笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

ラブライブフェスが当たりません!!まあ当たらないのが普通なんでしょうけど!!HP先行よお願いします何でもしますからー!!

今回は前々からやると決めていたお話です。ここまでのお話で、知らぬ間に禁忌に手を出しちゃった人がいるはずです。さて、誰でしょうか?


というわけで、どうぞご覧ください。




ささやかな大事件

 

 

 

 

 

「今日は豊作だったね、創ちゃん!」

「ああ。最近新曲が出ていなかった『ハイペリオン』の新曲シングルに、神奈川の強豪『横浜Night Drive』のアルバム。長野の新スクールアイドル『AnBirth』の初シングルも買えたし、岡山の『ピーチボーイガールズ』も新メンバーを加えてから初のシングルが残っていた。運がいい」

「ピーチボーイガールズって男の子なのか女の子なのかどっちなのよ」

「桃太郎伝説にあやかってるんだろ」

「センス無いにゃ」

「ストレートすぎるだろ」

 

 

今日は二年生の4人でスクールアイドルショップに来ている。今回の目当ては先程言ったハイペリオンのシングルだったのだが、それ以外にもいいものが多く手に入った。今日は良き日だろう。

 

 

「茜が起業してからバイト代も上がったし、色々買えるようになったのもありがたいところだな」

「まだ茜くんのお手伝いしてるの?」

「ああ。全部じゃないが、ライブハウスとかでやってる小規模のライブはよく手伝わされるな」

「創ちゃんも大変にゃ」

「そう、大変なんだよ。労れ」

「んにゃにゃ」

 

 

そう、金が増えたのも大人買いできた理由の一つだ。茜が今まで個人の気分でやっていた仕事を、真面目なビジネスとして展開した影響で金が増えたらしい。おかげで俺のバイト代も増えた。

 

 

3人くらい事務も雇ったらしい。そもそも起業して即人を雇えるほど金があるほうが意味不明だが。

 

 

まあ、俺も俺で仕事自体も増えたから大変は大変なんだがな。

 

 

「しかし、色々物色していたらいい時間になったな。昼飯食うか」

「創ちゃんの奢り?!」

「何でそうなった」

 

 

奢らねえよ。

 

 

「けちー」

「俺だって家族の世話分の貯金で結構削られてんだぞ。ほいほい奢るほど余裕は無え」

「ふしゃー!!」

「威嚇しても無理なものは無理だ。つーか猫かお前は」

 

 

今日も凛は絶好調だな。

 

 

「あれ?」

「どうした花陽」

「あれって…ことりちゃん?」

「ん?」

 

 

両手を振り上げて威嚇する凛の頭をぐりぐりしていると、花陽が遠くにいることりを見つけた。

 

 

まあことりがいること自体は全く問題ないんだが、何だか、何というか、えらく洒落た格好をしている…気がする。具体的にどうと言われても困るが。

 

 

そしてことりは車椅子を押していた。ああ、あのゴツい車椅子は間違いなく雪村さんだ。

 

 

「確かにことりだな。雪村さんに衣装の相談でもしてんのか」

「衣装の相談するためにあんなにお洒落するかなぁ…?」

「知らねぇよ。いつもあんな感じの服装で会ってるかもしれねぇだろ?相手はファッション界の天才なんだから」

「そうよ。いちいち気にしてたらキリがないわよ」

 

 

花陽は何が気になるのか、珍しく眉間にシワを寄せてことりの方を見ている。

 

 

ことりはご機嫌な笑顔で雪村さんと共に喫茶店に入っていった。喫茶店で衣装の相談をするのもよくあることだろう。気になることは無いはずだが…。

 

 

「…事件の予感…!!」

「かよちんがやる気だにゃ」

「もう、一体何なのよ?」

「ことりちゃんが!お洒落をして!とても楽しそうに!男性と!喫茶店に行ってるんだよ!!」

「だからなんだよ。見知らぬ誰かだったら困っているところだが、相手は雪村さんだろ?衣装の話するんだろ」

「ことりちゃんの荷物見た?!」

「荷物??」

 

