笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

鞠莉、誕生日おめでとうございました。のん誕鞠莉誕とこんなに近いとウキウキが止まりませんね!!
そして前回!なんと☆10評価をいただきました!!ありがとうございます!!!私が!!!最高評価!!!すっごく嬉しいです!!!
感激で死にそうなので茜君を生贄に捧げます。「解せぬ」

というわけで、どうぞご覧ください。




鯨が水面に飛び出てくるアレってなんていうんだっけ

 

 

 

「なんだこれは」

「別荘でしょ」

「凄いよ真姫ちゃん!!」

「さすがお金持ちにゃー!!」

「金持ちだからってこんな規模の家が建つか…?」

 

 

結構長い時間電車に揺られてたどり着いた西木野家の別荘。とても大きい。何するためにこんなに大きいんだろう。パーティーでもするのかな。

 

 

「そう?普通でしょ」

「お前俺の家と比べてどう思う」

「…」

「なんか言えや」

 

 

これを普通とおっしゃる謎神経。創一郎が比較対象を並べたら黙った。まあ創一郎の家も広さで言ったら結構なもんだったけどね。

 

 

 

 

 

 

「「「わぁー…!!」」」

「寝室までご立派…しかも部屋数もかなりのもの…本当に何のための別荘なの」

 

 

創一郎と桜とは別行動を取り、とりあえず僕は寝室の確保に向かった。そしたら開けてびっくり、めちゃんこ豪華なお部屋が。しかも数が多い。誰を呼ぶんだこれ。

 

 

「こことーった!!」

「凛はここ!!」

「何してんの君ら」

「波浜先輩も海未先輩も早くとった方が…あ!!」

「…やり直しですね」

「いや僕は別室だよねそうだよね」

 

子供の夢であるベッドダイブを敢行する高坂さんと星空さん。やはり中身が幼い。あとうっかり苗字呼びをしたのを指摘しても、僕は名前呼びしないからね。あと男性陣は隔離されて然るべきだよね。隔離してよ。

 

 

「…うん!海未ちゃん!穂乃果ちゃん!茜くん!!」

「ほんとぞわぞわする」

「慣れてください」

「慣れないよ」

 

 

ほんとに名前呼びされるの変な感じする。

 

 

「って寝てる?!」

「フリーダムすぎないかい」

 

 

高坂さんは秒で寝てた。なんなの。

 

 

 

 

 

 

 

「りょ、料理人?!」

 

 

台所の様子を西木野…あー、真姫、ことり、にこと見にきたら、真姫が家に料理人がいるとか言い出した。なんだ料理人って。料理くらいしやがれ。

 

 

しかしまあ…ここは一家の料理をするような場所じゃねえな。台所っつーか厨房だ。尋常じゃなく広いし、各装備も一家の一食を作るスケールじゃねぇ。波…茜も言ってたが、パーティー会場かなんかなのかここは?

 

 

「そんなに驚くこと?」

「驚くよ!そんな人が家にいるなんて…凄いよね!!」

「うちによこせ」

「嫌よ」

 

 

料理人なんていたら弟達の負担が減る。最高じゃねえか。よこせ。

 

 

「…へっ、へえ~、ま、真姫ちゃん家もそうだったんだぁ~!にこん家も専属の料理人いるのよねぇ~!だからにこぉ、ぜ~んぜん料理なんかやった事なくてぇ~」

「猫かぶり具合がクソ怪しいな」

「あ、怪しくないわよ!」

「へぇー!にこ先輩もそうだったなんて!」

「信じるのかよ」

「にこにーでしょ」

「えっ?」

「にこ先輩じゃなくて、にこにー!」

「あっ…、うん!」

「にこにーなのかよ」

「何よ」

 

 

絶妙に怪しいことを猫かぶりボイスで言い始めるにこ。絶対いねーだろ料理人。普通いねーだろ。つーか名前の訂正は「にこにー」なのかよ。

 

 

…俺もにこにーと呼ぶべきなのか??

