笑顔の魔法を叶えたい 作:近眼
ご覧いただきありがとうございます。
前回からまた2人!!お気に入りしてくださいました!!ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!!
今回はタイトル通りのクリスマス回です。そりゃもうラブといったらクリスマスです!
長くなりそうな予感がしたので2分割しました。つまり前編です!短めです!!(当社比)
というわけで、どうぞご覧ください。
やあみんな。波浜茜さんだよ。
12月に入って日本中がクリスマスモードだよ。もちろん僕もにこちゃんへのプレゼント考え中だよ。まだ決まってないよ。焦るね。
「だから君らの相手してる場合じゃないんだよね」
「…そこで頼みたいことがある」
「聞いてないね」
「それだけ深刻なのだろう?瑞貴が私と茜にわざわざ頼み事をするなど初めてのことだからな」
「深刻だから仕方ないとはならないからね」
いつものようにまっきーの診療所で話してたらクリスマスプレゼントの話になったよ。
僕も深刻だからね。にこちゃんへのプレゼントが思いつかなくてにこちゃんに愛想尽かされたら僕は死ぬ。つまり命に関わるのだ。
「茜の生死よりもことりへのプレゼントの方が大事だ」
「そういう話なら僕はゆっきーのプレゼント探しよりもにこちゃんへのプレゼントの方が大事だよ」
「俺が死んでもいいのか」
「数秒前の自分のセリフ覚えてるかい」
僕の生死の優先度下げてるのに自分の生死を引き合いに出してくるとは恐れ入った。
「そういうことならば私も真姫へのプレゼントを考えなければならない。ここは公平に、互いに協力体制を敷こうじゃないか」
「君らがまともなプレゼントを思いつくとは思えないんだけど」
「失礼な。私が考えて間違うことがあるだろうか?」
「いつものことだけどなんでそんなに自信満々なの」
さらにまっきーまで参戦してきて混迷極まる。助けてにこちゃん。
「とにかく俺の話を聞け。聞いてくれ」
「ゆっきーに余裕がない」
「良くないな。ホットミルクでも用意するか?」
「僕コーヒーで」
「それは自分で淹れろ」
「…いや悠長なことしてないで聞いてくれ頼むから」
珍しくゆっきーが焦ってる。そんなに切羽詰ってるのかな。
「そんなに焦って決めなきゃいけないものなの」
「いや、モノは決まっている」
「じゃあ何なのさ」
「…それは————」
ゆっきーの説明を聞いて、何がそんなに不安なのかわかった。
粋なこと考えるなーとは思うけど、自分にできる範囲のことでやろうよ。
「そういうことなら、私たちに加えて天童氏も呼ぶといい」
「何でさ」
「未来視ができるなら、過去視などお手の物だろう?」
「それは流石に知らないよ」
「すぐ来てくださるそうだ」
「連絡早くない?」
連絡するのも返ってくるのも早いじゃん。以心伝心してるの?めっちゃ仲良いじゃん。何かあったの君ら。
っていうか僕が手伝うのは確定なのね。
「まっきーと天童さんがいるなら僕いらなくない」
「そうとも限らない。私と天童氏による考察の穴を埋めるためにも、人員は多い方がいい」
「その2人で考察に穴ができる気がしないんだけど」
「そんなことはない。私とて全能ではないのだからな」
「いつの間にそんな謙虚になったの」
「私はいつでも謙虚だろう?」
「どの口が言うのか」
前は傲慢の権化みたいだったじゃん。いや今でも相当傲慢だけど。
最近は天才だ天才だって言わなくなったし。何なんだろうね。これも真姫ちゃんパワーなの?すごくない?
