笑顔の魔法を叶えたい 作:近眼
ご覧いただきありがとうございます。
穂乃果ちゃん誕生日おめでとう!!ものすごい遅刻した気分だけど頑張って当日中に投稿したから許してええ!!
そしてそして、前回からなんと5人もお気に入りしてくださいました!!!ありがとうございます!!!なんかランキングも25位とかにいました!!!ちょっとそろそろ私死ぬんじゃ無いでしょうか!!本当に!!!
これからも皆様に楽しんでいただけるように頑張ってまいります。応援よろしくお願いします。
と言いつつ、今回は穂乃果ちゃん誕生祭特別話のみです。本編はまた来週…ごめんなさい…筆が追いつきませんぬ…(涙)
今回は前回の誕生祭から一年後のお話です。
というわけで、どうぞご覧ください。
「なるほど…去年は選ぶ時間がなかったので…」
「今年はちゃんと決めてプレゼントを買おうってことですね!」
「…それはそーなんだが、なんでお前ら妙に嬉しそうなんだ?」
時は7月頭、去年は穂乃果の誕生日プレゼントを買うと決めたのが前日夕方であり、ロクに選ぶ時間がなかったから今年は早めに行動することにした。
事情がわかってる園田と南に手伝いを頼んだはいいが、なんでこいつらニヤニヤしてんだ。腹立つな。
「そうですか…ついに桜さんも想いを伝えるんですね…」
「頑張ってくださいね!」
「何言ってんだお前ら」
「「え?」」
「俺が穂乃果に何を伝えるっつーんだ。文句しかねーわ」
「「………」」
「2人してやれやれみたいなポーズ取るのやめろ」
煽りに来たのかお前ら。
「…はぁ、そんなことだろうとは思いましたけど…」
「穂乃果ちゃんかわいそう…」
「…お前らの話に付き合ってると話進まねーから勝手に進めるぞ。去年は安物だがネックレスを買った。邪魔にならない程度のネックレス以外のアクセサリを考えているんだが」
「指輪!」
「却下」
バカかこいつは。
「えぇ…指輪いいじゃないですかぁ。ペアリングなんて素敵だと思いますよ?」
「なんでそんな恋人同士みたいなモノを用意しなきゃならねーんだよ」
「え?」
「あ?」
「…」
「…」
「え?」
「何なんだよほんとに」
そんなに俺と穂乃果をくっつけたいかお前ら。
今更ながらこの子たちに相談したのがそもそも間違いだったらしい。去年も半ば強引に連れていかれたし、このままでは指輪買わされるハメになりかねない。
お帰りいただこう。
「…オーケーわかった、だいたい理解した。君らに相談したのが間違いだった。もう適当に探してくるから君らは帰れ早急に」
「探しに行くんですね?」
「わかりました!早速行きましょう!」
「帰れっつってんだろ痛え痛え引っ張るなバカほんと力強いな君らは?!」
お帰りいただこう作戦失敗。
去年の二の舞な雰囲気を感じ取りながら、無駄に力のある女子2人に連れ去られた。
勘弁してくれマジで。
「イヤリング…ですか?」
とりあえず連行される道すがら、思いついた候補を伝えてみた。
「他に思いつかなかっただけだがな…」
「素敵です!穂乃果ちゃんきっと喜んでくれますよ!!」
「………………」
ものすっごい笑顔で言われるとリアクションしづらい。つーか何を選んでも「素敵です!!」って言ってきそうなんだよな。
そんなことを思いながらジュエリーショップに入った瞬間。すこぶる会いたくない奴がいるのに気づいた。
「あっ桜がこんな所にいるなんて何でかなぁ穂乃果ちゃん関係かなふへへ」
「ゔっ、一番会いたくねーやつが…つーか動きが気色悪いぞ茜、近寄んな」
「…会う気はしてたがな」
「ねー、今日瑞貴くんも茜くんのお買い物に付き合うって言ってたもんね」
「何でそれを言わないんだ南…!!」
無論、茜だ。意外と捻くれている雪村もいる。若干腹立たしい藤牧もいる。あー、例のバス事故組か。
つーか南、知ってたなら避けられただろうが。いやこの子、雪村に会うためにわざと言わなかったかもしれん。あり得る。この子ならあり得る。
「にこの誕生日も近いですからね」
「そうだよー。穂乃果ちゃんは来月なはずなんだけどね準備早いねー去年ネックレスあげたお兄さん」
「殺す」
「やめないか」
「お医者さんいる前で殺すとか言っちゃダメだよ」
