笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

早速次話投下です。大丈夫です!!随分先まで下書きは済んでますので!!
さて、合宿が終わって文化祭編です。名前は「文化祭編」でいいんでしょうか。まあいいや私の好きにしますね!!!

というわけで、どうぞご覧ください。




外で演奏すると響かないし風がやばいしで大変

 

 

 

 

合宿も終わり、にこちゃんセンターの新曲も動画サイトでもりもり再生数を伸ばしていて今日もμ'sは絶好調だ。いやほんとに絶好調だな。すっごい伸びてるな。なにこれ。

 

 

しかも。

 

 

「19位だってにこちゃん」

「19位!!!!!」

「オーケーわかったからボリューム落とそう」

「19位よ!!!このまま行けばラブライブに出れるのよ!わかる?!私が!!ラブライブに!!出る!!のよ!!!」

「わかったってば」

 

 

スクールアイドルランキング、μ'sは現在19位。

 

 

ラブライブ出場条件は、20位以内。

 

 

ついに射程圏に入ったわけだ。

 

 

それを確認した昼の部室で、相変わらず二人で弁当食べた後ににこちゃんはテンションマックスになってしまったわけだ。

 

 

「ついに…ついに私が夢の大舞台に!!」

「僕も一緒に喜びたいところなんだけど、まずは鼻水拭いてね」

 

 

感涙しちゃってるにこちゃんもかわいいけど、それだけ喜んでいるにこちゃんと一緒に喜びたいけど、鼻水だらだらで抱き合うほど反射神経で過ごしてない。流石に鼻水はごめんね。制服カピカピになる。

 

 

ティッシュを渡して鼻をかんでもらった後、改めて向かい合う。超笑顔だった。やばい好き。超好き。

 

 

「ううん、まだここからよ!絶対ラブライブ出場を逃すわけにはいかないわ!!」

「でもにこちゃん超笑顔だよ」

「笑顔じゃない!!」

「かわいいがオーバーフローしてる」

「何言ってんの」

 

 

にこちゃんには理解が及ばなかったらしい。残念。しかしにこちゃんのかわいさが限界突破してるのは事実だ。鼻血出そう。

 

 

「さあ、絵里と希にも早く伝えに行くわよ!!さあ!!」

「わかったよにこちゃんストップ引っ張らないで」

 

 

めっちゃ元気に僕を連れて部室を飛び出そうとするにこちゃん。残念ながら僕にはにこちゃんについていく身体能力はないよ。死ぬよ。

 

 

 

 

 

 

 

「7日間連続ライブ?」

「そんなに?!」

「よくそんなことできるよねぇ」

 

 

放課後、にこちゃん、絢瀬さん、東條さんと部室に向かい、ほかのメンバーにA-LISEのライブのことを伝えた。にこちゃんが飛び出していった後に4人で情報集めをしていたら見つけたものだ。1週間ぶっ続けって意味がわからないね。でも創一郎ならできそう。

 

 

「ラブライブ出場チームは2週間後の時点で20位以内に入ったグループ。どのスクールアイドルも最後の追い上げに必死なん」

「20位以下に落ちたグループだってまだ諦めてはいないだろうし、今から追い上げて何とか出場を勝ち取ろうとするスクールアイドルもたくさんいる…」

「つまり、ここからが本番だ」

「ストレートに言えばそういうこと。喜んでいる暇はないわ」

「出場枠の中で言えば下層スレスレだもんねえ」

 

 

μ'sは一気に人気をぶち上げたスクールアイドル。ちゃんと勢いを維持しないと他のスクールアイドルにさらっと抜かれてしまうこともあるだろう。

 

 

「よーし、もっと頑張らないと!」

「とはいえ、今から特別なことをやっても仕方ないわ。まずは目の前にある学園祭で、精一杯いいステージを見せること。それが目標よ」

「意外と地に足ついてるね」

「意外とって何よ?」

 

 

いやだって君、一人で廃校防ごうとしてたじゃない。無謀も極まる子だったじゃない。

 

 

「よし!そうとなったらまずはこの部長に仕事をちょうだい!!」

「急に部長感出してきたねぶぎゃる」

「何よ」

「痛いよにこちゃん」

 

 

やる気満々のにこちゃんにつっこんだら拳が右頬に入ってきた。痛いよ。これは左頬も差し出さなきゃいけないやつかな。このノリ前もやった気がする。

 

