「菜々もスペック高い人種だったのか」
「えへへ。照れますね」
二ヶ月が経ち、三月になった。
ウサミンは一ヶ月で基礎を完璧にし、もう一ヶ月で今まで載せた曲を完璧に仕上げている。
アルバイトしている346カフェにそのまま就職するらしく、受験をしないウサミンは他の人に比べて余裕がある。
といっても、アルバイトしながらここまで仕上げたのは頭おかしいと思うが。
練習はちっひー、奈緒、楓、心、ウサミンでやっていた。
なぜなら。
俺は冬休み明けたら時間がなくなった。
受験する三年生の時間をもっと取ってくれないかと頼まれ、ほぼそれに時間を割かれた。
そういうことは冬休み前から頼むもんだと思うんだが。
追加で曲を書こうと思っていたのに書けていない。
全然自由な時間がないじゃないか……。
加えて卒業するからか、俺に告白する三年生の人が結構いた。
学年の半分からはされたと思う。
もちろん全部断った。
断られた人たちは講義に泣きながら参加しており。
受験でほぼ満点取ったと先生から聞いた。
そうでなくても第一志望には皆受かっているらしい。
受験しない人はウサミンのように就職か、家の手伝いだとか。
校長先生からお褒めの言葉を頂いたが、これは来年以降もやる流れですかな。
取り敢えず受験は終わったし、新曲の譜面を皆に渡したのだが……。
一週間で仕上げるのはやり過ぎじゃない?
このペースだと、週一投稿になるんだが。
……アホなん?
「アホって言われてもな……」
「出来ちゃうから」
「仕方ないです」
ちっひー、奈緒、楓は長くやってるからまあ分かる。
一番最初から載せてきたんだし、合わせるのも簡単だろう。
心も……うん。まあ、分かる。
そこそこの期間一緒にやってきたし。
だがウサミン。お前がウサミン星から来たと言っても、今なら信じるぞ?
まだ二ヶ月と少しなのに。
ほぼ完璧じゃないか。
ちっひーたちも気にした様子はないし、おかしいのは俺なのか?
…………。
どう騒ごうが、出来たもんはできたんだ。
納得して撮影するしかないだろう。
選んだ曲はfripSideより『black bullet』にした。
またテンション上がる系の曲にしたかったのだ。
問題なく撮影を終え、載せたのだが。
「メール、増えてない?」
「増えてるな」
再生数がおかしな事になっているのは今更だが。
届いたメールが二桁に届きそうだ。
「菜々さんも仕上がりましたし、受けますか?」
「……試しに一つだけ受けてみるか」
346からテレビ出演の依頼が来ている。
他よりも多少知ってる分、いいだろう。
今日も日間ランキングに載ってました!
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