笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼
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ご覧いただきありがとうございます。

前回からまたお気に入りしてくださった方々いらっしゃいました!!ありがとうございます!!今年ももうすぐ終わりますし、年末年始にいろんな方に読んでいただけるように頑張ります!宣伝の仕方とかわかりませんけど!!

さて、今回は本編のハロウィン編です。毎回間にオリジナル話を挟んでるので時の流れが遅い!!私のせいですね!!


というわけで、どうぞご覧ください。




サブリミナル効果って否定されてた気がする

 

 

 

 

 

「ハロウィンイベント?」

「ええ。みんなハロウィンは知ってるでしょ?」

「ここに飾ってあるかぼちゃとかの?」

「そう。実は今年アキバをハロウィンストリートにするイベントがあるらしくてね」

「地元のスクールアイドルたる僕らμ'sにお声がかかったのだよ。あ、当然A-RISEもだけど」

「そりゃA-RISEを差し置いてイベント出るなんてそうそうねぇだろ」

「この前やったじゃん」

「身内の依頼みたいなもんだっただろうが」

「確かに?」

 

 

そう、10月といえばハロウィンだ。お菓子を用意すればにこちゃんが喜んでくれて、用意しなければにこちゃんがいたずらしてくれるワンダフルフェスティバルだ。今年はどっちにしよう。にこちゃんどうせ恥ずかしがっていたずらしてくれないからお菓子用意しとこう。

 

 

「ほぇー…予選を突破してからというもの、なんだかすごいねぇ」

「一応予選の時点で狭き門だったわけだしね」

「でも、それって歌うってこと?」

「そうみたいやね」

 

 

そりゃスクールアイドルなんだから歌うでしょ。

 

 

「ありがたい話だけど…この前のファッションショーといい、そんな事やってていいの? 最終予選も近いのに」

「そうよ! 私達の目標はラブライブ優勝でしょ!?」

「でもテレビ来るよテレビ」

「テレビ?!?!」

「耳が」

「態度変わりすぎ…」

 

 

ラブライブ優勝に向けて頑張りたいのはわかるけど、こういうところでの宣伝作業も大事だよ。営業みたいなもんだよ営業。それ僕の仕事じゃん。

 

 

あと耳元で叫ぶのやめてにこちゃん。鼓膜とさよならバイバイしちゃう。

 

 

「A-RISEと一緒ってことはみんな注目するよね。緊張しちゃうなー」

「でも、それだけ名前を覚えてもらうチャンスだよ!」

「そうだな、メディアに顔を出せるのはかなりデカい。逃す手はないな」

 

 

アキバでやるイベントだし、大きな放送局も来るらしい。そうなると本格的に顔を売るチャンスだね。

 

 

でも問題も当然あるわけで。

 

 

「でも、A-RISEと並ぶと考えるとメインはやっぱりA-RISEだからね。僕らも負けてられないよ」

「そうよ!!A-RISEよりもインパクトの強いパフォーマンスで、お客さんの脳裏に私達の存在を焼き付けるのよ!!」

「うわびっくりした」

 

 

ぶっちゃけ僕らは脇役みたいなものだ。メインのA-RISEに印象で負けないように頑張らないとね。インパクトが必要かどうかは置いといて。

 

 

あとにこちゃんテンション上がりすぎだよ。

 

 

まあそれはそれとして。

 

 

「真姫ちゃん、これからはインパクトだよ!!」

「とりあえず穂乃果ちゃんは生徒会の仕事しなくていいの」

「…あっ」

「…ごきげんよう」

「探したんだよー…?」

「おっと修羅の予感」

 

 

穂乃果ちゃんが自然とこの場にいたけど、海未ちゃんとことりちゃんは生徒会のお仕事で不在だ。というか不在だった。今来た。無論、穂乃果ちゃんを連れ戻しに。海未ちゃんの黒いオーラが恐ろしい。これはラスボスですわ。

 

 

「へえ…これからはインパクト、なんですね…?」

「なかなかのインパクト降臨だね」

「あ、あはは…こんなインパクトいらない…!!」

「贅沢言っちゃいけない」

 

 

ほら穂乃果ちゃん、お待ちかねのインパクトだよ。喜びなよ。まあ自業自得なので僕からのフォローは何もないし何もできない。むしろ積極的に煽っていくまである。やーいやーい。関係ないけど海未ちゃん元気になったね。この前の問題はちゃんと解決したってことでいいのかな。

