笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

前回から1名の方から☆10評価をいただきました!!ありがとうございます!!最高評価をいただけるなんて…幸せ…!!これからも頑張ります!!

そして投稿遅くなってごめんなさい…引越しとかしていて大変だったのです…。まあ何もなくても遅れるんですけど…()

今回は前回の続き、クリスマス回です!残り5組がどんなクリスマスを送るのか、しっかり見てあげてくださいね!!


というわけで、どうぞご覧ください。


※過去最長です。




クリスマス対戦後半戦

 

 

 

 

 

 

卒業生も含む、アイドル研究部全体でのクリスマスパーティーをする予定だったんだが…真姫が山の別荘でホームパーティーをするそうで来れなくなった。

 

 

だからクリスマスパーティー自体は中止になってしまった。まあ各位へのプレゼントは先に配っておいたから問題ないだろう。

 

 

代わりにクリスマス当日は家族で軽くパーティーすることにした。

 

 

「できたぞ、運べお前ら」

「はーい。いやぁ、こんなパーティーができる日が来るなんてね」

「銀、ついでに箸も出しておけ」

「りょーかい。ほら迅、料理運んで」

「は〜い」

「おーっ!!鶏肉がいっぱいだ!すげー!!」

「すげー!!」

「まだ食うなよ」

 

 

こんなに山盛りの飯を作ったのは初めてかもしれん。高校に入るまでは限界スレスレの生活だったし当たり前ではあるんだが。

 

 

今はまだ余っている富豪のおっさんの遺産もあるし、単純に茜が結構な額のバイト代もくれる。来年銀二郎が高校に進学しても余裕で学費が払えるくらいだ。

 

 

おまけに、最近は桜さんや天童さん、さらに時々雪村さんや藤牧さんまでが俺に手伝いを頼んでくるようになった。桜さんのライブの設営・撤去、天童さんの何かよくわからない手伝い、雪村さんの衣装の搬送、藤牧さんの医療機器搬入。だいたい雑用だが金はくれる。

 

 

いや、というか、むしろ貰いすぎている気がする。この人たち金銭感覚がおかしい。桜さんはまだ常識的だ。常識的な金額に「手間賃だ」っつってちょっと上乗せしてくれる。天童さんは多めの額に「みんなには内緒だぜ☆」っつって万札を数枚渡してくる。藤牧さんは「この程度あれば足りるだろう」と大金を押しつけてくる。雪村さんは無言で財布の中から適当に万札を掴み取って渡してくる。雪村さんが一番心配だ。

 

 

まあ、そうして稼がせてもらったからこそ今日はパーティーできるわけだが。

 

 

で。

 

 

「にゃー!すっごい多いにゃー!!」

「ご飯炊けたよー!!」

「ご飯炊けたよー。俺はどうしたらいい?」

「ゆかわー!ロボットに変身してー!!」

「変身してー!!」

「ロボットに変身したわけじゃないぞ。外骨格を纏っているだけだ。『このように』」

「うぉー!かっけー!!」

「かっけー!!」

「コラさっさと手ぇ洗ってこいチビども。あと湯川「さん」だ。「さん」をつけろ」

「凛が連れてくよ!」

「私も!さ、2人とも手を洗おうね」

「「はーい!!」」

「感動するほど聞き分けがいい」

 

 

今日は凛と花陽と湯川も来ている。クリスマスパーティーが無くなってしょんぼりしていたから俺が呼んだ。湯川は花陽が連れて来たいと言ったから来たんだが。

 

 

…まあ、凛に渡すものもあるしな。

 

 

「手洗ってきた!」

「きた!」

「おし、じゃあ座れ。迅、まだ食うな」

「う〜」

「それでは。手と手を合わせていただきますッ!!!」

「「「「「「いただきます!!」」」」」」

「手と手を合わせていただきます」

 

 

珍しくフライング無しで食事が始まる。さすが一家まるごとスクールアイドルファン、目の前に推しがいると背筋が伸びる。

 

 

「んめー!!大兄貴、今日の飯ちょーうまい!!」

「んめー!!」

「当四郎も大五郎も立つな。座って食え。投げるぞ」

「投げるの?!」

「創ちゃん投げすぎにゃー…」

「投げても平気なヤツしか投げねぇんだならいいだろ」

「凛は投げても平気なの?!」

「お前はちゃんと着地するだろ」

 

 

食事もいつもより気合入れて作ったし、いつもより賑やかだし花もある。素晴らしいな、パーティー。

 

 

食事はいつもの倍くらい用意したんだが、我が家の大食い5人(+白米大好き娘)の前ではものすごい速さでなくなった。凛は美味そうに食ってくれたが、湯川は相変わらずリアクションが薄くてわからん。別に構わないが。

 

 

飯を食い終わった後は弟達を風呂に押し込み、その間に片付けをする。客人三人も手伝ってくれた。正確には湯川は花陽の後ろをうろうろしてるだけだったが。

 

 

