笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

前回からまたお気に入りしてくださった方がいらっしゃいました!!ありがとうございます!!感想も同時に頂いたのでもーテンションもりもりです!!感想や評価もいつでもお待ちしてますよ!ええ!!!

しかし今回も日付変更のタイミングに投稿できなくてごめんなさい…。今度は三連休でがっつり書いておきますから…!!

今回は劇場版の中盤くらいでしょうか。そろそろ帰国しますよ!!


というわけで、どうぞご覧ください。




人気すぎてやばたにえんオブザイヤー

 

 

 

 

 

「一体何をやらかしたらアメリカの公道を借りれるんだ?」

「使わせてって言ったら使わせてくれたよ」

「んなわけあるか」

 

 

というわけでライブ当日。公道の一部を使わせて頂くことに成功したから早速準備中。

 

 

もちろんすんごいがんばって駆けずり回った結果なんだけど、説明するのめんどくさいから説明しない。察して。

 

 

「さあ早くステージを組み上げるんだよ」

「無性に腹立つな。つーか色んな資材がことごとく使いづらいんだがどうなってんだ」

「どっちかって言うと日本のスタンダードが親切すぎるんだろうけどね」

 

 

日本ってサービス精神旺盛だからね。まあどちからというとサービスしてないと怒られるんだけどね。心が広いんだか狭いんだか。

 

 

「とりあえず針金で固定しておけばなんとかなるか」

「その太さだと針金って言わないんだよね」

「じゃあ何て言うんだ」

「鉄棒だね」

 

 

創一郎は本来は別のパーツで繋げる骨組みを、細めの鉄棒みたいなもので強引に縛り付けだした。うーん人外。鉄棒は紐じゃないんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあそんなわけで帰ってきたよ」

「何がそんなわけなのよ」

 

 

というわけで、無事ライブを終えて帰国。全カットしたけど大盛況だったよ。まあ道のど真ん中だったしね。浴衣風衣装だったしね。目立つわさ。

 

 

「ねえねえ、昨日の中継向こうでもすごい評判よかったみたい!」

「日付変更線越えてるから今日なんだか昨日なんだかわかんないけどね」

「よかったにゃー!」

「ドーム大会もこの調子で実現してくれればいいよね!」

「「うん!!」」

「聞いてる?」

 

 

ヨーロッパ行く時は9時間くらい減らしたり増やしたりすればいいんだけど、アメリカは日付が変わるからめんどくさい。って話をしたいのに相変わらずスルースキル高いね君ら。

 

 

「そろそろバスが来るみたいよ。行きましょう」

「僕の言葉には誰も反応しないのね」

「いつものことだろぉ茜君よぉ!!」

「寂しいなあ」

「今俺たち同じ悲劇を味わってることに気づいて?」

「置いていきますよ天童さん」

「桜も相変わらずドライだな!!」

 

 

天童さんうるさい。

 

 

μ'sのみんなのスルースキルには勝てそうにないからさっさと帰ろう、と思ったのに、創一郎が周りを見渡して立ち止まっている。

 

 

「…」

「創一郎何してんの」

「…視線だ」

「何の話さ」

 

 

ほんとに何なのさ。

 

 

「視線が多い。俺…いや、これは…」

「視線?」

 

 

結局何が何だかわかんないからとりあえず周りを見てみる。

 

 

「わぁ!」

「本物だ…」

「かわいいー!」

 

 

…何か芸能人でもいるのかな。沢山の人がこっちに視線を向けてわちゃわちゃしてる。

 

 

「穂乃果、知り合いですか?」

「ううん」

「どういうこと?」

「すごい見られてる…?」

「もしかしてスナイパー?!」

「何だと?!」

「違うからね」

 

 

創一郎は全身で盾にならなくても大丈夫だよ。流石にライフル弾は防げないでしょ。防げるの?防げそうな気がしてきた。

 

 

「何をしたのですか?!向こうから何か持ち込んだりしたのではないですか?!」

「知らないよ!!」

「…俺、何か悪いものを持ってきてねぇよな…?」

「ちゃんと僕が確認したじゃん。そこで不安になるんじゃないよ豆腐」

「誰が豆腐だ」

 

 

創一郎はやたらと持ち込み禁止品を気にしてたから僕がわざわざチェックしてあげた。だから大丈夫だってば豆腐メンタルめ。

 

 

と、そんな時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの!!」

「は、はい?」

「サインください!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

…なるほど?

