笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

前回からもまたお二人!!お気に入りしていただきました!!ありがとうございます!!この先ももっと面白いお話書けるように頑張ります!!
そして凛ちゃん誕生日おめでとう!!というわけで今日は凛ちゃん誕生祭です。前回の誕生祭から一年後のお話となります。


というわけで、どうぞご覧ください。




凛誕生祭2:夕に染まる永遠の恋

 

 

 

 

 

念のためアピールしておくが、大学生となった今、凛は紛れもなく俺の彼女だ。

 

 

うむ、言葉にするのは大切だな。彼女。いい響きだ。

 

 

それに俺たちの付き合い始めは11/1、凛の誕生日でもある。今日はまさに11/1、凛の19歳の誕生日でもあり、1周年記念日でもあるわけだ。

 

 

当然今日はデートだ。

 

 

まあこれが付き合いはじめてから初デートなんだが。

 

 

うるせぇ。彼女だってデートに誘うのは緊張するだろ。

 

 

「おはよー!創ちゃん今日はいつもよりもっとかっこいいにゃー!」

「お、おう…凛もあれだ、あの、すごく、か、かわいいな…」

「もー、こっち見て言って!」

「ぬう…」

 

 

待ち合わせ場所である駅前に来た凛は、それはもう弾けんばかりの笑顔だし小野小町も二度見するほどかわいいし、既に俺のメンタルは限界近い。

 

 

しかし見ろと言われたら仕方ない。観念して凛の方を見ると、いつもより他所行きの服を着て、いつもより気合の入った化粧をしたそれはそれは美しい女神がいた。

 

 

「か゛わ゛い゛っ゛っ゛っ゛」

「にゃー?!創ちゃん鼻血!!鼻血出てる!!」

 

 

あまりの可愛さに血管がはじけ飛んだ。俺の血管を破るとは恐るべし。人類最強は凛の手に渡った。

 

 

「だ、大丈夫だ…血は服にはついていない」

「いや気にするとこそこじゃないにゃ」

「血なんて気合いで止まるから気にするな」

「止まってないにゃ」

「なに、問題ない。傷なんて力を込めれば筋肉の膨張で塞がる。ふんっ」

「止まってないにゃ」

「なんだと。そういえば鼻の中には筋肉が無い…」

「もう!大人しくティッシュ詰めて!」

「んがっ」

 

 

驚異のジャンプ力で俺の鼻にティッシュが詰め込まれた。情けない、浮かれすぎた。

 

 

「…すまん」

「謝らないの!創ちゃんが浮かれるくらい楽しみにしてくれてたってことだし、可愛いって思ってくれたってことだし。凛も嬉しいにゃ」

「…凛」

「なに?」

「お前…本当に天使じゃないんだな?」

「人間にゃっ!!」

 

 

いい子すぎて俺には過ぎた彼女だ。俺もしっかりしなければ釣り合わん、気合を入れなければな。

 

 

「…よし、もう大丈夫だ。気を取り直して行こう」

「気を取り直すのは創ちゃんだけにゃ」

「行こう」

 

 

喜びのあまり調子に乗って失敗など、後世に伝わるレベルのトラウマになる。しっかりしなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のデートは去年のような遊園地ではなく、もっと落ち着いたデートスポット…水族館が舞台だ。せっかくお洒落をしてきてくれているし、はしゃいで服やメイクが乱れるような場所を選ばなくてよかった。いや凛の方が場所に合わせてきてくれたのかもしれない。どっちだ。

 

 

「わぁ〜、見て見て!お魚いっぱい!」

「ああ、本当だな。うまそ

「……………」

「…………んんっ。ああ、綺麗だな」

「ね!」

 

 

巨大な水槽には、魚屋でも見るような魚や、逆に見たこともない魚も多数泳いでいた。とりあえず美味そうだなと思ったが、よくよく考えたら凛は魚嫌いだ。そもそもデートで水族館に来て「魚美味そう」は風情の欠片もない。反省しなければ。

 

 

「泳ぐの凛とお魚とどっちが早いかな?」

「種類にもよるだろうが…凛は運動神経が良いからな、結構勝てるんじゃないか」

「じゃあ創ちゃんは?」

「俺はカジキより早い」

「さすがにゃ」

 

 

やろうと思えば水の上も走れるしな。

 

 

「あっちは熱帯魚だって!」

「ほう、行ってみるか」

「熱帯魚なら創ちゃんも美味しそうなんて言わないし」

「……………………そうだな」

「…創ちゃん?」

「思ってないぞ」

 

 

昔、どっかの池で繁殖していた熱帯魚を食ってたなんて言えない。金がなかった頃の苦肉の策だ。あまり美味くなかったのは覚えている。

 

 

だから鯛みたいな形の熱帯魚だって美味そうだなんて思ってねぇぞ。

 