「…いやいつでもダメだろ」
やはり茜は早めに殺しておいた方がいいかもしれん。上着のポケットに入っているハサミを取り出そうとした瞬間に藤牧に腕を掴まれて止められた。動き早えーなオイ。つーかなんで片目隠れてるのに遠近感バッチリなんだよこいつは。
「何にしてもお店で騒ぐのはよくないね」
「誰のせいだと
「というわけでとりあえず先帰るね。今日はまだ決めきれないし」
「人の話を
「またねー」
何やら珍しく焦っている茜がふはふは言いながらさっさと店の出口に行ってしまった。煽るだけ煽って逃げやがってあンの野郎。
「…次会ったら殺す」
「駄目ですよ…?」
まあいい、とりあえずはこっちの用事だ。
「わぁー、どれも可愛いですね!」
「そうですね…素敵なものばかりです」
「素敵とか可愛いとかはわからんが、どれが穂乃果に似合うかが問題だ」
「どれも似合いそうですね〜」
店の一角には結構な数のイヤリングが並んでいた。ピアスもあるが、こっちは無視。穂乃果の耳に穴はない。
しかしまあ、こうして見ると、確かにどれも似合いそうで困る。仮にもアイドルを自称していたわけだし、そりゃそうか。
「んー…しかしどれもビビッとは来ねーな…」
「あっ私これ欲しい!」
「いいですね。似合いますよ」
「…君ら俺の手伝いに来たんだよな?」
着いて来ていた南と園田は自分たちだけで盛り上がっていた。 何しに来たんだ。
「まあいいか…今すぐ決めなくても問題はないし、一旦保留だ。他の店をあたるか」
「こっちも素敵〜…」
「これなんかどうでしょう?」
「わあ、それもいい!」
「おいこら女子」
もう帰るぞ。
店を出ると相変わらず暑い。さすが7月。まあ真夏日ではないんだが。
「くっそ…なんであいつの誕生日はこんなクソ暑い時期なんだ…」
「8月の頭ですから、特に暑い時期ですね。仕方ありません」
「まあそーなんだろうがよ。とりあえず俺は他の店を探しに行く」
「わかりました!」
「次はここに行きましょう」
「いや君らは帰れよ」
何のために着いて来てるんだ君らは。
結局プレゼントは決まらぬまま7月中旬になり。
俺は今日も穂むらで作曲していた。当然のように穂乃果が目の前で延々と喋っている。我ながら、頭を悩ませている張本人の目の前で仕事するとか結構なメンタルしていると思う。
「それでね!」
「まだあんのかよ」
「たくさんあるよ!桜さんに話したいこと!」
もう2時間くらい喋ってんだがなこいつ。俺は昼から居たんだが、穂乃果は大学の講義が午前中しかなかったらしく、昼過ぎには帰ってきていた。そして延々と喋って今に至る。尊敬しそうになるレベルの話題提供力だ。
「試験勉強とかしなくていいのかよ」
「ふふーん!大学の夏休みは8月からなんだよ!だから試験はまだ先!」
「つまり7月末には試験あるんだろ。今何日だよ」
「えーっと…………………」
「さあ、勉強しような」
「うわーん!!」
留年しても知らんぞ。
しかし、大学受験で頑張った経験が残っているのか、最近は勉強しろと言えば結構集中して勉強するようになっていた。当然のように俺の目の前でだが。
そして今日も、黙々と2時間ほど勉強したのち「疲れた!!」と叫んで店の奥に飛び込み、冷たいお茶を持って戻ってきた。
何故か2人分持って。
「はい、桜さん。お仕事お疲れさま!」
「…ああ、サンキュー。わざわざ俺の分まで持ってきたのか」
「うん!桜さんも疲れたかなって思って」
「まあ…そうだな。そこそこは疲れたか」
「えー、そこそこなの?ずっとお仕事してたのに」
「ものすごく集中してやってるわけでもないからな」
実際穂乃果と会話しながらでもできるわけだしな。
それはそうと、いつのまにか他人の気遣いもできるようになっていたか。数年前…μ'sを始める前とかだったら、俺の分までお茶を持ってくることは絶対になかっただろう。
まあ当の本人は「ふへぇ〜」とか言いながら緩みきっているが。
果てしなくだらしない表情の、少し下に目線を落とすと、そこには去年贈ったネックレスが揺れている。
未だに毎日欠かさず着けていて、極めて珍しくしっかり手入れもされているらしい。以前、汚れを落とそうとして有機溶剤に手を出しそうになって茜とか天童さんにめっちゃ止められたという話を聞いた。溶けるぞ。