「よし、これで終わりだな」

「お疲れ様にゃ!みんな沢山食べたね…」

「俺の弟達だからな」

「創ちゃんもすごい量食べてたね」

「いつもよりはすこし多かったかもしれんな」

「すこしってレベルじゃなかったにゃ」

 

 

自分の金で作った飯なんだからどんだけ食ってもいいだろ。

 

 

さて…ここからが本番だ。

 

 

そう、凛にプレゼントを渡さなければならない。ずっとタイミングを伺っていたが、もうすぐ解散してしまうし今しかないだろう。いや今でいいのか?何なら解散してから追いかけた方がいいんじゃないか?いやしかし今を逃したら渡す勇気は出ないだろうしいや今も勇気は出ないんだがしかし

 

 

「花陽、プレゼントだ」

「ええっ?!」

 

 

踏ん切りがつかずに悩んでいたら、何の脈絡もなく湯川がプレゼントを取り出した。どこから出したんだ。

 

 

「クリスマスは大切な人に贈り物をする日だと聞いた」

「て、照真君が…私に?」

「そうだ。創一郎と一緒に選んできた」

「創ちゃんと?」

「ああ。俺は花陽に、創一郎は星空にプレゼントを

「ぶっふぉ?!?!」

 

 

自然な流れで暴露すんな馬鹿野郎。

 

 

「なっなんっおまっ、おい!おまっほんとにおまっ」

「どうした」

「そ、創ちゃん落ち着いてぇ!照真君は身体弱いから!」

「あかっ、茜だって弱いだろ!」

「茜くんは身体は丈夫だよ!!」

 

 

慌てて詰め寄って文句言おうと思ったが焦って言葉が出てこない。顔が熱い。

 

 

「…花陽にはこれを」

「これは…イヤリング?」

「これはイヤリングだ。炊飯器を作ろうと思ったのだが」

「えっ」

「創一郎に止められた」

「よ、よかった…」

「よかったの?」

「うん…照真君、料理だけは苦手で…機械作るのも、料理関係はダメなの…」

 

 

止めておいてよかったな。無難にアクセサリーを選ばせておいてよかった。クローバーというのもなかなかセンスがある。

 

 

いやそんなことはどうでもいい。問題はさっきから凛がチラチラこっちを見ていることだ。見るな。恥ずかしい。

 

 

「…えっと、創ちゃん?」

「なんっ何でございますかっ!!」

「言葉遣いが変にゃ」

「へ、変じゃないぞ。うん。何だ、どうしたんだ。プレゼントならまぁ用意したがあれだ、そう、湯川の世話をするついでに、あー、いやついでというかついでじゃないがえーっと」

「創ちゃん」

「はい」

 

 

凛はその先は答えず、ひたすらもじもじしていた。なんだ。どうしたらいいんだ。花陽は「早く!」って感じで視線を送ってくるし。なんだよ。

 

 

「…くっ!こ、これが…プレゼント…だ…」

「あ、あああああありがとうございます…」

 

 

仕方ないから上着のポケットからプレゼントを取り出して差し出した。緊張とか恥ずかしさとかその他諸々で爆散しそうだ。誰か殺してくれ。

 

 

凛は凛でカッチコチの動きでプレゼントを受け取った。落とすなよ?

 

 

恐る恐るといった様子で紙袋を開ける凛。早く開けろ。俺の心が保たない。

 

 

「髪留め…?」

「あ、ああ…髪留めだ…猫の…。その、そういう、か、かか、可愛いやつ、似合うかと…」

「か、可愛い…?!」

「ああ…っ、か、髪留めのことだぞ?!」

「えっうっうんそうだよね?!」

「凛ちゃん…創ちゃん…まだまだ先は長そうだね…」

 

 

花陽が変な嘆息をしていた。なんなんだよ。

 

 

「…あ、あのっ」

「なんっ…何だ?」

「あの、凛も…ぷ、ぷれぜんと…あるの…」

「ぬ゛っ」

「今の声何」

 

 

突然凛が予想外なことを言い出して死ぬかと思った。凛が?俺に?クリスマスプレゼント??今日は俺の命日か??

 

 

…ってなんでそんなに舞い上がってんだ俺。よく考えろ、クリスマスプレゼント自体はアイドル研究部の全員に配った。そのお返しだ。うん、きっとそうだ。

 

 

いやそのお返しは貰ったような??

 

 

「は、はい、これ…」

「お、おう…」

 

 

俺が渡した時と逆みたいな動きでプレゼントを受け取る。身体中に力が入ってしまってロクに動かん。

 

 

恐る恐る紙袋を開けてみると、中にはブレスレットが入っていた。素材はわからんが、銀色と金色で細かい幾何学模様が描かれている。

 

 

「ブレスレット…?」

「う、うん…その、創ちゃんってあんまりお洒落しないけど…そういうの、か、かっこいい、かなって…思って…」

「か、かっこいい…?」

「うん…あっ、ぶ、ブレスレットのことね!!」

「あっおう、ブレスレットのことか!!」

「も、もどかしいなぁ…」

 

 

まあかっこいいのは俺じゃないよな。うん。わかる。実際このブレスレットはかっこいい。

 