 

えらい剣幕の花陽に押されてちょっと考えてみる。ことりが持ってたのは、確かやたら小さい鞄みたいなのだ。

 

 

「ちっこい鞄…?」

「ポシェットよ」

「そう!ポシェット!!」

「だから何だよ」

「あのポシェットにいつも衣装案を描いてるスケッチブックが入ると思う?!」

「確かにちょっと小さいにゃ」

「まあ当然衣装も入らないわね」

 

 

ああ、まあ確かにそうかもしれん。

 

 

「ということは衣装の話をするために会っているわけじゃない!」

「急に探偵っぽくなるなよ。スマホとかに画像入ってるかもしれねぇだろ」

「もしかしたらアイドル的大事件かも…!!」

「聞いてんのか」

 

 

無視すんな。

 

 

しかしまあ、確かに衣装の話が目的でないならば…アイドル的には由々しき事態だ。

 

 

 

 

 

アイドルの最も有名な不文律。

 

 

 

 

恋愛禁止。

 

 

 

 

それに抵触するかもしれないとなると…俺も不安になってきた。

 

 

「尾行です!!」

「ええっ?!」

「なんか楽しそうにゃー!」

「こっそり行くか…」

「何でそうなるのよー!」

 

 

そういうわけで、不満たらたらな真姫を引きずって、ことりと雪村さんが入った喫茶店に俺たちも入るのだった。

 

 

…これは尾行というのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここのチーズケーキ、食べてみたかったんだぁ」

「…そうか」

 

 

ことりと付き合い始めて…まあまだそんなに経っていないが、今までより会う頻度が確実に増えた。ことりのスクールアイドルの練習がなければほぼ会う。それに加えて今まで通りの衣装の相談を受けることもあり、顔を見る機会が増えている。

 

 

それに、何故か今までより服装に気を遣い、若干ながら化粧までしてくるようになった。出かけるだけなのにそこまでするか。

 

 

もちろん嫌ではないが。

 

 

「ふふっ」

「…どうかしたか」

「ううん、今日も瑞貴さんとお出かけできて嬉しいなーって」

「…そうか。まあ、その、俺も…まあ、嬉しいな」

「うふふふふ」

「なんだよ…にやにやするな」

「瑞貴さんも顔緩んでますよー」

「なんだって」

 

 

ものすごくふやけた笑顔のことりを見ているとこっちまでふやけそうになる。既にふやけているかもしれないが。

 

 

人に会うだけでこんなに笑顔になれたのは初めてだな。

 

 

「瑞貴さん、いっぱい笑うようになったね」

「…そうか?」

「うん!前よりむ〜って顔してることが少なくなったよ」

「…む〜?」

「うん、そういう顔」

「わからん」

 

 

まあ不機嫌そうじゃ無くなったなら悪いことではない。

 

 

「あっ!チーズケーキ来たよ!」

「…うまそうだな」

「ね!美味しそう!」

 

 

話しているところにことりが注文したチーズケーキが来た。有名なものらしく、見た目も結構うまそうな感じは出ている。俺はコーヒーだけ頼んだ。

 

 

「いただきます!」

「どーぞ」

「…んー!おいひぃ!!」

「…ふっ。よかったな」

 

 

これ以上ないくらい幸せそうな表情のことりを見て、思わず笑ってしまった。こんなに幸せそうに食ってもらえるならケーキも本望だろう。

 

 

「すっっっごく美味しいよ!!」

「よかったな」

「はい、あーん!」

「は?」

「一口あげる!あーん」

「あ、いや俺は…」

「あーん!!」

 

 

目を輝かせたことりが、フォークにぶっ刺したチーズケーキの一切れを、身を乗り出してこっちに差し出してきた。あーんじゃない。俺はコーヒーだけで十分だ。しかしまあ、すごい勢いで差し出してくるから勢いに押されてしまう。

