「ってことで、残りの三曲をどうするか決めたいと思います」
昼飯はいつものカフェでしようと思ってたのだが、人が押しかけて来るからと止められたので、出前になった。
各々好きなものを頼み、それが届いて少し食べ進めた頃。
前ぶりなく皆に尋ねる。
「聞きたいのはどんな雰囲気の曲がいいかというだけなので、気軽に」
「今まで通りでいいと思いますけど」
ちっひーの意見に皆も同じらしく。
話をさっさと終わらせたいからそう言っている。のではないと分かっているが……。
「もうちょっと、こう……なんかあるじゃろ?」
何のために聞いていると思っているのか。
…………いや、ただの思い付きなんだけど。
あとはずっと俺が選んだ曲にしてると、種類に偏りが出るような気がして。
「なら可愛らしいといいますか、ワイワイ楽しいような曲とかどうでしょう?」
「ワイワイ楽しい曲か……」
パッと思いつくのは涼宮関連で『ハレ晴レユカイ』なんだが……他の踊っていた曲もいくつか探してみるか。
「もっとインパクトのあるような歌を歌ってみたいな」
インパクトのある、ねぇ……。
いくつか思い浮かぶけど、後でもう少し詳しく聞いてみるか。
「ほとんど盛り上がるような曲だから、またしんみりした歌でいいんじゃないか?」
残り三曲のうち、一曲はそうしようと思ってたから、またさらに詳しく聞かないとな。
「遠慮してるのか分からんが、もっとやりたい曲とか言ってくれてええんよ?」
「翠の作る歌は全部好きだから問題ないゾ☆」
「言いたいことがあったらキチンと言っていますよ?」
「おかしな事を考えたりはしてるが、警察沙汰になるようなことはしてないし」
おかしな事を考えてるつもりもないんだがな……。
俺がしてるのは前の世界にあって、この世界にないこと。
……つまり前の世界は頭がおかしかった?
「まあ、参考にして考えてみるか」
学校の事はしばらく忘れていいのだし、さっさと決めて仕上げるか。
そしたら皆の練習する時間も増えるのだし。
短い期間で仕上げる事はできるが、あくまで動画撮影用のため、それっきりの練習みたいなものだ。
だから撮影した後もキチンと合わせて練習している。
今ある曲は全部完璧に仕上げているため問題ない。
なのでライブまでの日数は新曲の練習に当てるから、早いほうが完成度もそれだけ高くなる。
金を払ってもらうのだ。
それだけの価値をこちらも示さなければならない。
目当てはもしかしたら曲じゃなくて俺なのかもしれないけど、何に対して金を払うのかは自由だ。
その人自身が演奏ではなく、俺に対して払ったと思っていたとしても。
こちら側は演奏の対価として金を取ってるため、問題ない。
ステージに上がってきたりとか、しないよな?
早苗さん呼んで守ってもらおう……。