 

…毎日つけていくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました」

「いいえ、僕も今来たところです」

「…本当ですか?」

「本当ですって。あなたの読んでいる少女漫画じゃないんですから、そこで嘘はつきませんよ」

「なっ何で私が少女漫画を読んでいるのを知っているんですか?!」

「まあ僕は読心ができますから…」

「嫌いですっ!!」

「ふふふ、そんなことを言っても真意はバレバレですからね」

「ず、ズルイです…!!」

 

 

今日はクリスマスです。

 

 

いつもなら両親との不毛な接触を避けるために大学に行っていたのですが、今日は海未さんもフリーだと言うのでデートに誘わせていただきました。

 

 

「しかし大変ですね。西木野さんがホームパーティーをする影響でμ'sや後輩とのクリスマスパーティーが流れてしまい、幼馴染みである高坂さんは家族と水橋さんを呼んでパーティー、南さんは雪村君のお宅でパーティーと」

「そうなんです!私も明さんから声がかからなかったらどうしようかと…」

「あなたから誘ってくれてもよかったんですよ?」

「そっそんな恥ずかしいことできません!!」

「痛あっ?!なぜビンタ?!」

 

 

海未さんをからかっていたらビンタが飛んできました。結構痛いんですよね…というかそこそこの頻度で物理に訴えてきますね、海未さん。

 

 

「ま、まあご安心ください。せっかくのクリスマス、海未さんと過ごさないなんてことはありませんから」

「も、もう…なんで最近そんな聞こえのいいことばかり言うんですか…」

「海未さんが言ってほしいって思ってるからですが…」

「もうっ!!」

「痛ぁ!!」

 

 

このままビンタされ続けると波浜君第二号になってしまうので自重しましょう。

 

 

「もう、先に行きますからね!!」

「ま、待ってください…映画館のチケットは僕が持ってるんですから…先に行っても何もできませんよ…!」

 

 

微妙にふらつきながら先に行ってしまった海未さんを追いかけます。前言撤回、波浜君のようにはなれません。二発もらってもうフラフラですから。

 

 

今日は昼から待ち合わせをして、映画を見たあとショッピングをし、夕食を食べて帰るという予定です。ちなみに午前中は僕は仕事していました。年末は講義の試験を作ったりしなければならないので忙しいのです。別に嘘ではなく本当に仕事があったんです。

 

 

今から見る映画は恋愛モノ…ではなく普通の邦画。理由は当然、海未さんが発狂するからです。現在進行形で異性と付き合っているというのに難儀な人です。

 

 

まあそういうところも好きなんですが。

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…ぐすっ」

「大丈夫ですか…?ほら、ハンカチ」

「ありがとうございます…」

 

 

で、肝心の映画は海未さん号泣でした。まあ感動しましたけど、泣きすぎじゃないでしょうか。

 

 

海未さんって整然としているイメージがありますけど、意外と感情の振れ幅が大きいというか、顔に出ますね。ババ抜きとか弱いタイプです。

 

 

「ほらほら、泣き顔で出歩くわけにはいかないでしょう?涙拭いて…」

「ま、待ってください!自分で拭きますから!!」

「そ、そうですか…?あぁ、お化粧ですか…」

「あぁって何ですか!頑張って、か、可愛いっていって欲しくてお化粧してきたのですよ…!」

「ふふふ、わかってますよ。僕なんですから。今日の海未さんはいつも以上に綺麗で可愛いです」

「〜〜〜!!」

 

 

顔を真っ赤にしてハンカチを握りしめる海未さん。ああ、何て可愛いんでしょう。沼にハマりそうな予感がします。いえ、もうハマってるのでしょう。

 

 

涙を拭き終わった海未さんの手を取って、次はショッピングです。…何でもないことのように言いましたが、手を繋いで歩くのはなんだか気恥ずかしくて心臓バクバクです。顔真っ赤な海未さんは黙ってしまったので読心できませんし、初心なカップル丸出しです。いや初心なカップルなんですけど。

 

 

ショッピングの目的はお互いのプレゼント探しです。事前に買ってもよかったのですが、やはり相手の反応を確認してから買いたい…とお互い思っていたので、こうして当日二人で買いに行くことにしたのです。

 

 

「しかし、僕は衣類なんかには詳しくないですよ?」

「いいんです。私も詳しくないですし、服でもアクセサリーでも、私に似合うと思ったものを選んでくださればそれが一番嬉しいです」

「そ、そうですか」

「ふふっ今度は明さんが照れる番ですね」

「うっ…本当に負けず嫌いですね…」

 

 

面と向かって、心の底からそう言われると恥ずかしくなってしまいます。

 

 

「あまり目立たないものの方がいいですよね…」

「そうですね…派手なものは僕らには似合わなさそうですし、何より」

「恥ずかしい…ですか?」

「その通りです…」

「それは私もです…」

「やっぱりそうですよね…」

「…明さんって、准教授なんですからスーツを着ることが多いですよね?」

「ええ、そうですが…あの、海未さん。僕にそういう遠回しな確認は無意味ですよ?」

「べっ、べべべ別にいいじゃないですか!たまには読心も自重してください!」

「そう言われましても…」

 