 

思ってねぇって。

 

 

「綺麗にゃー…」

「ああ、綺麗だな」

 

 

ここは「凛の方が綺麗だ」とか言う場面なのかもしれないが、さすがにそれは心臓がもたない。ここで爆発四散する危険性がある。

 

 

「しかし、こんなに目立つ色をしていていいのかこいつら。自然界では目立つ気がするが」

「そうだよねー。綺麗なのはいいけど、創ちゃんに食べられちゃったらかわいそうにゃ」

「そうだな、食べられたら…ん?俺に?」

「創ちゃんは食物連鎖の頂点にゃ」

「んなわけあるか」

 

 

だから食わねぇって。

 

 

「熱帯魚がカラフルなのは、()()()()()()()()()()()()()()()()。熱帯魚の主たる生息域であるサンゴ礁は砂利や粘土の海底に比べて遥かに色鮮やかであり、黒や銀ではむしろ目立ってしまう」

「縞模様の魚が多いのも、サンゴの間に隠れると紛れやすいからって言われてるわね。保護色なのよ」

「…誰かと思ったら」

「真姫ちゃん!あと藤牧さん!」

「きっとここに来るだろう、と真姫が言うからな。君達の邪魔をしない程度に、星空嬢の誕生日を祝いたかったらしい」

「言わなくていいの!…凛、誕生日おめでとう。楽しそうね」

「うん!」

 

 

不意に後ろから解説が飛んできたから振り向いてみると、藤牧さんと真姫のカップルがいた。わざわざ祝いに来てくれたらしい。

 

 

とりあえず「楽しそうね」と言われて間髪入れず肯定してくれただけでもう死ねる。

 

 

「…滞嶺、鼻血が出ているぞ。動くな、治す」

「えっ大丈夫?!さっきも鼻血出してたし…」

「どうせ凛が可愛いからでしょ」

「えっ」

「ノーコメントだ」

「動くな手元が狂う」

 

 

藤牧さんの右腕から伸びる木の枝みたいなキモいので鼻を弄られて数十秒で鼻血は止まった。水族館の中は暗いからいいものの、そんなキモいのをさらっと出して平気なのかこの人。

 

 

鼻血が止まったので凛の方を見ると、顔を真っ赤にしてこっちを見ていた。真姫が余計なことを言うからだな。くそっ恥ずかしい。

 

 

「可愛いと鼻血が出ると言うのは、緊張状態で血管が縮み、頭部に血液が集中することによるものだろう」

「冷静に分析しないでもらえますかね」

「安心しろ。俺も経験がある」

「「えっ」」

「ちょっと!!」

「血流の変化が起きやすくなったのだろう。恋は病というのもあながち間違いではないのかも

「もう!わかったから!もう行くわよ、邪魔しちゃ悪いし!じゃあね!!」

 

 

真姫が恥ずかしがってさっさと退散してしまった。

 

 

「…藤牧さんも鼻血出すんだな」

「なんか意外…」

 

 

藤牧さんも意外と真っ当な人間だったんだな。

 

 

「…ま、いっか!気を取り直して次行こう!」

「ああ、そうだな」

 

 

まあ、今日の主役は凛だし、まきまきカップル(命名:茜)のことを気にしても仕方ない。

 

 

次に行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃーーーーーーーーっ!!!!」

「こら叫ぶな、ほら」

「嫌にゃあああ!!!なんか意外とゴツゴツしてるううう」

 

 

何をしているかと言うと。

 

 

海の生物に触れるとか言うあれだ。

 

 

ちなみに今凛に握らせているのはナマコだ。

 

 

「にゃああああ…無駄に硬いのが余計気持ち悪いにゃあ…」

「そう言うな。ほらこっちはヒトデ」

「それもさっき触ったら妙にゴワゴワしてたー!!」

 

 

どうやら触感がお気に召さないらしい。しかしそんな騒ぐ凛も可愛い。困った。

 

 

「じゃあ素直に柔らかいウミウシなんかどうだ」

「ナメクジじゃんそれー!」

「違ぇよ、こいつは貝類…いやナメクジも貝類だったな…」

 

 

何を渡してもイヤイヤモードだ。触っても気持ち悪くなさそうなやつはいないのか。

 

 

おっ、こいつは。

 

 

「こいつならキモくないぞ」

「…ほんとにゃ。でも何この貝みたいなの」

 

 

隅っこに転がっていたひらべったい円盤みたいなのを渡してやる。割と硬いし気持ち悪くないだろう。

 

 

「バフンウニだな」

「ウニなの?」

「そう、ウニだ。刺のない、馬糞みたいなウニ」

「…急に触りたくなくなったにゃ」

「別に汚くはないぞ」

 

 

名前で判断するもんじゃねぇぞ。

 

