笑顔の魔法を叶えたい 作:近眼
ご覧いただきありがとうございます。
さて、今回からAfter stories 2の開幕です。ですがまずは関係ない話から。時間が飛んでることだけ伝えたいのです。
時は流れて夏の出来事でございます。夏と言ったらもちろんアレですよ!!
というわけで、どうぞご覧ください。
はろー皆さん。時は流れて太陽さんさんサマーライフ満喫中だよ。嘘だよ。暑さで死にそうだよ。
だからね。
「海だー!!」
「1年ぶりにゃー!!」
「真姫ちゃん、今年もありがと!」
「別にいいわよ、別荘くらい」
海に来てるよ。
ちなみに一応スクールアイドル達の合宿という名義ではある。だから場所は去年と同じく真姫ちゃんの家の別荘。僕ら旧三年生組はおまけ。まあ後輩たちの成長やらなんやらを見たいってのは確かにあるけど、僕らはほぼ夏休みにかこつけて遊びに来てるだけ。
彼女の付き添いで天童さんとゆっきーも来てる。天童さんはノリノリで海パン履いてるけど、ゆっきーは着替えもしない。というか車椅子だから砂浜にすら入らない。
ちなみに桜も連行されている。いつもの巻き込まれ大魔王だ。バッチリ水着も持ってきている。割とノリノリじゃん。
今年は僕も水着だよ。胸と背中の傷も塞がったし。泳がないけどね。僕は泳いだら死ぬよ。
「しかし…プライベートビーチまで保有とはなかなかの富豪だよなぁ。俺もこれくらいできる金が欲しい」
「天童さんならなんだかんだいって持ってそう」
「流石にそこまで稼いでないわい」
初参加の天童さんは別荘の規模にびっくりしてらっしゃる。本当にびっくりしてるかは知らない。実はわかってましたとか言いそう。
「てーんどーうさんっ」
「ひぃっ!!その声は希ちゃんだな?!待て、待つんだ。そこから動くんじゃあない。そんな、急に俺の視界に入るor俺の体に触れるなんてことをされた日には心臓が破裂してしまう。いいか、心の準備をさせてくれ。まあ確かに水着姿の君は見てみたいがそんなスッと見てサッとリアクションを取れるほど
「えいっ」
「なぁああああ!!正面に回り込むだけに留まらず抱きつくだと!!やめなさい!!ほぼお肌とお肌が密着状態なんだから色んな柔らかさで天童さんの天童さん(意味深)が天高くそびえちゃう!!」
「えー天童さんいやらしー」
「こんのっ…君も顔真っ赤なくせに偉そうに!!かくなる上は!!」
「えっ、ひゃあ?!こ、これって、お、お姫様抱っ
「おらっしゃあああああ青く輝く海へダーーーイブッ!!!!!」
「きゃあああああ?!」
「…元気だね」
「いろいろ元気ね」
天童さんは何で希ちゃんを若干怖がってんだろう。彼女なんじゃなかったの。まあ仲良さそうではあるけど。諸共海にダイブする程度には仲良いみたいだ。
「よーし!私たちも飛び込もう!」
「飛び込まねーよ…っておい、引っ張るな!おいコラ待てってうぉあっ?!」
「あははっ!桜さーん!こっちだよー!!」
「げほっ…こっちだよーじゃねーよバカやろう!顔からダイブしそうになっただろ!!」
「えい!」
「ぶはっ!水かけなんてしょーもないことしやgうぶっ…てっめぇ!!人が喋ってるところに水かけてんじゃねーぞゴルァ!!!」
「あはは!桜さんが怒ったー!」
「逃げんな馬鹿穂乃果!!アホ!!犬!!」