 

つい読んでしまうんですよ、つい。

 

 

「いいじゃないですか、ネクタイピン。さりげなく着けていられますし」

「もう…ドキドキ感というか、そういうものを感じてください…」

「心を読めないというのは不安なんですよ。みなさん心を読めなくても立派に生きていて尊敬します」

「真面目な顔で言うことではないです」

 

 

仰る通りだとは思いますが、真面目にそう思っているんです。

 

 

そのまま海未さんはネクタイピンを買ってきてくれました。弓のような造形のものです。さりげなく自分アピールしてきましたね。

 

 

「…」

「ありがとうございます。…で、何故無言なんですか」

「…」

「…もしかして読心対策ですか?」

「…」

「あっちょっと待ってください!次は僕がプレゼントを買う番なんですから先に行かないでください!っていうか何か返事してくれませんか?!」

 

 

海未さんは顔を背けて無言でそれを僕に渡し、そのままスタスタ歩いていっていまいました。読心対策だからってそんな邪険にしなくても。

 

 

追いかけて、はぐれないように手を取ると海未さんの顔が一気に赤く染まりました。いえ、きっと僕も赤いですが。まあ恥ずかしいというか、照れますから。

 

 

僕が渡すものは決まっているので、まっすぐ洋服売り場に向かいます。

 

 

「あったあった。んー…どの色にするか悩みますが…」

「…」

「やっぱり、海未さんといえば青でしょうか」

 

 

手に取ったものを、海未さんの首にかけてあげます。

 

 

マフラーではないですよ。

 

 

「ストール、っていうんでしたっけ。よくお似合いですよ、海未さん。やはりあなたは青がよく似合う」

「…」

「そろそろ無言やめていただけませんか…?」

 

 

首に巻かれたストールを見つめ、握り、その後僕の方を見つめる海未さん。か、可愛い…でも何を思っているのか、言葉を聞かないとわからない…。

 

 

どうしようかと思っていると。

 

 

不意に海未さんが近づいてきて…一瞬だけ唇を重ねて、すぐ離れていきました。

 

 

「………………?!?!」

「…ふふっ、不意打ち成功です」

「んなっまっ、う、海未さん…?!」

 

 

うろたえる僕にストールを渡し、少し離れた海未さんは。

 

 

「…ありがとうございます、気に入りました。…大好きですよ、明さん!」

 

 

そう言って店の外に出て行ってしまいました。僕はもう呆然と立っているしかありません。だって、本心だってわかってしまいましたから。

 

 

会計している時も上の空でした。いやぁ、なんという衝撃。恋ってすごいですね。

 

 

「さて、海未さんを迎えに

 

 

 

 

 

「…………お、に、い、さ、ま………??」

 

 

 

 

 

「ひいっ?!か、奏、なぜここに?!」

「なぜってこちらのセリフですからね!!見てしまいましたよ私!海未さんとお兄様がちゅーしてる瞬間を!!」

「な、なんですって…?!」

 

 

まさかの事態が起きてしまいました。一番恋人らしくしている場面を奏に見られてしまうとは…。

 

 

前から奏が僕と海未さんの仲を気にしていたのは知っています。もちろん、奏は僕らが付き合うのが嫌とかいうわけではなくて、僕が離れていってしまうのを恐れているだけなのですが…説明する時間を設けるならまだしも、こうして不意打ちで遭遇するのは困ります。

 

 

「明さん、どうかしま…って、か、奏?!どっどうしてここに…?!」

「どうしてもこうしてもないです!クリスマスなので雪穂と亜里沙とお買い物に来まして!さっき解散しまして!!帰ろうと思ったらお二人がいたのです!!ちゅーしてるお二人が!!」

「ちゅっ…ま、まさかそこをピンポイントで見ていたんですか?!」

「そうですよ!!もー海未さん顔真っ赤!!」

「当たり前ですっ!!!!」

 

 

なんだかわちゃわちゃしてきました。

 

 

「ま、まぁまぁ。往来で言い合うのもどうかと思いますし、とりあえず移動しましょう?」

「一理ありますッ!!」

「すごい勢いで肯定しましたね」

「お兄さまの提案ならだいたい受け入れるのが私なんです!あっちに公園があるのでそこ行きましょう!!」

「相変わらず猪突猛進ですね…むしろ昔より勢いが強くなった気もしますが」

「スクールアイドルを始めたからでしょうか…?」

 

 

ものすごい勢いで話を進めていく奏。これはしばらく振り回されそうな予感です。

 

 

どうやら奏も、一緒に来ていた友達がご家庭の用事で帰ってしまって暇なようですし。せっかくですからこの機会に色々説明しておきましょうか。

 

 

奏も大事な家族ですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスマス当日って意外と仕事がなかったりする。

 

 

だいたい年末年始の特番の収録とかは終えてしまうからだ。当日の生放送を除いたら年内の仕事はかなり少ない。

 

 

だから今日は、昼過ぎから絢瀬さんを誘って出かけることにしたんだ。そう、僕から誘ったんだよ!すごくない?!快挙だよ快挙!!

