笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

にこちゃん、誕生日おめでとう!!日付変更に間に合わなかったごめんなさい!!これは犯罪ですわ!!
私基準で日付変更に間に合わなかったら遅刻なのです。よりにもよってにこちゃん誕に遅刻するとは…極刑は免れません…

お話は前回の誕生祭の一年後、つまりアニメ本編終了後から二年後のお話です。


というわけで、どうぞご覧ください。




にこちゃん誕生祭2:僕自身が決めること

 

 

 

 

 

「うーむむむむ」

「いつまで悩んでいる。買うものは決まっているのだろう」

「決まってるけどさ。『モノ』が決まってるだけで具体的にどれを買うかは決まってないんだよ」

 

 

7月に入ったし、にこちゃんの誕生日の準備をしなきゃ。22日はすぐにやってくる。

 

 

というわけで、ゆっきーとまっきーを連れてお買い物だよ。ほぼ下見だけど。

 

 

「…去年と同じじゃダメなのか」

「毎年変えたいのー」

「今までずっとハンバーグだったではないか」

「やかましい」

 

 

今までとは事情が違うんだよ。

 

 

「それに、今年でにこちゃん20歳なんだよ。一生一度の成人する誕生日なんだから、特別な感じにしたいじゃん」

「…?」

「…??」

「そこ2人首ひねるんじゃない」

「いやな…そんなに特別なことか?私たちも今年で20歳だぞ?」

「…特別にしたいなら特別なハンバーグでいいんじゃないのか」

「もう帰れ君ら」

 

 

人心わかんないマンたちめ。来年だってことりちゃん成人だし、再来年は真姫ちゃん成人なんだぞ。怒られて後悔しろばーか。

 

 

誕生日は年に一回あっても、成人する誕生日は生涯一回しかないんだよ。

 

 

「で、そもそも何故ネックレスなのかだが」

「身につけ安くて目に入りやすい場所にあるアクセサリーだからだよ」

「…もう婚約指輪でいいんじゃないか」

「それは流石ににこちゃんが大学卒業するまで待って流石にそれは」

「悠長にしていたら他の男に取られるぞ?」

「12年くらい相思相愛してて突然振られたら僕は湯川君に核兵器作ってもらうよ」

「地球を巻き添えにするな」

 

 

それはマジで日本ごと沈めるよ。

 

 

「…決まらないなら、候補だけ絞っておけよ」

「にこちゃん全部似合いそうなんだよなぁ」

「面倒くさいなお前」

「じゃあゆっきー、この中でどれがことりちゃんに似合うと思うよ」

「全部」

「そういうことだよ」

 

 

にこちゃんには何でも似合うから困っちゃうね。逆ににこちゃんが好きそうなデザインって方向で絞ろうかな。

 

 

そんなこんなで悩んでいる時だった。

 

 

お店の入り口方面から声が聞こえてきた。

 

 

「イヤリング…ですか?」

「他に思いつかなかっただけだがな…」

「素敵です!穂乃果ちゃんきっと喜んでくれますよ!!」

「………………」

 

 

すっごい聞き覚えある。

 

 

これは愉悦部の出番だ。

 

 

「あっ桜がこんな所にいるなんて何でかなぁ穂乃果ちゃん関係かなふへへ」

「ゔっ、一番会いたくねーやつが…つーか動きも表情も気色悪いぞ茜、近寄んな」

「…会う気はしてたがな」

「ねー、今日瑞貴くんも茜くんのお買い物に付き合うって言ってたもんね」

「何でそれを言わないんだ南…!!」

 

 

お察しの通り、いたのは桜と海未ちゃんとことりちゃんだ。遭遇しそうなことを理解した上で黙っていた模様。ぐっじょぶことりちゃん。

 

 

「にこの誕生日も近いですからね」

「そうだよー。穂乃果ちゃんは来月なはずなんだけどね準備早いねー去年ネックレスあげたお兄さん」

「殺す」

「やめないか」

「お医者さんいる前で殺すとか言っちゃダメだよ」

「…いやいつでもダメだろ」

 

 

相変わらず煽り耐性のない桜。愉しい。

 

 

いや愉しんでる場合じゃないわ。にこちゃんへのプレゼント考えなきゃいけないんだし。いや今日確定するのは難しそうだけど。

 

 

「何にしてもお店で騒ぐのはよくないね」

「誰のせいだと

「というわけでとりあえず先帰るね。今日はまだ決めきれないし」

「人の話を

「またねー」

 

