ガンダムブレイカーズ / ガンダムブレイカーズACE   作:Katudon0105

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第7章 動き始めた影
ガンダムブレイカーズ 第28.5話 動き出す計画


「あああああああ!!!!」

ユウキはミサの実家の模型屋で突如叫ぶ

「思い出しただけでイライラする...!!! なーにが

止まって見えたよ(キリッ) だよ!かっこいいとでも思ってんのかああーー!!!!」

ユウキは二日前のバトルを思い出しイライラしていた。

 

ジャパンカップエキシビションマッチ...

互いに覚醒したミスターガンプラのケンプファーとユウキのパーフェクトストライクは互いに引けを取らぬ戦いでケンプファーを撃破。

その後のミスターガンプラとのやり取りの最中に、ミスターにウィルと呼ばれたアストレイゴールドフレームをベースにした機体を操る少年の乱入よって楽しく終わるはずの大会は無茶苦茶にされてしまった。

 

「あーもう!折角楽しい大会だったのに!!」

ミサも同じようにイライラしている様だ...

「アイツは空気が読めないのか!!! あーもうイライラするぜ...」

ユウキは相変わらずの様だ。

「そんな事言ったってしょうがねえだろ... それよりお前らジャパンカップを制覇して終わった気じゃないだろうな?」

イライラし続ける2人を窘めるように口を開いたのはカドマツだ。

「そっか...私達ジャパンカップ優勝したから次があるんだ...」

「次は世界... だとしても絶対にアイツと当たる気がする...!!あああああ!!!!もう!!!!」

ユウキは再びウィルの事を思い出し再びイライラし始めた。

「大丈夫かこいつら...」

流石のカドマツも呆れる

 

「お邪魔するよ」

 

3人に対して声を掛ける金髪の青年とメイド服を着た女性が模型屋へと入ってきた。

「誰だアンタ、 待てよお前の声どっかで聞いたぞ!」

ユウキは金髪の青年の声に聞き覚えがあった。

「なぁ...お前さてはウィルとか言う奴だろ?」

ユウキは怒りを抑え、冷静に青年へと問いただす。

「そうだ。この前は邪魔してすまないね。」

「あぁ!?てm...モガモガ」

ウィルに対して突っかかろうとするユウキに対してカドマツは口を抑えると、

「アンタ...確かタイムズユニバースの社長か何かだったな? そんな人間がこの商店街に何のようだ?」

ユウキの抑えながらカドマツはウィルに対して問う。

「僕が用事があるのはそこのエースさ。」

ウィルはカドマツに口を抑えられ暴れるユウキへと指を指した。

「ハァハァ... 俺に何のようだ?...」

無理やりカドマツの手を離したユウキはウィルに答える

「今度の大会... 世界大会は僕も参加する事にしたよ。一昨日はチャンプとの戦いで弱っていたらしいけど、今度はきちんとした状態で戦いたくてね。また君のガンプラをバラバラにして上げるよ」

「なんだと!?」

ユウキは再びウィルに突っ込んでいこうとするが

「ユウキ君!」

今度はミサに後ろから抱きつかれ止められた。

するとメイド服の女性がユウキの前に立ち

「ウィル坊っちゃまの一言は一々イライラするかもしれませんがご了承下さい。」

ペコリと頭を下げた

「ドロシー...」

余りにドストレートな物言いにカドマツやウィルも苦笑いする。

「さぁ、ウィル坊っちゃま。次は雷門です。行きましょう」

ドロシーはそう言うと模型屋を出た

「楽しみにしてるよ一ヶ月後の大会」

ウィルもそう言い残し店を出た。

「ふざけんな...!どれだけ人を馬鹿にしやがる...!!!」

ユウキの怒りは頂点。これだけ怒ったのは黒パーカーのアイツにパーフェクトストライクを壊された時以来だろうか。

「どうするんだ?」

カドマツは口を開く。

その一言はユウキではなく、ミサを向きながら言った。

「え...?」

「ウィルとか言う奴はユウキを見ながらエースっつったろ? この彩渡商店街ガンプラチームのエースはミサ、お前じゃないのか?」

「うん...」

「俺は別にこの商店街が潰れようと何も思わない...けど、お前らは救いたいんだろ?この商店街を。なら強くなるしかない... アイツ超えるくらいにな。」

「決めた... 私、ちょっと修行してくる!」

ミサは店を出ると何処かへ行ってしまった。

「カドマツさん...」

「しょうがねえよ、強くなるにはこれくらい言わねえとな...」

 

