俺は貴女を守る剣となる(リメイク版投稿中)   作:凪里

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今回短いですがよろしくお願いします!


リィエルの思い

 リアムとリィエルの戦いは魔術を封じられたことでリィエルが早々に方を付けるかに思われたがなかなか勝負は付かなかった。

 理由は一つ。リィエルの剣に普段ほどの鋭さが無いのだ。と言ってもリアムがそれで勝てるかと言ったらそう簡単な話ではなかった。

 リィエルの力任せな攻撃を何とかリアムは防いでいる。

 幾ら普段のリィエルではないと言っても、このままでは普段とは違う剣一本のリアムが負けるのは確実だった。

 

「おい、リィエル。グレンを刺して満足か? 嬉しいか?」

 

「……なに? そんなの知らない」

 

 その言葉にリィエルは一瞬立ち止まる。

 

「おい、逃げるなよ。自分の事を思ってくれていた人をぶっ刺してとどめまで刺そうとして嬉しいかって聞いてんだよ」

 

 リィエルの表情には分かりにくいが、普段とは違い動揺していることがリアムには見てわかった。

 

「───知らない知らない知らない!! 私は兄さんの為に生きるの!! 兄さんの邪魔する奴は全員斬る!!」

 

 リィエルが叫ぶと大剣を力一杯振り下ろす。

 その攻撃をリアムは顔色一つ変えず後方に飛んで躱す。そのままリアムは揺さぶりを続ける。

 

「それで? 俺を斬った後お前はどうすんだよ? ルミアのとこに行くのか?」

 

「ルミアを連れていく。それが兄さんの望みだから」

 

「ルミアが何されるかお前でも分かってるよな? 自分と仲良くしてくれたルミアが酷いことされてお前は何も思わないのか?」

 

「……ッ! うるさい!」

 

「ルミアとシスティーナと過ごした日々はどうだった?」

 

「……うるさい」

 

「ルミアやシスティーナと抜け出して見た夜の海はどうだった?」

 

「………うるさい」

 

「あんたにとって二人はなんだ?」

 

「!? ……知らない!」

 

「友達だろ」

 

「とも…だち…?」

 

 そのリアムの言葉にルミアとシスティーナと共に夜、ホテルを抜け出した時のルミアの言葉を思い出す。

 

「あなたと、こうして友達になれたことが、とても嬉しいの」

 

 

 

 

「あの時友達と言って貰えて嬉しかったんだろ?」

 

「……」

 

「あんたがやることはその友達のルミアを助けることじゃないのか?」

 

「……違う違う違う! 私はルミアを連れていく! それが…兄さんの望みだから!」

 

「じゃあ何でそんなに悲しそうなんだよ?」

 

「私は悲しくなんか……」

 

 リアムが手に持っていた剣を海へと投げ捨てる。それを驚いた様子でリィエルが見る。

 

「何……を…」

 

「あんたが俺のことをどう思ってるのかは知らないけど俺にとっては仲間だから。仲間に剣を向けてるのはおかしいだろ? それに何だかんだ、あんたの剣の腕には尊敬してるんだよ……()()

 

「リアムは…私を仲間だって言ってくれるの?」

 

「当然だろ? まだ兄さんの為にルミアを連れてくっていうか? なら早く俺を斬れよ?」

 

「……斬らない」

 

 リィエルは小さく首を横に振って呟く。

 

「じゃああんたは何がしたいんだ? 何をやりたいんだ?」

 

「私…は……ルミアを…みんなを……助けたい」

「でも……もう…戻れない。私グレンを殺そうとした。システィーナやルミアに酷いことした。もうみんなとは……会えない」

 

 リィエルがその場から立ち去ろうとする。

 だが、リィエルの細い腕をリアムが掴み止める。

 

「会えるさ。先生やルミア、システィーナならお前のことを許してくれるさ。あんたがみんなの前から消えた方がみんなを悲しませるぞ?」

 

「……私、みんなと居て…いいの?」

 

「当たり前だろ。まぁちゃんとごめんなさいしろよ?」

 

「……分かった」

 

「とりあえずこの人、死なせちゃあかんよなあ」

 

 そう言ってリアムはグレンの方を見る。

 リィエルが思い出したようにグレンへと駆け寄る。

 

「グレン…!! ごめん。私…」

 

「後悔は後にしろ。焼け石に水だろーけど、血を止めねーと!」

 

 リアムが素早く出血を抑える処置を施し終えるた頃アルベルトが現れる。

 

「兄貴! 何してたんだよ!?」

 

「エレノアの相手に手こずった。状況は?」

 

「つ……血は一応止めた。白魔儀【リヴァイヴァー】くらいしか…」

 

 リアムはアルベルトがエレノアを簡単に引かせたことに驚いていた。この状況でエレノアがそう易々とアルベルトを自由にさせるはずがない。不死身とは言えるエレノアの足止めを軽く突破した兄の技量にリアムは驚いていた。

 

「そこまで分かっているのなら上出来だ。お前の魔力を使ってもいいがこの後に支障が出る。システィーナ=フィーベルの魔力を使う」

 

「確かにシスティーナの魔力なら…」

 

「そいつは結局どうなった?」

 

 アルベルトがリィエルの方を見ながら言う。その声はいつも以上に冷たい。

 

「このバカは俺がなんとかした。だから大丈夫だ」

 

「アルベルト…私…」

 

「俺からは何とも言わん。グレンが目を覚ましてから言われておけ……とにかくお前達二人は先に行け。他の者に既に王女は連れ去られている」

 

「!?……分かった」

 

「……ルミアは絶対助ける」

 

 アルベルトはグレンを担ぎシスティーナの下へと向かい、リアムとリィエルはアルベルトの指示で地下水路の入口があると思われる湖へと向かった。




キリが良かったのでここで一旦切りました。
次回はなるべく早くできれば明日更新予定です。

もう一作の『紅炎公と赤き弓兵』及び新作について活動報告にて書いてますので良ければご覧下さい。
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