 

 

たしかに芸能人みたいなのがいるわ。

 

 

()()()()()()()()()

 

 

「あの、μ'sの高坂穂乃果さんですよね?」

「は、はい…」

「そちらは南ことりさんですよね!」

「はい…」

「そちらは園田海未さんですね!!」

「違います」

「違わないよ」

「海未ちゃん!!」

「何で嘘つくにゃー!!」

 

 

漫才してる場合かい。

 

 

「だって怖いじゃないですか!空港でいきなりこんな…」

「私μ'sの大ファンなんです!!」

「私も!」

「私も大好きです!!」

「「「お願いします!!」」」

「増えた」

「凄えな!!」

「何で創一郎はテンション上がってんの」

 

 

1人じゃなくて3人に増えた。というか先頭の子を皮切りに、どんどん人が集まりだした。

 

 

え、どうすんのこれ。

 

 

「よし!!」

「よしじゃないけど」

「さあ君たち並べ!!通行の邪魔にならないように!!」

「ええええええ?!」

「サイン書かない人が一番ノリノリな件について」

 

 

何故か創一郎が仕切り始めた。ドルオタ的には素敵イベントなんだろうか。まあいいや僕がサイン書くわけじゃないし。

 

 

「あ、あの…Sound of Scarlet…波浜茜さん、ですよね?」

「あっはい」

 

 

僕もか。

 

 

「あの、μ'sの皆さんも大好きなんですけど、私、波浜さんの絵が大好きで…」

「あら、そう…ありがと」

 

 

よくよく考えたら、僕は絵師の中では有名人だったわ。

 

 

仕方ない、列の整理は創一郎に任せて僕もサイン業しよ。

 

 

「キャー!創一郎さーん!!」

「サインください!!」

「こっち向いてー!!」

「な、なんっ、何だこれは?!おいコラてめぇらしっかり並ばねぇと放り投げるぞ!!」

「「「はい!!!」」」

「物分かりいいな?!」

 

 

…創一郎も人気者だった。いやめっちゃ人気あるやん。なんでさ。凛ちゃんが殺気放ってるじゃん。なんでさ。

 

 

「これは一体…?」

「さぁ…?あ、もしかして夢?」

「それは考えられるにゃ!」

「考えられないよ」

「でも、だとしたらどこからが夢?」

「聞きなさいよ」

「うーん…旅行に行く前ぐらい?」

「えー!そんな前から?!」

「そんなわけないでしょ」

「それはいくらなんでも…」

「それとも、もしかして『学校が廃校に!』の辺りから??」

「長い夢だにゃー!」

「長すぎない?」

 

 

みんな現実が受け入れられない模様。まあそうだよね。僕もびっくり。こんなに人気が出てるなんてね。ていうか話聞いて。

 

 

「いくわよー!にっこにっこにー!!」

「にっこにっこにー!!」

「ありがとー!にこにーすっごい嬉しい!!」

「にこちゃんは絶好調だけどね」

「さすがアイドルだ」

「まあ姿勢自体は大正解なんだろうね」

 

 

にこちゃんは超笑顔で対応してた。つよい。

 

 

にこちゃんアイドル大好きだからそりゃファンサービスも盛り盛りだよね。楽しそう。

 

 

「あーーー!!!」

「だから鼓膜」

「何だ急にでかい声出しやがって」

「あれ!!」

 

 

不意に穂乃果ちゃんが大声を出したから無事僕の耳は死んだ。無事じゃないじゃん。

 

 

とにかく、穂乃果ちゃんが指す方向を見ると。

 

 

ビルのモニターに昨日?のμ'sのライブが映し出されていた。

 

 

わあ、マジか。よく撮れてる。いやよく撮れてるとか言ってる場合じゃないわ。

 

 

だって、こんだけ目立ってたら余計人集まるじゃん。

 

 

「これはやばたにえんだね」

「やば…ん?何だって?」

「このままだと帰れないね」

「ええ?!」

「困ったわね…でも、このまま逃げても追いかけられそうよ?」

「そうなんだよねー」

 

 

というか追いかけられたら僕は死ぬね。創一郎頼んだ。

 

 

こういう時になんとかする係の天童さんはどっか行っちゃったしね。困る。

 