 

「じゃあにこ、うってつけの仕事があるわよ」

「何?」

「そう都合よく仕事あるものか?」

「あるみたいだけど」

 

 

まさかのお仕事あり。しかしこのタイミングで部長に何か仕事来るかな?ロクでもない予感がするよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で講堂の使用権がくじなんだ」

「昔からの伝統らしくて…」

「迷惑な伝統だね」

 

 

つまりにこちゃんの出番はくじ引きというわけだ。しかし何故くじ引き。講堂は引く手数多なのかな。それにしてももっとやりようがある気がする。でも確かに楽ではある。

 

 

「では、続いてアイドル研究部の…わあ?!」

「見てなさい…!」

「にこちゃん落ち着いて」

 

 

そんな殺気放っちゃだめよ。生徒会の人引いてるよ。引いてるというかビビってるよ。

 

 

「にこちゃん、頼んだよ!!」

「講堂が使えるかどうかでライブのアピール度は大きく変わるわ!!」

「つっても確率論じゃねぇか」

「ほんとに意外と理性的だね創一郎」

「意外とってなんだ」

「でもツッコミに対して胸倉掴みあげるのは理性的じゃないなぐえ」

 

 

にこちゃんに降りかかるプレッシャーと僕に降りかかる暴力。苦しい。しかしこの苦しみでにこちゃんがくじ運発揮してくれれば幸せだ。

 

 

「「あぁっ…」」

 

 

…発揮してくれればね。

 

 

にこちゃん相変わらずフラグ回収能力高いね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしよー!!」

 

 

皆さま一様に落ち込んでいた。まあそうだよね。肝心の講堂が使えないのは大いに痛い。ライブといえば講堂やらホールやらが定番というか、環境的にも最適なのだ。

 

 

「だってしょうがないじゃない!!くじ引きで決まるなんて知らなかったんだから!!」

「あー!開き直ったにゃ!!」

「うるさい!」

「なんで外れちゃったのぉ…」

「阿鼻叫喚って感じだね」

「くじに文句言っても仕方ねぇだろ」

「ま、予想されたオチね」

「オチで片付く案件ではないけどね」

 

 

あっちこっちで悲嘆と絶望が振りまかれる。僕はまあそんなこともあるだろうと思ってたし、創一郎や西木野さんもそう思ってたみたいだから割と平気そう。平気ではないんだけどさ。

 

 

「気持ちを切り替えましょう。講堂が使えない以上、他のところでやるしかないわ。」

「その通りだな。使えないものに悲嘆に暮れても仕方ない、今できる最善を尽くすしかない」

「とはいってもどこ使おうね」

 

 

実際落ち込んでいてもしょうがないわけだけど、他に使えるところを探すのもなかなか大変だ。体育館やグラウンドは軒並み運動部が押さえてしまっているし、正面玄関でライブやるわけにもいかない。他のスペースは狭すぎて無理。割と八方塞がりだ。

 

 

「体育館とか終日埋まってるのかな。空いてる時間があればお邪魔させてもらう手もあるけど」

「それは無理よ。部の入れ替わりや片付け、準備の時間も考えるとほとんど余裕がないもの」

「だよねぇ」

 

 

やっぱり八方塞がりだ。詰んだかな?

 

 

「じゃあ、ここ!!」

「どこさ」

「ここ!!」

 

 

ここ?どこ?

 

 

「屋外ステージ?」

 

 

まさかのここ…屋上である。外かよ。

 

 

「ここは私たちにとってすごく大事な場所…。ライブをやるのにふさわしいと思うんだ!」

「野外ライブ…かっこいいにゃー!」

「いやねぇ君たち、屋上だよ?誰がどうやって舞台設営しに来るっていうのさ」

「俺だな」

「ごめん何も問題ないわ」

 

 

トラスとかどうやって持って来るんだと思ったけど、そういえばうちには怪物さんがいたんだった。創一郎なら余裕だね。何だったら1階から飛んで来るね。やばいね。

 

 

「まあ舞台はなんとかなるとして、人をどうやって呼ぶかだよね」

「確かに…。ここならたまたま通りかかるということもないですし…」

「下手すると1人も来なかったりして」

「えぇっそれはちょっと…」

 

 