 

 

 

 

 

 

 

「ここなら練習もできそうね」

「そうやね」

「スタインウェイのグランドピアノ…しかもかなり上等だな。こんなものが居間にあるとは…」

 

 

居間で練習の相談を聞いてやっているのだが、もう居間で十分練習できる環境だ。恐ろしく広い。三管編成のフルオケを突っ込んでも客席を確保できるレベルだ。…マジでやってそうだな。

 

 

「でもせっかくなんやし、外の方がええんやない?」

「海に来たとはいえ、あまり大きな音を出すのも迷惑でしょ?」

「まあ、本当ならどこで練習しても恥ずかしくない演奏をしてほしいもんだが…そういうわけにもいかんだろ」

「流石にそこまでの境地は遠いわね…。でも、それくらいの意気じゃないとね!」

「やる気やね!」

 

 

見たところそんなに民家があるようには見えないが、遮蔽物も少ないしどれだけ音が届くかも予測しにくい。声を漏らしたくないというのなら室内でやるべきだろう。

 

 

「…で、小泉はなんでそんな隅っこで縮こまってんだ」

「な、なんか…広いと落ち着かなくて…」

「まあ無駄に広いのは否定しないがな…」

 

 

だったらキッチンにでも行けばよかったじゃねーかよ。

 

 

「あの…そういえば、桜さんって何歳なのかしら?茜やにこが敬語使ってないから勝手に同い年だと思ってたけど」

「言ってなかったか?17だ、あんたらと同い年で間違いない。しかしなんでだ?どうせ年上だろうが敬語使う気ねぇんだろ」

「穂乃果じゃないんだからあなたまで巻き込まないわよ?」

「え?」

「え?」

「認識に齟齬があるようだぞ」

 

 

そりゃ俺と茜のやりとりがタメ口なんだから同い年だろ。どっちかがよほど無礼でない限り。

 

 

あと巻き込むな。

 

 

「でもさっきえりち、「桜くん」って呼んだやん」

「あっ」

「もう何と呼ぼうが気にしねえよ…」

 

 

いい加減気づいた。いちいち意識する方がめんどくせえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが合宿での練習メニューになります!!」

「おー!」

「凄い、こんなにびっしり…」

「びっしりすぎないかい」

 

 

みんな外に出て、園田さんから練習メニューの説明を聞いていた。まあ、今回何故かやたらと練習メニュー作りたがってたから作らせてあげたんだけど。

 

 

ていうか、にこちゃんと高坂さんと星空さんは既に水着で待機中なんだけどそれはいいのかな。

 

 

「って…海は?!」

「…私、ですが?」

「そっちじゃないよ、向こうに見える海だよ」

「そう!海未ちゃんじゃない方の海だよ!海水浴は?!」

 

 

何天然でややこしいボケを発動してるの君は。まさかの高坂さんがツッコミだよ。前代未聞世紀末だよ。世紀末モード突入だよ。

 

 

「ああ…それならほら!」

「え、遠泳10km?!」

「その後ランニング10km…?!」

「死ぬだろ」

「死ぬね」

「余裕だろ」

「君は黙ってなさい」

 

 

なんか凄まじい練習内容が書いてある。僕じゃなくても死ぬじゃん?創一郎は黙ってなさい、君は人間の領域にいないから。

 

 

「最近、基礎体力をつける練習が減っています。せっかくの合宿ですし、ここでみっちりやっておいた方がいいかと!!」

「みっちり?」

「みっちりっつーか拷問の域なんだがな」

「それは重要だけど、みんな持つかしら…」

 

 

平常運転ならまとも側の園田さんがなんか変な方向に振り切ってる。どうするのさこれ。絢瀬さんまで困惑してるよ。

 

 

「大丈夫です!!アツいハートがあればッ!!」

「馬鹿なの?」

「馬鹿だろ」

 

 

この子こんな熱血だっけ。

 

 

「ちょっと茜、なんで海未に作らせたのよ!!」

「いやぁ、やたらやる気だったもんだから…」

 

 

にこちゃんに怒られた。しょぼん。でもこんなの予測できなくない?無理じゃない?誰が遠泳ランニング10kmしようなんて言うと思うの。デュアスロンなの?

