みかんの花と花嫁と   作:湯婆婆

21 / 26
千歌ちゃんの誕生日に間に合わなかった....
楽しみにしてた方申し訳ございません。

書きたいことがありすぎて色々パターンが出来すぎて迷っていました。

それではどうぞ!


#21 最低で最高な日

いつもは私が和君を起こしに行くのに、今日は寝坊してしまった。

 

「千歌~早く起きないと学校遅刻するぞ?」

 

こうして和君に起こされている。

 

「んん.......あっ。おはよ......」

「はい。おはよう。先に下でご飯食べてろ!布団は俺、片付け置くから。」

「うん!ありがとう!」

 

そして、いつもとは違う時間に朝ごはんを食べているとテレビではいわゆる朝占いがやっていた。

 

別に、占いとか信じてないけどね...

何となく気になった。

 

『今日の1位はうお座の貴方.....』

 

1位はうお座か....

しし座は何位かな?

 

『5位はかに座の貴方......』

 

和君は5位か.....

2位から6位には無い....

嘘!?いや、でもまだ....

 

『9位はおひつじ座の貴方......』

 

7位から11位にも無い.....

ということは?

 

『ごめんなさい。12位はしし座の貴方...何もかも上手くいかなくてイライラしちゃうかも....』

 

嘘でしょ!?

いくら12位だからって何もかも上手くいかなくてイライラするなんて.....

だから、朝から寝坊しちゃったのかな?

 

『でも大丈夫!そんなしし座の貴方のラッキーアイテムはみかん!』

 

みかん......

みかんはいつもカバンに入ってるし、私のイメージカラーはみかん色だし、髪の毛もお母さん譲りのみかん色!

大丈夫.....だよね?

 

 

 

 

 

 

「ほら!千歌!早く行くぞ!」

「え?うん!」

 

占い観てたらいつの間にか遅刻ギリギリの時間に....

 

あぁ~。まだ頭もボサボサなのに...

 

「ねぇ、やっぱり先行ってて!」

「はぁ?いや、お前遅刻するぞ?」

「いいから!行ってて!」

「遅刻すんなよ?」

 

やっぱり流石にボサボサで行きたくない。

だって一応女の子だもん。

 

 

それから10分後....

やっと支度が終わった!

いつもより寝癖が凄く、苦労した。

 

「よし!じゃ、行ってきます!」

 

そうやって元気よく家を飛び出したのはいいんだけど.....

 

えっ!?雨降ってる!?

 

雨が降っていた。

今日は雨の予報がなかったのに...

 

バスは来ないかな?

 

そうもそうだ。

今日はギリギリなんだから。

 

はぁ....

走ろ....

 

傘もささずに走っていった。

 

あとちょっと!

 

わずかに希望が見えた。

遅刻しなくて済む!

 

そう思ったのも束の間。

 

後から来たバスが水溜りを私に飛ばした。

 

最悪....

制服はびしょびしょになってしまった。

替えの体操服も鞄に入れてなくて一緒に濡れてしまった。

 

もぅ!なんなの?

 

この時、私は今日は何の日か忘れていた。

何となく何もかも上手くいかなくてそれどころではなかったからだ。

 

やっとの思いで学校へ着き、教室に入る。

 

あれ?皆は?

 

教室に入ると誰一人としていなかった。

黒板には"Summervacation"の文字が。

 

サマーバケーション?

夏休みってこと?

えっ!?今日夏休みなの?

 

最近夏休みなのにAqoursの練習があったから学校に来てて休みって感じがしなかったんだ。

 

あれ?でも和くん今日遅刻するなよって言わなかった?

 

その時、教室に曜ちゃんが来た。

 

「千歌ちゃん?」

「あっ!曜ちゃん!今日なんかあるの?あっ!でも夏休みだよね...」

「千歌ちゃん1回落ち着こう?」

 

曜ちゃんが私の肩をぽんぽんと叩いて落ち着かせてくれる。

 

「落ち着いた?」

「うん!ありがとう!」

「いつもの事だからね!それよりさ...制服どうしたの?」

「ふぇ?制服?」

 

そうだった。制服濡れてたんだ。

 

「体操服は?」

「体操服も濡れちゃったの...え~ん!曜ちゃん~」

「はいはい。泣かない泣かない!じゃあ特別に私の貸してあげよう!」

「本当に?!」

「うん!サイズ一緒だから大丈夫でしょ?」

「ありがとう!!」

 

やっぱり曜ちゃんは優しいよね~。

びしょびしょで透けてるから早く着替えて来ないと!