場所がマイナー極まるせいでこんな問題も出てくる。そもそも屋上への道はどっちだってなりかねない。ああ、それは僕が誘導するのか。僕の仕事か。多分そうだよなあ。

 

 

「じゃあ、おっきな声で歌おうよ!」

「はあ?そんな簡単なことで解決できるわけ

「校舎の中や、外を歩いてるお客さんにも聞こえるような声で歌おう!そうしたら、きっとみんな興味をもって見に来てくれるよ!!」

「喋ってるのを遮らないであげて」

 

 

高坂さんの主張に対してのにこちゃんの反撃は、高坂さんのパワープレイで握りつぶされた。なんてこった。にこちゃんの不憫が加速する。

 

 

でもまあ、高坂さんのパワープレイは割と効果あるからね。

 

 

「ふふっ、穂乃果らしいわね」

「…だめ?」

「いつもそうやって、ここまで来たんだものね。μ'sっていうグループは」

「無鉄砲の極みみたいなのになんか上手くいくもんねえ」

「絵里ちゃん…茜くん…!!」

「ううっぞわぞわする」

「まだ慣れねぇのかよ」

 

 

この11人が揃ったのも力技のおかげみたいなところはあるからね。でも名前で呼ぶのはみんなやめないかなほんとにぞわぞわする。

 

 

「決まりよ!ライブはこの屋上にステージを作って行いましょう!!」

「確かに、それが一番μ'sらしいかもね!」

「優秀なステージ設営係もいるし!」

「俺はステージ設営係じゃねぇぞ」

「でもやってくれるんでしょ?」

「やるけどよ」

 

 

割と満場一致な感じで、この屋上でライブをすることになった。創一郎もなんだかんだでノリノリだ。でも雨降ったら過酷って忘れてない君たち。

 

 

「よぉーし、創ちゃんに負けないように、凛も大声で歌うにゃー!!」

「創ちゃんはやめろ」

「じゃあ各自、歌いたい曲の候補を出してくること。もちろん創ちゃんも茜もね?…それじゃあ、練習始めるわよ!!」

「やめろって」

「君こそ慣れたらどうだい」

 

 

創一郎も創ちゃん呼びに慣れてないじゃないか。人のこと言えないじゃん。てか絢瀬さんまで創ちゃんって呼び出したね。蔓延してるね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「新曲を学園祭で使う?」

「うん!真姫ちゃんの新曲を聴いたらやっぱりよくて、これを1番最初にやったら盛り上がるんじゃないかなって!!」

「そりゃ盛り上がるだろうけどさ。練習時間相当ないよこれ」

 

 

翌日、高坂さんがすごいこと言い出した。まあすごいこと言うのはもういつも通りなんだけどさ。

 

 

しかし、まだ曲ができただけで歌詞も振り付けもできちゃいない。実質練習時間は1週間あるか無いかくらいの勢いだ。流石に大変じゃないの君たち。しかもこの曲、かなりハードだ。ゆるいダンスで収められる気がしない。

 

 

「頑張ればなんとかなると思う!」

「なんとアバウトな」

「でも他の曲のおさらいもありますし…」

「私、自信ないな…」

 

 

高坂さんの論はゴリ押しだし、不安も大きいし、あまり推奨しないのだけど。

 

 

「μ'sの集大成になるライブにしなきゃ!ラブライブ出場がかかってるんだよ?!ラブライブは今の私たちの目標だよ!そのためにここまで来たんだもん!!このまま順位を落とさなければ本当に出場できるんだよ!たくさんのお客さんの前で歌えるんだよ!!私頑張りたい、そのためにやれることは全部やりたい!!ダメかな?!」

 

 

なんかゴリ押し凄まじくないかい。いつもパワフルな高坂さんがさらにパワフルになってる。どうしたらいいのこれ。まあ言ってることに一理はあるんだけど。

 

 

「だが、お前センターじゃねぇか。曲も今までにないくらい激しい曲だ。他の奴らの倍はキツいぞ?」

「うん!全力で頑張る!!」

「気合いがあるのは結構なんだがな」

「いいじゃない。穂乃果がやるって言っているんだし、やってみましょ」

「振付師のお仕事が増えたぞ」

「うちも手伝うよ」

「そりゃどーも」

 

 