 

桜はほっといて帰ろう。怒りでぷるぷるしてる桜が背後で「次会ったら殺す」って言ってたのは聞かなかったことにしよう。来週会うしね。やばい死んじゃう。

 

 

「外あっつ」

「…夏だからな」

「気温よりも湿度が高い影響だろう。梅雨も明けて夏らしい気候になった」

「これから溶ける夏がやってくる…」

「毎年言ってるなそれ」

「毎年言ってるが溶けはしないぞ」

「毎年言ってるけどわかってるよ」

 

 

外出たらとても暑かった。僕は暑いの苦手なんだよ。いや寒いのも苦手だけどさ。暑いと体力使うからね。涼しい日よりさらに瀕死になるよ。

 

 

「とにかく、誕生日までに色々なんとかしないと。ネックレスだけじゃないんだし」

「絵は茜ならすぐに描けるだろう?」

「ちゃんと描こうと思ったらそれなりに時間かかるよ」

 

 

そう、ネックレスだけじゃなくて絵とかハンバーグとかケーキとかも用意する予定だからほんとに早めに準備しなきゃいけない。こらそこ「結局ハンバーグなのか」とか言わない。

 

 

「…パーティードレス作ろうか?」

「商機と見て目を輝かせるんじゃないよ。どうせ冗談じゃないお値段ふっかけてくるでしょうに」

「そんなことはない。こんなもんだ」

「その指一本は1万円ってことではないよね」

「1億」

「ふざけろ」

 

 

友人から取る金額じゃない。企業相手でも無理があるでしょ。

 

 

「私は今から西木野総合病院に行かなければならないから、ここで解散としよう」

「…そうか。それなら俺もやることがある」

「僕はこのまま帰るけど、来た道を引き返そうとするゆっきーにツッコみたくて仕方ない」

「1億の衣装押し付けるぞ」

「何その新手の脅迫」

 

 

2人とも恋人に会いに行く流れじゃん。いや100歩譲ってまっきーはお仕事だとしても、ゆっきーは確実にことりちゃんに会いたい一心だ。気持ちはとてもわかる。

 

 

まあこの流れで解散しないわけないのでお2人とはバイバイして僕は自宅へゴー。描きかけの絵も仕上げないといけないしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とか言って準備してたら2日前」

「で、まだネックレスが買えてないと」

「そう」

「あーっはっはっは!!!なんか決めづらいから後回しーってやった結果最後まで追い込まれたやつだな!!ぷーくすくすなんてマヌケなやつだ!!」

「ていっ」

「オスプレい゛っ?!?!」

「天童さん、未だに殴られた時に奇声上げてんですか…つか最後ヤバい声っしたけど」

「み゛っみぞおち…」

「茜は茜でそれは何だ」

「マジックハンド(製造:湯川)だよ」

「そんな魔改造されたマジックハンドがあるか」

 

 

まあそういうことだよ。まだ買えてません。はい。

 

 

大いに困った。いや食材は当日買うし、絵は完成したし大丈夫なんだけど、一番大事なプレゼントが買えてない。これはよろしくない。

 

 

「うゔふう…と、とにかく、選ばないことには始まらないだろ?去年はにこちゃん本人に決めてもらうことで解決したが、今年は茜自身が決めなきゃならない。当日まで悩むわけにはいかないだろ?」

「そうなんですけどねー」

「ほんとにこういう時ばっかり頼りねーなお前。仕事の時はバンバン決めていくくせに」

「にこちゃんは特別だからね」

 

 

お仕事とにこちゃんを一緒にしちゃいけないよ。

 

 

なんにせよ、ほんとにいい加減決めないといけない。

 

 

「結構絞ったんですけどね」

「ほー。どれよ」

「50個まで絞ったんですけど」

「「多いな?」」

「絞ったんですけど」

「頑なに主張してくる」

「母数がいくつあったかによるんだがな…」

 

 

200個くらいあったやつから50個まで減らしたんだから許してよ。

 

 

「で、これが肝心の絞った内容か…これほんとに絞ったんか??」

「統一性がねーな…」

「失礼な。にこちゃんに似合いそうなものっていう法則があるよ」

「などと供述しており」

「要するに全部似合うんだろ」

「そゆこと」

 

 

なんでも似合っちゃうにこちゃんマジ罪な天使。堕天使かな?