「犬じゃないもん!!」
「あっちも楽しそうだね」
「あれで付き合ってないんだから不思議よね」
桜と穂乃果ちゃんもこの上なく仲良しだ。うん。早く神父さん呼んできて。
「私たちも海入りましょう!!雪穂ー!亜里沙ー!行きますよー!!」
「ハラショー!」
「奏も亜里沙も元気だなぁ…」
「っていうか雪穂は何で上着着てるんです!!脱ぐんです!!さあ!!」
「えっ、ま、待って!ちょっとまだ私お腹のお肉があああああ!!」
「もう…遊びに来たのではなく、合宿に来ていると言っているのですが…」
「ふふ、いいのよあれで。あれだけ元気に遊んでいれば身体も鍛えられそうじゃない?」
「そういうものでしょうか…」
1年生たちも楽しそうで何より。海未ちゃんは相変わらず真面目だけど、まあ力ずくで止められるようなものでもないし、諦めて。
「まあ楽しそうなのは良いことだし、気合入れて写真撮ろう」
「あんたいっつも写真撮ってるわね」
「そりゃね、資料用にね。はいチーズ」
「にこっ♡」
「ゔっ可愛いい」
カメラを向けると即ポーズ取ってくれるにこちゃんマジ天使。結婚しよ。
そのままにこちゃんの写真を永遠に撮ってやろうと思ったけど、肝心のにこちゃんはビーチボールをぶつけられて仕返ししに行ってしまった。残念。なんか去年も見た気がする。
「で、ゆっきーはずっとそこにいていいの」
「…」
「ことりちゃんも海でわちゃわちゃしてるけど」
「…いい」
「そう。じゃあ僕はにこちゃんとわちゃわちゃしてこよう」
ゆっきーは炎天下の中ぼーっとしてるだけで楽しいのか不明だけど、まあ本人がいいって言ってるんだからいいか。
で、砂浜では既にビーチバレー大会が開催されてた。にこちゃんは真姫ちゃんとコンビだ。僕はいいのかって?僕がビーチバレーなんてやったら即死するよ。
そして今まさににこちゃんの出番…ではなく、ちょっと人類には早すぎる戦争が起きようとしてるところだった。
「へっへっへっ…来いよ筋肉兵器、未来予知打法を見せてやらぁ」
「天童さんなら直撃しても死なないですよね」
「あっ待って君本気出すつもりなん??やめーや死人出てまうで」
「天童さん関西弁になっとるよ」
「希ちゃんのが移ったんや」
「やっちゃえ創ちゃん!」
「応、まかせろ」
「「リア充爆発しろッ!!」
「おぶふぇおあっ?!?!?!」
「わああっ天童さぁん?!」
「ぐふっ、ま、待て希ちゃん!
「う、うん!はいっ!!」
「おっしゃこのくらいのダメージは想定内よぉ!行くぜ未来予知打法、『レシーバーが凛ちゃんなら滞嶺はアタックできない戦法』食らえ!!」
「ふっ」
「はッ!!」
「何で凛ちゃんが飛び退いて滞嶺が拾うんだよぉ?!?!」
「狙いがわかっていれば…」
「対策するに決まってるにゃ!えいっ!」
「さぁ食らえ。凛を狙った分の恨みも込めて、今度は手加減しない」
「今度はってことはさっきは手加減しtふんぐるいっ?!?!?!?!?!」
「わあああっ天童さん!!」
結末だけ言うと、天童さんがボールと共に数十メートル吹っ飛んだ。これはKOだね。テニヌかな?
勝者である創凛コンビは、凛ちゃんが創一郎の膝を足場に大ジャンプしてハイタッチするというアクロバットを決めていた。身体能力高すぎない?