 

 

だから急いでお昼ごはんを食べて出かけよう。

 

 

「…大地」

「…?どうしたの、父さん」

 

 

珍しく父さんが話しかけてきた。いつも家族3人が揃っている時は今みたいにみんなでご飯を食べるけど、会話はほとんどない。特に父さんとは、先日の件があって以来ほとんど話をしていなかった。変に難癖つけられることもなくなったってことだけど。

 

 

「彼女はいつ連れてくるんだ」

「ごぶっふぉあ?!?!?!」

「…えっ大地彼女できたの?」

「でっできてないよ!」

「この前一緒にいた絢瀬絵里さんは彼女ではないのか?」

「あらっ絢瀬絵里ちゃんってμ'sの子でしょ?あらーあらあら大地も可愛い子選んだのね」

「だーかーらー!まだ彼女じゃないの!」

 

 

突然父さんが爆弾を投げ込んできた。何言ってるんだこの人は。

 

 

うちの母さん、御影沙苗はゆるふわおっとり系の女性だ。何で父さんと結婚したのか本気でわからない。そして恋愛系の話が大好きだったりする。

 

 

「まだ?まだって言ったかしら」

「あっ…も、もう出かけるね!ごちそうさま!!」

「あっまだデザートあるのに!」

「二人で食べて!行ってきます!!」

 

 

こういう時は逃げるに限る。

 

 

って、勢いで飛び出してきちゃったけど待ち合わせまでまだだいぶ時間がある。どこかで暇つぶしするかなぁ…。

 

 

「あっ…」

「…………えっ?あっ、絢瀬さん?!ま、まだ待ち合わせには時間が…」

「えっ、あっ、その、そうですよね!じ、時間、間違えて出てきてしまったかしら…あはは…」

 

 

とか思っていたら、もう絢瀬さんがいた。嬉しいけど、そんな不意に現れたら僕も頭が回らない。いやいつも回らないけど。

 

 

「…えっと、あの、ごめんなさい、間違えたんじゃないんです…」

「えっ」

「あの、その、ま、待ちきれなくて…早く来ちゃい…ました…」

「ゔっ」

「えっ、どうしました?!」

「な、なんでもない…」

 

 

絢瀬さんの可愛さで目が潰れそうになった。赤くなった顔、目を逸らしてもじもじする仕草、精一杯おしゃれしてきたであろう姿。これはゼウスも求婚する可愛さだ。

 

 

しかも待ちきれなくてって言った?僕に会うのが?待ちきれなくて?ほんと?これもう勝ち確ってやつじゃない?

 

 

…いや、焦っちゃいけない。僕は恋愛映画とかに出てくるテンプレ恋愛しか知らないんだ。現実はもっと厳しい…って天童も言ってた。油断せず行こう。うん。

 

 

「ま、まあ、早く集まれたってことは時間があるってことだし!行こうか!」

「は、はい!…あの、どこに行くんですか?」

「…決めてないわけじゃないからね!」

「もう、大丈夫ですよ誤魔化さなくて。一緒に考えましょう?」

「はい…」

 

 

油断せず行こうと言った瞬間大誤算。誘うだけ誘っておいて、当日の予定を決めるのを完全に忘れてた。プレゼントは鞄の中に入っているからいいとして(ちゃんと持ってきたし中身も確認したよ!!)、それ以外何も考えてなかったのはダメダメだ。

 

 

穴があったら入りたい。

 

 

通行の邪魔にならないところに移動して、二人で行先を探す。絢瀬さんが僕のスマホを覗くもんだから近い近い。いい匂いもするし禿げそう。

 

 

「うーん、どこがいいかしら…」

「そっ、そうだなぁ、横浜まで行ってみるとか…あっ交通費は僕が出すから!」

「むっ」

「…あれ、どうしたの?」

「私も今は大学生で、アルバイトだってしてるんです。お金に気を遣わなくていいんですよ?」

「そ、そう…?まあ、そういうことなら…」

 

 

むっとした絢瀬さんも可愛い…ってそんなこと言ってる場合じゃない。お金は全部僕が出すつもりだったけど、それはお望みじゃないらしい。

 

 

「じゃ、じゃあ…とりあえず横浜行ってから考えよう!」

「ふふっ行き当たりばったりですね」

「うっ…ご、ごめん…」

「いいんですよ。そういうとこ、御影さんらしくて好きですよ」

「すっ…?!?!」

「…あっいえっそのっ…い、行きましょう!」

「えっちょ、ちょっと待って!」

 

 

何かさらっと好きって言葉が出てきて僕はもうダメだ。きっとそういう意味じゃないんだろうけど、顔が赤くなるのを止められない。はぁー情けない。

 

 

 

 

 

そのまま二人で横浜市まで移動して、お買い物をしたり観光したり。特に目的があるわけでもなくうろうろした。

 

 