 

そうやって割と真面目に困っている時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああっ!!御影大地がいる!!」

「えっウソ?!どこどこ?!」

「ほんとだ!あそこ!!」

「ちょっとどいてよ、見えない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

不意に、一瞬人々の注意が逸れた。

 

 

注意が向かった先には、本当に御影さんが居た。優雅に手を振っていらっしゃる。タイミングの良さ的に天童さんの差し金っぽい。というか御影さんの隣に天童さんいるからこれは確実に天童さんパワーだ。これは天童さんの株上がる。

 

 

「よし今だ。創一郎」

「おう」

「え?!」

「走れ!!」

 

 

というわけで今が好機。さっさと退散しよう。

 

 

「で、でも、この調子だとバスも待ち伏せされている可能性が…!!」

「一旦行方をくらますしかないかなあ」

「つってもどこに隠れる気だ?!」

「どうでもいいけどそこら中にポスター貼ってあるね」

「マジでどうでもいいな?!」

 

 

でも本当に行く先々でポスター貼ってあるんだもん。気になるじゃん。

 

 

「あっちでもこっちでも、人に見つかれば即人だかり…なかなかアイドルとしては嬉しい現象だが、流石に当事者はキツイな!!」

「君はアイドルじゃないんだけどね」

「こっちだ!人が少ない!!」

「次は右折ね」

 

 

何にしても、ファンたちを振り切らないと話にならないね。でもこれ振り切れるの。創一郎なんとかして。

 

 

そんなこんなでしばらく突っ走っている時だ。

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、いました!皆様、こちらです!早く!」

「ま、松下さん?!」

「どうしてここに?!」

「後で説明しますからとにかくこっちへ!!」

 

 

 

 

 

 

 

突然、裏路地から松下さんがひょっこり顔を出した。なんだかわからないけど、多分状況は理解してくださってるだろうし言うこと聞いておこう。

 

 

裏路地に全員入ったタイミングで、松下さんは上を向く。

 

 

「今です、湯川君!!」

「今だ」

 

 

言った瞬間、みょんって音がして路地の入り口に薄い膜のようなものが張られた。上を見ると、ビルの壁によくわからない技術で張り付く湯川君がよくわからない機械を操作していた。今日はいろんな人に会うね。

 

 

「ふう…天童君の言う通りでしたね。これでしばらく安全なはずです」

「あ、ありがとうございます…。ですが、一体何を…?」

「詳しくは僕も分からないのですが、湯川君が何やら高性能なステルス技術で道自体を隠してくださったようです。しばらくは隠れていられるでしょう」

「ああ、しばらくは…ん、そうだな。触られても問題ないし、1時間なら問題なく隠れていられるだろう」

「またわけわかんない技術を持ってきたね」

「ええ、天童君に頼まれて、湯川君を連れて皆様を匿いに来ました。相変わらず的確な読みですね、彼」

「そ、そんなことより照真くん!出てきちゃって大丈夫なの?!」

「ああ、大丈夫だ。何度か連れ出されて慣れてきた」

「すごい適応力ね…」

 

 

湯川君が絡んでくると突然SF風味になるね。

 

 

まあとりあえず助かったのでそこはよし。

 

 

「…あの、園田さん?どうなさいました?」

「無理です!こんなの無理ですぅ!!」

「む、無理って…あなたいつも投げキッスとかしてるじゃないですか…」

「それとこれとは話が違いますっ!!!」

「ええ…」

「なんかごめんなさい松下さん」

「いえ…まさかここまで恥ずかしがり屋だったとは…」

 

 

問題はこの、隅っこで丸まった海未ちゃんだ。これは簡単には動きそうにない。動かざること山のごとし。海未だけど。ごめん今のなし。

 

 

「帰ってきてから、街を歩いていても気づかれる注目度。海外のライブが秋葉中で流れていて、挙げ句の果てにポスターやチラシまで街中で貼られたりしている…」

「肖像権で訴えたりできねぇのか?」

「少なくとも人様が撮った映像やポスターを勝手に使ってるあたりは起訴しておくけど」

「…茜くん結構怒ってる?」

「作品の価値をないがしろにするやつらは少なくとも道頓堀に沈めるよ」

「なんで道頓堀なのよ」

 

 

人の芸術作品を勝手に使うのは許されない。そこだけは天童さんとか桜とも協力して取り締まってるくらいだ。そういえばこの数日、3人ともアメリカ行ってたから日本の管理できてなかったね。まったくもう。あなたを肖像権違反と著作権違反で訴えます。理由はおわかりですね?