 

 

「あ、あーん」

「はいどーぞ」

「むぐっ。…ああ、美味いな」

「でしょ!」

 

 

まあ、うまい。うまいがそれ以上に気恥ずかしさとことりの笑顔でいまいち味を感じられない。見つめると恥ずかしくなるのに目が離せないという謎現象が発生している。

 

 

困る。

 

 

「えへへ…なんだか幸せな気分!」

「幸せ…そ、そうか…」

「あー照れてるー?」

「照れてない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しそうだねことりちゃん…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぴぃいっ!!!!!!!」

「…お前は」

 

 

…誰だったか。

 

 

「ちょっと花陽、落ち着きなさい!」

「創ちゃんも!ここ喫茶店の中にゃ!」

 

 

いや、後ろの大男はわかる。滞嶺創一郎だ。たまに服を依頼されるから知っている。そう、残りの面子はμ'sのメンバーか。小泉花陽、西木野真姫、星空凛。そう、思い出した。おお、思い出せた。すごくないか俺。

 

 

「ことり…非常に申し訳ないんだが、今のこの状況を説明してもらえるか?」

「はわっはわわわわ、ええええっと、その…」

「…おい滞嶺創一郎。何故ことりを脅すようなことをする」

「あんたは黙っててください」

「黙るわけにはいかないな」

 

 

何故か滞嶺創一郎と小泉花陽の表情がかなり険しい。ことりが何をしたというんだ。お前たちに危害は加えていないはずだぞ。

 

 

「ことりちゃん…まさか、まさかとは思うけど…雪村さんとお付き合いしてたりしないよね…???」

「はうぅっいやっ、そっ、その、これは…えっと…」

「ことりが俺と付き合うことの何が悪い」

「ぴぇっ」

 

 

鎮まり返った。

 

 

何か俺がまずいことを言ったような雰囲気だ。なんだ。そんなに俺と付き合うことが悪いのか。足が無いからか。バカだからか。

 

 

「…ことりちゃん?」

「ことり?」

「……………ふええん、ごめんなさぁい…」

 

 

しかし何故そこで責められるのがことりなんだ。

 

 

納得がいかん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「裁判を始めるわ」

「ふえぇん…」

「とりあえず緊縛はまずいんじゃないの」

「うっさい!」

「あふん」

 

 

久しぶりににこちゃんと訪れた音ノ木坂学院のアイドル研究部部室。

 

 

ど真ん中で椅子に縛りつけられていることりちゃんの尋問会だ。何この出来の悪いAVみたいな状況。

 

 

「いやね、あそこにいる車椅子バーサーカーのお怒りがバンバン上がっていくんだよ。創一郎が抑えてなかったら僕ら八つ裂きにされてる勢いだよ」

「つまり創一郎がいるから平気よ」

「ゆっきーが不憫でならない」

 

 

ちなみに本日は特別にゆっきーの入場を許可している。まあ怒り心頭みたいな状態で創一郎に腕を押さえられてるけど。かわいそう。

 

 

「……………………………………」

「見てよあの射殺さんばかりの眼光。ことりちゃんが泣きながら縛られてるのを見てあれだよ。僕は怖くてゆっきーの顔見れない」

「つまり顔を見なければ怖くないわ」

「つまり顔を見たら怖いんじゃないか」

 

 

胃によろしくないから解放してあげてよ。

 

 

「さてことり」

「はい…」

「あんた、スクールアイドルでありながら恋愛してたという証言に間違いはないわね?」

「は、はい…」

「茜も10年近く待っててくれたのにあんたは会ってから1年も経ってない男とゴールインしたわけね?!」

「ゴールインはしてないよ」

 

 

段階が一足飛んでるよにこちゃん。

 

 

「もう、いいじゃないそのくらい。アイドルとスクールアイドルは違うでしょ?」

「よくない!アイドルの恋愛禁止は鉄の掟なのよ!!それとも真姫ちゃん!あんたも彼氏がいるっていうの?!」

「い、いないわよ!!」

「はいはい落ち着いて」

「「うるさい!!」」

「あぶぎゃぷ」

「綺麗な2連撃にゃ」

「茜くん大丈夫ー?」

 

