笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。
前回からお気に入り2件!☆10評価1件をいただきました!!ありがとうございます!もっともっと頑張ります!!
またランキングにも入ってましたし、そろそろ私死ぬんじゃないでしょうか…たくさんのお気に入りや評価や感想で寿命は伸びてますけど…(まだ言ってる)

さて、前回は穂乃果ちゃん誕生祭で見送ってしまった本編です。さあ、スクールアイドルみんなのライブのために動き出そう!!

というわけで、どうぞご覧ください。


総力戦の面子が容赦なさすぎた。ごめん。

 

 

 

 

 

とりあえずだよ。

 

 

全国のスクールアイドルを集めるにあたって、特に強力なランドマークに協力してもらわなきゃいけない。強力だけに。ごめん今のなし。

 

 

それは、A-RISE。

 

 

第1回ラブライブの覇者。

 

 

「参加してくれるって!!」

「早くない?」

 

 

というわけで穂乃果ちゃんに突撃依頼をさせてきたら即OKを貰えた。今時の女子高生行動力ありすぎじゃない?

 

 

「何で誰もリスク計算とかしないんだろう…時間、準備云々…うむむむ」

「何うずくまってんのよ茜。らしくないわよ」

「元々できないことはしない主義なんだよ僕は」

 

 

だって体力無いからね。

 

 

「あとね、ツバサさんが、みんなで一つの曲を歌いたいって」

「へえ。いいんじゃないの」

「そこは否定しねぇんだな」

「むしろ各グループそれぞれが一曲歌ってたら1週間でも足りないよ」

 

 

みんなで力を合わせるって意味でもとてもいいご提案だけど、これまた実現可能性的な意味でありがたい話だね。

 

 

「それで、みんなの方は?」

「凄いです!メールを送ったら既に何件か返信が!!」

「ほんと?!」

「僕は考えるのをやめた」

「賢明な判断だ」

 

 

もう難しいとか大変だとか気にしない方向で行こう。

 

 

「けど、中には話を聞いてからにしたいってグループもいるみたいで…」

「確かに、いきなり出て欲しいって言われても戸惑うかもしれないわね」

「むしろそれが普通のリアクションだと思うけど」

「電話できちんと説明した方がいいかもしれませんね」

「のんびり構えてていいの?!時間はそんなに残されてないのよ?!」

「そんなにどころか全然ないんだけどね」

「それは…」

 

 

実際、時間がないなら参加希望者だけ集めるのが楽。でも今回の目標を考えるとできるだけたくさん集めたい。

 

 

11人いるんだし、みんなで電話すれば案外いけるかもしれない。いけるかな?

 

 

「じゃあどうするのよ?」

「そうねぇ、みんなで

 

 

 

 

 

 

 

「会いに行こうよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「そうそう会いに…ん?」

 

 

なんつったこの子。

 

 

「ええっ?!」

「会いに?!」

「本気なの?!」

「うん!行ける範囲は限られるだろうけど、直接の会って直接話した方が気持ちもきっと伝わるよ!!」

「いやそれはそうなんだろうけど」

 

 

また不思議なことを言いよってこの子は。

 

 

「でもどうやって?」

「簡単だよ!」

「おっと嫌な予感」

「真姫ちゃん、茜くん!電車賃貸して!!」

「「「「「「「「なるほど!」」」」」」」」

「なんでこっち見るのよー!!」

「ぜんぜんなるほどじゃない」

 

 

人のお金をあてにするんじゃないよ。なんか前もこんなことあった気がする。

 

 

「仮に僕らがお金を出すにしてもだね、それでも行ける範囲は限られるよ。どこに行くかは決めないと」

「それは…うーん」

「まあ決めてないだろうね」

 

 

ほら無計画。仕方ないから僕が道すがら行き先は考えようか。

 

 

とか思っていた時だ。

 

 

 

 

 

 

 

『話は聞かせてもらったぜ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

外からクソデカボイスが飛び込んできた。

 

 

久しぶりに鼓膜ブレイク案件。

 

 

何事。

 

 

「うるさっ!!」

「こ、この声は…!」

『そう!!みんな大好き天下一品天童一位さんだぜ!!!イェーイみんな元気ー?!』

 

 

声のする方…正門の方を見ると、天童さんがメガホンみたいなのを持ってこっちに叫んでいた。

 

 

