みかんの花と花嫁と   作:湯婆婆

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3rd....行きたかったな....


#17 りこっぴーの襲来

動画を上げた次の日....

 

「大変!大変!」

 

ルビィが走って俺の教室に来た。

もちろん、果南もダイヤも鞠莉もいる。

 

「これ!見て!!」

「こ、これは?」

「昨日の動画1日限定だったのに10万回も再生されたの!!」

「「「「ぇぇえええ!?」」」」

「それで?コメントとかは?」

「1番最初の人は...りこっぴーさんで『Aqoursの堕天使可愛すぎる♡浦の星女学院か...いい学校ですね』だって」

 

ん?りこっぴー?

どっかで聞いたことが...

 

「他にも沢山コメントが付いてます!!」

「1日はもったいなかったかしら?」

「善子ちゃん!?」

「ヨハネよ!」

 

そんな話をしていると...

 

「大変だよー!」

「今度は何だ?」

「転校生だよー!転校生!!」

「あらっ!珍しいですわね?」

「そうなんですよ!!しかも!作曲が出来る!」

「へぇ~それで?その子は?」

「は、はじめまして。桜内梨子です。」

「え?梨子!?」「あっ!貴方は!」

 

まさかの梨子との再開。

あぁ。さっきのりこっぴーは梨子か...

因みに梨子は東京で初めて出来た友達だ。

 

ん?後ろから凄い殺気が...

 

「和君?どういう事か説明してね?」

 

にこっにこっしながら言ってくる。

悪魔だ。

 

全部説明するとふと元の千歌に戻った。

 

「そういうことなら言ってくれればいいじゃん。別に怒ってないから...ね?」

「お、おぅ。ごめんな。」

「でも.....なんでそんなに女の子との関わりがあるの?....嫉妬しちゃうな...」

 

きっとこれが千歌の本音だろう。

気が付かないうちに不安にさせてたかな?

 

「はいはい。2人共!隙あればイチャイチャしない!」

「「はい。すいません。」」

 

果南に怒られた。

最近こういう事増えてるな。

気をつけなければ...

千歌の怒り方は果南の怒り方から学んだ物だろう。

という事は果南は千歌よりも何十倍も何百倍も怖いということだ。

 

「あ、あの....ちょっといい?」

「ん?なぁに?梨子ちゃん?」

「高海さんと和馬くんは付き合ってるの?」

「「へっ....../////」」

 

唐突に聞かれるとその....恥ずかしいな。まだ。

 

「うふふ。2人とも照れちゃって...

それで?高海さん、私をここに連れてきて何するつもり?」

「ふぇ?あっ!そうだった。スクールアイドル好き?あと!千歌でいいよ!」

「うん!千歌ちゃん♪でもごめんね?スクールアイドルは知らないの...」

 

嘘だ。だって絶対あのりこっぴーは梨子なんだ。

絶対好きなはずだ。上げた動画に1番最初にコメントするくらいに...

 

「そっか...じゃあ!」

「え?」

 

梨子の手を取ると....

 

「一緒にやってみよう!それが1番!

私達Aqoursを知ってもらう!それで梨子ちゃんがやりたくないなって思ったらやらなきゃいいしやりたいなって思ったらやればいいよ!」

「え、あぁ。うん。」

 

半ば強引に梨子は練習に参加することに....

 

「1.2.3.4!はい!そこでターン!!」

「ピギィ!!」

「ルビィちゃん!?大丈夫?」

「あっ!ごめんなさい。」

「大丈夫。大丈夫。さぁもう1回!全速前進?」

「ヨ、ヨーソロー!」

「はい。よく出来ました!」

 

うん。いつも通りだ。

Aqoursは皆のことを考えて動ける。

 

「じゃあもう1回やるよ?」

「1.2.3.4!はい!」

「で、出来た!」

「凄いじゃない!頑張ったわね♪」

「流石私の妹ですわー!」

「はーい!じゃあこの辺で一旦休憩ね?」

 

こうして休憩時間になった。

 

「Aqoursって楽しいわね。もっと違うかと思ってた。」

「違うって?」

「んー。もっと厳しいのかなって...」

「ん?厳しいぞ?生ぬるくやってるつもりも無いぞ?」

「あぁ。そうじゃなくて...練習メニューは厳しいわよ?じゃなきゃあんな素晴らしいライブなんてできないもの。でももっと間違えたら厳しく言われるのかと思ってたの....」

「音ノ木坂はそうだったのか?」

「そうかもね....先輩達が凄いから...」

 

すごく儚い顔をしている。

 

「梨子....」

「ねぇ!梨子ちゃん!!」

「え?何?」

「「入らない(か)?Aqoursに!」」

「「えっ!?」」

 

まさか...千歌とハモるとは....

 

「うふふ。本当に仲いいのね。2人とも。」

 

梨子にまで笑われた。

 

「いいわよ。その代わり皆に隠してたことがあるの...だからそれを言わせてちょうだい。まぁ和馬君は気がついてたみたいだけど....」

 

そして梨子の口からAqoursの動画に1番最初のコメントのりこっぴーは自分だとカミングアウトしたのだった。

 

「嘘を付いていてごめんなさい。」

「もういいよ!」

 

千歌を筆頭に梨子に笑いかけた。

 

「でも....何故嘘なんか....別に正直に言ったって良かったのでは?」

「それは......」

「話したくないなら話さなくていいよ?ほら。ダイヤさん!そんな事聞いちゃダメでしょ?」

「すいません.....梨子さん....」

「あ、あの.....違うんです!」

「何が?何が違うの?」

「2つ理由があって...1つは1番最初にコメントするなんてドン引きされると思ったからです。」

 

なるほどな.....