 

にこちゃんアタックに加えて真姫ちゃんアタックまで食らった。流石に痛い。

 

 

床に倒れ伏していると、部室のドアが開いてさらに人が増えた。

 

 

「遅くなりましたーってわああああ?!ことりちゃんが縛られてる?!」

「ハラショー…!これも日本の文化?」

「違う。違うから亜里沙は見ちゃだめ」

「やあ一年生諸君」

「ひいいいっ変質者が床に!!」

「失礼極まる」

 

 

誰が変質者だ。

 

 

「とりあえず混乱極まるから一旦解いてあげて」

「仕方ないわね…」

 

 

とりあえずまずはこの通報されそうな事態をやめよう。

 

 

縄解いてあげると、創一郎から解放されたゆっきーがすごいスピードでことりちゃんに這い寄って労っていた。這い寄る混沌もびっくりな速さ。僕でなきゃ見逃しちゃうね。

 

 

「つまりどういうことですか!!」

「アイドルは恋人作っちゃいけませんって話だよ」

「そうなんですか?!」

「知らなかったの」

 

 

松下さんの妹である奏ちゃんは穂乃果ちゃんの純粋さと勢いを倍増しにした感じの子なので、常識的なくせに穂乃果ちゃん並みのイノシシ具合だ。勢いで喋るタイプ。本当に松下さんの妹なの君。

 

 

「申し開きはあるかしらことり」

「ありませんん…」

「………まだことりをいじめるつもりか」

「いじめてないわよ。っていうかあんたから告白したそうじゃないの!相手はアイドルよアイドル!!」

「アイドルだから何なんだ」

「話通じないわね?!」

「にこちゃん、ゆっきーに常識は通用しないよ」

 

 

ゆっきーはそんな、アイドルの常識とか覚えてられるほど頭良くないしね。

 

 

「でも、何でアイドルって恋愛禁止なんだろう?」

「ハレンチだからです!!」

「違うよ海未ちゃん」

 

 

そんな理由なわけあるかいな。

 

 

「アイドルはみんなのものだからだよ!!」

「そうよ!!アイドルはみんなのもの!!誰か一人に身を捧げちゃダメなのよ!!」

「み、身を捧げるなんて…やっぱりハレンチじゃないですか!!」

「海未ちゃんってもしかしてむっつ

「はぁッ!!!」

「ぎゃふん」

 

 

見事な掌底です。

 

 

「でも、仮に彼氏がいたとしても今まで通り活動すれば問題ないじゃない」

「だよねー。活動に影響が無かったら別にいいと思うのに」

「あんたたち…1年間スクールアイドルをやってきてまだアイドルがなんたるかをわかってないみたいね!!」

「アイドルがなんたるか…勉強になります!」

「そうだね!せっかく卒業生のにこさんが来てくださってますし、色々学んでいきましょう!!」

「ツッコミが追いつかなくなってきたよ」

 

 

新一年生のせいで収拾つかなくなってきたよ。

 

 

「ええ…じゃあ凛も恋愛しちゃだめなの…?」

「当たり前でしょ」

「そんなぁ…」

「凛ちゃん好きな人でもいるの」

「!!!!!」

「何してんの創一郎」

 

 

とても残念そうな顔をする凛ちゃん。そして厳つい顔していたのに突然顔をひきつらせる創一郎。何してんの。

 

 

 

 

 

 

 

「でもにこちゃんだってずっと茜くんに恋してたのに…」

 

 

 

 

 

 

 

「…………………ぅえ?」

「確かに!」

「えっ、いやちょっと」

「正式に付き合ってはいなかったとはいえ、好きだったのは間違いないわよね」

「ま、まぁ…そうだけど!付き合ってはいなかったじゃない!」

「あれで付き合っていなかったと主張しても誰も信じないと思いますが…」

「だね」

「何で茜まで肯定してんのよ!!」

「ぶぎゃる」

 

