上で、それを受け容れたよ? 御崎 芽衣にできたことが、どうしてきりえにできないんだい?』
「あんな性悪のバカと一緒にしないでよ……!? 」
立ち上がったものの、底冷えのする恐怖と平衡を狂わす怒りで一歩も前に進めない。
だが、きりえはそれでも別に構わないと思った。
「……こんな契約、無効よ。私はもう魔女とは戦わないから」
そうだ。もうやめてしまえばいい。こんな怖くて辛いばかりの魔女退治など、昨夜現れたあいつらのような凶暴な連中に任せておけばいいのだ。
そう思って捨て鉢に叫んだが、意外なことにキュゥべえはあっさりと首肯した。
『それがきりえの判断なら、ボクが口出しすることではないね』
「じゃあ、」
『でも、一度履行された契約内容を元に戻すことは不可能だ』
「……え……?」
言われたことが理解できず、きりえは訝しげに首を傾げた。
「な……によ、私はもう、戦わないって言ってんの!」
『うん。別に構わないんじゃないかな』
机の上のキュゥべえは可愛らしく小首を傾げた。
『きりえが魔法少女であることが肝要なんだよ。だから、無理に戦う必要はないよ』
「その魔法少女を辞めるって言ってんのよ!」
とうとう怒鳴りつけるも、キュゥべえはなんらたいした反応を見せなかった。
それどころか。
『それは不可能だ』
きりえの想像だにしないことを、言った。
『さっきも言ったよ。一度履行された契約内容を元に戻すことは不可能だ』
「…………!? 」
『ねえきりえ。 きりえは、出された料理が気に入らないからって返したとして、消費された食材が元の形に戻ると思うかい?』
「……っ!? 」
『仮にそれが可能だとして、そうしたらきりえは、「食材を調理する契約」の次に「調理された食材を元に戻すお願い」が必要になるよね?』
それは、つまり。
『「魔法少女を辞めてただの人間に戻りたい」という願いがあったとして。その奇跡の代価をきりえはもう持ってないだろう? きりえの魂は、もう支払われてしまった』
ソウルジェムは、契約の成れの果て。
もう、元には戻れない。
成された奇跡は、そのまま在り続ける。
「…………!? 」
自身が床に崩折れたことに、床に手をつくまできりえは気付かなかった。
『仮に代価があったとしても、ボクのお願いは「魔法少女になって欲しい」だから、やっぱりただの人間に戻ることは不可能だ』
滔々と語り続けたキュゥべえは、やおら机から床に飛び降りた。
『さて。きりえが戦うことを辞めるとすれば、ボクとしてもお役目の為に、ほかの娘の所に行かなくてはいけない。 短い間だったけど、楽しかったよ』
「……由貴さんの所に行くの?」
傍らをとことこと通過するキュゥべえに、きりえは暗い声で問いかけた。
『そうだね。あれほどの大きな素質を持っているなら、お願いしない訳にはいかないな』
「……なんなの?その素質って。 そんなに凄いなら、どうしてキュゥべえは私じゃなくて、先に由貴さんの所に行かなかったの?」
続くきりえの言葉に、なぜかキュゥべえが歩みを止めた。
『……なんでだろう。ボクにも良く分からない』
「なによ、それ」
『でも、順番は間違っていないよ? きりえが魔法少女になった後に、突然みおみに魔法少女の素質が現れたんだ』
「……!? 」
『じゃあね。きりえ。 もっとも、学校でまた会うと思うけど』
きりえの怪訝な気配にも頓着せず、キュゥべえは暗闇に溶けるように部屋から出ていってしまった。
ドアも何も開閉せずにいったいどうやって姿を消したのかにまで気を配る余裕は、きりえにはなかった。
「……ふん。学校を無断欠席しておきながら、おめおめと真正面から来ましたわね」
校舎の屋上から、人気のない道を歩いて学校に迫る御崎 芽衣の姿を発見したレイカは冷たい眼差しで呟いた。
どういうつもりか、学校の制服ではなく私服姿だ。
昨夜の言葉通り、由貴 みおみに用があって来たのだろう。
「そうはいきませんわ。 みおみさんの矜持を無下にしてしまうことになりますけど、やはり危険な魔法少女は生かしてはおけません」
言って、変身する為に指先に摘み上げたソウルジェムを振りかざしたところで、ソウルジェムが見覚えのある輝きで瞬いた。
「!? 」
それは、魔女出現を感知したサイン。
「こんなタイミングで……!? 」
忌々しげに反応の方角を振り向いたレイカは、いつものようにきりえに救援を頼もうとして取り出したケータイを握る手を止めた。
きりえは今、まともに戦える状態ではない。
「わたくしだけで行くしかありませんわね……!」
レイカはちらりと御崎 芽衣を見下ろした。
(場合によっては、あの娘が介入してくるでしょうね。)
魔女を倒す目的は同じだが、その後手に入るグリーフシードを横取りする為に、介入してくるとすれば魔女もろとも巻き込む攻撃を仕掛けてくるはずだ。
互いに油断ならない戦力である相手をアテにしなくてはならないという悪状況に、レイカはこれまで培った経験から想定される横槍とその対処を検討しながらソウルジェムが示す魔女の反応地点へと向かって行った。
委員会の仕事で遅くなったみおみは、世界が夕焼けに染まるこの時間になってようやく帰宅するところだった。必要な買い物は昨日済ませてあるので問題はない。
部に所属している生徒は、まだ活動中であろう。運動部のかけ声も聞こえてくる。 そうでない生徒は、とっとと帰ってしまっている。
だから中途半端なこの時間帯に昇降口から正門への道を歩いているのは、今はみおみだけであった。
他に誰もいない。
「みおみお姉さまっ♪」
そこに、不意に声をかけられて、みおみはそこの並木を振り向いた。
樹木の陰にいたのは、御崎 芽衣であった。
「あ! 芽衣ちゃん!」
みおみは満面の笑顔で名を呼び返した。
「どうしたんですか?今日は。 大丈夫なんですか?」
正門まで舗装された道路を逸れ、土が露出した大木の元までとことこと歩いてゆく。
芽衣は、昨夜見た水色のバレリーナのような魔法少女の衣装を纏っており、その上から大きなサイズのジャンパーを羽織っていた。
水平に広がったスカートが隠れ切れておらず、非常にアンバランスな出で立ちであるが、芽衣もみおみも気にしていない。
その芽衣は、薄い笑みを浮かべていた。
みおみには、それが「酷薄な嘲笑」に見えていない。
「でも、来てくれて良かったです。わたし、芽衣ちゃんとお話したくて」
「アタシも、みおみお姉さまに用事があるんです!」
発言に頓着せず、芽衣が跳ねるようにみおみの前に歩み寄った。
「はい。一緒に、おしゃべりしながら行きましょう」
「ねえ、みおみお姉さま! 少し遊んでこうよ!」
ところが、芽衣はみおみが促すのを無視して片腕を振りかざすと、昨夜見た水色の巨大なリングを上から振り下ろしてきた。
それは、みおみの肩幅をゆうに越える直径。
円を境に、その中は夕焼け空ではなく暗闇となっている。
「はい?」
「いいトコ連れてってあげますから!」
芽衣の言葉と行動の矛盾に怪訝に小首を傾げているうちに降り下ろされたリングの暗闇を被せられ、視界が全く利かなくなったと見た次の瞬間にはみおみの意識は完全に途絶えてしまった。
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「お願いっ! もう嫌なの!? もう耐えられない!」
第7話 何もかも 元に戻して
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