時々手が触れてお互い赤面したり、笑いあったり、思ったよりちゃんとデートみたいな過ごし方ができた。絢瀬さんが気を遣ってくれたのかもしれないけど、僕自身もかなり自然体でいられたと思う。相変わらず考えるのは苦手だけど、少しは僕らしく、御影大地らしくいられた。

 

 

だから、僕の才能じゃなくて僕自身を見てくれる絢瀬さんを、ずっと大切にしていきたいって、改めて思えた。

 

 

「今日はありがとうございました。楽しかったです」

「ううん、こちらこそありがとう。行き当たりばったりでごめんね」

「いいんですよ、楽しかったですから!」

 

 

夜の秋葉に戻ってきた。もうすぐデートは終わってしまうから、プレゼントを渡さなければならない。想いを伝えなければならない。

 

 

そうは思ってもなかなか踏ん切りがつかずに世間話を続けてしまう。ただ時間だけが過ぎていく。

 

 

告白するだけなら、役はいくらでもある。でもそれじゃいけない、僕自身の声を伝えなければならない。

 

 

他の誰かには頼れない。

 

 

「…じゃあ、そろそろ…」

「っ、ま、待って!」

「えっ…?」

 

 

絢瀬さんが帰ろうとした瞬間、僕はその手を引いて引き留めた。ここでこのまま帰らせてはいけない。覚悟なんて決まってない、言葉なんてまとまってない。それでも言わなきゃならない。このタイミングを逃しちゃいけない。

 

 

「こ、これ…」

「えっ、これって…」

「あの、く、クリスマス…プレゼント…」

「ええっ?!私に?!」

「う、うん…君に…」

「あ、ありがとうございます…!あの、今開けてもいいですか?」

「も、もちろん」

「…わぁ、綺麗なネックレス…!」

「君に似合うと思って…。そ、それだけじゃなくて」

「?」

 

 

ひとまずプレゼントは喜んでくれた。ここから、ここからが勝負だ。

 

 

「…絢瀬さん、僕は君にたくさん助けてもらった」

「え?そんなこと…」

「そうなんだ。ずっと自分は必要ない、役を演じ切ることだけが僕の役割だって思っていたのを、君が救ってくれた。父さんとの確執も君が終わらせてくれた。すごく、すごく感謝してるんだ」

「…」

「だから、今度は僕が君を助けたい。一回や二回じゃない、この先ずっと、君の助けになりたいと思うようになったんだ」

 

 

驚いたように見開いた目。何かを予感して赤くなる顔。少しだけ不安そうに胸の前で握る両手。強くて美しくて少しだけ脆い、そんな絢瀬さんを。

 

 

僕は、護りたい。

 

 

 

 

 

 

 

「絢瀬さん、僕は君が好きだ。好きになってしまった。こんな僕でよければ…付き合ってくれませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

絢瀬さんは両手をより強く握って、一瞬俯いて…僕に向かって突進してきた。

 

 

「うわっ…?!」

 

 

そしてそのまま抱きついてきた。えっ、これは一体どういう状況なの?

 

 

「あ、絢瀬さん…?!」

「嬉しい…」

「えっ」

「嬉しい、すごく嬉しい!私も、私もあなたが好きだったんです…!」

「えっ…じゃ、じゃあ…」

「ええ、ええ!これからよろしくね!大地さん!!」

「んむっ?!」

 

 

少し涙目になった絢瀬さんが、勢いのままキスしてきた。一瞬だったけど、その一瞬は永遠かと思うほどだった。

 

 

「んな、あ、絢瀬さ

「絵里ですっ」

「…はは、そっか、そうだね。絵里ちゃん」

「あああっ…なんて幸せなのかしら!大地さんに、名前で呼んでもらえるなんて…!」

「そ、そんなにかい?」

「そんなになの!…ごめんなさい、クリスマスプレゼントを貰えるなんて思ってなくて、私も迷惑かなって思って用意してなくて。だから…これで、今年は許してね」

 

 

そう言って、もう一度キスをしてくれた。今度は一瞬じゃなかった…多分。

 

 

だって時間感覚分からなくなるんだよ!仕方なくない?!

 

 

「…もっと一緒にいたいけれど、そろそろ帰らないといけないわ」

「うん、大丈夫。また会おうよ」

「うん…うん、約束よ」

 

 

名残惜しいけど、絢瀬さん…いや、絵里ちゃんと離れる。家系的にはロシアの血筋だし、クリスマスは家族で過ごすのが通例なんだと思う。

 

 

でも大丈夫だ。

 

 

僕らはもう、恋人同士なんだから。

 

 

「家まで送っていくよ」

「ありがとう。じゃあお言葉に甘えて!」

 

 

そう言って手を繋いで歩き出す。少しだけ恥ずかしいけど心地よい、そんな感覚があった。

 

 

隣を見ると、見たことないくらい嬉しそうな絵里ちゃんの横顔があった。

 

 

ああ、色んな人に伝えたくなってきた。

 

 

僕にはこんなに素敵な恋人がいるんだって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

 

今日はパパが主催のホームパーティー。

 

 