「うあー僕はにこちゃんへのプレゼントを考えたいのにー」
「安心しな!!この天使天才天童さんの手にかかれば何事も一瞬よォ!!」
「うわっもう来た」
「今うわって言った?お兄さん傷ついちゃう。つかここ診療所だよな?五体満足気炎万丈質実剛健な天童さんがぶらりと立ち寄っていいところなん??」
「へいSiri、天童さんの質実剛健ポイントを教えて」
「ツッコむのそこかよ!天童さんは質実剛健でしょお?!」
早速天童さんも来ちゃったし、これはわちゃわちゃしそうだ。プレゼント考えたいのに。
「うーん自分で決める自分で決める自分で決める自分で決める自分で決める自分で決める自分で決める自分で決める自分で決める…」
「もはや呪詛みたいになってるのでやめてください」
「そうは言われてもなぁ…絢瀬さんにプレゼントあげるのはお誕生日に引き続き2回目だよ?何回僕は本気出さなきゃいけないんだ…」
「好きな人のためならいつでも本気で頑張りましょうよ」
「そんな簡単じゃないんだよー…」
クリスマスも近づく12月のある日。久しぶりのオフだったから松下君と喫茶店に来ている。いいなぁ、松下君は無事園田さんとくっついたみたいだしなぁ。余裕があるなぁ。
「もちろん余裕ですよ。プレゼントも既に用意してありますし」
「当然のように心を読まないでよ。しかもプレゼント選ぶの早いし…」
「そりゃあ僕は心読めますから」
「園田さんの心は怖くて読めないんじゃなかったの?」
「いや…まぁ、相思相愛だとわかったら逆に我慢できなくなってしまいまして…」
「あーもう爆発しろー!!」
「キャラブレてますよ御影さん」
これがリア充爆発しろってやつか。わかるよ、そういう役もやったことあるし。こんな心から実感する日が来るとは思ってなかったけどさ。
「うう…今度こそ告白するつもりなのに全然頭働かない…助けて…」
「自分で考えるんじゃなかったんですか…」
「参考に…参考にするだけだから…」
「それは丸ごとコピーする人のセリフですよ」
もうなんでもいいから僕を助けて。
そんな感じで机にへばりついていた時だった。
「ん、こんなところで会うなんて珍しいっすね」
「おや、水橋君ですか。今日は穂むらには行かないんですか?」
「何か俺が常に穂むらにいるみたいに聞こえますけど」
「違うんですか?」
「ちげーますって。…ところで
「はーい…御影です…」
「あぁ、御影さんっすか。本気出すと本当に誰かわかんなくなりますね」
「お褒めに預かり光栄だよ…」
「…何でこの人こんなに元気ないんすか?」
「それは
「そうだ!!水橋君って高坂さんにクリスマスプレゼントあげたりする?!」
「うわっ急に元気にならないでくださいよ。ってか何で俺が穂乃果にプレゼントなんかやらなきゃならないんです」
「いいじゃないですか。お誕生日にもネックレス贈ったのでしょう?」
「…何で知ってんですか」
「あっ…あーっと、な、波浜君から…」
「あいつは明日からこの世にいないな」
松下君、今さらっと心読んだね。あの目の反らし方は嘘ついてる時のそれだ。やっぱりチートだ!
そして罪をなすりつけられた波浜君には同情しかない。彼やたら丈夫だから大丈夫かもしれないけど。
「はぁ、まったくどいつもこいつもプレゼントがなんとかいいやがって…」
「なるほど、高坂さんにプレゼントをせがまれて、返事に困ったからここへ逃げてきたんですね」
「ちげーます!!!」
「確かにバッチリ準備してあったら返事困りますよね…わかります」
「なんっ…何でそれを…って違う!!そんなわけねーでしょう?!何で俺が穂乃果に…!!」
「水橋君落ち着いて、お店の中だよ?」
「ぐぅぅ…!!」
読心術特有の煽りがハイレベルすぎる。
とりあえず立ちっぱなしにさせておくのも申し訳ないから、隣に座ってもらった。
「っていうか、水橋君もプレゼント用意してるなら僕の相談に乗ってくれぇ」
「用意してませんってば。つーかどうしたんすかそんな情けない感じになっちまって」
「絢瀬さんに渡すプレゼントが思いつかない…」
「先月も似たようなことしてませんでしたかあんた」
「わぁあっ言わないで!!情けないのは重々承知してるんだよ!!」
「情緒不安定っすかあんた」
絶賛情緒不安定だよ!そんな呆れた顔しないでよショックで立ち直れなくなる。
「何か一つくらい案無いんすか」
「えっ…は、花束…とか…?」
「「重っ」」
「ほらそういうこと言う!!僕もう帰る!!」
「いや花束は重いですって。もっとライトなもの思いつかなかったんすか?」
「いや、重いとは言ったものの、意外と悪くないかもしれません。絢瀬さんって結構ロマンスを求めるタイプに見えますし」
「だからって初手で花束は危ないんじゃねーですか?この人絶対薔薇の花束とか選びますって」
「えっ…薔薇だめなの?」
「ほら」
「……………」
「何で額に手を当てて天を仰ぐのかな松下君!!」
ついに松下君まで「こいつヤバいぞ」的な雰囲気を出し始めた。やめてよ、僕が惨めみたいじゃないか。惨めだけど。
「誕生日に贈ったシュシュみたいなのじゃダメなんすか」
「なっ何でそれ知ってるの?!」
「穂乃果が言ってたからに決まってんでしょう」
「もちろん僕も知っていますよ。μ'sの中では情報はダダ漏れですから」
「ううう…僕は誰にも言ってないのに…」
「まぁ、絢瀬がルンルンで教えてくれたっつってましたし、喜んではいたはずですけど。つまりそのくらいで十分喜んでくれるんすよ」
「その通りですよ。高価でも豪華でもなくていいんです」
「そ、そうかぁ。じゃあ…イヤリングとか…」
「ん、いいんじゃないっすか」
「……………10万くらいのやつなら
「おいコラ」
「水橋君。気持ちはわかりますが言葉遣いが荒いです」
「すんませ」
値段でごまかしちゃだめらしい。誕生日プレゼントはピンときた水色のシュシュがたまたまあったからよかったけど、今度もそういうのがあるとは限らないし…。
ああもうどうしよう!!