いや、天童さんだけじゃない。桜もいるし、ゆっきーもいるし、湯川君や松下さんもいる。まっきーとか御影さんはお仕事かな。

 

 

「話聞こえてたんですかー?!」

『いや全く!!だがどんな話になったかは想像に難くない!!全国のスクールアイドルに会いに行くんだろう?!足は用意したぜ!!電車に頼るよりもこっちの方がスピーディー且つフレキシブルだぜ!!』

「なんだかよくわからないけどありがとうございます!!」

『あれ?わかんなかった?まあいいや!さあ行くぞ君たち!!』

「穂乃果ちゃんに英語使っちゃダメだよ」

「わかってないわねあの人」

 

 

とてもありがたいとは思うけどね。

 

 

急いでみんなで正門まで行くと、階段下に3台の車が用意されているのがみえた。ほんとに用意されてる。

 

 

「さ、乗りな!チーム分けは?」

「えっと…」

「考えてないなら適当に乗りな!そっちの明の車は近場組!桜の車は中距離組!俺の車は遠征組!!」

「じゃあうち遠征しよー」

「遠征…もしや山ですかッ?!」

「そんなわけないにゃー!心配だから凛もついてくにゃあ…」

「花陽、私たちは近場に行くわよ。アイドル研究部の部長として顔を売りに行くわよ!」

「え、ええ?!」

「私は桜さんの車!」

「私は穂乃果と一緒に行こうかしら」

「じゃあ私も…」

「待って、グループ毎に学年をバラけさせた方がいいと思うわ。私が穂乃果と絵里と一緒に行くから、ことりはにこちゃんと花陽をお願い」

「うん、わかった!」

「スムーズだねえ」

 

 

みんな決断が早くなったねえ。僕はにこちゃんと一緒に行こう。松下さんよろしくお願いします。

 

 

「波浜くん、申し訳ありませんが道案内をお願いできますか?実は方向音痴なもので…」

「松下さんの意外な弱点」

「俺は花陽と…」

「いや、湯川君は遠征組だ。君の目的も別にあるわけだし、たまには花陽ちゃんから離れて行動しな」

「……………………」

「無言でもすげー嫌がってる雰囲気感じる…」

「湯川くん!凛と一緒にかよちんの話しよ!」

「そういうことなら」

「心変わり早っ」

「…俺は何で呼ばれた?」

「中距離組に乗ってやってくれ。何度か出番があるはずだぜ」

「…そうですか」

「何で君微妙に残念そうなん??」

 

 

男性陣も無事分裂できたし、すぐに出発しよう。松下さんなら安全運転だろうし安心だ。

 

 

「まずは練習してる人が多そうな河川敷に行きましょうか」

「わかりました。えーっと河川敷…ああ、右ですか?」

「わかってるじゃないですか」

「いえ、まあ…たまたま…」

 

 

流石に行ったことあるところなら迷わないのかな。

 

 

とにかく、いろんなスクールアイドルに直接会いに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしよう…一生懸命練習してるよ…」

「そりゃそうでしょ」

「邪魔になっちゃうかな…」

 

 

というわけで1組目のスクールアイドル発見。でも練習中だったので物陰から様子見してる。いや急いで。他にも会いに行かなきゃいけないんだから。

 

 

「行って来なさいよ」

「私?!」

「部長でしょ?」

「うう…」

「誰でもいいから早よ」

「じゃあ茜行ってきなさいよ!」

「そうはならんでしょ」

 

 

僕が女の子集団に話しかけたら余計警戒されるでしょ。

 

 

そんなことをしていると、不意にことりちゃんが前に出た。おお、さすが元メイド。関係無いね。

 

 

「こんにちは!初めまして、μ'sの南ことりです。ちょっとお話、いいですか?」

「うわぁ…!μ'sのことりさんだ…!」

「かわいい…」

「な、何でしょうか?」

「あのですね…」

 

 

流れるように本題に突入。これは強い。

 

 

「次は花陽ちゃんがあれやる番だね」

「ええええ…」

「じゃあにこちゃんへぶしっ」

「なんでよ!」

「こっちのセリフだよ」

 

 

君らラブライブ優勝者なんだからコミュ障してる場合じゃないよ。頑張って。殴らないで。

 

 

「OKしてくれたよ!」

「お早い」

「流石ね!次行くわよ次!」

「よーし。松下さん、次は公園までお願いします」

「公園ですね。えーっとこの先を右折して…」

「…ほんとに方向音痴なんです?」

「ほ、本当なんです…あまり信じてもらえないんですが…」

 