 

 

「こうなったら…凛ちゃん!!」

「わかったにゃ!!」

 

 

ここで星空さんが何か仕掛けるつもりらしい。おもむろに園田さんの腕を引っ張り、

 

 

「あー!海未ちゃんあそこ!!」

「えっなんですか?!」

 

 

何その低レベル視線誘導。

 

 

「今だっ!!」

「いっけー!!」

「うわーお!!」

「ああっあなた達ちょっと!!」

 

 

効くのかよ。

 

 

にこちゃん、高坂さん、星空さんは言わずもがな、南さんも割と元気に飛び出し、小泉さんは星空さんに連行された。元気かよ。

 

 

「まぁ…仕方ないわね」

「え…いいんですか、絵里先輩…あっ」

「禁止って言ったでしょ?」

「…すみません」

「μ'sはこれまで部活の側面も強かったから、こんな風に遊んで先輩後輩の垣根を取るのも重要なことよ」

 

 

相変わらず敬語が取れない園田さん。絢瀬さんはこう言ってるけど僕は先輩だからね。先輩でいくからね。誰がなんと言おうとにこちゃん以外は名前で呼ばない。

 

 

「おーい!海未ちゃーん、絵里ちゃーん!」

 

 

遠くから小泉さんが呼んでいる。あちらも頑張って敬語つけないようにしているようだ、「ちゃん」の前に一瞬間があった。

 

 

「創ちゃんも早く来るにゃー!」

「創一郎も呼ぶのかい」

「…」

 

 

創一郎も星空さんに呼ばれてた。こっちはまるで抵抗なく呼んでいる。逆にすごい。

 

 

で、当の創一郎は黙って上を見上げてなんか呟いている。背が高すぎて表情はわかんない。だが、3回くらい呼ばれたあたりでバッ!!と勢いよく前を向き、

 

 

「千載一遇の…海ッ!!!」

「いや千載一遇ってことはなあっ?!」

 

 

ズバンッ!という音を残して海に向かって走り出した。

 

 

おかげでツッコミ入れようとして風圧で遮られた。かっこ悪い。

 

 

「…なんなの」

「今後海に来る機会なんて無いかもしれないってことだろ」

 

 

たとえそうだとしても、砂浜を抉る勢いで突入することはないと思うんだ。っていうか下に履いてたズボンは水着だったのか。それとも水着じゃないけど突入したのか。後者な気がする。

 

 

「仕方ない…僕らも行くか」

「お前泳げねーだろうが」

「泳がないけど近くには行くんだよ。にこちゃん今水着なんだぞ」

「そーかいそーかい。俺は引きこもる」

 

 

にこちゃんの水着を見逃す手はない。大丈夫、ビデオカメラも持ってきたしパラソルがあるのも確認済み。戯れるみんなの映像をPVに挿入するのもありかもしれない。

 

 

「…?」

「どしたの」

 

 

即刻室内にとんぼ返りしようとしていた桜が玄関前で立ち往生している。ドアノブをガチャガチャしているっぽい。

 

 

「…いつの間にか鍵を…?」

「残念だったね」

「冗談じゃねえ…裏口とかねえのかよ…っ?!」

 

 

すこぶる不機嫌顔で侵入手段を探す桜の左腕を、誰がガッ!と掴んだ。桜は咄嗟に上着の内側に手を突っ込んで振り向いたが、そこにいたのは水着姿の高坂さん。既に海にダイブしたらしく全身濡れているがその顔はもう、超笑顔だ。

 

 

「桜さんも早く!!」

「いや俺は音楽監督として呼ばれたわけであってお前らの交流には一切関係な…」

「行きましょう!!」

「おい話聞けよ!!頼むから!!水着なんて持ってきてるわけねーだろ!!」

「じゃあ砂のお城作りましょう!」

「冗談じゃねえ…!!」

 

 

桜も高坂さんの謎パワーに引きずられて海に連れていかれた。頑張って高坂さんから目をそらす桜はなかなか新鮮だった。

 

 