 

 

「どれにしよっかな」

「もう全部買っちまったらどうよ。youやっちゃいなよ」

「できないことは無いんですけどね」

「まあ俺たち金はあるからな」

「あんまりそういうこと言うと色んな人に怒られるぜ?」

「でもここでお金使いすぎるとにこちゃんとの将来の蓄えに響くので」

「結婚する気満々かこいつ」

「桜だって穂乃果ちゃんと結婚するでしょ」

「何で穂乃果が出てくる」

「桜…お前まだそれ言ってんのか…」

 

 

そりゃにこちゃんが大学卒業したらね。もうずっとそのつもりだしね。桜は相変わらずだけどね。天童さんが呆れるレベル。

 

 

「もう酒でいいじゃんよ。アルコール解禁なんだからパーっと行こうぜパーっと!!」

「僕がまだ飲めないんで多分にこちゃん飲まないんですよね」

「あー、茜は早生まれだったなそういや」

「2月なので」

 

 

あとにこちゃん絶対お酒に弱いからやめとく。

 

 

「ま、何にしても茜が決めないことには先はないさ。さっさと決断しやがれというわけでさぁ仕事の話すんぞー」

「無慈悲…」

「お前今までどんだけ俺に無慈悲をふっかけてきたと思ってんだ報いを受けろバーカ」

「みみっちいこと言ってる場合っすか」

「みみっちいとは何だみみっちいとは」

 

 

せっかくご相談できるかと思ったのに。今日は天童さんが頼りにならない日だったかぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけでお家に帰ってきたわけだけど。

 

 

「結局僕が決めるしかないんだよな」

 

 

まあ当たり前なんだけどさ。

 

 

去年自信なくて出来なかった決断を、今度こそしなければ。

 

 

…えーめっちゃ自信無いんですけど。

 

 

正確には自信がないというより、がっかりされるのが怖いというか、そんな感じだよ。

 

 

しょーもないのはわかってるんだけどね、不安なものは仕方ないよね。

 

 

今度こそ言い訳できない。いや前回言い訳したわけじゃないんだけど。今度は本当に僕の意思で「にこちゃんにあげたいもの」をあげるのだ。

 

 

時間がないし覚悟決めるしかない。

 

 

ここ数年でちょっとくらい僕のメンタルも鍛えられたし、大丈夫なはずだ。

 

 

時間があるうちに、手に入れに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあみんなグラス持ったかな」

「「「「「「「「「はーい!!」」」」」」」」」

「何で誕生日祝うだけでこんな豪勢なパーティー開いてんだ…?」

「…ここまでの規模とは聞いていなかったな」

「18人で少し広い、って程度の広さだけどなぁ、十分でかいっつーの。どんだけにこちゃん大好きなんだあいつは」

「こらそこうるさい」

「アッハイ」

 

 

というわけで当日。広めの会場を借りてそこそこな規模のパーティーを開催だ。もちろんにこちゃんもいる。主役だもの。

 

 

「あっ、希ちゃんそれお酒だよ?」

「ふふ、うちはもう20歳だからいいんよ」

「そっかあ!なんだか大人な感じするね!」

「ちょっと茜、私の分もワインか何かちょうだい」

「いきなりワインなの。っていうか僕はまだ飲めないんだけどにこちゃん飲むの」

「やめとくわ」

「かわいいかよ」

「ふんっ」

「ぐぇ」

 

 

かわいくて禿げる。

 

 

「まあそれより、皆様今日は集まってくれてありがとう」

「まさか呼んだ人みんな集まるとは思わなかったわね」

「みんな暇なんだよ」

「そんなことねぇよ」

「練習してからきたにゃ」

「僕も撮影してから来たよ?」

「僕も大学で論文を書いてから来ましたよ」

「ごめんみんな忙しそうだった」

 

 

呼んだ人みんな集まったから暇なのかなって思ったけど、そんなことなさそうだ。天童さんが全身でアピールしてるからきっと天童さんのおかげだ。たまには天童さんも頑張ってくれる。

 

 

「まあとにかく、ついににこちゃんも成人ということでちょっと豪勢にしました」

「ちょっと…??」

「ちょっとじゃないな」

「美味い」

「こら湯川君ご飯はまだ食べない」

「ごっ、ごめん茜くん!照真くん、ご飯食べるのちょっと待って!」

「花陽の口周りが若干汚れているのはツッコむべきところか?」

「…黙っててあげましょう?」

 