「て、天童さん大丈夫?」
「うぶふぅ…しっかりレシーブしたのに諸共吹っ飛ばされるとかどうすりゃええんじゃ…勝てるかバカ…もうマジ無理マリカしよ…」
「よかった、大丈夫そうやね」
「本当に大丈夫に見えたかね希ちゃんよ」
天童さんは全然平気そうだった。まあ天童さんだからね。冗談言ってる間は大丈夫。
というわけで次の試合はにこまきコンビ対桜穂乃果コンビ。桜があたふたするだけの未来しか見えない。
「ふっふっふ…見てなさい、進化したラブにこアタックを見せてやるわ!!」
「とか言って、どうせ普通のアタックでしょ?」
「普通じゃないわよ!!ちょっと真姫ちゃんあんた敵か味方かどっちなのよ?!」
「味方よ!」
「大丈夫なのかよあの子達」
「にこちゃーん早くサーブ打ってよー!」
こっちも仲良しだね。にこまきはいつもこんな感じだからね。どうでもいいけどにこまきって語感いいよね。肉巻きみたいで。嘘何でもない。
「今打つわよ!…はっ!」
「桜さん!」
「ふっ!」
「ていっ!」
「…っせい!!」
「うわっ!…ちょっと!桜あんたバレー上手くない?!」
「誰も下手だなんて言った記憶はないんだがな」
あれ、あんまり桜があたふたしない。そんなに運動神経よかったっけあいつ。
「やった!練習した甲斐があったね桜さん!」
「バッカお前それを言うな!」
「ふーん…わざわざ練習してきたのね…」
「へー…穂乃果のためにね…」
「おいコラ赤髪ブルジョワ女。穂乃果のためではねーぞ」
「違うの?!」
「違うわ!!」
なんだ練習してきたのか。わざわざ。穂乃果ちゃんのために。絶対穂乃果ちゃんのためでしょ。多分天童さんが何か言ったんだろうな。
その後1セットくらいはいい勝負してたけど、そこから桜は筋力の限界が来たのかへろへろだった。まああいつ、体力はあるけど運動神経自体はそんなによくないしね。むしろ1セットよく頑張ったよ。
「こ、これ、いつまで、やるんだ…」
「もう終わったわよ」
「そ、そうか…もう無理だ…」
「わーっ桜さん!大丈夫?!」
「水飲ませてあげな」
「う、うん…」
「口移しで」
「わかっ…えっえぇっ?!くっ、くちっ
「じっ、自分で飲めるわ…!!」
「冗談だよ」
桜が瀕死だから穂乃果ちゃんに口移しさせようとしたのに失敗した。残念。いや冗談だよ?うん、冗談。冗談だけどあわよくば上手くいけとは思った。
「さあ茜、行きますよ!」
「待って。状況確認させて」
ビーチバレーが創一郎無双で幕を閉じた後のこと。
お昼ご飯を食べようとしたら、海未ちゃんに目隠しをされて何処かへ連れて行かれ、目隠しを外されたらいつの間にかアスレチックコースみたいなのが出来上がっていた。創一郎が爽快そうな顔をしているからあいつの仕業だ。何してんだ。
「この先にお昼ご飯があります」
「うん」
「穂乃果たちは既に出発しました」
「うん、見てた」
「だから私たちも行きましょう」
「僕も?」
「もちろんです。ご飯要らないんですか?」
「そうじゃなくてね」
前方にはノリノリでアスレチックを乗り越える穂乃果ちゃんやぴょんぴょん跳んで軽々超えていく凛ちゃんが見える。高い所は上級者用らしい。天童さんもアクロバットしながら高い所を跳び回ってる。何してんの天童さん。
「僕こんなアスレチックしたら死ぬよ」
「だからやらせるのよ」
「にこちゃん」
「あんたせっかく肺が治ったってのに、全然体力つけようとしないじゃない。いい機会だから鍛えるわよ」
「体力つける方法にしては一段飛ばしが過ぎないかな」
「ちなみに昼ご飯は私が作ったわ」
「なん…だと…」