さて、僕も行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

海の中ではμ'sの面々が水鉄砲戦争をしていた。東條さんだけやたら武器がでかい気がするんですけど。

 

 

まあいいや、これはこれで撮っておく。絵としてはベタだけど、使い所も多そうだし。

 

 

とか思ってあちこち撮ってたんだけど。

 

 

ザッバァーン!!と。

 

 

急に何かが沖の方から飛び上がった。

 

 

「わああ?!なっ何?!」

「クジラ?!」

「こんな近海にクジラがいるわけないでしょう!!」

 

 

うん、園田さんの言う通り鯨ではないと思う。鯨にしては小さいし。

 

 

そのままこっちに飛んできてズドンと着地したのは創一郎。やっぱり君か。何してんの。

 

 

「楽っっっっっっっっしい!!!!!」

「何がだい」

 

 

目がキラキラしてらっしゃった。何があったの。水中から飛び出すのがそんなに楽しかったの。てかタンクトップ脱ぎなさいよ。ベタベタになるよ?

 

 

「創ちゃんが見たことないくらい輝いてるにゃ」

「子供みたいだね…」

 

 

もはや軽く引いちゃってる星空さんと小泉さん。まったくだよ。めっちゃ楽しそうじゃん。

 

 

「よーっし!私も潜るぞー!」

「いいだろうッ!勝負だッ!!」

「負けないよ!!」

「勝てるわけねーだろ」

「無理だよね」

 

 

さらにテンション上げてく高坂さんと、ノリノリな創一郎。流石に創一郎に勝てる競技なんてないと思うけど。

 

 

呆れているうちにザブンと潜る高坂さん、砂浜からひとっ飛びで沖に飛び込む創一郎。何故か便乗して潜る星空さん。いや星空さんもかよ。さっき引いてたじゃん。

 

 

「あっちは拉致があかないからパラソル組撮ろう」

「西木野は水着な割には泳がねーのか」

「何よ、悪い?」

 

 

一旦創一郎たちはほっといて移動すると、少し離れたところで西木野さんがパラソルの下で椅子に座って本を読んでた。サングラスも相まってなんかセレブな感じだ。てか泳がないのね。

 

 

「別に絶対泳がなきゃいけないわけじゃないでしょ?」

「まあそうだけど、だったら何で水着着たのさ」

「べっ、別にいいじゃない!」

「いやいいんだけどさ」

「まさか泳げねーんじゃねーだろうな」

「そんなわけないじゃない!!」

 

 

この子もいじると楽しいよね。

 

 

「まあ好きにさせてあげなよ。映像は撮れたし」

「何で撮ってるのよ!」

「PVに使えると思ったからだけど…」

 

 

急に文句言われても困っちゃう。ていうかPVのためにビデオ撮るよって言わなかったっけ。言わなかったかも。まあいいや。

 

 

ぷんすこしている西木野さんが読書に戻ったところで、にこちゃんが謎のモンローウォークをしながらこっち来た。あれだろう、西木野さんを見てセレブしたくなったんだろう。それは構わないけど、「私を撮りなさいよ」的な視線向けないでよ。言われなくても撮るよ。超撮るよ。

 

 

「隣…いいかしらぁ?」

「…いいけど」

「失礼」

 

 

なんかよくわからないタメを入れた言い方で話すにこちゃんが西木野さんの隣の椅子に座る…寝転ぶ?あの椅子って座ってるのか寝てるのかわかんないよね。プールとかでよく見る平べったい椅子。

 

 

「…矢澤、なんだその気持ち悪い言い方」

「気持ち悪いって何よ!」

「可愛いよにこちゃん」

「茜は息をするように可愛いって言うな!!」

 

 

だってにこちゃん可愛いもん。決して気持ち悪くないよ。ないよ?

