笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

Aqoursの3rdライブ大阪公演に行ってきました。もう…あれですよ。あれ。最高でした。語彙力が追いつきません!!死にそうになりました!!感動で!!
さらにお気に入りも増えてついに20人です!!寿命が200年に到達しました!!ありがとうございます!これからも頑張ります!!

というわけで、どうぞご覧ください。



男も料理ができる時代ですから

 

 

 

 

「買い出し?」

「なんかスーパーが結構遠いらしくて」

「まあぱっと見何もなかったもんね」

 

 

遊び終わっていい感じの時間になったから晩飯にする…というところだったが、どうやら食材はないらしい。そりゃそうか、痛むか。総計12人分の食材運ぶとなると、まさに俺の出番だろう。

 

 

「別に私1人で行ってくるからいいわよ」

「え?真姫ちゃんが?」

「私以外お店の場所わからないでしょ?」

 

 

確かに場所は知らんが、1人で行くこともないだろう。どうやって運ぶ気だ。

 

 

「じゃあうちもお供する!」

「え?」

「俺も行かせてもらおう」

「創一郎も?」

「荷物持ちとしては最大戦力だろう。遠慮はいらん、何でも持つ」

「本当になんでも持てそうだから怖いよね」

 

 

乗用車くらいなら持てるから強ち間違いではないな。

 

 

「そうそう、創ちゃんに持ち物は任せられるし。それにたまにはいいやろ?こういう組み合わせも」

「創ちゃんはやめろ」

「い〜や☆」

「誰かなんとかしろ」

「頑張れ創ちゃん!」

「創ちゃんファイトだよ!!」

「やめろっつってんだよ」

 

 

創ちゃんは本気で恥ずかしいからマジでやめろ。

 

 

 

 

 

 

 

「お〜、綺麗な夕日やね!」

「素晴らしいな、これほどの景色が見られるとは」

 

 

時刻は夕刻、丁度夕日が海に沈もうとしているところだった。一切の遮蔽がなく、ダイレクトに夕日が臨める。こういう立地も加味して別荘建てたのだろうがな。

 

 

「…どういうつもり?」

 

 

さっきまで黙っていた真姫がようやく口を開いた。視線の先には希。何故わざわざ付いてきたのか、ということだろう。実際、荷物持ちならそれこそ俺がいれば事足りるのだ。

 

 

「…別に?真姫ちゃんは面倒なタイプだなーって。ほんとはみんなと仲良くしたいのに、なかなか素直になれない」

「…私はふつうにしてるだけで、」

「そうそう。そうやって素直になれないのよね」

 

 

面倒とストレートに言うあたり流石は希。こういった言論は希に任せてしまおう。口を挟む隙がない。つーかなんか違和感あったが何だ?

 

 

「っていうかどうして私に絡むの?!」

「んー…ほっとけないのよ。知ってるから、あなたに似たタイプ」

 

 

ああ、そうか。

 

 

()()()西()()()()()()()()

 

 

素で関西弁なのかと思っていたが、本当は関西圏出身じゃないのだろうか?とにかく、今まで関西弁のおちゃらけたイメージがあったせいか、標準語で話すとひどく真剣に聞こえる。実際真剣なんだろう。

 

 

「まっ、たまには無茶してみるのもいいと思うよ?合宿やしっ!」

 

 

と思ったらまた関西弁に戻り、さっさと先に行ってしまった。なんだったんだよ。

 

 

「…何なのよ、もう」

 

 

同感だ。

 

 

って希がいなくなったら俺がフォローしなきゃならねぇじゃねぇか。そういうのは茜に任せたいんだが。

 

 

…しかしほっとくわけにもいかねえな。やるだけやるか。

 

 

「…俺も何が何だかわからねぇけどよ」

「?」

「まあ…多分、みんないいヤツだって言いたいんじゃねぇのか」

「…」

「…」

「…要約しすぎじゃない?」

「うるせえ」

 

 

ダメだ。女子を励ますとか無理が過ぎる。希何とかしろ。つーか道わかんねぇんじゃなかったのかよ。

 