プルプルプル

 

静寂に包まれた空間の中、カドマツの携帯が鳴り始めた

「もしもし、 ん?お前か。...... 何!?アイツが見つかった!?」

カドマツはいきなり声を上げる。

「分かった。俺とユウキで向かう! 場所はどこだ!? ゲームセンターか!分かった!」

カドマツは電話を切ると、

「ユウキ!車出すから付いてこい!」

「え?なんだよ?」

「詳細は車の中で話す! いいから速く!」

「わ、分かったよ...」

 

…………………………………………

 

「で?何でこんなに急いでゲームセンター向かってんの?」

「お前達には申し訳ないが、心配かけないように俺とマモルで秘密にしてた事があるんだ...」

「秘密...?」

ユウキはカドマツの一言に謎の不安感を覚える

「ミライ...最近見てないだろ?」

「アイツに関係あんのか?」

ユウキは更に不安になる。

ミライ...確かにここ数日みていなかった。

ジャパンカップ決勝にも姿を見せずに。

「アイツはジャパンカップ決勝からずっと行方不明なんだよ... あの時はお前らに心配掛けたくなくて黙ってたがな...」

「はぁ!? ミライが行方不明!? 誘拐...?」

カドマツの口から出た言葉に驚きを隠せないユウキ

「俺たちも誘拐だと思ってるが... ゲームセンターにミライがいるってさっきマモルから連絡があってな」

「それなら早く行かないと!」

「分かってる!」

 

………………………………………………

 

モブA「うわあああああああ!!!!」

赤色のズゴックはGNソードで両腕を切り落とされると、ライフルに変形したGNソードの一撃を胴体にゼロ距離でくらい爆発する。

モブB「なんだよ...あの機体...」

モブC「化物じみてやがる...」

「...」

震える2機のガンプラに対し、一言も発さずに倒したズゴックを踏みつけるのはミライのレクイエムエクシアだ。

レクイエムエクシアを操るミライの目には光など無い。

まるで何かに囚われ操られているかのようだ

 

……………………………………

「おおーい!2人ともこっちだ!!」

ゲームセンターの入口付近でマモルがユウキとカドマツに対して手を振る

「あれ?ミサちゃんは?」

「修行してくるって出てったよ... それよりミライは!?」

「シュミレーターだ!こい!」

マモルは2人を誘導した

「行くぞユウキ!」

「うん...!」

二人もマモルの後ろを追いかけ、ゲームセンターのシュミレーターへと向かっていった。

 

………………………………………………

 

「お前がミライを連れ去った奴か?」

シュミレーターの付近には髪の毛の色が白く、片目は前髪で隠れている少年へとカドマツは尋ねた。

「直接連れ去ったのは俺じゃないが。 連れ去ったと言えば連れ去ったな。」

「お前... ミライを返せ!」

ユウキも続けて少年へと話す

「俺も返してやりたい所だがそう簡単に返せない。上の判断でな。」

そう語る少年に感情などない。まるでロボットだ。

ロボ太の方が感情があるくらいだ。

 