 

 

そんな感じであえなく連行されていった穂乃果ちゃんを見送って、残ったメンバーは会議を再開する。

 

 

っていうか穂乃果ちゃん達帰ってきても結局この1・3年生メンバーで集まるんだね。生徒会忙しいみたいだもんね。予算申請とかしたしね。僕は最速で出したけど、他の部がそこまで早く予算決まるとは思えないし、折り合いつけるのも大変だろうし。穂乃果ちゃんにできる仕事な気がしないんだけど。

 

 

「あっそうだ、言うの忘れてたけど僕明日から1週間くらいいないからね」

「「「「「ええっ?!」」」」」

「急すぎるわ」

「私は知ってたけどね!!」

「じゃあ言えよ…」

「…わ、忘れてたのよ!!」

「何で自信満々なんだお前」

「でも何で急に…」

「まっきーに検査入院しろって言われて。だいぶ長いこと術後経過を見ないで放置してたからこの際一気に検査してしまえって言ってた」

「だからって1週間も?」

「まっきーのことだから湯川君と組んでなんかやらかす気満々なんだと思うよ」

「ご、ごめんなさい…」

「花陽ちゃんは悪くないから謝らなくても」

 

 

言うの忘れてたけど僕はしばらく検査入院だ。まっきーが謎のテンションで強引に決めてきたから絶対変なこと考えてる。すごく行きたくない。湯川君の良心に任せるしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日のことだ。

 

 

「うーん、インパクトかぁ」

「でも今回は大会じゃないよね? 優劣つけるものじゃないし、そんなの気にしても…」

「そうだよねえ」

「何言ってるの!勝負はもう始まっているのよ!!」

「にこちゃんの言う通り…!確かに採点も順位もないけど、お客さんの印象に残った方が多く取り上げられるだろうし、みんなの記憶にも残る!」

「つまり、最終予選も有利に働くってことね!!」

「その通りよ!」

 

 

前日の会議の続きをしているのだが…いや、会話自体はまともだ。ああ、何も問題はない。

 

 

 

 

 

 

…ないんだが、なぜお前らは人形越しに会議してんだ。

 

 

 

 

 

 

「それに、A-RISEは前回の優勝者。印象度では向こうの方が圧倒的に上よ。…こんな大事な話をしなきゃいけない時に!一体何やってるのよ!!」

「…お前らの頭の中には綿菓子が詰まってんじゃないだろうな?」

「ちょっとハロウィン気分を…」

「トリックオアトリート!!」

「サルミアッキでいいか?」

「アルミホイル?」

「サルミアッキ。茜にもらったクソ不味い飴だ」

「クソ不味いの?!」

「えっ美味しいわよ?」

「正気か?」

 

 

頭の中綿菓子軍団に不味い飴を押し付けてやろうと思ったが、まさかの美味しい宣言が絵里から出た。…そういえば「北欧の人たちは引くほど好きなんだよね」って言ってたな。ロシア人も好きなのか?アレが?

 

 

「はあ…。たとえ同じことをしても向こうは前回の優勝者だから有利。取材する側だってまずはA-RISEの方に行くわ」

「道理だな。前回優勝したという実力の裏打ちがあれば、そこに注目するのは当然だ」

「じゃあ私たちの方が不利ってこと?」

「そうなるわね。だからこそ、印象的なパフォーマンスで最終予選の前にその差を縮めておきたい」

「つまり前哨戦ってことね」

「…つーかお前らいつまで人形劇やってんだ」

「………可愛い」

「おい」

 

 

スポーツ界やアイドル総選挙なんかではよくあることだが、基本的には前回優勝者は意気込みなんかをよく聞かれる。一度頂点に座した身だ、今度はその防衛戦と言っても過言じゃない。それだけのアピールポイントが既にある。

 

 

…それはいいとして、いい加減まじめに話しろお前ら。絵里が巻き込まれそうになってんだろ。

 

 

「でも、A-RISEより印象に残るってどうしたらいいんだろう?」

「だから何回も言ってるでしょ!とにかく大切なのはインパクトよ!!」

「どんだけインパクト好きなんだよ」

「インパクトなのよ!!!」

「うるせえ」

 

 

何回も言うんじゃねぇ。

 

 

「…そんなにインパクトインパクトっつーなら、そのインパクトを見せてもらおうじゃねぇか」

「臨むところよ!!」

「よし、じゃあ後は穂乃果と…凛でも突っ込んどくか。バカ3人で」

「「ちょっと?!」」

「っていうか何の話?」

「茜からの頼まれごとだ」

 

 

ちょうどいいタイミングだったから、ノリに任せて承諾するようにしてやった。

 

 

何をって?