 

フリーダムすぎるでしょ。

 

 

「もう、早く始めるわよ!グラス持ちなさい!」

「じゃあ、みんな。にこちゃんの誕生日を祝って…」

『かんぱーい!!』

 

 

みんなでグラスを高く掲げてお互い鳴らす。にこちゃんはみんなを回って挨拶してるらしい。湯川君は終始不思議そうにしてたから、乾杯について今度教えておこう。

 

 

「というわけで天童さんあたりが酔って死ぬ前にプレゼント渡そうね」

「まだ生しか飲んで無いんですがそれは」

「天童言うほど酒に強く無いじゃん」

「やかましいザル俳優」

「ほらこんなんになるから」

「酔う前からこんなんじゃないの」

「それはそう」

 

 

まあ天童さんは常に酔ってるみたいな人だもんね。っていうか御影さん酒強いんだね。ジョッキの生は一気飲みしてたし今持ってるのウォッカだし。いや強すぎない?

 

 

「はい、にこちゃん!誕生日おめでとう!」

「ありがと。これは…ミサンガ?意外ね、穂乃果がこんな変化球でくるなんて」

「えへへー、リボンしか思いつかなくて…」

「引き出し少なすぎでしょ」

「相変わらずだね」

 

 

男性陣はともかく、元μ'sのみんなはそれぞれプレゼントを持ってきていた。毎回湯川君が至近距離まで来てプレゼントを眺めてて若干怖い。

 

 

あと希ちゃんがにこちゃんに何かを渡してにこちゃんがキレてるのだけ気になったけど。何を渡したんだろ。

 

 

「で、僕の番なんだけど」

「またチケット?」

「流石に違うよ。今度はちゃんと考えてきた」

「ハンバーグ?」

「まあハンバーグも僕が作りましたけども」

 

 

ハンバーグしか作れないみたいに聞こえるじゃん。

 

 

「今度はちゃんと、僕が完成させたプレゼントだよ。僕なりににこちゃんが喜んでくれると思ったものを持ってきた」

「…」

「なんか言って」

「リアクションに困ってんのよ!」

「へぶし」

「久しぶりに見たなにこパンチ」

「猫パンチみたいな言葉にゃ」

 

 

どう見ても照れてるにこちゃんありがとうございます。パンチは猫パンチなんて威力じゃないけどね。

 

 

「まったくもう、決めるの大変だったんだからね」

「茜変なところで優柔不断だしそんなことだろうと思ったわよ」

「照れる」

「なんでよ」

 

 

にこちゃんに理解されてる。嬉しい。

 

 

「というわけで、はい」

「…ありがと。開けていいの?」

「どうぞどうぞ」

 

 

早速包みを開くにこちゃん。中身が気になって仕方がないオーラがすごい。

 

 

「これ…ネックレス?」

「わあ…!ハートのネックレスだ!」

「ピンク色でかわいい!!」

「ちょっとあんたたち何見てんのよ!」

「いいじゃん見せてあげなさいよ」

「独占欲やべー子じゃん?ヤバ子ちゃんじゃん?」

「今更じゃねーですかね」

 

 

買ってきたのは、全体ピンク色で、ハートを先端にあしらったネックレス。やっぱりにこちゃんにはピンクとハートがよく似合う。

 

 

しかも、このネックレスはそれだけじゃない。

 

 

「でも、なんかこのハート変な形してない?表面がでこぼこだし」

「ふふん、それはだね…」

 

 

まじまじとネックレスを見ていたにこちゃんが気づいたところで、僕も服の下に隠していた…もう一つのネックレスを取り出した。

 

 

「同じ…ネックレス?」

「色が青い以外は一緒やね」

「おそろいなのかしら?」

「ふふーん、ただのおそろいじゃないのだよ」

 

 

ネックレスを持ってにこちゃんに近寄り、ふたつのネックレスのハートを重ねる。

 

 

すると。

 

 

「くっついたにゃ!」

「その通り、くっつくようになってるの。2人で一つって感じがしていいでしょ」

「…そうね。すごくいい」

「照れにこちゃん超かわいいふぎゃっ」

「雉も鳴かずば撃たれまいに…」

「殴られるのをわかってて言ってますよね…」

 

 

声に出ちゃうんだから仕方ないよ。

 

 