アスレチックを乗り越えたらにこちゃんの料理が食べれるってことか。神じゃん。いやいつも食べてるけどそういう問題じゃない。食べれるか食べれないか、それが問題。
「…い、1番楽なルートをゆっくりいけば…」
「カレー冷めるわよ」
「冷めても美味しいと信じてる」
にこちゃん製なら冷めても美味しいはずだ。なんなら腐っても美味しい。流石にそれは無いか。
とにかく、にこちゃんごはんを食べれるなら命をかける価値がある。あるの。
「それと、急がないと創一郎が食べ尽くす可能性がありますので」
「そんな鬼畜な」
「安心しろ。俺はまだ出発していないし、上級者コースを行く。跳び越えたりもしない」
「跳び越えるって何」
「このコースをだが…」
「なに当然みたいな顔してんの」
このコース結構な全長があるんだけど。っていうかほんとにこのコースどうやって作ったの。
「コースの骨組みは湯川が作ったよくわからん素材でできている。形状記憶ができて、超圧縮が可能だ。このコースほどの大きさとなると流石に重量が嵩むが、スーツケースに収まるサイズまで圧縮できたんだから恐ろしいな」
「もはやドン引きするレベルだよ。それに再圧縮はどうすんの」
「どうせ二度と使わないだろうから適当に破砕して捨ててこいっつってたぞ。生分解性の素材らしい」
「雑極まりない」
このサイズを捨てろと。あと砕けと。創一郎ならできるか。捨てる場所があるかどうかが問題。
「さあ、早く行きなさい。結構長いわよ」
「スパルタすぎない?」
「私も一緒に行くから」
「がんばる」
「即答しやがった」
「まあ茜ですから。私たちもそろそろ行きましょうか」
「おう。上級者コース来るか?」
「そもそも辿り着けないので大人しく中級者コースにします…」
海未ちゃんと創一郎は元気よく行ってしまった。海未ちゃんは中段に、創一郎は壁をよじ登って上段に行った。何、上級者コースって壁登らないと行けないの?凹凸があるとはいえほぼ絶壁なんだけど。
ちなみに穂乃果ちゃんと凛ちゃんと天童さんは上級者コース行った。1年生3人と花陽ちゃんと桜は初級者コース。残りは中級者コースだ。僕の雑魚さが知れ渡る。
「行くかぁ…」
「初めっからげんなりしてんじゃないわよ」
「だってぇ」
「先行くわよー」
「ひい」
初級者コースがゆるゆるであることを切に願うよ僕は。
見える限りでは割と平坦だし、ちょくちょくジャンプしなきゃいけないところがあるくらいだ。あと坂道。うん、ゆるそうだ。
「少し先を行ってるから、追いかけてきなさい」
「スパルタだ」
「全然スパルタじゃないわよ!」
「あふん」
そこは手を繋いで一緒に行くとかしようよ。泣くよ。
しかしこれもにこちゃんカレーにありつくためだ。気合入れて飛び石ぴょんぴょんしよう。
「とう」
「意外と軽くいくわね」
「ふふん」
「さ、先行くわよ」
「にこちゃん」
「何よ?」
「疲れた…」
「嘘でしょあんた」
飛び石ぴょんぴょんしてたら疲れた。その数5つ。5回もジャンプしたんだからもう許してくれない?一生分跳んだよきっと。
「まだ全然進んでないわよ?」
「もう無理…にこちゃんおんぶして」
「あんたそれ情けなくないの?」
「情けないよ」
情けないとか言ってる場合ではないのだ。体力には限界というものがある。プライドでは解決できません。
「私のカレー食べたくないの?」
「食べたい…」
「じゃあほら立ちなさい」
「スパルタだぁ」
「だからスパルタじゃないっての」
にこちゃんが手を差し出してくれたので、手を掴んで立ち上がる。やばーにこちゃんと手繋いじゃった。いや付き合いはじめてからよく手は繋いでるけどさ。何度でもときめくんだよ。素敵だね。
「よし、立ち上がった勢いで乗り越えちゃおう」