 

 

 

 

 

「言ってただろ。テレビのインタビューだ」

 

 

 

 

 

本番でどれだけインパクトを残せるか見せてみろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ!というわけでぇー…イェイ!!今日から始まりました!アキバハロウィンフェスタ!!テレビの前のみんなー!はっちゃけてるかーーーい?!?!」

「何だあのテンション」

「さあ…?」

 

 

つーわけで件のインタビューに来たわけだが、テレビのレポーターの人が尋常じゃないテンションで困る。穂乃果よりテンション高いじゃねぇか。天童さんさえ超えるかもしれない。

 

 

「ご覧の通りイベントは大盛り上がり!仮装を楽しんでる人もたーっくさん!!みんなもまだ間に合うよ!!」

「一番盛り上がってんのはこの人だと思うんだがな」

「そしてなんとなんと!!イベントの最終日にはスクールアイドルがライブをしてくれるんだー!!やっほー!!はっちゃけてるー?!」

「あ、はあ…」

「ライブにかけての意気込みをどーぞ!!」

「せ、精一杯頑張ります…」

「めっちゃ気圧されてんじゃねぇか」

 

 

あまりのテンションに穂乃果も押されている。気持ちはわかるがそんなんで大丈夫かおい。インパクトはどうした。

 

 

いや…インパクト云々を言っていたのはにこも同じだ。凛はともかく、何かしらやるのだろう。むしろやれ。

 

 

「よーし!そこの君にも聞いちゃうぞー!」

「頑張るにゃん♡」

「わー!かーわーいーいー!!」

「ゔっ」

「ちょっと、創一郎がダメージ受けてどうするのよ!!」

「一介の男子学生には刺激が強すぎる…」

「凛が可愛いだけじゃないの」

「ピュアすぎやん」

 

 

まさかの凛の猫モーションを直視した俺は心臓が止まった。これはまずい。トラウマを振り切って真に可愛い女の子となった凛はもう怯むことはない、つまり無際限に可愛さを振りまいてくる。自覚を持って。恐ろしい妖刀を解き放ってしまった気がする。

 

 

あと希にピュア云々を言われたくねぇ。

 

 

(凛でいい印象は十分与えただろうが…にこはちゃんとインパクトのあることをやるんだろうな?)

 

 

ともかく、今回のインタビューはインパクトのある演出で目立つことが目標だ。にこがどれだけ強く印象を残せるか、その自信のほどを見せてもらおうか。

 

 

 

 

 

 

「あっ私も!にっこにっ

「さあ!というわけで音ノ木坂学院スクールアイドルでしたー!!」

 

 

 

 

 

 

…ガン無視されてんじゃねぇか。

 

 

インパクトどころの話じゃねぇ。

 

 

映ってすらないんじゃねぇのかあいつ。

 

 

いや逆に音声だけ微妙に聞こえたらそれはそれで気になるか?サブリミナル効果とか言うだろ。あれみたいな。

 

 

 

 

 

しかし、ここから先が問題だった。

 

 

 

 

 

「そしてそしてー…なーんと!!A-RISEもライブに参戦だぁー!!!」

 

 

レポーターが画面を指したその時。画面に現れたのは、前回覇者…A-RISEの3人。3人ともハロウィンらしい衣装を着ている。会場も大盛り上がりだ。

 

 

ぼさっと突っ立ってる穂乃果たちには悪いが、まあそうなるだろうとは思っていた。やはりA-RISEは覇気が違う。

 

 

悔しいがな。

 

 

『私達は常日頃、新しいものを取り入れて進化していきたいと考えています。このハロウィンイベントでも、自分達のイメージを良い意味で壊したいですね』

 

 

画面の中でそういう綺羅ツバサさんには焦りの表情はない。進化することは当然のことであり、敢えてそれを口にすることで宣誓としているかのようだ。

 

 

これは流石に、彼女たちの方が志が上か。

 

 

『ハッピーハロウィーン!!』

 

 

A-RISEの方々の投げキッスと同時に、会場では大量の紙吹雪が吹き荒れた。レポーターそんもインパクトが云々叫んでいるし、なるほどこれがインパクトというやつか、と納得できる。勝負の相手でありながら、正しい方向性を見せられた気分だ。実際そうなんだが。