 

 

「やっぱり夢なんじゃない?」

「穂乃果ちゃん!」

「でもそう思うのもわかる!」

「すごい再生数になってる…!」

「じゃあ私たち、本当に有名人に?」

「そ、そんなぁ…!無理です!恥ずかしい…!!」

「ぶっちゃけそれは今更では?」

「ラブライブ優勝してるしな」

「それ以前から結構人気ありましたよ?ただ、急速にファンが増えた影響か、節度を守ったファン層が相対的に減ってしまったようですね」

「困る」

 

 

まあラブライブで優勝するくらいだからかなり知名度はあったはずなのは確かだね。

 

 

「でもさ」

「ん?」

「それって、海外ライブが大成功だったってことだよね!!」

「それはそうなんだけど、相変わらずハイパーポジティブだね」

「ドームも夢じゃないよね!これでドーム大会も実現したら、ラブライブはずっとずーっと続いてくんだね!!よかったー、嬉しい!!」

「…そういうことなら、確かによかったな」

「君はこの状況割と喜んでたじゃん」

「ファンに囲まれるアイドルとかもはや国民的アイドルの域だろ…そりゃ喜ぶだろ」

「君はアイドルじゃないんだよなぁ」

 

 

でもまあ、確かに結果自体は大いにプラスなんだ。副産物が大変なことになっちゃっただけで。

 

 

結果を喜ぶのは正しいんだろうな。

 

 

まあ、でも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ早いわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何が…って、何だお前らそのグラサン」

「茜くんまで…」

 

 

まずはにこちゃん印のサングラスを装着。にこちゃんはもちろん、絵里ちゃんと希ちゃんも装着。

 

 

そう、とりあえず喜ぶ前にやることがある。

 

 

「それより、バレずにここを離脱するのが先よ」

「おい希、関西弁どこいった」

「ここにいつまでも留まっている場合じゃないからね」

 

 

安全圏まで行かなきゃ、この先の話もできやしないからね。

 

 

「そうよ。だって今の私たちは…」

 

 

サングラスかけてドヤるにこちゃん。まあ、こんな世界が夢だったもんね、にこちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スターなんですもの!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に世界規模のアイドルになっちゃったからね。

 

 

頑張ったね、にこちゃん。

 

 

「…でも、どうやって移動するの?」

「ここから出たら人がたくさんいるよ?」

「それは

「この天童さんにお任せあれ!!!」

「うわびっくりした」

「僕もいるよー」

「御影さん?!」

「よくここまで来れましたね…」

「天童のおかげだよ。誰にも会わずにここまで来れたからね」

「ふはははは!集団の流れの統計は余すことなく俺の頭の中にあるからな!!」

「やっぱりこの人腹立つ」

「ひどくね?」

 

 

案の定というかなんというか、天童さんが突然現れた。今回は御影さんもいらっしゃる。よく来れましたね。あんなにファンに囲まれてたのに。

 

 

「…って、茜…というか三年生たち、何してんだ?なんだそのサングラス」

「もちろん変装ですよ!」

「変、装…変装??」

「逆に目立つような?」

 

 

まあそのツッコミは妥当です。

 

 

「まあいいか。湯川君と大地の協力も借りれば、この人数を無事送り届けるのもそう難しくない!さあ、頼んだぜ!」

「ああ、頼まれた」

「僕はちょっと変装するから少し待ってて」

「いや、先に行くから伝えたルートで先回りしてくれ。ゴールはとりあえず穂乃果ちゃんのお家だ!行くぞ!」

「勝手に人の家をゴールにしていいんですか」

「大丈夫大丈夫!ほかに場所無いだろ?」

「まあそうなんですけど」

 

 

さっき一回株上がったのに、話してるとやっぱり胡散臭くなるなこの人。

 

 

まあでも、無事に送り届けてくれるならいいか。

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

さあ男性陣がどんどん増えてまいりました。劇場版ですからね!総出演くらいの勢いでいきたいですね!!ややこしくなる!!笑
しかし、文章だと?←HEARTBEATできないので寂しいですね。寂しかったので天童さんにお越しいただきました笑

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