「でも重なってもこのハートちょっと形変ね」

「えっごめん」

「何であんたが謝るのよ」

「なんか不良品つかませた気分」

「…そういうデザインなんでしょ。いいわよそのくらい」

「にこちゃん懐が深い。あ、あとこれ絵も描いたから」

「ありがと…って何のこの異常なクオリティ」

「本気出した」

「これ…水彩画だよな?マジ?水彩画ってこんな細かく絵描けんの??」

「小さいものを描こうとすると滲んじゃった記憶があるけど…」

「絵の具濃いめにしたらマシになるよ」

「マシになるってレベルの精度じゃないですよこれ」

「てか仕事で本気出しなさいよ」

「ひぃん」

「何だその声」

 

 

絵に関しては頑張った。水彩は修正が効かないから一発描きだしね。何故かみんなにドン引きされたけど。

 

 

「…ふふ、ありがとね。全部…嬉しい」

「喜んでいただけたようで何よりだよ」

 

 

まあ、にこちゃんがスーパー輝かしい笑顔だから万事オッケーだよ。

 

 

「よし!終わったか?!ならば酒盛りじゃあ!!」

「うわあ飲みサーの主みたいな天童さんがいる」

「天童、あんまり迷惑かけないようにね?ただでさえそんなに酒強くないんだし」

「くそっザルだからって大地てめぇ…!つか持ってるボトルが変わってんじゃねーか!!さっき持ってたウォッカはどこいった!!」

「え?飲んだよ?」

「そーゆーこと聞いてんじゃねーんだよ!!!!」

「天童さん、あんまり暴れると追い出すよ?」

「すんませんした」

「希ちゃん強し」

「貴重な天童さんコントロール要員」

 

 

いい感じでプレゼント渡せたのにネタ方向に空気を持っていく天童さんさすが。ゆるさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

「どうした瑞貴」

「…いや、あんなネックレス、どこに売っていたのかと思ってな」

「何だ、いつの間に記憶力に自信ができたんだ」

「バカにするな。ファッション分野のことなら覚えている。…だから気になっているんだ」

「そんなの明白だろう。()()()()()()()()()()()()

「は?」

「作ったんだよ、自力で。おそらく湯川氏の手を借りてな。湯川氏は新しいものを見つけると必ず見に行く習性がある。だが、茜がプレゼントを渡した時には全くリアクションをしなかった…つまり彼はあのプレゼントを知っていた。そういうことだろう」

「…なるほどな。結局あいつも芸術家なんだな」

 

 

なんだかんだ言って、やっぱり大切なものは一番満足できるものを自分で作るのがいいって思ったんだよ。

 

 

やっぱりさ、手づくりって、素敵じゃない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…色々貰えたのは嬉しいんだけど……」

 

 

パーティーが終わって家に帰ってきて、当然のように付いてきた茜が虎太朗とお風呂に入ってる間にプレゼントを整理してるんだけど。

 

 

「……………希、これはホントになんなのよ」

 

 

問題は希からのプレゼント。

 

 

赤いくてレースがたくさんついている…

 

 

 

 

 

下着。

 

 

 

 

 

いわゆる「勝負下着」。

 

 

あんた自分が贈られたら絶対恥ずかしがるくせに、人に渡すんじゃないわよ。

 

 

「…とりあえずどこか見つからないところに隠して

「にこちゃーんお風呂空いたんぎゃっ」

「ノックしなさい!!!!!!」

「いつもより3倍早い投擲」

 

 

急に茜が入ってきたから思わず近くにあった箱を投げつけた。とにかくこの下着は早急に封印する必要があるわね。

 

 

「ん?これ下着メーカーの箱ぐぇ」

「一旦出てけ!!!!」

「何故に」

 

 

…一番投げちゃいけないもの投げちゃった。

 

 

まったく、今年も誕生日はバタバタしちゃって…飽きないわね。

 

 

なんだかんだ言って、嬉しいし楽しい。

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

男性陣、基本的にやべーやつらなのでこういうプレゼントの相談とかだいたいまともにできない気がします。天才の波動を感じる。
にこちゃんはやっぱりピンクのハートかな!って思ったので、ピンクのハートなプレゼントにしました。王道を行くアイドルなのです。多分。
あとにこちゃんはきっとお酒に弱い。希ちゃんは強い。そして何食わぬ顔で出てくる御影さん酒豪設定。他のみんなはアルコール耐性どんなもんなんでしょうか。

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