 

 

…みんな意気消沈してなければいいんだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「インパクト…インパクト…」

「…いきなり路線変更を考えるのは無理がある気が…」

「今の私たちにはインパクトがないッ!!」

「お前インパクト大好きかよ」

「何よ!あんなの見せつけられてインパクトを気にするなっていう方が無理よ!!」

「まあ…」

 

 

結局、A-RISEのインパクトに一同やられたらしく、インパクトに苛まれていた。つってもインパクトなんてどうしたらいいんだ。ゲシュタルト崩壊しそうだ。

 

 

「でも、インパクトって今までに無いものというか…新しさってことだよね?」

「新しさかぁ…」

「創ちゃんも踊る?」

「馬鹿か」

 

 

新しいどころの話じゃねぇだろそれは。

 

 

「それなら…まずはこの空気を変えることから始めるべきなのかもしれません」

「空気?」

「最近思っていたのですが…結成して時間がたった事で安心感が芽生え、少しだらけた空気が生じている気がするのです」

「最終予選も近いしみんなピリっとしてると思うけど…」

「そこの誰かさんはこの前生徒会の仕事もせずにどこにいましたっけ?」

「はぅっ」

「…だいたい穂乃果じゃねぇか」

 

 

穂乃果がアホなのは前からだろうが。

 

 

まあそれはともかく、一度空気を引き締めるというのは一つの上策かもしれない。気合も入るしな。

 

 

だが、それはインパクトに関係あるか?

 

 

「つまりそういうことです!やるからには思い切って変える必要があります!」

「つっても何を変えるんだよ」

「そうですね…例えば…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたの想いをリターンエース!高坂穂乃果です!」

「誘惑リボンで狂わせるわ!西木野真姫!」

「剥かないで!まだまだ私は青い果実…!小泉花陽です!」

「スピリチュアル東洋の魔女!東條希!」

「恋愛未満の化学式!園田海未です!」

「私のシュートでハートのマークを付けちゃうぞっ!南ことり!」

「キューット、スプラーッシュ!星空凛!」

「必殺のピンクボンボン!絢瀬絵里よ!」

「そして不動のセンター!矢澤にこにこー!!」

「「「「「「「「「私たち部活系アイドル!μ'sです!!」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

…。

 

 

説明しよう。

 

 

まずここはグラウンドだ。

 

 

そしてμ'sのやつらの服装だが。

 

 

穂乃果がテニスウェアとラケット。真姫が新体操みたいなレオタードとリボン。花陽がなんかオレンジみたいな着ぐるみ。希がバレーボールのボールとユニフォーム。海未が白衣にフラスコ。ことりがラクロスのユニフォームとラケット。凛は競泳水着。絵里がチアガール。にこが剣道。

 

 

…前言撤回。

 

 

説明できん。

 

 

「…ツッコミが追いつかねぇよ」

「そうよ!私だけ顔見えないじゃない!!」

「そうじゃねぇ」

 

 

まあ確かに顔が見えないのも困りものだが、それ以前の問題だ。謎すぎる。

 

 

あえて全部ツッコむなら。

 

 

想いはリターンせずに受け止めろ穂乃果。誘惑リボンってなんだ真姫。花陽に至っては意味不明。スピリチュアル東洋の魔女も意味不明というかバレー関係ねぇ。恋愛未満の化学式も意味不明。シュートしてハートマークつけるのはドッヂボールでやれ。凛は言うこと思いつかなかっただろ。必殺って何を殺すつもりだ絵里。にこは全体的に論外。

 

 

茜早く帰ってこい。

 

 

俺には荷が重い。

 

 

「いつもと違って新鮮やね」

「スクールアイドルってことを考えると、色んな部活の服を着るというコンセプトは悪くないわね」

「だよねだよね!」

「マジで言ってんのかお前ら」

 

 

なんで絵里までマジな顔で言ってんだよ。本格的に迷走してんのか。

 

 

「これは流石にふざけてるみてぇだぞ」

「そんなことないよ!ほら、もう一度みんなで!」

「あの、その前にですが…私のこの格好は一体何の部活なのでしょうか?」

「自分で把握してねぇのかよ」

「化学部だよ!」

「では…花陽のこれは?」

「うーん…多分演劇部?」

「多分かよ」

 

 