ちょうど和くんもいないし!

 

「なぁ~曜?千歌、まだ来て.....」

「え?か、和くん!?」

「お、おう。千歌....」

「じゃあ私邪魔みたいだから!」

 

曜ちゃんが逃げようとする。

なんで今このタイミングで来るの?

 

「あ、あのさ....」

「ごめん。着替えてくる....」

 

和くんが私に何か話しかけようとしていたが、私は逃げるように更衣室に入っていった。

 

「千歌ちゃん!」

「曜ちゃん...」

 

更衣室に逃げた私の後を曜ちゃんが追ってきてくれた。

 

「大丈夫?」

「うん...」

「なんかあったの?」

「ううん。何もないよ!」

 

私が笑顔を作ってそう答えると曜ちゃんは私のほっぺを両手で伸ばしてきた。

 

「嘘つき千歌ちゃん」

「っ...嘘つきじゃないもん!」

「嘘つきだよ。だって何も無かったら涙は出ないよ?」

 

涙?誰が?わたしが?

そんな....なんで?

 

「実はね...」

 

曜ちゃんには全て話した。

朝見てた占いの通りに進んでて怖かったこと。

何もかも上手くいかないから和くんにも飽きれられちゃうじゃないかって...

 

「そうだったんだね...話してくれてありがとう!」

 

そう言いながら私の頭を撫でる。

 

「でも大丈夫!占いはあくまでその日の目安なんだよ?」

「分かってるよ....占いを信じてるわけじゃないんだけど....」

「そっか......よしよし...」

 

曜ちゃん...

 

「千歌ちゃん?今日は何の日でしょう?」

「え?なんで今なの?」

「いいからいいから。何の日?」

「え、えっと....」

 

今日って何日?

夏休みでしょ?

 

「正解は~」

「正解は?」

「私と一緒に行こっ!」

「ちょっと曜ちゃん!?どこに行くの?」

 

曜ちゃんは私の手を取るとどこかへ向かって歩き出した。

 

「千歌ちゃん?」

「な、何?」

「今日は何もかも上手くいかないって占い出てたんだよね?」

「う、うん...」

「でも大丈夫!ここからは千歌ちゃんが主役だから!」

 

え?主役って?

 

不思議に思っていると曜ちゃんが私の背中を強く押した。

 

「千歌ちゃん、お誕生日おめでとう!」

 

曜ちゃんは誰よりも早く言ってくれた。

 

『千歌(ちゃん)(さん)(っち)、お誕生日おめでとう!』

 

皆が声を揃えて言ってくれた。

 

なんでこんな大切な日、忘れたんだろう。

皆が私を祝ってくれる日。

皆に感謝を伝える日。

自分が主役になれる日。

 

大好きな日。

 

 

 

「皆ありがとう!」

「どういたしまして。さぁ、プレゼント交換ですわよ?」

「うん!」

 

皆からプレゼントが渡された。

 

曜ちゃんからはみかん色の髪飾り。

梨子ちゃんからは素敵な伴奏。

 

新しい曲の仮伴奏かな?

 

花丸ちゃんからはみかんの本。

ルビィちゃんからはスクールアイドルのグッズと本が何冊も!

善子ちゃんからは黒魔術のグッズじゃなくて、みかん色のタオル。

 

練習の時に使える!

 

ダイヤさんからはみかん色の可愛らしい浴衣。

果南ちゃんからは目覚まし時計!?

鞠莉ちゃんからはみかん色のドレス!?

 

鞠莉ちゃんが言うには、結婚式のお色直し用らしい...

結婚式って気が早くない?

絶対高いよね....

 

「本当に皆プレゼントまでありがとう!いつも迷惑かけて....それでもここまで付いてきてくれて本当に感謝してる!これからも私と輝いてくれますか?もっともっと先まで付いてきてくれますか?」

 

最後はライブの後の挨拶みたいになっていた。

それでも皆は

 

『もちろん!着いていくよ!どこまでも!!』

 

そう、答えてくれた。

 

その頃には占いの結果なんて忘れていた。

 

今日は最低で最高な日だ。

 

 

 

 




ありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。