 

松下さん、方向音痴って言ってたのに全然迷わない。僕が思い描いた通りの道を進んでくれる。

 

 

むしろ他の道を通らないのがびっくりだけどね。心でも読んでるのかな。まさかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よろしくお願いしまーす!」

「ライブやりまーす!」

「凛たちと同じだー!」

「頑張ってるんやねぇ」

「こんな山間部でもスクールアイドルが生まれているとは…大変だろうに…」

「創ちゃんお父さんみたいになってるにゃ」

 

 

遠征組は天童さんの(警察に捕まりそうなスピードの)運転によって内陸の山間部まで来ていた。人が少ない地域にもスクールアイドルが生まれ始めていることに俺は感動を隠せない。

 

 

「そんだけ君らの影響力が強かったのさ。君らのように、消えそうな学校も救えるかもしれないからな」

「…何で当然のように天童さんも付いてきてるんです」

「車の中で待っててもよかったんですよ?」

「そんな冷たいこと言わないで〜」

 

 

天童さんはおいといて、本当にそれだけの影響があったというなら本望だ。

 

 

「でも、どうします?突然話しかけるわけには…」

「こういうときは凛ちゃんやね」

「ええっ?!凛が?!」

「はいこれ」

「…何でソフトクリーム…つーかいつのまに買ってきた?」

「こいつぁ異次元アタックの予感がするぜ…!!」

 

 

希からソフトクリームを受け取った凛は、そのまま突如チラシ配りをしているスクールアイドルの前にたち、ソフトクリームを高く掲げ、もう片方の手に本を持って屹立した。

 

 

なるほど、自由の女神か。

 

 

いや微塵もなるほどじゃねえ。何してんだ。つーか本はどこから出した。

 

 

「あ、あの…」

「何でしょうか…」

(おっと出だしは芳しくなさそうですぜおやっさん)

(いやあれが正常なリアクションですって。あと誰がおやっさんですか誰が)

(ちゃんとツッコんでくれた…)

 

 

あんなものどう見ても不審者だ。凛だからいいものを、俺か天童さんがやっていたら即警察案件だ。

 

 

「ワタシはスクールアイドルの使者…そなたたちとライブがしたいのじゃあ…」

「え、えぇ…」

「な、何ですかあれ…」

「ドン引きされてるぞ」

「海外で会得した新技や」

「何やったらアレを会得するんだよ」

「ん?創ちゃんも会得したい?」

「誰がそんなこと言った」

 

 

何であれでいけると思ったんだよ。どう見てもヤバい人見てる目だぞあれ。実際ヤバい人だ。凛はやく帰ってこい。まだ傷は浅い。

 

 

「あんなバカバカしいことで

「参加してくれるにゃー!!」

「「ええっ?!?!」」

「うーん世界はスピリチュアル」

「さ、次行こっか。天童さんよろしくね」

「ねえ希ちゃんよ、君だんだん俺への敬意が無くなってきてない?気のせい?気のせいだよね?」

「おい海未、勧誘はあれで正解だったのか?」

「私に聞かれても困ります…!!」

 

 

あの不審者までバリバリの自由の女神で参加決めるのかよ。急にスクールアイドルの未来が不安になってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちら中距離組。

 

 

メンバーは、穂乃果、絢瀬、西木野、雪村。

 

 

「ステージに立ってほしかったら勝負よ!!」

「何で?!」

「勝ったら出てあげるわ!!」

 

 

なんか戦闘イベントが始まった。

 

 

何でだよ。スクールアイドルはそんなに好戦的な種族なのかよ。

 

 

しかもこの子たち木っ端のスクールアイドルだろ。穂乃果たちはラブライブ優勝者だぞ。実力差わかってないのか。

 

 

いや逆に直接実力を見たいのか。

 

 

「ふふ、いいわ!面白そうじゃない」

「絵里ちゃん?!」

「μ'sの本気、見せてあげようじゃない」

「真姫ちゃんまで?!」

 

 

なんでノリノリなんだそこ。

 

 

多数決で決めるなら勝負するしかないじゃねーか。

 

 

「まあ、勝てばいいんだろ。行ってこい行ってこい、下手に説得するより楽かもしれん」

「桜さんまでー!」

「…ところで、そこの人は誰なの?マネージャーの滞嶺さんとか波浜さんじゃないわよね?」

「通りすがりの音楽家だ」

 