何で自力で用意しておいて把握してねぇんだよ。つーかどこから調達してきたんだ。他にも部活色々あるだろ。花陽とにこは論外だし、凛と真姫は体のライン出まくりでヤバいし、希と絵里は単純に服装に対してスタイルが良すぎてヤバい。精神衛生上よろしくない。やめろ。

 

 

「っていうかそもそもこれでステージに上がるなんて有り得ないでしょ!」

「…確かに」

「おいテメェ何今まで気づかなかったみたいな顔してやがる」

 

 

これは本格的に絵里も役に立たなさそうだな。勘弁してくれ。

 

 

…仕方ねぇ、俺も何かしら考えるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、次の策だが。

 

 

「おはようございまーす!…はっ!ご機嫌よう」

 

 

屋上で待機していると、海未の服を来た穂乃果が入ってきた。言動も海未に似せている…つもりらしい。ややこしいなおい。

 

 

「海未、ハラショー」

「絵里、早いのですね」

 

 

で、俺の隣で絵里に扮しているのはことりだ。ご丁寧に絵里の象徴たるポニーテールにまでしている。そこまでするか。

 

 

「「そして凛も!!」」

 

 

何か気合の入った声で呼びかけた先にいるのは、凛…の服装の海未だ。何が問題って、凛はつい最近スカートを履き始めたことだ。結構短い。それが海未的に無理らしい。

 

 

できればその調子でこの謎企画を打ち切りにしてくれ。ややこしくて仕方ない。

 

 

「うう、無理です…!!」

「ダメですよ海未!ちゃんと凛になりきってください!あなたが言い出したのでしょう、空気を変えてみた方がいいと!さあ、凛!!」

 

 

海未(穂乃果)が海未(本人)を説得している姿を見ると、もう何がなんだかわからなくなる。おい、誰か説明してくれ。俺には無理だ。こんなに茜がいなくて困ったのは初めてだ。あいつなら全部ツッコんで終わらせてくれただろうに。マジで早く帰ってこい。今来い。

 

 

そして。

 

 

「…にゃーっ!!さあ今日も練習、いっくにゃー!!」

 

 

思わず額に手を当てて天を仰いだ。ちょっと俺の処理能力を超えている。空だけは透き通るほど快晴だ。もう青空に現実逃避するしかねぇ。

 

 

「ナニソレ、イミワカンナイ」

「真姫、そんな話し方はいけません!」

「面倒な人」

「ちょっと凛!それ私の真似でしょ!やめて!」

「オコトワリシマス」

 

 

凛は真姫の服を着ているんだが、もの凄い煽ってる感がある。まあ確かにそういうこと言うけどよ。何で喋り方が過剰に棒読みなんだよ。そこそこ似てるから困る。やめて差し上げろ。

 

 

ちなみに真姫は希の服を着ている。

 

 

こいつもバッチリやらされるんだろうな。

 

 

「おはようございます。希?」

「う…うぇえ…」

「あーっ喋らないのはズルいにゃー」

 

 

やっぱりな。

 

 

つーか混乱してきたな、海未っぽいのが穂乃果で、凛っぽいのが海未…ん?海未っぽいのが凛?んん??

 

 

「そうよ。みんなで決めたでしょ?」

「べ、別にっ!そんなこと…言った覚え…ない、やん…」

「おお!希すごいです!」

 

 

真姫、陥落。

 

 

真姫が希、と。えーっと絵里がことりで…あとは?

 

 

青空に視線を逃避させながら配役の割り当てを整理していると、また誰かが屋上にやってきた。

 

 

「にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤にこにこ!青空もー、にこっ!」

「ハラショー。にこは思ったよりにこっぽいわね」

 

 

あー、声があれだ。花陽だ。なんでそのセリフ完コピしてんだ。見たら混乱するから見ないが、恐らくモーションも完璧なんだろうな。で、ことりが絵里な。

 

 

「にこっ!」

「にこちゃーん、にこはそんな感じじゃないよー…」

 

 

謎のダメ出しを出したのは…ああ、本人か。にこがことりの真似をしているのか。声真似のクオリティが高いなお前。声優かよ。

 

 

しかし、にこの背丈だとことりの服はデカいんじゃねぇか?ちょっと気になるが見ると頭が破裂するから俺は青空を見る。快晴だ。

 

 

「やーっ今日もパンがうまい!」

「穂乃果、また遅刻よ」

「ごめーん!」

「…私って、こんな…?」

「ええ」

 