考え方が梨子らしいわ...

 

「もう1つはどんな練習をしているのか観たかったんです。本当のAqoursの姿を観たかったの....」

 

本当の姿ね.....

 

「別に私達は隠したりしないよ?....あっ!善子ちゃんは隠してるね...」

「ヨハネよ!!しかも隠してるって何よ!何にも隠してないわよ....」

「あれ?おかしいずら。だって今は仮の姿で正体を隠してるんじゃなかったの?」

「はっ!...んん...リトルデーモンリリィーには教えてあげるって事よ。感謝せよ。我がしもべよ。」

「私がいつしもべになったのよ。しかも!リリィーって何?」

 

すっかり梨子はAqoursに馴染んだ。

善子のおかげかな?いや、千歌か...

 

「梨子ちゃん!これからよろしくね」

「こちらこそ!よろしくね。千歌ちゃん♪」

 

「そうだ。梨子?」

「はい。何でしょ?鞠莉さん。」

「マリーだって!まぁいいわ。貴方、作曲出来るのよね?」

「はい。まぁ一応。人並みには?」

「あら?コンクール優勝者の常連でしょ?」

「な、なんでその事を....」

「小原家をなめないで頂戴♪」

 

ま、まさか....

梨子が出てたピアノコンクールって....

 

「うふっ!小原家主催のピアノコンクールよ♪桜内梨子さん?」

「え?えっ!?」

 

まさかここにも縁があったなんて...

人生何があるか分からないな。

 

「鞠莉さん...からかうのもその辺になさい。」

「え?まさか嘘ですか?」

「ううん。嘘じゃないよ?」

「えっ!?嘘じゃないんですの?!」

「だから!言ってるでしょ!!もう!ダイヤのお馬鹿さん!」

「そ、そんな.....」

 

ダイヤってやっぱどっか抜けてるよな。ポンコツダイヤ様だな。

 

キーンコーンカーンコーン♪

キーンコーンカーンコーン♪

 

このチャイム....

今何時だ?腕時計を見ると6時30分!?

まずい...最終下校時刻だ。

 

「おい!急いで着替えろ!最終下校だ!」

 

「「「「「「「「「ぇぇえええ!?」」」」」」」」」

 

 

こうして最終下校ギリギリ(アウトだな)に学校を出た。

 

「それでは。私とルビィは車が来ますので...」

「花丸ちゃんも乗ってくでしょ?」

「うーん....じゃ、じゃあお言葉に甘えて...乗るずら!」

「わーい!!」

 

ダイヤ、ルビィ、花丸は校門で別れた。

後は皆バスだな。梨子も?

 

「ねぇ!皆バスなの?」

「ん?うん。バスだよ?」

「ダイヤとルビィとずら丸以外はね。皆そうよ。」

 

梨子はどこで降りるんだ?

まぁ、着いてからでいいか。

 

「私と和君が降りるの1番早いんだよね...」

「そうなの?」

「うん。私と和君はみとしーで、鞠莉ちゃんと果南ちゃんはあわしまでしょ。それで曜ちゃんと善子ちゃんは沼津駅までだから。」

「へぇ~」

「千歌~。梨子ちゃんにここら辺の地名言ったって分かんないでしょ?」

「あっ!そうだね。ごめんね?」

「ううん。気にしてないわよ。」

 

果南に指摘されて落ち込む千歌。

確かにな。

内浦や沼津では伝わる言葉も他の県から来た人はチンプンカンプンだ。

あれ?おかしいな?

 

「ねぇ!和君には伝わったよ?」

「えっ!?」

 

そう。俺の記憶が正しければ内浦はもちろん沼津にだって来たことがない。

それでも千歌の言葉が全て理解出来た。まるでここに来たことがあるかのように....

 

次は~伊豆・三津シーパラダイス~

伊豆・三津シーパラダイスでございます。

 

「あぁ~着いちゃった。じゃあ皆また明日ね?」

「じゃあな!」

「あっ!待って!!私も!!」

 

ん?今誰かの声が聞こえたような....

いやいやいや、幻聴かな?

 

「和君?難しい事考えるのはおしまいだよ?」

「あ。ごめん。」

「ううん。顔が怖かったから。大丈夫?」

「あぁ。ありがとな。千歌。」

「うん!........あぁぁぁぁぁ!!り、梨子ちゃん!?」

 

え?梨子?!

そんなはずは....

 

「うわぁー!!」

「もうっ!そんなびっくりしなくても.....」

「梨子ちゃん。あれで終バスだよ?」

「え?あぁそうなの?」

「お家は?もうバスじゃ帰らないから志満ねぇに言って送って貰うよ?」

「いや、私の家あそこだから!」

 

梨子が指を指した場所は十千万....

ぇぇえええ!?

 

「いやいやいや、梨子ちゃんいくら冗談でも.....」

「冗談じゃないわ。」

「いや、だってあそこは千歌の家で旅館で俺の居候先だぞ?」

「まさか.....梨子ちゃんも....居候?」

「違うわよ!その隣!一軒家!」

 

まさかまさかの家が隣。

これはもしや...

 

「梨子ちゃん!奇跡だよ~」

 

はい。頂きました。千歌の名言"奇跡だよ"ありがとうございます!

 

「改めてよろしくね?梨子ちゃん!」

「えぇ。こちらこそ!和馬君もね?」

「お、おぅ。よろしくな?」

 

こうして毎朝梨子と学校に行くことになった。

これで千歌とも朝はイチャイチャ出来なくなったな....

 




さて、やっとAqoursメンバーが揃いました!
これからどうなるんでしょうか?
お楽しみに!!
UAが9000突破!!
ありがとうございます!

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