 

やべぇ、目をつけられた。

 

 

「丁度いいわ。あなた審判して!」

「何でそんな偉そうなんだ君」

「審判していただけませんでしょうか!!」

「よろしい」

 

 

指摘してなおふんぞりかえっていたらお断りするところだったが、偉そうにしないなら腹も立たないしいいだろう。

 

 

まあ俺の審判は辛口だがな。

 

 

「で、勝負の方法は?」

「各グループの持ち曲を一曲!一本勝負よ!!」

「ど、どうしよう…私たち3人の曲って無かったような…」

「9人で歌った曲をアレンジしましょう。いけるでしょ?」

「もちろん。見せつけてやるわ」

「うぅー…よーし、私も覚悟決めなきゃ!」

 

 

正直ダンスの良し悪しはそこまで詳しくないんだがな。まあいいか。

 

 

「よし、それじゃあ…」

「…待て。どうせならコンディションは整えていけ」

「ん?」

「ダンスに服装による優劣がつかないよう、統一した衣装を作った。着ておけ」

「わあ、ありがとうございます!」

「でもどこで着替えれば…」

「…?そこで着替えればいいだろう」

「「「「「「え゛っ」」」」」」

「車ン中で着替えてこい。雪村お前ちょっとこっち来い」

「どうした」

 

 

ああ、平等になるように配慮してくれるのはかなりありがたい。ありがたいが、そういう配慮をもうちょっと拡張しろ。道端で女の子を着替えさせるとかどういう了見だ。

 

 

とりあえず雪村に説教をして(伝わったかどうかは不明)、一曲勝負をさせた。

 

 

ふむ。

 

 

「どう?!私たちの実力は!!μ'sにも負けてないでしょ?!」

「いや?」

「即答?!」

「パフォーマンスの中身だけで言えば、まず音程のブレが激しい。アップテンポな曲に声がついていけてない。サビ前の盛り上がりが弱い」

「うっ」

「特に右の子は47小節目のCが低い。左の子はCメロ全般でハモリが合っていない、わずかに低い。真ん中の子は80小節目頭のブレが酷い、108小節目のhiAが喉にかかりすぎている」

「い、いやいや細かすぎない?!」

「いつもの桜さんだ…」

「いつもの桜さんね…」

 

 

これでもざっくり指摘してる方だぞ。

 

 

「曲そのものはメロディーラインが不明瞭なくせに和音の進行が単調。調もハ長調じゃつまらん、変ホ長調にでもしておけ」

「きょ、曲にも指摘を…っていうか変ホ長調だと高音がすごく辛く…」

「出せ」

「容赦ない!!」

 

 

これでも容赦してる方だぞ。

 

 

「まあ、μ'sも音程のブレとかリズムの遅れはあったわけだが…何より熱量が違う。君らの『相手に勝つ』という意思のこもった暴力的な音より、μ'sの『みんなを楽しませる』という心が生んだ暖かい音の方がはるかに聴きやすい」

「な、なんか桜さんに褒められると恥ずかしい…」

「普段全く褒めてくれないものね…」

「ギャップってやつかしら」

「別に褒めてねーぞ。君らの反省会はまた移動中にする」

 

 

まあ、あんまり理論的ではないんだが、やはり音楽の方向性というのは大切だろう。できるだけ多くの人の心に通ずる想いを込めた方が届きやすい。

 

 

…と思う。

 

 

「わかったわ…私たちの負けよ。参加してあげるわ!」

「本当になんでこいつらこんな偉そうなんだ?」

「にこちゃんみたいに意地っ張りなんじゃないですか?」

「意地っ張りなら君も大概だろ」

「うぇえ?!」

 

 

まあ、ひとまず無事1組確保、といったところか。

 

 

他の奴らも首尾よく行ってんのかね。天童さんの発案だから心配は要らないだろうが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メールが来ました!東京だけでなく、全国から何校も!!」

「すごいわね!」

「これでもう20組にゃ!」

「みんなアクティブだねぇ」

「達観すんな」

 

 

部室に戻ってパソコンを確認すると、参加表明メールがたくさん来てた。うーん行動的。

 

 

何でもいいけど凛ちゃん、数を数えるのにわざわざ猫を描く必要はあるの。意味あんの。

 

 