 

今度は希か。穂乃果の真似をして現れたのは希だな。ノリノリじゃねぇか。あと穂乃果、残念ながらお前はあんな感じだ。パンばっか食いやがって。太るぞ。

 

 

「大変です!!」

「どうしたのです、花陽」

 

 

最後に来たのは…絵里だな。絵里が花陽の真似をしてるのか。絵里が高い声で話すのはなかなか新鮮だ。ああ、ただ単に絵里が高い声で喋ってるだけだと思おう。

 

 

つーか「どうしたのです」じゃねーよ海未…っぽい穂乃果。

 

 

「み、みんなが…みんながぁ!!」

 

 

なんだよ。

 

 

「…変よ」

 

 

やっと言ってくれたか。

 

 

遅ぇよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いっそのこと一度アイドルらしいってイメージから離れてみるのはどうかしら?」

「アイドルらしくなくってこと?」

「例えばカッコいいとか?」

「それいいにゃ!」

 

 

結局部室に戻って考え直しだ。やっとまともに頭が回るようになってきた。さっきのはダメだ、誰が誰なんだかわからなくなる。

 

 

「で、かっこいいって具体的にどうすんだ。ロックとかか?」

「もっと荒々しい感じとか?」

「何を目指してんだよ」

 

 

本当にアイドルらしさのカケラもねぇな。

 

 

「荒々しいといえば創ちゃんにゃ」

「確かに!」

「確かにじゃねぇよ。俺を参考にしてどうしようっつーんだ」

 

 

俺の真似しようっつっても、服装で言ったら執事服かタンクトップしかねぇぞ。タンクトップは絶対ダメだろ。

 

 

「創ちゃんはかっこいいってどんな感じだと思う?」

「あー?かっこいい…かっこいいか…」

 

 

俺に振ってくるのか。

 

 

しかしかっこいいっつってもあんまりイメージ湧かねぇな。桜さんに色々曲の知識は教えてもらってるから、それを思い出しながら考えるか。

 

 

かっこいい…戦隊モノ?いやあれは顔見えないからダメだな。アニソンも似たような意味でダメだろう。

 

 

となると…。

 

 

「そうだな…こういうのはどうだ?」

 

 

見た目のインパクト重視なら、かなりの適役を思いついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっほー、茜だよ。

 

 

やっとゆっきーと湯川君から解放されたよ。なんだかよくわからない磁気スキャンとかされるのはまあいいとして、あれやこれやと体力テストをさせられたから僕はもう瀕死だ。筋肉痛がやばい。

 

 

彼ら勘違いしてるかもしれないんだけどね、僕は元から運動神経ゼロなんだよ。肺が悪かったから体力落ちたとかじゃないんだよ。小学校一年生の時から50メートル走は14秒とかだったんだよ。

 

 

一番怖かったのは毎測定ごとに「ふむ…恐らくここの神経伝達が…」「ここの神経伝達を解消するなら…」みたいな会議が微妙に聞こえてきたことだね。何だい君たち、僕をサイボーグにでもする気なの。怖いよ。

 

 

まあ、久しぶりににこちゃんに会えるんだし文句は言わないでおこう。もう下校してる生徒もいるけど、この時間ならμ'sのみんなも練習を始める頃だろうし。サプライズゲスト到着って感じでびっくりさせよう。

 

 

でも僕疲れてるからみんながだらけてたら怒るかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

とか思ってたけど。

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「新たなμ'sを見ていくがいいー!!!」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

なんかデスメタル化したμ'sがいた。

 

 

あれだよね。

 

 

たまには僕キレてもいいよね。

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回、激おこ茜くん。デュエルスタンバイ!!
まあ疲れてる時に突然遭遇したら多分波浜君でもキレます笑。なぜデスメタにしたのか。今回は滞嶺君のせいにしました。みんなの入れ替わりで混乱した滞嶺君ならやりかねないんじゃないでしょうか。やりかねないと思います。
ちなみに、サルミアッキって日本語で「塩化アンモニウム」だそうです。塩化アンモニウム。明らかに食べ物の名前してない。一応甘草なんかに含まれますが、ええ、甘草って漢方ですから。不味いです。北欧の方々はお酒に入れて飲むのが好きすぎてアル中が大量に出たのでお酒にサルミアッキ入れるの禁止されたくらいらしいですが。塩化アンモニウムなのに。


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