笑顔の魔法を叶えたい 作:近眼
ご覧いただきありがとうございます。
海未ちゃん誕生日おめでとう!さあ皆さんご一緒に…ラブアローシュートォォォォォ!!!
今回は海未ちゃん誕生日記念話ということで松下さんが主役のお話です。アニメ終了時点から2年後くらいを想定しています。つまり海未ちゃん大学生!女子大生海未ちゃん!!
というわけで、どうぞご覧ください。
もうすぐ海未さんの誕生日です。
読心ができる僕にとっては、彼女が何を欲しがっているかを知るのは造作もないことなのですが…。
「それはなんだか反則な気がするんですよね…」
「そう言われましても」
そんなわけで、波浜君に話を聞いてもらっています。知り合いにあまり恋愛に関して強そうな方がいらっしゃらないので、彼が最も適任でしょう。天童君は信用できませんし。
「反則といっても、やめられないんですよね読心」
「はい。どうしても読んでしまうので」
「じゃあ無理じゃないですか」
「無理じゃないですよ。会わなければいいんです」
「あなた本当に海未ちゃんの彼氏なんですか」
波浜君は心底呆れてこちらを見ていました。まあ、彼の思う通り、海未さんは寂しくなったらLINEをぽんぽん送ってくるでしょう。そして僕はそれだけでも読心できてしまうので効果は薄いでしょう。
というか、彼女と会うのを避ける彼氏とは恋人の風上にもおけないとは…ええ、はい。波浜君の思う通りです。確かに。
「ええ、まあ…その通りですね…」
「…わかってはいましたけど、あなたとの会話はテンポ早すぎて調子狂いますね」
「あはは…心読めるものですから…」
「程度によらず嘘も誤魔化しも効かないのは精神的に辛いですよね」
「まあおっしゃる通りあなたは嘘ついたりしないのでこうやって相談してるんですよ」
「僕が嘘つかないってのはまだ言ってないです」
「うぐっ…す、すみません」
会話していると実際に聞こえた言葉と心の声がたまに混ざるのが困りものです。特に油断してると。波浜君相手は慣れ過ぎたようですね…。
「何にしても、海未ちゃんが欲しいものを知らないわけにはいかないんです。海未ちゃん自身もそれを承知で待ってると思いますし」
「そ、そうか…海未さんも読心のこと知ってますからね…」
「でしょ。だから多分、問題はそこじゃないと思いますよ」
「具体性…ですか?」
「だから僕まだそこ言ってない…」
「す、すみません…」
具体性。
海未さんの欲しいものがわかったとして、詳しいデザインやメーカーなどまで思い描いているとは限らないんです。
だから、僕が悩むポイントはちゃんとある。
…と、波浜君は言いたかったようです。
いう前に読んでしまいましたが。
「…とにかくですね。心が読めるからって全能なわけじゃないんです。ちょっと有利になる程度なんですから、チート使ってるみたいに思わなくていいですよ」
「読心を『ちょっと有利になる程度』と言う人は君くらいしかいませんね…」
「そうでしょうか?桜とか天童さんみたいな奇人変人はみんなそう言いそうですけど」
「皆さんが超常すぎるんですよ…」
類は友を呼ぶということなのか、僕の周りには超常の天才がたくさんいるので、読心程度では大したことないのかも…いややっぱりおかしいですね。
「まあ、とりあえず一回話をしたらいいんじゃないですか。きっと一筋縄ではいきませんし」
「うーん…そうですね、そうすることにします。ありがとうございます」
「いえいえ。頑張ってくださいな」
ともかく、まずは海未さんの意見を聞かなければならないでしょう。僕の場合のスタートはそこからです。
波浜君に相談をした数日後のことです。僕は海未さんと一緒にデパートに来ていました。デートでもありますが、どんなものに反応するかを見にきたというのもあります。会話しないと読心はできませんが、視線を見るだけでも興味を惹かれるものは絞れますから。
