詳しく説明するため、ウサミンを家に招く。
期待して顔を赤くしていたが、ちっひーたちと合流したらテンションは下がっていた。
それでも男の家に行ったことがないのか、時間が経つにつれてソワソワし始めていたが。
珍しく第三次性徴期はまだきていないらしく。
家に上がっても顔を赤くしてるだけで鼻血を垂らしたりとかはなかった。
「さて、菜々にはギターをやって貰おう」
「ふぇ? ……ふぇ?」
防音部屋へと直行し、俺が使っているのとは別のギターをウサミンに手渡す。
戸惑っているようだが、それは俺が名前で呼んだからか、ギターを渡したからか。
どっちもか。
「菜々に拒否権などない。君はいま、我らのバンドに入ったのだ。……詳しい説明はちっひーたちがよろしく」
心と同じように後は任せ、俺はリビングで碧からお菓子をいただく。
「また、メンバー増やすの?」
「さすがにこれ以上は増やさないよ」
「お菓子は持っていかなくて大丈夫かな?」
「そのうちコッチくるから、その時お願い」
「うん、分かった」
それにしても、碧のお菓子はいつ食べても美味い。
お菓子だけでなく、料理も美味い。
これはお店開くしかないだろう。
…………。
そしたら俺の取り分減りそうだから、お店はまだ先かな。
冬休み開けたが、すぐに春休みだ。
高校二年生になるが、進路とか決めないといけないのか。
今年度は学園祭でお披露目できなかったから、二年生のときは絶対やる。
ウサミンをそれまでに仕上げなければ。
高校卒業したらどうしようか。
大学に行くのも俺としてはありなんだが、母さんが許すか微妙なとこだ。
ウサミンと心も卒業してるし、テレビに出るかなぁ……。
でも、勝手なイメージだが面倒そうなんだよなぁ……。
皆は今後どうしていくんだろう。
ウサミンは今年卒業だし。
そのうちどこかで聞いてみるかな。
説明が長引いたのか、一時間が過ぎてからやってきた。
そんなに長く説明することなんてあったかな……?
「それで、どうするん?」
「菜々としては顔だしてやっていきたいかなと」
「んー、そしたらなぁ……今まで隠してきた意味がなくなるし」
「顔出しってそんな大事なのですか?」
「外歩いても面倒なだけだと思うが」
今更、顔を出すことに意味があるとは思えない。
むしろ面倒なことになるだろう。
後は男ってことで人気になっても意味はない。
だったらこのままでいいじゃないか。
ゆっくりと説明していけば、ウサミンも分かってくれたようだ。
……ってか、説明終わってなかったやん。
「顔出ししてなくても金は入るんだし」
再生数に応じて金が入ってきてたんだが、今まで分配することもなくずっと貯めている。
そこそこあるのだが、誰も分けようなどと口にしていない。
結婚すれば一緒なのだし、分ける意味がないのだとか。
「別にバンドのことバラさなければ、他で何やってもいいよ」
「バラすの、ダメなんですよね」
「だって、それで入っても実力じゃないし。それで評価されていいんなら構わないけど」
「そうですよね……」
バンドには入ってくれるそうだが、アイドルをどうするか悩んでいるらしい。
悩むってことは諦めきれていないってことじゃろ。
「まあ、菜々も俺らに慣れたらなんとかなるさ」
「ふぇ? どういう意味です?」
「取り敢えず、私たちは勝ち組ってことだ☆」
それでも意味が伝わってないのか、首を傾げている。
大丈夫。すぐに理解できるから。
ウサミンを俺の部屋に連れ込み、美味しくいただくつもりだったが。
逆に美味しくいただかれた。
ウサギの性欲って、凄まじい。