しかしまあ、物を失くしたり壊したりしやすい穂乃果がそれほどまで大事にしてくれているのなら…少しだけ嬉しくなったりする、かもしれん。
「…」
「ん、どうかしたか」
「えっ」
いつの間にか穂乃果がこっちを見ていた。声をかけると、穂乃果はわずかにうろたえて、
「……………桜さんがさっきから私のおっぱい見てる」
「見てねーわバカ」
胸の前で腕を搔き抱いてジト目で睨んできた。果てしなく不本意な誤解しやがってこいつは。確かに視線は胸元だったかもしれんが。
「見てないなら見てないでちょっと悔しい…」
「お前は何を言っているんだ」
「私だってこう…もうちょっと寄せれば…」
「おいお前の方のお茶には酒でも入ってたのか?」
今度は赤い顔で微妙に不機嫌そうな顔をしながら、二の腕あたりで自分の胸をぎゅむぎゅむし始めた。やめろ。流石に直視できない。
「バカなことやってんじゃねーよ…もう帰るぞ俺は」
「えー、もう帰っちゃうの?」
「『もう』って言うがな、既に5時間近く俺はここにいるんだよ」
「そうだっけ?」
「そもそもお前にはあの傾いた陽が見えんのか」
「あっほんとだ!もうこんな時間!!」
「見えてなかったのかよ」
流石にいい加減帰るわ。
来た時に買ったほむまんを忘れないように持って、穂乃果の母親に挨拶をして店を出る…前に、一瞬振り向いて穂乃果を見ると、なんだか幸せそうな表情でネックレスを見ていた。
…なんだ、見てたのバレてたのかよ。
「ふんふふんふーん」
「たまたま穂乃果ちゃんに会ったと思ったらハイパー上機嫌なのは何でかな」
「なんかこの前桜さんが、穂乃果のネックレスを見ていい笑顔してたかららしいわよ」
「なにそれ相思相愛じゃん」
にこちゃんの誕生日の数日後、たまたま街中で穂乃果ちゃんに出会ったから声をかけたらめちゃくちゃ上機嫌だった。桜のこと大好きじゃん。笑う。
「…街中でこれだけはしゃげるのも才能か」
「穂乃果ちゃんは昔からこんな感じだよ!」
「つまり才能だね」
「能天気なだけじゃない?」
お隣にはゆっきーとことりちゃん。この2人はもともとイベントの打ち合わせで会う予定だったからよし。というか普通に今から打ち合わせする。
「ねえねえ、今年は桜さん何くれるかなあ?」
「知らないよそんなの」
「…楽しみなら聞かない方がいいんじゃないのか?」
「確かに!」
「ほんとにいつになくテンション高いわね」
「あはは…」
まあ知ってるんですけどね。
会ったからね。
イヤリングがどうのこうの言ってたの聞いてたからね。
もちろん教えないけどね。
「ところで穂乃果ちゃんは何してんの」
「なんとなーく外に出てきた!」
「わあ衝動的」
「勉強しなさいよアンタは」
「もう2個も試験終わったもーん!」
「まだ6個あるよ穂乃果ちゃん…」
「ダメじゃん」
ちゃんと試験勉強しようね。
「大丈夫!今日も桜さん来たら勉強するから!」
「来なくても勉強しなさいよ」
「何で桜必須なのさ」
「本当にこいつら付き合ってないのか…?」
「うん…本当に付き合ってないの…」
もはやμ's七不思議の一つだよね。7個も不思議あるかな。
まあ、穂乃果ちゃんって浮れるとやらかす気がするから気をつけてね。
「じゃあそろそろ桜さん来てると思うから帰るね!」
「桜の行動スケジュールを把握してる」
「もはや怖いわよ」
「ヤンデレか?」
「ヤンデレではないと思うけど…」
「ばいばーい!」
「雑踏の中を駆け抜けるあの軽やかさは何だよ」
「僕が聞きたい」
なんかもう風のような速さで行ってしまった。ほんとに風のように雑踏をすり抜けていってしまったから多分もう風。穂乃果ちゃんは風になったのだ。
「何もやらかさないといいけど」
「やらかすにしても試験終わったあとだよね」
「そういう問題じゃないでしょ」
いや留年かかってるからね。あの子絶対講義聞いてないしね。
まあ何かあったとしてもそこは桜にお任せだね。
基本的に。
穂乃果は何かしらトラブルを呼んでくるタイプではある。
それはわかっている。
「……なんつった?」
『ですから、穂乃果がネックレスを落として割ってしまい、すごく落ち込んでいると…』