「…ってわけだ。これが日本におけるクリスマス。わかったか?」
「これが日本におけるクリスマスか」
「そう。だから何かプレゼントを用意しねぇとな」
今日は珍しく湯川の家に来ている。
…まぁ、実は珍しくないんだがな。俺は同年代の男友達が少ねぇからよく話をしに来る。仕方ねぇだろ9割女子の学校行ってんだから。9割どころか今は俺しか男いねぇわ。
クリスマスも近づいてきたし、何も知らなさそうな湯川にクリスマスという行事の説明をしてやったところだ。案の定、「花陽がケーキを作りに来る日」としか思っていなかった。
おそらく花陽は敢えて言わなかったんだろうな。自分のために何かさせないように。
だが、花陽から事の顛末は軽く聞いているし、今年は何事もなく過ごさせるわけにはいかない。ちゃんと想いが通じた証明をした方がいい。
「滞嶺は何も用意しないのか」
「まさか。ちゃんと用意するさ、家族の分もスクールアイドルの分も。大切な人全てに渡すつもりだ」
「大切な人全てに渡すつもりなのか。波浜もか?」
「茜は…あー、一応何か渡しておくか…せわになってるしな…」
何故か地下研究室に置いてあるコーヒーサーバー(魔改造済み)からコーヒーを注ぎながら考える。…何かどす黒いなこのコーヒー。
茜に何を贈ったらいいかなんてまるで思いつかないし、筋トレ用品でも渡してやろう。半分嫌がらせみたいなものだが、夏合宿のあたりから少しは鍛えたはずだしちょっとは使えるだろ…って苦っ!!なんだこれっ苦!!カフェインオンリーって感じの味がする!!くそっ料理センスが無いやつがコーヒーサーバーを謎の魔改造なんてするから…!!
棄てるのも勿体無いし、一気飲みするか…。俺は内臓もまるごと丈夫だしな。
「星空へのプレゼントはどうするんだ」
「ぶっふぉっっっっ?!?!?!」
「どうした」
「げっほ、どうしたじゃねぇ!!なんっ何で急に凛の名前が出てきた?!」
「花陽が『凛ちゃんと創ちゃんすっごく仲いいから!』と笑顔で言っていた」
「だ、だからと言ってわざわざ凛に特別に何か用意する必要はないというか何というかそうだろう?!」
「すまない、よくわからない」
「くっっっ!!!」
よくわからないって言われたら何も言い返せねぇだろ。
「…ま、まぁ、あれだ、凛だけ特別扱いするのも不公平だしな、そういうのはよくない」
「そういうのはよくないのか。そうか」
「そうだ。わかったか」
「いやわからないが」
「わかんねぇのかよっ!!」
ほんとによくわからんやつだな。
「全員に違うものを渡せばいいんじゃないか」
「手間がかかるだろ手間が」
「しかしそれなら多少特異なものを贈っても違和感が無い」
「…まぁ、そうかもしれんが」
「花陽には炊飯器を贈ろう」
「人に話振っといて勝手に終わらすな。つか炊飯器くらい家にあるだろ」
「作る」
「やめとけ絶対やめとけマジでやめとけ」
「何故だ?」
「さっきコーヒー飲んだらクソ苦かったんだよ。お前絶対味気にしてないだろ。成分だけ見てるだろ」
「成分だけ見てるが…?」
「『それが何か?』みたいな顔してんじゃねぇ!!」
こいつと時々ポンコツというか、得意分野以外の能力を全部捨ててきてる感じするな。
湯川のプレゼント探しも手伝ってやるか。ついでに俺自身のプレゼント探しにもなるしな。凛に何を渡すか考えねぇといけねぇし。
…ん?なんか凛に特別なモノ渡す流れになってないか??
さて、そんなわけでクリスマス当日なわけだけど。
みんな色んな想いでプレゼントを用意したみたいで。
それがどんな想いなのか、何を用意したのか…そしてどんな結果になるのか。
わかんないけど、とりあえず祈っておこう。
みんな幸せになれますよーに。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
プレゼント選びに四苦八苦するみんなに尊みを感じましょう…感じますか…
ツンデレる水橋君とヘタレる御影さんは本作の癒しポイントです(当社基準)。