 

まあ確かにそれはそう。僕らずっと両想いだったのに付き合ってはいなかった…と言うけど、もうほぼ付き合ってたからね。正式に付き合ったのは卒業してからだけどさ。

 

 

今も昔も関係性はほぼ変わってないからね。

 

 

キスしたくらいだね。

 

 

照れる。

 

 

「…茜も矢澤にこの話しかしなかったしな」

「ゆっきーまで言うか」

「俺はことりを守るだけだ」

「嫌いじゃないよそういうの」

「だーかーらー!!私と茜は付き合ってなかったでしょ!!たまたまずっと両想いだったのよ!!」

「つまりにこちゃんはずっと前から僕のことが大好きだったのか」

「ふん!!」

「はぶっ」

 

 

だから肘はあかんて肘は。でも嬉しいから許しちゃう。

 

 

「なんだかよくわかりませんけど、ことりちゃんがダメなら海未ちゃんもダメだと思います!!最近お兄さまとやたら仲が良いです!!」

「ぅうえあえ?!なっ何を言っているのですか奏!!」

「だって海未ちゃんよくお兄さまとお出かけしてるじゃないですかぁ!!」

「…海未ちゃん…?」

「海未…お前…」

「作詞の相談をしているんですっ!!」

「そういうことならお姉ちゃんも桜さんと怪しいよね」

「え?何が?」

「これは桜がかわいそう」

 

 

海未ちゃんにも嫌疑がかけられ、穂乃果ちゃんは天然をかます。カオスだ。いよいよ収拾がつかない。

 

 

「幼馴染と仲良いのは花陽も同じじゃない!私だけ茜との関係に文句言われるのは不当よ!」

「ええっ?!照真くんとはそういうのじゃないよ?!」

「あーもうやめろ、話がややこしくなってきた」

 

 

ドルオタ筆頭の一人である創一郎も流石に辟易してきたらしい。頭を抱えて椅子に座り込んだ。僕もう帰っていい?

 

 

「いいじゃんもう。恋する乙女は強いって言うし」

「そういう問題じゃないでしょ?!」

「にこちゃんが強いって話だよ」

「…………そういう問題じゃないのよ!」

「ちょっと迷ったでしょ今」

 

 

流石はチョロイン筆頭にこちゃん。いや今ので流されてないからチョロくはないのか。

 

 

「だいたい恋したら強いとかわかんないじゃないの!」

「一番可愛い自分を見てほしいっていうときに、明確な目標がいた方が頑張れそうじゃない?」

「そうかなぁ?」

「それに関しては僕らも強さを知ってるはずだし」

「え?」

 

 

そうそう。恋する乙女の強さは僕らもよく知ってるはずだ。

 

 

「A-RISE」

「………」

「そっか!白鳥さん!」

「そ。恋する女の子3人組は超強かったでしょ」

 

 

そう、A-RISEの3人も白鳥君大好きだったはずだ。流石に僕でもわかる。つまりスクールアイドルとしての実力にとって、恋はマイナスではないはずだ。

 

 

とまあ色々言ってるけどぶっちゃけ話がよくわかんなくなったからさっさと纏めたいだけなのであった。早く帰ろうよにこちゃん。

 

 

「うーーーーーん、でも…」

「まあ気持ちはわからないでもないけどね、でも今更ことりちゃん除名ってわけにもいかないし」

「そ、それはそうなんだけど…」

 

 

渋るにこちゃん。っていうか多分この子具体的な処断とか考えてないんだよね。ルール的にアウトだって伝えにきただけで。

 

 

「それに、僕らもう卒業した身だしね。僕らが口を出すのもどうかと思うよ」

「……むぅ」

「まあ誰がにこちゃんを呼んだか知らないけどさ」

「…………………………」

「ねぇ花陽ちゃん?」

「は、はい…」

「わかってんじゃねぇか」

 