急に園田から電話が来たと思ったら、また厄介なことを言い出した。
「しかも家から全然出てこないと」
『はい…夏休みに入ったら出かける約束もしていたのですが』
「またほんとに厄介なやつだな」
『すみません、私たちでは力が及ばず』
「いい、わかった。なんとかしてくる」
ちょうど穂むらにいるしな。
なんかμ'sが解散だかなんだか言ってたときも穂むらで園田と電話してから穂乃果の部屋に行ったな。
「すんませーん」
「いいわよ!」
「だからまだ何も言ってないんすけど」
「大丈夫よわかってるから!」
穂乃果の母親は何も言わずとも入室許可をくれた。いいのかそれで。
二階に上がり、穂乃果の部屋の前に来た。前回は着替え中に突入してしまったから、今度はノックしてから入る。
「穂乃果、俺だ。入るぞ」
返事がない。
まあダメって言われてないならいいんだろう。
扉を開けると布団の中で丸まっているらしい穂乃果がいた。いや見えないが。
じつは中身居ないとかじゃねーだろーな。
「いつまで布団にくるまってんだ出てこいバカ」
とりあえず中にいると信じて布団をひっぺがす。バサっと掛け布団を剥がすと…
穂乃果はちゃんといた。
なぜか下着姿で。
「なん…だと…」
「んん…あと5分…んん?」
しかも今の今まで寝てたらしいのに、引き剥がした勢いで起きやがった。
「え…えっ、えええ?!さっ、さささ桜さんが、えっちょっとえっ」
「やかましいこの痴女がさっさと服を着ろおおお!!!」
「はいっごめんなさいい!!」
暑いにしても冷房をつけろ服を着ろ。家の中だからってだらしない格好しやがってマジでこいつは…!
しかも掛け布団に再び潜り込んで出てこない。
「何してんだ」
「桜さんが出ていってくれないと服着れない…」
当たり前だな。
直ぐ部屋を出ていった。数分後に穂乃果からお許しが出たから再び入室。なんだ、この部屋にはハニートラップの呪いでもかかってんのか。
「まったく…落ち込んでるとか聞いたから来てやったのに」
「ご、ごめんなさい…」
赤い顔で俯く穂乃果。こいつよく見たら肌がすべすべ…いや考えないようにしよう。要件はそんなことではない。
「ネックレス壊したんだって?まあ安物だからいつか壊れるんだし、そんなにショック受けんなよ」
「…」
「穂乃果?」
返事がない。俯いたまま顔を上げないから、隣にいって両手であごの両サイドを包んで顔を持ち上げる。
泣いていた。
「だって…ぐすっ、さ、桜さんが…桜さんが初めてくれたプレゼントだったの…うぅっ、すごく嬉しくて、ずっと大事にしようって思ってたのに…」
「お、おい…だからって泣くことはないだろう…」
「だって、だって!いつもすぐ物を失くしちゃうし、壊しちゃうから、これだけは、これだけは絶対に大切にしようって思ってたの!それなのに、なのに私…ごめんなさい、桜さん…ごめんなさい…!!」
ボロボロ涙を流す穂乃果にどう声をかければいいかわからない。
そもそもだ。こいつ、何故か俺に謝っている。もしかして自分が悲しいと思う以上に、もらったものを壊したことを申し訳なく思って泣いているのか。
変なやつだ。
「…俺は気にしてねーよ。むしろ一年もよく大切にしてくれた」
「一年もたなかった…」
「誤差だ誤差。大丈夫、怒らねーから。大丈夫、俺の方こそ感謝してる」
「あぅ」
去年の誕生日にリクエストされたことがある。
穂乃果が泣いてしまった時は、抱きしめてやること。
まあ、去年の誕生日以来一回もそんなことは起きなかったから今日はやってやる。特別だ。
俺の肩を涙で濡らす穂乃果は、なんかちょっといい匂いがする。しばらくこのままでもいいような気がしてしまう。
「…あの、桜さん」
「何だ?」
「もう大丈夫です…」
「ん?あ、ああ、そうか」
いかんいかん、ぼーっとしていたら思ったより時間が経ったらしい。女子の匂いでぼーっとするとか変態か俺は。
「…壊れたネックレスって回収してあるのか?」
「うん…ちょっと待っててね」
穂乃果は若干散らかった机の上から、砕けたネックレスが入った袋を持ってきた。散らかってるくせにその袋だけは丁寧に置かれていた。
どんだけ大事にしてんだ。
「これ…」