たくさんのお医者さんや偉い人が別荘に招かれて、毎年のことだけどとても豪華なパーティーをする。

 

 

いつもは楽しくご飯を食べて、プレゼントを貰って、そのまま眠って、翌朝にはサンタさんがプレゼントを置いていってくれる…そんな日だった。

 

 

でも今日はちょっと憂鬱。

 

 

本当はμ'sやアイドル研究部のみんなとパーティーする予定だったんだから。

 

 

だから少しだけパーティーを抜けて、外に出てきちゃった。

 

 

それに、

 

 

「…藤牧さん、落ち込んでないといいけど」

 

 

藤牧さんは随分前から、「君に最大級のプレゼントを用意してみせよう」だなんて言っていたのに、今日も明日も会えない。べ、別に私は寂しくなんて…!

 

 

…嘘よ。ちょっとだけ、寂しいかも。昔より随分優しくなって、自慢も少なくなって、私を見かけるとすぐ寄ってくるようになった藤牧さん。お母さんも退院して、随分笑顔が増えた藤牧さん。なんだか、こうして会えなくなると無性に寂しくなっちゃうわ。

 

 

「…なんて、本人の前じゃ言えないけど」

「何を言えないというのだ?」

「……………………うぇえっ?!?!」

 

 

びっくりして大声を出しちゃった。なんでいるのよ。

 

 

「なっ、なんっ…」

「何でここにいるのか、なんて言うんじゃないぞ。そもそも私が招かれていないはずがないだろう?」

「い、言われてみれば…」

 

 

確かに、藤牧さんは時々うちの病院に顔を出していてしかもものすごく優秀な人。パパが呼ばないわけないわ。

 

 

「…でも、いなかったわよね?」

「ああ。診察があったからな、遅れて参上した」

「ちゃんと来るところがすごいわね…」

「当然だろう?今日君に会わないわけにはいかないんだ」

「…あっそ」

 

 

そういうことを自然と言うから困るのよ。…き、嫌いなわけじゃないけど…。

 

 

「ふむ、山から星を見上げるとなかなか美しいな」

「そうね…綺麗」

「まあマウナケア山頂には劣るが」

「…ほんっとそういうとこ…!」

 

 

なんでいちいち余計なこと言うのよこの人は。

 

 

「いいではないか。美しいことに変わりはない。冬で大気が乾燥しているのも利点だ、いい景色だよ」

「普通にそれだけ言えないのかしら…」

「普通がお望みかな?」

「まあ今更あなたが普通になったって気持ち悪いわね」

「なかなか辛辣だな」

「妥当よ」

 

 

…?何かおかしいわ。

 

 

そう、おかしいのよ。この人の私に会いにきた目的はちゃんと他にあるのに、本題に全然入ろうとしない。いつもなら全部過程をすっ飛ばして本題に入ってくるのに。

 

 

「…藤牧さん、どうしたのよ?」

「何がだ?」

「私と世間話しにきたわけじゃないでしょ?何で本題に入らないのよ。もしかしてプレゼント忘れてきたとか言うんじゃないでしょうね?」

 

 

問い詰めると、藤牧さんは黙ってしまった。え、まさか本当に忘れたの?

 

 

「…すまない、不安になっていた」

「…え?不安?」

「ああ。もう天才でもなんでもない、ただの人たる私は…君に拒まれるのを恐れてしまった」

「何よ、いつもは自信満々のくせに」

「まったくだ。失敗を恐れることなどなかったのに、今は行動を先延ばしにしてしまうほど恐れている…だが、やらねば始まらないな」

 

 

何かを決心した藤牧さんが、ポケットから小さな箱を取り出して私に差し出した。

 

 

「贈り物だ」

「あ、ありがと…。開けていいの?」

「もちろんだとも」

 

 

貰った箱を開けてみると、綺麗な赤い宝石がはめ込まれたペンダントが入っていた。

 

 

「人工ではあるが、紛れもなくルビーだ」

「ルビーって…いくらしたのよこれ」

「製造は湯川に任せたからさほど値はかかっていないさ。だが世界に二つとない品だぞ」

「そ、そう…」

「…それよりも」

「?」

 

 

藤牧さんは右目で真っ直ぐ私を見ている。手術前のような真剣な目をしている。

 

 

「…なぁ、真姫。私は君に助けてもらった。母様の手術をしたあの日、君がいなければ私は気が狂ってしまっていたかもしれない」

「まぁ…そうならなかったからいいじゃない」

「そうだ。君のおかげだ。君が助けてくれた。今度は私が君を救う番だが…私の心はそれどころではなくなってしまった」

「どういうことよ?」

「私は君に恋してしまった」

「……………うぇえっ?!ちょっ、サラッとすごいこと言わないで!!」

 

 

そんな不意打ちで告白する人いないわよ。

 

 

「私は君がいい。隣に誰かいるとしたら、隣で笑ってくれるのは、間際に顔を見るのは君がいい。そんな想いを、天才ではなくただの人間として君に伝えたいんだ」

「そ、そんな…ちょっと、ま、待っ

 