 

そりゃわかるよ。

 

 

「はぁ…恋愛反対派が俺も花陽しかいない以上、多数派に合わせるしかねぇか」

「どういうことだ」

「不問ってことですよ。ですが、いいですか?ことりは今や有名人なんです。せめて目立たないように努力はしてください」

「何故だ」

「有名人だからっつってんでしょう。人目に触れて、ことりがあんたと交際してるって話が触れ回ったら被害を受けるのはことりなんですから」

「…ぬう」

「ことりちゃんも、せめて変装くらいしてね?週刊誌に載りたくないでしょ?」

「うん…気をつけます…」

 

 

ふう、これで一件落着。無理矢理終わらせた。

 

 

「でも!なんかあんた達のパフォーマンスが落ちてたりしたらすぐ文句言いに来るわよ!いいわね!!」

「うう…わかった…」

「…いい加減ことりをいじめるのをやめてくれないか」

「あ、ゆっきーは僕から個人的に色々お話あるから」

「……………何故だ」

 

 

まあでもゆっきー個人には色々言うことあるからね。女子高生に手を出しおって君は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ってことになってるはずだ」

「ええの?天童さんは手を出さなくて」

「いいんだよ。パパラッチが寄り付かないようにするくらいで十分だ」

 

 

大学内の喫茶店で俺は希ちゃんに現在の予測事象を伝えた。まあ、あの二人が付き合うことを読めていたわけじゃないんだが、たまたまこの間仲良くお出かけしているところに遭遇しちゃったからな。見せつけやがってこんにゃろう。俺たちだって負けてねーぞ!!

 

 

「…何でもかんでも首突っ込むだけが手助けじゃない。当事者だけで解決すべきこともあるさ」

「…うん、そうやね。天童さんに頼ってばかりじゃいけないもん」

「そゆこと。俺がいない場でもちゃんと幸せになれるようになってもらわなきゃならないからな」

 

 

俺が実際に手を出せる場面ってのは限られている。だって俺は一人しかいないもーん。まあだから個々人の成長もちゃんと促しておかないとな。

 

 

「ことりちゃんのことはもう大丈夫なん?」

「んー、そうだな。絶対は保証しないが、概ね大丈夫だろ。とりあえず文句言うやつはいなくなったはずだし」

 

 

別に恋することがイコール幸せ、ってわけじゃないだろうが、愛し合う二人がいるならくっつけておくのがいいはずだ。統計的には。相性とか色々あるにしてもな。

 

 

「どうも雪村君は勉強は得意じゃないみたいだからわかりやすかったよ」

「そうなん?」

「程度はわかんねえけどな。まあ行動予測しやすいからよかったけどさ。…それよりも」

「?」

 

 

もう解決したことはそれでいい。

 

 

この先が問題なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の理解を遥かに超える頭脳を持ったやつ…藤牧君とか、湯川君が一番の鬼門なんだよな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らに関しては、本当に読めない。

 

 

そもそも、彼らにとって何が幸せなのか…まったく予想できない。

 

 

…それでも、見逃すわけにはいかない。

 

 

手の届く範囲くらいは幸せにしてやるって、希ちゃんのために誓ったんだから。

 

 

お、今のちょっとかっこ良くない?どうよ。

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

というわけで、ドルオタの皆様が怒りそうなことをことりちゃんがやっちゃったのでこの話を入れておきました。誰かの誕生日特別話で「にこちゃんと花陽ちゃんがキレた」みたいなことを言わせた記憶があったので、ちゃんと現実にしておきました。にやけてる雪村君を見てみたい。

このお話でAfter stories 1はおしまいと致します。まあただの限りなのでお気になさらず。作品は終わりません。
天童さんが言ってたように、次は並外れた天才の二人が主軸となります。なんだかんだ言って主軸と関係ない話もそこそこ出ますが、のんびり楽しんでいただけたらと思います。これからもよろしくお願いします。
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