 

 

 

 

 

 

さて、買い出し組も帰ってきたし、お料理の時間だね。

 

 

「さて、始めようか」

「任せなさい」

「準備万端だぜ」

「万端にして万全だ」

 

 

メンバーは男性陣+にこちゃん。全員料理が得意なメンツである。男連中がみんな料理できるってなかなか面白いね。

 

 

「大人数にはカレーだろ」

「妥当だね」

「具はじゃがいも、人参、玉ねぎ、ほうれん草に何と牛肉だ」

「何でわざわざ牛肉買ってきたんだよ」

「真姫が勝手に買った」

「ブルジョワならではの思考だね」

「いいじゃない、何肉だろうと美味しく作るわよ」

 

 

まさかのビーフカレーだった。豪華だね。腕がなるね。

 

 

「俺と矢澤で材料を切る。煮るのは人数のせいで力もいるだろうから滞嶺」

「僕は」

「下処理とサラダ」

「何か地味なんだけど」

「適材適所だ」

 

 

絶望的に影薄くないか僕。

 

 

「そうだ、隠し味のハチミツとトマトは買ってきたよね」

「勿論だ」

「チーズがあるといいと思うが」

「無論用意してある」

「何であるのよ」

「隠し味は家庭の基本だろうが」

 

 

バッチリ隠し味も用意してくれたようだ。これなら安心。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「おおー!!」」」」」」」」

 

 

歓声が上がった。まあまあ上手くできたと思うよ。みんな手際がよかったからね。

 

 

「花陽、白米だ」

「わあ…!ありがとう!」

「…何で花陽だけお茶碗にご飯なの?」

「気にしないでください!」

「そういう人種もいる」

 

 

小泉さんだけ白米別盛りになってた。しかも山盛り。いくら白米好きだっていってもそんなに食べれるのかい。

 

 

「創ちゃんも凄いことになってるにゃ」

「鍋が空いてたからな」

「鍋は食器じゃねーんだぞ」

「食器みたいなもんだろ」

「そんなわけないじゃない…」

 

 

創一郎は鍋にご飯とカレーを注いでいた。何人分あるのそれ。自分の体重の何割なの。

 

 

「にこちゃん料理上手だったんだね!」

「ふっふーん!」

 

 

そりゃほぼ毎日ご飯作ってるからね。

 

 

「あれ?でも昼に料理したことないって言ってなかった?」

「言ってたわよ。いつも料理人が作ってくれるって」

 

 

ん?

 

 

にこちゃんが知らないうちに見栄張ってる。

 

 

「やあん、にここんなに重いもの持てな〜い」

「い、いくらなんでもそれは無理があり過ぎる気が…」

「僕でも持てるわ」

「それは胸を張って主張することかしら」

「でも可愛いから許す」

「ちょろいね」

 

 

にこちゃんが急にスプーン重いとか言い出した。流石にそれはやばいよ。でも可愛いのでよし。

 

 

「これからのアイドルは料理の一つや二つできないと生き残れないのよ!!」

「開き直った?!」

「にこちゃんは僕が養うんだから料理できなくてもいいじゃん」

「ふんっ」

「んぐぇ」

 

 

スプーンが飛んできた。痛いよ。金属はまずいよ。あと食器を武器にするのもどうかと思うよ。

 

 

「いつも通りだなこいつは」

「いつも通りなんですね…」

「逆に安心したわ」

 

 

どういうことよ。てか助けてよ。スプーンがおでこにクリティカルヒットだよ。痛いよ。

 

 

 

 

 

 

 

「はー、食べた食べた!」

「穂乃果…食べてすぐ横になると牛になりますよ」

「もー、海未ちゃんお母さんみたいなこと言わないでよ!」

「牛になるとは言わねえが、デブるのは間違いねーな」

「えっデブ?!?!」

 

 

早速だらけ始めた高坂さんに桜の痛恨の一撃が決まった。勢いよく飛び起きた。でも女の子に向かってデブはダメじゃないかい。未来形だとしても。

 