「なるほど、鎖が切れて落ちたのか。不可抗力じゃねーか」
「うん…」
「そりゃまあ安物を毎日つけてたらこうなるわな」
どうやら劣化した鎖が何かの拍子に切れたらしい。こりゃ事故だ事故。
「とりあえずちょっと預かるぞこれ」
「へ?」
「直ぐ返すから。預かるぞ」
「う、うん」
とりあえずこいつは持って帰る。
誕生日直前に変なアクシデント起こしやがって…とは思うが、まあ穂乃果だしな。
これぐらいがデフォルトだ。
つーわけで誕生日当日。
今回はみんなでパーティーしてきたらしい穂乃果の帰宅後、また穂乃果の自室に行くことにする。というか俺が穂むらに着いた時にはもう部屋に戻っていた。
面倒だから割愛するが、入室してらまた穂乃果は着替え中だった。ノックしただろうがよ。
「…で、まずはこれだな」
顔真っ赤な穂乃果は置いといて、鞄から小さな箱を取り出す。
「ほら、この前預かったネックレス」
「え?!直してくれたの?!」
「湯川とかじゃねーから完璧には直せなかったがな。まあ、インテリアとして置いておくにしては十分だろ」
預かったネックレスは接着剤を駆使してなんとか原型を取り戻した。まあ形は歪だし、鎖も切れっぱなしだが、ケースに入れて鑑賞する分には困らないだろう。
「ありがとう…すごく嬉しい!今年も桜さんに誕生日プレゼントをもらえた…」
「は?」
「え?」
「それは別に誕生日プレゼントじゃねーぞ」
「………え?」
「気まぐれで直してやっただけのもんだ」
つーか去年のプレゼントを直したものを今年のプレゼントにするとか手抜きすぎるだろ。ややこしいし。
「本命は…こっちだ」
鞄から取り出した、もう一つの細長い箱。箱を開けると、中には。
「…ネックレス」
「ああ。本当はイヤリングとかにするつもりだったんだが…ネックレスを壊して落ち込んでたからな、今度は安物じゃない、ちゃんと耐久力のあるやつを買ってきた」
急遽ネックレスを買ってきたんだ。
イヤリングはいいのが見つからなかったし、今はネックレスが無いなら代わりのものを用意してやろうかと思って。
「まあ、同じ意匠じゃつまらねーから今度は太陽だ。ひまわりでもよかったんだがな」
ひまわりも太陽も似たようなものだがな。
「わあ…!すごい、すごく素敵!!」
「語彙力ゼロか」
「でも何で太陽なの?」
「え?」
「え?」
「あー、えっとだな…」
それを直球で聞かれると恥ずかしいんだがな。
「まぁ…なんだ、明るいっつーか、眩しいっつーか…みんなを明るくするとか、そんな感じ…が、穂乃果にぴったりかと思ってだな…」
「へ、へぇ…」
「自分から聞いといて照れんな」
「て、照れてないよ!」
恥ずかしいのはこっちだ。
「えへへ…でも、ありがとう!すごく嬉しい…前のネックレスを直してくれただけでも嬉しいのに、もう一つ新しいの貰っちゃった」
「喜んでもらえたようで何より。壊さないように気をつけろよ?」
「うん!!」
元気よく返事した穂乃果は、いつもより数倍輝いて見えた。
(ああ、本当に、こいつは眩しい)
わかっていた。ずっと前から。
(眩しくて、輝いていて…ずっと一緒に居たくなる)
自分が目をそらし続けてきただけなんだ。
(きっと、そう。きっとこれが…)
(うん、ずっと知ってた)
ずっとずっと前から知ってた。
(桜さんといると、幸せが溢れてきて、ぎゅんぎゅんパワーが湧いてきて…)
だって、マンガでも見てきたし、μ'sのみんなも見てたから。
(ずっと一緒にいたくて、ずっと触れていたくなる。きっと…)
((きっとこれが、恋なんだ))
2人が自分の気持ちに気づくのはこんなにも先のことで。
その先も全然楽な道のりでも無かったけど。
確かにこの時、幸せになるための一歩を踏み出した。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ついにこの2人が素直になりましたよ!!!!
アニメ本編から二年後ですけどね!!!遅い!!!遅いよ君たち!!!何回ハグしてるんだ君たち!!!今更すぎるでしょ!!!
恋の自覚がこんなに遅いので、このお二人の話はかなり後になります。でも恋の始まりはフライングしてお届けしました。早く結婚しろ。