あの後、みんなが帰ってきて説明やらなんやらあったりして少し面倒はあったが、無事に新しい嫁として受け入れられた。
母さんがまた少し拗ねたが、別に俺は何も悪いことをしていないので今回は何もしない。
「美優って何か楽器演奏できたりする?」
「授業の必修科目でバイオリンなら多少……」
「ほう、バイオリン」
今まで曲のイメージ的にバンドでやってこなかったのがいくつかあるが、美優がバイオリンを弾けるというなら色々とできそうだ。
そうしたらこのままバンドに加えるというよりはまた別枠で組み込んでいく形にした方が良いだろう。
「取り敢えず、どれだけ弾けるか聞かせて」
って事で美優に弾いてもらったが、感想としては可もなく不可もなくといったところだった。
まあ、授業でやってる分には十分だろう。
後は美優にどこまでやる気があるのか聞いておかないと。
他のメンツは俺がバンドやるために半ば強制であったが、やりたい事はやれているし今後は本人の自由でいいだろう。
「という事で、美優はどうする?」
「時間かかってしまうと思うんですけど、大丈夫ですか?」
「俺の自己満に付き合わせるわけだから、大丈夫大丈夫。それに大学とかも行くわけでしょ? 行かないなら行かないでもいいけど、負担にならないぐらいでいいよ」
「それなら……はい。頑張ってみます」
うんうん。
これでまたやりたかったことの一つが出来るぞ。
「ちょっとー。私たちの時と違くない?」
「学校で襲ってくる先輩に言われたくないっすー」
「…………バンド、タノシイヨ」
「心さん、手のひらクルックルですね……」
「懐かしいですね。もう随分昔のことのように感じます」
そう言われると、あれから一年経ってるのか。
楽しいと月日ってのはあっという間に流れていくもんだな。
これから先も学園祭で演奏する前に夏休みとかあるし、またどこかフラッと出かけにでも行くか。
「今度出かけるときは」
「私たちに声、かけて下さいね?」
ポンっと両肩に手が置かれる。
力強く押さえつけられているわけでもないのに、圧が凄い。
ちっひーと奈緒がサラッと俺の考えてることを当ててくることに恐怖を覚える。
少し離れたところで楓がニコニコと笑みを浮かべながらこっちを見ているのも気になるし。
これは一人旅とかする時、少し策を練る必要があるな。
もう闇の勢力へと堕ちてしまったちっひー、奈緒、楓は無理だとしても、堕ちかけだがまだまだ甘ちゃんなシュガハとウサミン、純粋な美優はどうとでもなる。
なんなら美優を引っ張り回して色んなところ行くのも楽しそうだな。
これだと一人じゃないからセーフだろう。