 

「よーし、じゃあ花火をするにゃ!」

「その前にご飯の後片付けをしなきゃダメだよ」

 

 

早速遊びに行く気満々の星空さん。ご飯前まで散々遊んだじゃん。

 

 

「あ、それなら私がやっとくから、行ってきていいよ!」

「南、流石にそれはよくねーんじゃねーか」

「そうよ、そういう不公平はよくないわ。みんなも自分の食器は自分で片付けて」

 

 

そりゃそうだわね。

 

 

「それより、花火より練習です!」

 

 

それはそうじゃないね。

 

 

ご飯食べた後運動するとお腹痛くなるんだよ。知らないの園田さん。

 

 

「えぇっこれから?」

「当たり前です。昼間あれだけ遊んでしまったんですから…」

「でもそんな空気じゃないっていうか…」

「とりあえず穂乃果をご覧あれ」

「雪穂ー!お茶ー!」

「家ですか!」

 

 

高坂さんは完全に脱力モードである。机に伏してだらーっと。だいたい妹ちゃんは今その場にいないんだけどね。呼んでも来ないからね。

 

 

「じゃあ、これ片付けたら私は寝るわね」

「えー?!真姫ちゃんも一緒にやろうよ花火!」

「いえ、それよりも練習です!」

「どんだけ練習したいんだよ」

「やる気に満ちてるね」

 

 

ほんとにこの子たちフリーダムだな。

 

 

「そうにゃ。今日はみんなで花火やろ!」

「そういうわけにはいきません!」

「かよちんはどうしたい?!」

「え、えっと…私はお風呂に…」

「第三の意見出してどうするのよ」

「じゃあ僕はにこちゃんを愛でる」

「ていっ」

「んげっ」

「収拾つかねーにも程があるだろ」

 

 

白熱する議論に投下される新提案。便乗してもう一個提案したらにこちゃんの右ストレートが決まった。痛いよにこちゃん。

 

 

「じゃあ、もう今日はみんな寝よっか」

「それがいいだろう。初日から疲労を残すのは愚策だな」

「うんうん、いっぱい遊んだしね。練習は明日の早朝、花火は明日の夜にすることにして」

「そっかあ!それでもいいにゃ!」

「確かに、その方が効率がいいかもしれませんね」

「おい、ナチュラルに俺も早起きを強いられてねーか」

「そりゃそうでしょ」

 

 

まとめてくれてのは東條さん。流石だね。ほぼ異論のない結論にたどり着いた。ほぼね。桜意外と早起き苦手だもんなあ。

 

 

「じゃあ決定やね」

「俺の都合は非考慮かよ」

「仕方ないよ、彼女らの合宿だし。それより食器片付けたらお風呂だけど、どうするの?僕ら先?」

「そうね…私たちは長くなるだろうし、男性に先入ってもらおうかしら」

「おーけー。じゃあ全員出たら呼ぶから、今後の予定でも細かく決めておきな」

 

 

そんなわけでレッツお風呂。まあそんなに時間かけないけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん…無駄に大きいねぇ」

「大衆浴場かよ」

「…」

「何でそんな嬉しそうなの創一郎」

 

 

早速3人でお風呂に来たら、それはもうびっくりするほど大きい。旅館だよねもはや。露天風呂もあるのあれ。何がどうなったら個人宅に露天風呂ができるの。あと何で創一郎はそんなにやけてんの。大きいお風呂は初めてか。

 

 

「まあいっか、大きいぶんには困らないし」

「シャワーの数が大きさに見合ってねーんだよな…」

「でも3人分はあるんだから、創一郎はわざわざ湯船のお湯使わなくてもいいんだよ」

「節水だ」

「この設備見て節水の必要があると思うかい」

「…確かに」

 

 

シャワー自体は数台しかないけど、ちゃんと数足りるよ。創一郎は癖か。いつもの癖なのか。

 

 

というわけで並んで座る3人。僕が真ん中、右が桜、左が創一郎。僕が1番小さいから2人が洗った水の流れ弾が飛んでくるのは納得いかない。

 