「そうそう、その意気よ」
このときめきがパワーになると信じてる。というわけでダッシュを坂を駆け上って、
「ぶへっ」
「うわっ顔からいったわね?!」
「ひぃ…も、もう無理…」
「まだ坂を一つ登っただけよ」
「むーりぃー」
体力が尽きた。
今回もやっぱりダメだったよ。
1番いい装備ちょうだい。
「はあ…やっぱりいきなりこれは無理があったわね」
「無理」
「まったく。ほら、乗りなさい」
「ふぁい」
結局にこちゃんにおんぶされた。情けない極まる。
「なんだか昔よくこうしてもらった気がするね」
「あー、そうね…運動会の後とかね」
「中学校からは絶賛サボリ魔だったから小学生以来だね」
「そうね。ちなみにあんた遠足の時もおんぶしたからね私」
「そうだったね」
そう思うと懐かしい。そしていつもにこちゃんは僕を助けてくれた。
「…そろそろ僕もにこちゃんを助けられるようになりたいな」
「だったら体力つけなさい。私も…」
「ん?」
「…私も、おんぶとか…お、お姫様抱っことか、して欲しいし…」
「にこちゃんの可愛さが天元突破してるふぐっ」
「うっさい!」
「落とさないでよ」
何それ。そんなん体力つけるしかないじゃん。にこちゃんの望みを叶えるためにムキムキになるよ。いやムキムキにはなれないわ。
「…頑張ってよ」
「頑張るよ」
立ち上がって、ちょっとだけキスしてから今度は並んで歩き出す。もういい加減わがまま言ってられないね。
とりあえずまっきーに相談してから頑張ろう。
「ちょっと先輩方ー!!見えてますからねー!!イチャイチャしてないで早く来てくださーい!!!」
「ちょぉっとぉ!!何見てんのよ!!さっさと先行きなさい!!!」
「奏ちゃん目いいね」
随分先で、急な坂に苦戦している亜里沙ちゃんを引っ張り上げてる奏ちゃんが爆音で文句言ってきた。こっち見てないでお友達を助けてあげなさいよ。あっ亜里沙ちゃん落ちた。
「んー!にこちゃんのカレー美味しい!」
「当たり前でしょ?ラブにこカレーは宇宙一美味しいんだから!」
「何言ってんだって言おうとしたけどマジで美味いなこれ。希ちゃんにもレシピ教えてあげてくれよ」
「ふーん、つまりうちのカレーが不味いって言うことやな??」
「痛い痛い痛い!違うって!!不味いとは言ってないでしょお?!」
「もうみんな食べてるもんだと思ってたけど」
「どうせめちゃくちゃ遅れるから待っててやったんだよ」
「スルーしてないで助けて男共!!」
「「自業自得ですから」」
「ド正論!!」
即席アスレチックから抜け出すと、まだみんな食事前だった。だから一緒にいただきますして今食べてるとこ。うん、やっぱりにこちゃんカレーは美味しい。しあわせ。
「ところでゆっきーはどこ行ったの」
「今着替えてるよ!」
「着替え…?水着に?」
「そもそも水着持ってきてたのあいつ」
「うん!それだけじゃなくてね…ふふ」
「…?」
そしてゆっきーが見当たらない。着替えてるって、足ないのに水着に着替える意味あるかな。波打ち際はおろか砂浜にすら入れないけど。
「去年みたいに、今日は遊んで明日朝から練習する感じか…。俺今日いなくてもよかったんじゃねーか?」
「えー!今年も一緒に寝ようよー!」
「穂乃果お前言い方」
「お、お姉ちゃん…ついに桜さんとそんな関係に…?!」
「ちっ、違うよ?!っていうかついにって何?!」
「雪穂、そうじゃない。穂乃果の頭が悪いだけだ」
「桜さん言い方!!」
「ハラショー!一緒のお布団で寝るんですか?仲良しですね!」
「「寝ない!!」」
「そんなのダメですよ!!健全なお付き合いをしてください!!」
「「付き合ってない!!」」