 

 

「うるさい…」

「だから遊んでこいよ」

「泳げないんじゃないの?」

「泳げるわよ!」

「みんなと楽しく遊べるか自信ないんだよ、察してあげなよ桜」

「ちっ違うわよ!」

「察しやすい女しか知り合いにいなくてな」

「穂乃果はわかりやすいわよねぇ」

「聞きなさいよっ!!」

 

 

急に周りが騒がしくなって苦言を呈する西木野さん。そこからみんなにいじられる西木野さん。かわいそうに。いや僕も主犯だわ。

 

 

「そういえば桜って穂乃果のブッ?!」

「ごめーん、にこちゃーん!」

 

 

にこちゃんが桜になんか言おうとしたら、当の高坂さんからのバレーボールシュートが顔面にクリーンヒットした。ああっにこちゃんのお顔が。

 

 

てかいつの間にビーチバレーに切り替わってたの。創一郎はどうしたの。居たわ、すっごい沖を泳いでる。どこまで行くんだよ。

 

 

「もっと遠くでやりなさいよ!」

「にこちゃんもやろうよ!」

「そんな子供の遊びやるわけないでしょ!」

「あんなこと言ってほんとは苦手なんだにゃ」

「ぬぁんですって?!見てなさい、ラブにこアタックをお見舞いしてやるわ!!」

「ちょろいよにこちゃん」

 

 

星空さんのやっすい挑発に乗って駆け出すにこちゃん。ちょろいね。すこぶるちょろいね。

 

 

「桜さんも!」

「行かねえよ引っ張んな」

「水の中じゃないから水着じゃなくても大丈夫ですよ!!」

「そういう問題じゃねえんだよいててて力強いなお前?!」

 

 

桜も連れて行かれた。高坂さん恐るべし。

 

 

 

 

 

 

 

…目の前で桜が瀕死になってる。

 

 

「…あっ、あンの馬鹿野郎…、年中引きこもって作曲してるようなやつが!毎日ダンスの練習してるような奴らと!同等に運動できるわけねーだろ!!」

「どんまい」

 

 

高坂さんと組んでにこちゃんと星空さんチームと対戦していた桜だったが、砂浜に足を取られて転んだり顔面セーブしたりで散々だった模様。すぐに体力を使い果たして今に至る。

 

 

ちなみにビーチバレーは、桜のあとに創一郎が参戦し、バレーボールを粉砕してしまったことで終了した。意味がわからない。そして今はスイカ割りの準備中。創一郎は波打ち際でしょげてる。彼意外と繊細だね。

 

 

「スイカ割りならできるんじゃないの。得意分野でしょ」

「俺がいつそんなこと言ったんだよ…」

「キャベツの千切りとか得意じゃん」

「それならせめてスイカ「切り」のときに呼んでくれ」

「何その物騒な競技」

 

 

怖い競技を思いつくんじゃないよサイコパスめ。

 

 

「茜!準備できたから撮りなさい!」

「らじゃー」

 

 

にこちゃんから号令が来たので早速ビデオカメラを構えて撮影開始、桜は置いて行く。強く生きろ。

 

 

トップバッターは小泉さんだ。周りの指示に従って慎重に動いていく。わたわたしてるから撮ってて面白い。「誰か助けてぇー」って言ってるけどみんな助けてるからね。大丈夫、世界は優しい。

 

 

たっぷり時間をかけてかなりいい位置に移動した小泉さん。あとは上手く振り降ろせればばっちり当たるだろう。割れるかどうかは知らない。

 

 

で、小泉さんが大きく振りかぶって振り下ろす瞬間。

 

 

にこちゃんが華麗な動きでスイカを掻っ攫っていった。

 

 

結果見事に空振り。

 

 

「…いやにこちゃん何してんの」

「ふふん、甘いわね!」

「ドヤ顔するところじゃないよね」

 

 

映像的には面白いから許すけど。許すけど遊び的にはどうなのそれ。

 

 

「にこちゃん何するの!」

「ふーん!横槍が入らないと思う方が悪いのよ!」

「普通入らねーよ」

「危ないよ」

 

 

狙い外れてにこちゃんに当たったらどうすんの。死んじゃうよ。小泉さんは残念そうにするんじゃなくて怒っていいからね。

 

 

「次は誰がやるー?」

「切り替え早くない?」

「そりゃ穂乃果だしな」

「どゆこと」

 

 