 

「滞嶺、お前古傷が凄いことになってんな」

「ほんとだねえ」

 

 

腕も若干傷跡があるのは知ってたけど、背中とか胸とかお腹は特に多い。歴戦の戦士みたいなことになってる。恐ろしいわー。

 

 

「力入れると痛むんだよな、広がって」

「どんだけ筋肉膨張してんだよ」

「やっぱり人間じゃないよね」

 

 

イビルジョーみたいだね。

 

 

「つーか茜もすげぇことになってんじゃねぇか」

「あー、事故被害者だからね」

 

 

創一郎が指したのは僕の胸と背中、陥没して明らかに繋ぎなおしたようなケロイド状の痕。事故で怪我した部分だ。

 

 

そういえばにこちゃん以外の人に見せたことなかったな。

 

 

「それで体力ねぇのか」

「いや体力ないのは元からなんだけどさ」

「元からかよ」

「でもはるかに悪化したのは否定できないね」

 

 

そりゃ肺持ってかれたからね。

 

 

「桜は綺麗なもんだねえ」

「普通はこうなんだよ」

「白すぎるな」

「引きこもりなんだからしゃーねーだろ」

「引きこもりなのか」

「外に出る用事がねーんだよ」

 

 

桜は目立った外傷はない。外傷がない方がマイナーってひどいメンツだ。

 

 

身体や頭を洗い終わって湯船にみんなで入る。湯船っていっても温泉並みだからすごく無駄使い感ある。創一郎ですら余裕だ。ほんとに誰を呼ぶための施設なんだ。

 

 

「あ〜いい湯」

「おっさんかよ」

「広い…!」

「滞嶺ははしゃぐなガキか」

 

 

くつろぐ僕とはしゃぐ創一郎。ツッコミは桜。桜のストレスがマッハだね。どんまい。僕は助けない。

 

 

「つーか、結局茜はμ'sのやつらを名前で呼ばねーのかよ」

「だからにこちゃんしか呼ばないんだって」

「極端だな」

「僕はにこちゃんのために生きてるんだもん」

「矢澤が死んだらどーすんだよ」

「死ぬね」

「潔すぎだろ」

 

 

そりゃにこちゃんのために生きてるから。にこちゃんがいなかったら生きていけない。なんて儚い。

 

 

 

 

あれ、創一郎どこだ。

 

 

 

 

「…おい、滞嶺はどこ行ったんだ?」

「僕も思ったところだよ。露天風呂かな」

「外出て行くの見たか?」

「わかんない」

 

 

そんなこと気にしてないし。

 

 

と思ってたら、近くの水面が爆発した。

 

 

「っっっっっはあッ!!!」

「ぶわっ?!何してんだお前は!!」

「潜っていた」

「風呂で潜るな!!」

「全身温めるためには潜るしかないだろ」

「くっそバカしかいねーな…!!茜…くそっ茜どこ行った!!」

「へい」

「何でそんな遠くいるんだ!逃げんな!!」

「流されたんだよ」

 

 

爆発したというか、創一郎が急浮上してきた。衝撃で流された。溺れたらどうすんのさ。あれで僕は溺れるよ。溺れなくてよかった。

 

 

「ったく…!風呂ぐらい静かに入れよ…」

 

 

自分の懐をわさわさしながらぶつくさ文句を言う桜。僕悪くないじゃん。被害者じゃん。てか何やってんの。

 

 

「何自分の脇腹をわさわさしてんだ」

「あーうっせぇ、癖だ!今服着てねーんだったな畜生…」

 

 

どういう癖だよ。でもそういえば高坂さんに急に腕掴まれたときも上着の内側に手を突っ込んでたな。飴でも入ってんのかな。

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございました。

枕投げかと思った?残念!次回でした!!
次回は枕投げます。
家庭的お料理男子、相変わらずテンションの高い滞嶺君、相変わらず巻き込まれ大魔王の水橋君。すっかりネタ勢に成り下がってきてます。誰のせいでしょう(すっとぼけ)


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