昨日働いたからか、ぐっすりと気持ちよく眠れたような。
やっぱり、程よい運動ってのは大事なんだとしみじみ思った。
珍しくまともな時間に起きて、ちゃんと朝ごはんを食べた気がする。
「それで、楓の要望は?」
最後の楓であるが、何をお願いされるのか一番分からない。
あまり変なものは無いと思うが、変な怖さがある。
「翠くんには今日一日、私の抱き枕になって貰おうかなって」
「それは……ずっと楓に引っ付いていればよいということで?」
「よいということで」
まあ、よく分からんが引っ付いているだけならよいか。
外に出るわけでも無さそうなので、冷房の効いた家の中だから暑さもそんなにだろうし。
「はい」
「……うん?」
「抱き枕なんだから、翠くんはここですよ?」
ソファーに座り、手を広げてきたからなんだと思えば。
膝上は長時間無理だからと、股の間に座るよう促してきた。
「…………ああ、抱き枕ってそういう」
促された通りに座れば、後ろから腰に手を回されてギュッと抱きしめられる。
これ、隣に座っているとかじゃだめなのかな。
「んで、何するの?」
「何もしませんよ?」
「マジ?」
「抱き枕ですから」
「……それでなんでも通せると思ったら大間違いよ」
流石に何もしない、ってのは楓の冗談だったらしく。
今は楽しくテレビゲームをしている。
──俺と心で。
いや、何でと思う。
普通は楓もやるでしょう。
本当にやらないのか何度か聞いて見たが、見てるだけで充分だと。
……女心はよく分からん。
「うぇっ、今のはズルくないか!」
「勝負にズルもクソも無いんにゃっ!?」
「隙ありっ!」
「ちょっ、楓!? リアル妨害はなしでは!」
心とやってるのは多人数でもできる乱闘ゲームなのだが、当然、勝率は俺の方が高く。
今回のゲームも程よく吹っ飛ぶまでになった心の操作するキャラを場外へぶっ飛ばせば勝ちであったのだが。
変な語尾みたくなったのは、勝負を決めにかかるところで楓が耳を甘噛みしてきたのである。
当然、隙ができたところを反撃されて負けたわけだが。
「いまのはノーカンだろう!」
「なんだ翠、勝負にズルもクソもないんじゃ無かったのか?」
「…………その喧嘩、買ってやるよ」
ほぼ毎日のように揉んでいるからか、また一段と大きくなったものを揺らしながら挑発してくる様にカチンときてしまった。
「それで?」
「なんだ翠。勝負の最中なのに余裕じゃ無いか、っとぉ!」
「んなのに引っかかるのはアホの菜々だけだ。この勝負、俺に勝ったらできる限りのこと一つ叶えてやるつもりだけど。俺が勝ったら何くれるよ」
「菜々パイセンが聞いたら怒るぞ。そうだな……私に勝ったら、この魅惑的なボディーを好きにして良いゾ?」
「別にそんなの無くったって毎晩のようにヤってるじゃん」
「んなぁっ!?」
「はい、サヨナラっと」
すでにヤることヤっているというのに、心だけでなく他の面子もこの手の話に弱い。
女子同士で話したりする時はそうでも無いらしいのだが、俺が絡んだ途端にこれだ。
同じリビングにいて、何やら仕事の整理をやっているちっひーと奈緒も顔を少し赤くしているくらいだ。
平気そうにしてるのは楓くらいのもんだろう。
「ん、ちょ、楓っ?」
俺が二機、心が一機と少し有利になった途端。
また楓がリアル妨害を始めてきた。
今度は首筋に甘噛みである。
まだ耐えられるうちにさっさと心をボコボコにして勝利を収め、リモコンを放り楓を引き剥がす。
「急にどしたん」
「今日は私の日のはずなのに、他の子の相手をしてるからです」
「んー……」
珍しくというか、普段あまりこう言ったことを言わない楓が素直な言葉をぶつけてきた。
ここで答えないのは男じゃ無い。
片付けは心に任せ、楓と二人、部屋へと向かう。
昼も食わず、夜まで休みなくするのはもうやりたく無いと思った。
間が開くとこの小説の書き方忘れてしまいますね。
話し方や書き方変わってたらすみません。