 

「もうここはいいにゃあ…」

「ナマコ美味いんだがな」

「また食べるつもりでいるー!」

 

 

ナマコは本当に美味いんだからいいだろ。熱帯魚じゃねぇんだから。

 

 

いや熱帯魚も食わねぇよ。

 

 

「ほら、もうすぐイルカショーにゃ!」

「イルカは食わんぞ」

「まだ何も言ってないにゃ」

 

 

イルカも食わんぞ。

 

 

イルカショーのステージは当たり前だが屋外にあり、11月では流石に少し寒い。

 

 

「…手、繋ぐか?寒いだろ」

「…うん」

 

 

差し出した手は、若干ぎこちなく握られた。付き合って1年経つのにこんなんで大丈夫か俺ら。手を繋ぐのにも抵抗するって。いやさっきのまきまきカップルも手は繋いでなかったし普通なのかもしれん。

 

 

ちょっと心臓がうるさい。落ち着け俺。寒くは無くなったが。

 

 

イルカショーが始まると、凛は子供みたいに目を輝かせて楽しんでいた。いや、今日で19ならまだ子供か?まあいいか、こういうところも可愛いところだ。

 

 

それに、どれだけテンション上がっても手は離さなかった。

 

 

イルカに勝った気分だな。

 

 

「凄かったねー!」

「あんなにちゃんと言うこと聞いてくれるもんなんだな」

「ねー!ジャンプも凄かった!」

「尾びれの力だけであれだけ飛べるんだからな…海洋生物すげえな」

「なんか感動してるポイントがガチにゃ」

 

 

俺も同じことはできるだろうが、やはり手があるのは大きい。イルカもすごいな。

 

 

「ん、もういい時間だな。どうするか」

「ここって海が見える展望台あるよね!夕日が出てる間に行くにゃー!」

「走んな走んな、転ぶぞ」

 

 

もう夕刻に差し掛かってきたから、そろそろ撤退しようかと思ったら凛が展望台に向かって走り出した。まったく、元気だな。

 

 

それに、夕方に高いところといえば去年のことを思い出す。凛もきっと思い出したのだろう。

 

 

展望台にたどり着き、待っていた凛を抱えて階段を一気に駆け上る。最上階には俺たち意外誰もいなかった。寒くなってくるこの時期、イベントもないのに水族館に来る人自体が少ないのだろう。

 

 

「ありがと。やっぱり早いね」

「当然だ」

「ふふっ…今日はありがとね」

「どういたしまして。楽しんでいただけたようで何よりだ」

 

 

抱えていた凛を下ろして、2人で海を眺める。丁度日が沈むところだった。

 

 

「夕日、懐かしいね」

「ああ。なんというか、俺たちの象徴みたいな」

「えへへ。なんか綺麗な象徴だね」

「光栄なことだ」

 

 

夕焼けの遊園地も良かったが、夕に染まる海もまた綺麗だ。隣にいる凛の横顔もまた綺麗だ。

 

 

「凛」

「ん?」

「改めて、誕生日おめでとう。今日もお前は可愛かったし、綺麗だったし、やっぱり好きだと実感した」

「…えへへ、ありがと」

 

 

凛の方を向き、膝をついて目線を合わせる。正面から見ても、夕陽に照らされた凛はやはり綺麗だ。

 

 

「…こういうのは、恥ずかしくてあまり言わないんだが」

「うん」

「凛、何度でも言おう。好きだ。そして愛してる。今日も、明日も、これから先ずっと」

「うん、凛も、ずっと、ずっと大好きだよ」

 

 

お互い、どちらからということもなく顔を寄せて唇を重ねた。気恥ずかしくてキスなんてそう何度もしたことはないんだが、こういう日は特別だ。

 

 

だって、凛が産まれた日なんだから。

 

 

 

誕生日おめでとう、凛。

 

 

 

産まれてきてくれてありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だが。

 

 

後日だ。

 

 

「あー?熱帯魚が食えるかって?まあ食えないことはねえな、毒があるやつ以外なら。ほれ、この間試作したグッピーのフリッター。それなりに美味いぞ」

「…ね、熱帯魚を揚げるだと…」

「発想がクレイジーなんだよね」

「…うまい」

「雪村くん、そういうの割と平気で食べよね…」

 

 

男連中と白鳥さんに会いに行った時に聞いてみたら、普通に熱帯魚を料理していた。なんか悔しいが美味かった。

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

最後には甘々になるこのコンビ大好きです。甘々に書けば書くほど2人のラブラブ度とピュアさが際立つ…気がする!!やっぱりラブコメはこうでなくては。いつのまにラブコメになったのか。
滞嶺君が徹頭徹尾ゾッコンLOVEなのもポイントです。見た目はヤクザなのに超純情いい子。
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