 

 

 

 

 

 

「改めて言おう。君が好きだ。ずっと側に…いてほしい」

 

 

 

 

 

 

 

「〜〜〜〜っ、そんなのズルいわよ!」

「ズルいか?」

「ズルい!だってそんな急に言われたら頭の整理が追いつかないわよ!!」

「そんなことはないと思うが…」

「そうなの!」

 

 

そのまま畳み掛けられてしまった。もちろん嫌じゃないわ、むしろ…私だって、藤牧さんのこと好きだし。でもちょっと頭の整理が追いつかないわ。

 

 

「あ、あの…私も、その…藤牧さんのことは、好き…だけど…」

「だけど?」

「ううううっ…もう!いいわよ!付き合ってあげる!!感謝しなさい!!」

「何をそんなに怒っているんだ?」

「怒ってないわよ!」

「…ふっ、照れているのか」

「やっ、照れてなんか…」

 

 

バカにされた気がしたから藤牧さんの方を見て反論しようと思った…んだけど。

 

 

私を見て、月を背に微笑む姿は。

 

 

もうどうしようもないくらい綺麗で。

 

 

見惚れるしかなかった。

 

 

「…どうした?」

「…っ、何でもないわよ!そ、それよりなんかすごいプレゼントくれるって言ってたじゃない!これで終わり?!」

「…?私以上のプレゼントがほしいのか?」

「私以上ってことはあなたがプレゼントなの?!」

「その通りだが。要らないかな?」

「や、その…い、要る…」

「ははは、照れてしまって。可愛い子だ」

「か、可愛くな

 

 

 

 

 

藤牧さんの方を向いた瞬間にキスされた。

 

 

…えっ、えええええええ?!?!?!

 

 

 

 

 

 

「っぷは、ちょ、ふ、ふじまきさん…?」

「嫌だったかな?」

「い、いやじゃない…けど、そうじゃなくて…」

「君も私が好きなら何も問題ないと思うが」

「うううううう…」

 

 

さっきから不意打ちの連続で心が保たないわよ…。

 

 

いや、この人のことだからそうやって心まで操ってるのかもしれない。ありうる。心理学とか得意そう。っていうか苦手なこととかなさそう。

 

 

もう、負けよ、私の負け。っていうか私が藤牧さんに惚れちゃったときか勝負はついてたのよ。

 

 

勝てないわよ、こんな人に。

 

 

天才で尊大で傲慢で、だけど世界中の誰よりも優しいこの人には。

 

 

「さぁ、そろそろ戻ろうか。流石にこの気温で外に出ているのはよくない」

「…そうね」

「どうした真姫、具合でも悪いのか?早く戻るぞ」

 

 

不思議そうに振り返る藤牧さんの、腕のない右側をすり抜けてキスし返してやった。一瞬だけど。

 

 

「っ」

「ふん、バーカ!先に戻ってるわよ!」

 

 

仕返しできてちょっと気分が良くなったから先を走っていく。少し先で振り向くと、唇を押さえて若干赤面している藤牧さんがいた。

 

 

なによ、自分が不意打ちされたら照れるなんて。

 

 

ちょっと可愛いじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに。

 

 

「お、おいお嬢さん方…なんで俺は縛られているんだ…?」

「あんたが延々と私たちの好意に気付かないからよ」

「そろそろ無理矢理にでもわからせてあげないとって思って…」

「他の女が寄ってこないように、私たちの手中に収めてしまおうというわけだ」

「ばっ、何変なこと考えてんだお前らは!ま、待て、お前らアイドルなんだから!こらっ服を脱ぐな服を!くそっ麻縄なんて用意しやがって…!」

「いくわよあんじゅ、英玲奈。既成事実を作っちゃえばこっちのもんよ!!」

「ええ!」

「ああ!」

「バカ言ってじゃあねーぞお前らああああ!ふんっ!!」

「えっ?!あんだけキツく縛ったのに抜けた?!」

「違う!果物ナイフだ!なんでやつだ、袖に仕込んであったのか!!」

「バーカバーカ!俺の服を脱がせなかったのが命取りだな!!とりあえずお前らの気持ちはわかったから今日のところは退散させてごめんマジで!!」

「あっちょっ逃げんなぁ!!」

「待ってツバサ、その格好で外に出たら捕まるわ!!」

 

 

約一名、波乱を極めたクリスマスを送っている模様。

 

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

書いている時に思いました。
終 わ ん な い (
結果約14,000文字となりました。わぁい(白目)
あまりにも長くなりそうだったので肝心の告白シーンがあっさりしてしまったかもしれません。まあ今まで重々しく告白してたんでいいんじゃないですかね!!(開き直り)
ちなみに、白鳥君はただの被害者です。

滞嶺君が凛ちゃん誕生祭1で告白することを踏まえると、晴れて穂乃果ちゃん以外のカップルが成立したことになります!!ついにここまできましたね!!3年かかってますよ!!笑
そんなところでAfter stories 2はおしまいになります。最後の最後、The Last After Stories にご期待ください!!
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