早速次弾装填済みの高坂さん。皆様別に違和感はないらしい。適応早くないかい。いや何だかんだで何ヶ月も一緒なのか。

 

 

「それなら創ちゃん呼んでくるにゃ」

「それは色々大丈夫かい」

「大丈夫!スイカなら割るものだし!」

「粉々になりそうなんだよなあ」

「バレーボールも相当力入れないと破裂なんてしないものねぇ」

 

 

星空さんはさっさと創一郎を呼びに行ってしまったが、僕と絢瀬さんは不安一色だ。砂浜に真っ赤な花が咲きましたとか嫌だよ僕。真っ赤って言ってもスイカの中身だけどさ。血じゃないよ?

 

 

遠巻きに様子を見ていると、星空さんは高速ダッシュで創一郎に飛びつき、背中に抱きついたり腕にしがみついたりと好き勝手していた。あの子自分が女の子だってわかってないんじゃないかな。

 

 

当の創一郎本人は大いに動揺している様子で、捕まえようとするもどこを掴めばいいかわからないといった具合にわたわたしていたが、しばらくして星空さんの頭を引っ掴んで海に向かって放り投げた。マジか。しかしそのまま座ろうとした創一郎に向かって星空さんが水中から奇襲、あろうことか顔面に飛びついた。それはいけない。色々いけない。

 

 

『わかった!行く!行くからそこを退けええええええええ!!!!!!』

『にゃぁぁぁぁああああああ?!?!」

「ぬおお?!」

「マジか」

「茜こっち!」

「ぐえ」

 

 

遠くから遠雷の如き大声が飛んできて、同時に星空さんも飛んで来た。当たるやん。死を覚悟したらにこちゃんに首を引っ張られて命は救われた。にこちゃん大好き。桜は自力で緊急回避した。

 

 

投げられたらしい星空さんは自力で見事に着地。すごいな。猫かよ。

 

 

「何するにゃ!!」

「それはこっちの台詞だッ!!!」

「男性陣としてはちょっと星空さんは擁護できない」

「園田か東條あたり教育してやってくれ」

「えー?!ちゃんと創ちゃん呼んできたのにー!!」

「論点が違う」

 

 

頼むから女の子だと自覚して。

 

 

園田さん、東條さん、小泉さんに星空さんを連行してもらって、創一郎には目隠しをし、スイカをセット。

 

 

「準備できたわよ!」

「創ちゃん頑張れー!」

「創ちゃーん!」

「創ちゃんやめろ」

 

 

あちこちから「創ちゃん」と呼ばれる創一郎。全員が呼んでるわけじゃないけど、別に気に入ったわけじゃないらしい。いや違うこれ恥ずかしいだけだ。顔赤い。

 

 

「あと指示はいらない」

「へ?」

「自力で見つける」

「何いってんの」

「私に聞かないでよ」

 

 

創一郎がなんか言い始めた。自力で見つけるって何。目は見えないでしょ。

 

 

そのまましばらく棒立ちのままだった創一郎は、数分後に突如スイカに向かって一歩で踏み込み、手に持つ棒をスイカに一閃。何故か見事に真っ二つに割れた。何。どういうこと。スイカまで数mはあったと思うんだけど。縮地?君縮地できるの?

 

 

「わぁ〜!!すごい!!」

「本当に指示なしで割っちゃった…」

「しかも綺麗に真っ二つです…」

「逆にリアクションに困るんだけども」

「バケモンかあいつ」

 

 

バケモンだね。まっきーと合わせたら万能超人が生まれるわ。

 

 

丁度そこで戻ってきた星空さん説教組はみんな揃って顔赤くしてた。何を話したの君たち。

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございました。

巻き込まれ大魔王の水橋桜君は今日も絶好調です。でも今回は滞嶺君の方が被害は大きいかもしれません。だいたい凛ちゃんのせい。
あと勝手に別荘広くしました。流石にフルオケが入る家とか無いですね。無いですよね?

あと、私今日のAqoursの大阪ライブに行ってまいります。初ですよライブ行けるの!!うわぁ!!最高!!


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