「息ぴったりだね」
「前からじゃない」
1年生からもネタにされる桜。きっとそういう運命なんだね。かわいそう。
カレーを食べ終わった後はスイカ割り大会だ。割れなかったら創一郎に割らせる。
「誰からやる?」
「はーい!私やります!!」
「元気だね奏ちゃん」
最初のチャレンジャーは奏ちゃんだ。相変わらず元気だね。
「さあ!始めましょう!!」
「せめてスイカの方を向いてから始めようよ」
なんでスイカに背を向けて目隠ししてんの君は。
「後ろだよー!後ろ!」
「こっちですね!てい!!」
「いきなり振りおったよこの子」
「穂乃果並みに馬鹿かあの子」
「私あんなことしないもん!」
「私あんなことって言うほど酷いことしました?!」
「まあそこそこ酷いよ」
指示一回しか聞いてないのに割りにいくやつがあるか。
と、呆れているところに。
「みんなー!」
「ん?ことりか。どうかしたか」
「見て見て!」
ことりちゃんが砂浜の外からこっちを呼んでいる。別にそう注目するようなものもないんだけど。隣にゆっきーがいるくらいで。
あれ。
ゆっきーってことりちゃんより背高かったっけ。
「っていうか身長を比較するとか無理な気が…」
「っていうかなんでことりに寄りかかってんのよ」
「いや、そうか!はっはっは、やっぱり天才ばっかりだな!!」
「どうしたん天童さん」
「良く見な!義足だ!
おお、言われてみれば。
海パンから伸びているのは、黒くて細い鉄骨でできた足だ。ふらついてはいるけど、ちゃんと立って歩いている。
太腿あたりから切断されてるから膝すらなかったはずなのにね。湯川君の仕業か。
「わぁ!雪村さんが歩いてる!」
「…ちょ、ちょっと待ってくれ。めちゃくちゃ動きにくいんだ…」
「大丈夫。ゆっくりでいいよ」
「ほえー。こんなものまで作れるの」
「別に頼んでないんだがな…」
「そういえばまっきーが勝手に頼んでたね」
いつぞやにまっきーが勝手に湯川君にお願いしてたのを思い出した。相変わらず人のことを考えずに勝手にやらかすやつだ。
まあ今回は役に立ったからいいか。
砂浜に足を踏み入れると余計バランスを取りにくそうだけど、倒れはしない。義足の隙間に砂が噛んだりしないのかなって思ったけど、どうも透明な膜みたいなので覆ってあるらしい。なぜ透明にしたし。肌色にすれば本物の足っぽいのに。
「てか何で今更義足なんて」
「…それは」
スイカ割りをしている僕らの近くで立ち止まったゆっきーに聞いてみた。ほんとに今更だ。10年くらい車椅子生活だったのに。
「…それは、まあ、ことりと一緒に…歩きたいじゃないか」
「「甘っ」」
「むーっにこちゃんと茜くんに言われたくないよ!」
「私たちは甘くないわよ!!」
「ぶぎゅっ。どちらかといえばスパイシーだね」
「誰が暴力ですって?!」
「言ってないぶぎゃる」
すっごい甘甘な理由だった。ブラックコーヒーが欲しくなる。そして僕はにこちゃんに殴られる。2回も。こちらはとってもスパイシー。
まあでも、これで隣を歩けるようになったのなら…ゆっきーもことりちゃんといろんなところに行けるようになるんだろう。とてもいいことだね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
主に波浜君と雪村君の機動力アップフラグでした。滞嶺君に吹っ飛ばされる天童さんや今日も振り回される水橋君など、ネタ勢は相変わらずかわいそう。水橋君までネタ勢になってしまった…!笑
波浜君も体力をつけ始め、雪村君も義足の練習を始めたので出来ることが増える…かもしれません。彼らのこともたまには思い出してあげてくださいね!!