考えるのをやめてパソコンを眺めていると、部室にお客さんが来た。

 

 

「ハロー」

「あんじゅさん…!」

「と、その他お二人」

「その他でまとめないで欲しいわね…」

「あと俺もいるんだけど」

「なんだ白鳥君か」

「なんだとは失礼な」

 

 

A-RISEの皆様だ。

 

 

「曲作り、手伝いに来たわよ」

「これ、お土産だ」

「俺が作った差し入れだ。いくらでも作れるから遠慮なく食べてくれ」

「いただきます!!」

「こら穂乃果ちゃん」

「いたっ」

 

 

ノータイムで差し入れに手を出してる場合じゃないよ。やることたくさんあるんだから。

 

 

「そんじゃ早速、作詞作曲衣装作製に取り掛かっていきましょーかね!俺は家庭科室借りるぞ!」

「行動力の化身」

「まあ渡はおいといて、私は作曲、英玲奈は作詞、あんじゅが衣装を手伝うわ」

「A-RISEが味方とは頼もしい限りです。よろしくお願いします」

「あら、滞嶺くんって礼儀正しいのね」

「創ちゃんは見かけによらずいい人ですから!」

「…見かけによらず?」

「創一郎メンタル弱いんだから余計なこと言わない」

 

 

凹んじゃったじゃん。

 

 

「そうそう、僕らの知人からも助っ人呼んでるから、存分に使い潰してね」

「潰しはしないわよ…?」

「結構物騒なことを言うんだな…」

「ちょっと茜!引かれてるじゃないの!」

「ごめんごめん痛い痛い首折れる」

 

 

言い方が悪かったね。ごめんね。悪かったから首掴んでガクガクしないで首折れちゃう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず衣装を様子見。現場監督はことりちゃんと優木さんだ。

 

 

「あら、可愛い衣装!」

「ありがとう!穂乃果ちゃんに言われて急いで作ったんだぁ」

「ほんとに急ぎでよく作ってくれたよ」

「ふふ、お互い強引な相棒を持つもの同士、大変ね」

「綺羅さんも強引タイプなんだねぇ」

「渡を見てたらわかるでしょう?」

「ごもっともで」

「さて、これからもっと衣装を用意しなきゃだし、忙しくなりそうね」

「助っ人さんがいるから少しは楽になると思うよ!」

「そういえば、その助っ人さんって一体どなたなの?」

「うふふ、それはね…」

 

 

ことりちゃんが答えようとした時、ちょうど某車椅子野郎が入室してきた。音ノ木坂がバリアフリーでよかったね。

 

 

「…やっとついた」

「あれ、一人で来たの?」

「…入り口までは水橋に連れてきてもらった。そこからは自力だ」

「いつのまにか桜と結構仲良くなってるね」

 

 

既に疲れてるけど大丈夫なのゆっきー。

 

 

「ちょうど来ました!こちらが衣装作製の助っ人の…」

「雪村瑞貴…ファッションデザイナーだ。君はA-RISEの優木あんじゅか、よろしく」

「ゆ…えっ、雪村瑞貴さん?!雪村瑞貴さんってあの、えっ??」

「そういえばゆっきー有名人だったね」

「…お前も有名人だろ」

「ごもっとも」

 

 

優木さんはゆっきーを見て若干頭がフリーズしてた。まあね、世界的に有名だしね。僕もですはい。

 

 

「茜くんが雪村さんの友達だったから…」

「そうなのね…私、衣装担当しててよかった…」

「大袈裟だな。デザインは決まってるんだろう?手早く始めよう」

「「はい!!」」

「元気だねえ」

 

 

優木さんもやる気満々になってくれたようでよかった。

 

 

とか思ってたら。

 

 

「じゃーん!衣装考えてみたよー!うっふーん、どう?」

「どうと言われましても」

 

 

穂乃果ちゃんが更衣室から飛び出してきた。なぜかハワイアンな感じで。衣装の雛形はできてるんだってば。何してんの。

 

 

「…本当に大変ね」

「あはは…」

「さあ、始めるか」

「流石雪村さん、不動…」

「いや多分興味ないだけ」

「ひどいよー!」

 

 

まあ、ゆっきーがいればなんとかなるでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽室を覗きに行こうとしたら、扉ににこちゃんが張り付いてた。

 

 

何を言ってるかわからないと思うけど、ぶっちゃけ僕もよくわかってない。何してんだろ。

 