すると3人の前にシュミレーターから出てきたミライが現れた。

「ミライ!」

「お前!心配したんだぞ!」

ユウキとマモルはミライに対してそう声をかける

「今のこいつに言葉は通じない。」

白髪の少年はそう語る

「はぁ!?どういう事だよ!?」

納得の行かないマモルは反論した。

「お前等を潰す為にこうなった。恨むならこんな風にした俺の上司を恨め。」

白髪の少年...もとい03はそう語った。

「...!今日は本当に俺をイライラさせるな...! 」

既にイライラしていたユウキは更に怒りが込み上げてくる。

「返して欲しいならコイツに勝て。それしか方法はない。」

03はそう語るとミライをシュミレーターへ向かわせた。

「上等だ...!」

怒りの極みのユウキはシュミレーターへと入っていく

「ユウキ!これ受け取れ!」

カドマツはユウキを呼び止め、ガンプラを渡した。

「ビルドストライク...」

 

ジャパンカップ決勝で、ツキミのエンハンスドデファンスとの死闘を繰り広げてボロボロになったビルドストライク。エキシビションマッチはレナとユウトが修復してくれたパーフェクトストライクで出撃したが、その間にカドマツが治してくれたようだ。

 

「ありがとう...」

「絶対...勝ってアイツを取り戻せ...! 」

「ああ...!」

ユウキとカドマツはそうやり取りした後

「俺も行く」

マモルもシュミレーターへと向かう

「マモル...」

「俺もアイツを止めたい...! よくわかねえけどアイツは苦しんでる まるで操られてるみたいに...だから俺も行かせてくれ!」

「分かった、行こうぜ!」

「おう!」

マモルとユウキもシュミレーターへと入っていった。

「お前に教えといてやるよ」

シュミレーターの外で待機しているカドマツは03へとこう切り出す。

「何をだ。」

03は聞き返した

「アイツらの友情パワーとやらに洗脳は効かねえ、どれだけアイツらがこの戦いで苦しみ追い詰められようが、そのパワーには勝てないだろうな」

「ほざいてろ。勝つのは我々の技術だ。」

カドマツの言葉に対してそう冷静に03は返した

「そう言えば...さっきからずっと言おうとしてたが、お前、人間じゃないだろ?」

「何...?。」

カドマツの一言に若干の焦りだす03。

「俺も仕事柄ロボットやらアンドロイドやらを扱うからな、見た所ワークボットだろ?何処からの差し金だ...?やけに精巧に出来てるから人間かと思ったがな」

「それに答える義務はない。俺は自分の仕事をやるだけだ。」

「...」

03の返答に黙り込んだカドマツは戦況を確認し始めた。

 

…………………………………………

 

「マモル、お前機体大丈夫なのか?」

「ああ少しだけ治した、だから心配すんなって。

さぁ、行こうぜ...!」

「ああ...!」

 

2人はシュミレーター内に自分のガンプラをスキャンした。

 

「ビルドストライクガンダム ユウキ、出るよ!」

「AGE3フルアーマーフォートレス マモル、行くぜ!」

 

「レクイエムエクシア ミライ、出る...」

 

3機は射出され、戦場へと放たれる

 

 

「必ず取り戻す...!ミライ...!」

 

ユウキはそう呟き、ビルドストライクは動き始めた。

 

…………………………………………

 

「遂に対峙したか... 彩渡商店街ガンプラチーム 相楽ユウキ、我がサイバーコーポレーションが生み出したレクイエムエクシアと擬似覚醒システムにどう対抗するかな... 」

カワグチは03から送られた情報を見てそう呟き、製造中の自分のガンプラを確認すると背後にいた男へと話しかける

「バイラス、あのウイルスの様子はどうだ?」

「良好だ。世界大会ではアレを使ってタイムズユニバースの彼に復讐するんだろう?」

「ああ...!。こちらももう少しで完成だ。最強のガンプラがね...」

「素晴らしい... フハハハハハ!!!」

バイラスと呼ばれた男は高笑いする

カワグチの目線の先には... ネオ・ジオングが制作されていた。

「覚えていろ...ウィル...!」

カワグチは近くにある、ウィルの写真が写っている記事を睨みつけそう呟いた。

 

 

続く




わざわざ29話にする程の内容でもないかなって思い28.5話にしました
4月から仕事が始まるので少し更新遅れるかもです!

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