「あなた、私のとこの専属モデルになりなさい」
「あ、無理です。ごめんなさい」
男性用のトイレに行くと女装していても意味がないため、女性トイレで用を足して戻る途中。
少々プライドの高そうな女の子に絡まれていた。
女装してるし大丈夫だろうとみんなには連絡だけ入れて一人なため、さてどうしようと少し悩む。
「話を聞けばあなたも首を縦に振るはずよ。少し時間を頂戴」
「知り合い待たせてるんで、そろそろ行かないと」
「……なら、その知り合いも一緒でいいわ」
「んー、まあいっか」
女の子と一緒に店に入り、ちっひーたちに来るように連絡を入れる。
「先に言っておくと、一応事務所に所属してるんだけど」
「なら移籍してもらうだけよ」
どこまでも自信たっぷりな振る舞いに既視感があると思えば、時子様だ。
まだ成長しきってない感じがするし、いまは中学生くらいだろうか。
まだ豚とか呼ぶ時期じゃないのか、相手が女性だと思っているから呼ばないのか。
それともこの世界だと呼ぶ事はないのか。
「また勝手にフラフラ……この子は?」
「ナンパされた」
「あながち間違いでもないわね。専属モデルにならないか声をかけたのよ」
「なるほど?」
合流して人も増えたため、六人が座っても余裕がある席へと移動させてもらった。
先に飲み物とデザートを頼んでいたので頂きつつ、詳しい話を聞くことに。
「さあちっひー、訳しておくれ」
「分かってるのにわざわざ聞かないでください」
「全然分かんないもん。この子のブランドの服着て写真撮るよってことと、俺の他に楓もどう? ってことぐらいしか分からないよ」
「ちゃんと分かってるじゃん」
「心はどう?」
「残念だけど合わないわね」
「だって」
「触れなかったことに触れていくなし……」
心は誘われなかったことに少し傷ついているようだ。
あとで慰めてあげよう。
こんななりだけど心はポテンシャル高いから何とかなりそうなんだけどもね。
普段がこんなだからクール系のイメージはつかないわな。
「それでどうかしら?」
「今のとこでノンビリやれているし大丈夫かな」
「そう」
「意外と諦めいいのね?」
「しつこくしても仕方ないもの。貴方の所属しているとこに頼むとするわ。どこ?」
「346ってとこ」
「最近、バンドが有名なとこね。貴方みたいに真っ白な髪の男性がいる…………?」
「あ、どうも。その真っ白な髪の男性です」
俺を指差して目を少し開いている。
それほど驚きが強かったのだろうか。
「だんだん男を見る機会って無くなっていくからな」
「そうね。翠くんに慣れてきちゃったから感覚がおかしくなってるわ」
「他の男性にこんな事してたら私たちすぐ逮捕だよね」
なに?
俺の基準で考えたら十分甘いと思ってたのに、この世界に住む世の男性はもっと甘々だと?
「甘やかしませんよ?」
「……まだ何も言ってないし」
「それなら良いです」
なんてやってたら、時子様が復帰した。
「ま、まさかこんな偶然があるなんてね。……サイン貰っても?」
「その前に鼻血拭こうか」
鼻血を垂らしながら笑顔で色紙渡されるとすっごく怖いのな。
あと、時子様のイメージが少し壊れたわ。
お気に入り4000突破ありがとうございます
と喜びたいですが、話更新するとお気に入り減るのでたぶん4000切りますねぇ…