もうほとんど暴走機関だけど、まあやるって言ってるならいいや。頑張れ。僕の仕事が増えたことについては恨む。嘘嘘恨まないよ安心して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ〜…今日も疲れた…」

「…最近やけに疲れているな」

 

 

最近よく、俺の元に花陽が来ている。スクールアイドルの練習が相当厳しいようだ。調べた情報からすると、ラブライブ出場に向けて最後の追い込みをしているのだろう。もともとそれほど体力のある方ではない花陽の体が持つか心配だ。

 

 

「練習が大変だから…。あ、ご飯炊けたよ」

「…ああ、ご飯炊けたか、ありがとう。しかし無理はよくないぞ」

「うん、ありがとう照真くん。でもこういう時に頑張らないとね」

 

 

疲れた表情ながら笑顔は明るい。楽しいのだろう。それなら何も言うことはない。

 

 

「照真くんは今何をしてるの?」

「今か?義手が2件、大型プラント設計が1件、超高解像SEMの開発協力が1件、XRDの解析ソフト開発が1件、人工肺培養が1件、3D細胞培養液の改良が1件…まあそこそこ忙しい」

「えっと…大変そうだね?」

 

 

直接接触などはしないが、人から依頼を受けることは多い。両親がいない俺は、そうでもしなければ生活できないからだ。自作のサイトに要求を書き込めるようにしてある。サイトの存在自体を相当コアな立場の人たちでない限り知らないためそれほど依頼は来ないが、多い時は多い。

 

 

花陽が炊いてくれた白米と、作ってくれた味噌汁、サラダ、回鍋肉を無言で食べ終わる。相変わらず料理がうまい。しかし俺にはそれを表現する方法はない。

 

 

「美味しかった?」

「…ああ、美味しかった」

「ふふ、ありがとう。さ、片付けよ?」

「いや、俺が片付ける。花陽は休んでいるといい」

「え、いいよ!自分の分は片付けるよ!」

「自分の分は片付けるか?そうか…わかった」

 

 

せめて休ませてやりたいところだが、彼女はどうしても人任せにできない。優しすぎる子だ。俺には彼女を休ませることができない。どうするべきかわからない。

 

 

食器も片付け終わり、地下の施設に向かう。花陽はもう帰ると言った。

 

 

「明日も朝から練習だから…」

「…明日も朝から練習か。大変だな」

「うん。私は大丈夫だけど、穂乃果ちゃんが心配だなぁ…」

「…そのホノカチャンはわからないが、倒れないようにな」

「うん、ありがとう」

 

 

じゃあね、と言って家を出る花陽。その後1人で地下まで降り、ほぼ完成した依頼品の調整を行う。

 

 

「…」

 

 

花陽が無理しなければいいのだが。

 

 

「…」

 

 

それはそうと、こんな義手は初めてだ。一般的な肘から先を模したものではなく、肩に接続するタイプ。しかも造形は全く腕には見えず、数十にも別れた細い触腕でできている。そう依頼されたから、そう作った。

 

 

『一般的な用途ではなく、私専用の手術用義手、というか義腕を作っていただきたい。現代が誇る最新医療機器「ダ・ヴィンチ」に対抗して、「ミケランジェロ」とでも名付けようか?とにかく、この天才を以ってしても完成には至らなかったから、貴方に託そうと思う』

 

 

そんな大仰な文と共に送られてきた設計図を元に作ったのだが、本当にまともな用途に使うのだろうか。というか使えるのだろうか。

 

 

「…」

 

 

そして人工肺。

 

 

義腕の依頼主と同じ人物から、凍結された細胞が送られてきて、『肺を作ってくれ』と言われたから作ったが、本当にまともな用途に使うのだろうか。

 

 

しかし、俺にはそれを言及する術がない。

 

 

花陽が「多分大丈夫だよ」って言ったからやっている。

 

 

花陽がいないとまともに生きてもいけない俺は、なんと惨めなものだろうか。

 

 

せめて花陽は幸せに生きて欲しいと切に願う。

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

導入で既にエンジン全開モードの穂乃果ちゃん。大丈夫でしょうか。
そして久しぶりに登場の湯川照真くん。湯川くん主観は初めてですね。何やら物騒なものをあっさり作ってしまうあたりが規格外です。
たまに本筋に関係ない男性陣も出しておかないと忘れられそうで怖いですね!!笑


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