 

仕方ないから中の様子は窓から見よう。

 

 

「いい曲ね」

「何かアイデアがあれば言って、取り入れてみるわ。桜さんも遠慮なく言ってくださいね」

「俺が遠慮しないと際限ないぞ」

 

 

なんだろうこの優雅な空間。真姫ちゃんと綺羅さんはともかく、窓際で腕組んで壁に寄りかかってる桜もなんだかんだ芸術的だし。あいつ意外と礼儀作法しっかりしてるしね。

 

 

若干口悪いけど。

 

 

若干じゃないか。

 

 

「そうね…じゃあ、こういうのはどう?」

「え?」

 

 

真姫ちゃんの至近距離でピアノを鳴らす綺羅さん。なんだか同人誌一本書けそうな感じだ。描いちゃう?誰か描いて。

 

 

「ここの和音、こっちの方が良いと思うの」

「確かに…。桜さんはどう思います?」

「悪くない。つーか基本的に君らの感性で決めれば良い、どーしても困った時だけ頼ってこい。そうでなければ俺の作品になっちまう」

「ふふ、まさか幻のアーティストさんに指導していただけるなんて…頑張ってきた甲斐があったわね」

「勝手に幻にするな」

「水橋先生は顔出ししてくれないじゃないですか」

「俺はメディアに出たくない…ん?先生?君先生っつったか?」

「ええ、今は先生ですよね?」

「…俺そんなこと言ったか?」

「いえ、高坂さんから聞きました」

 

 

心の底から呆れてる桜が見えた。どんまい桜。今日も元気に振り回されてるね。

 

 

「ところでにこちゃんは何してんの」

「ま、真姫ちゃんがツバサさんと仲良くしてる…!!」

「どっちに対してジェラシー感じてるのさ」

「ジェラシー感じてない!!」

「ふげっ」

 

 

真姫ちゃんが取られてジェラシーしてるのか、憧れの綺羅さんと仲良くしててジェラシーしてるのかどっちなんだろう。とりあえず照れ隠しキックが結構痛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部室では海未ちゃんと統堂さんがパソコン前で作詞作業をしていた。

 

 

「これが全国から集まった言葉だ」

「こんなにあるのですか…?」

「あはは、流石に全部拾って歌詞にするわけにはいきませんね」

「笑ってる場合ではありませんよ松下さん…!」

 

 

当然助っ人は松下さん。意外とノリノリで引き受けてくれた。文系大学教員てゼミとかやらなくていいのかな。

 

 

「みんなの想いがこもってる。やるぞ」

「はい…!」

「とはいえ、出来るだけ強い想いを込めた言葉を選びたいですね。いくらか抽出しましょう、実際の編纂はお任せします。困った時だけ意見させていただきましょうか」

「はい、お願いします!」

「有名な文学者に指導していただけるなんて、この先二度とない機会かもしれない…気合い入れていこう」

「も、もう少しリラックスしてくださって大丈夫ですよ…?」

 

 

よくよく考えたら呼んだ天才さんたちみんな有名人だったわ。流石天才。僕もです。ごめんなんでもない。

 

 

とにかく、流石にここでは僕はお手伝いできないし、邪魔になりそうだから退散しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、こんだけポスター用の絵があれば困らないかな」

「多すぎるだろ。同じものを大量に印刷すればいいものを…何種類作ったんだ」

「ゆーて2、300種類くらいだよ」

「十分狂ってる」

 

 

創一郎に、印刷所に頼んだポスターたちを運んでもらってたら文句言われた。いやぁみんなが凝ってたから僕も凝りたくなったの。半径1km以内に同じポスターが貼られないように頑張って貼りにいこう。

 

 

「よし、行こうか創一郎」

「本当に全部張り切れるかこれ…」

 

 

貼るんだよ。最悪日本全国回ってしまおう。流石にそんな時間はないか。

 

 

 

 

 

まあ、とにかく。

 

 

絶対成功させるために、僕だってベストを尽くさなきゃね。

 

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

さて、男性陣もたくさん出てきた総力戦。相変わらず察しのいい天童さん、巻き込まれる水橋君、デリカシーゼロの雪村君、読心が捗る松下さん。水橋君は18歳になったので即車買った模様。
助っ人に男性陣を呼んだらなんだか過剰戦力になりました。A-RISEの皆さんが喜んでるので多分大丈夫。
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