「こういう、色々なお店が連なるところに来るとやはり様々なものが売っていますね。この階はお洋服ですか」
「もっと奥に行けば洋服以外も売っていますよ。さあ、行きましょう!」
「は、はい…元気ですね…」
…そんな名目でデートに繰り出したわけですが、当の海未さんは非常にテンションが高いです。そういえば以前からショッピングデートをしてみたいとは思っていたようですし、軽い興奮状態のようです。特に最近は南さんと雪村君の話を聞いて羨ましくなっていたらしく、頭の中を色んな妄想が駆け巡っているようです。
心の声を聞いているこっちが恥ずかしくなります。
勝手に聞こえてくるんですが。
「あっ!あの服ちょっと着てみたいんですがいいですか!!」
「は、はい…あの、構いませんが、一旦落ち着きましょうか?嬉しいのはわかりましたけど、ちょっと僕のテンションが追いつかないので…」
「…あっ。は、はい…ごめんなさい…」
流石にちょっとついていけないので落ち着いてもらいました。ちょっとシュンとしてしまいましたが、まあそこも可愛いところなのでよいです。
いくつかの衣類を手にとって試着室にそそくさと向かう海未さんを見ていると、彼女もまだまだ子供な部分があるんだな、と改めて感じます。…もう大学生とはいえ、大学の准教授と大学の生徒が交際しているというのは字面だけ見ると事案ですね。年齢差は2歳しかないのですが。
しばらくして試着室から出てきた海未さんは、薄手の生地のロングスカート姿でした。春物というやつでしょう。
読心するまでもなく、照れているのと褒めてもらいたいことがよくわかります。顔をわずかに紅潮させてもじもじしながらこちらをチラチラ見ているのでわからない人は相当重症でしょう。
「あ、あの…どうでしょうか…?」
「ええ、とても…よくお似合いです」
「あ、ありがとうございます…」
「…」
「…」
しかし、本当によくお似合いなのが困りどころです。他に何を言うべきかわからないのです。言語の分野のスペシャリストである僕がこうなんですから、これ以上を望むのは無理があるでしょう。
なんだか僕まで恥ずかしくなってきました。
そんな感じで2人してもじもじしていたら、第三者から声がかかりました。
「おやおやー?こんなところで嬉し恥ずかし青春ラブコメしてるカップルがいるぞ?フォトスポットかここは。いいぜ俺様のフォトテクを見せてやるよ…」
「天童さん、邪魔しちゃ悪いやん?こういうのは声をかけないで遠くからこーっそり写真撮るのがいいんや」
「盗撮じゃねぇか」
「ねぇねぇ創ちゃん、凛も服見てきていい?」
「好きにしろ」
「おっとこっちにもラブコメの気配」
「天童さん、こっちの写真はうちに任せて」
「頼んだぜ相棒」
「究極にタチが悪いカップルだなこいつら」
…ひどくカオスな人たちがいました。海未さんも唖然としています。天童君、絶対にからかいに来ましたね?
「おうおう明、そんなにバイオレンスな顔するなよ。お前が思ってるほど俺はクズじゃないぜ?」
「じゃあ何しに来たんですか?」
「ちょっとネタを探しに」
「帰ってください」
「待て待てそんなに邪険にすることはないだろ!」
やっぱりロクなことを考えていませんでした。
「まったく、純粋に買い物に来たのは本当なんだぞ?たまたま滞嶺と明がいるってわかったから会いに来たのに、みんなデートしてるんだもんネタ集めせずにはいられない!」
「下世話ですね…」
「待て、俺たちはデートじゃなくて買い出しですよ」
「「え?」」
「あ?」
さっきの会話を聞く限り、星空さんは滞嶺君を買出しを口実にデートに誘ったようなのですが、等の滞嶺君は全くその気はないようです。無いというか、デートに誘われるわけがないと思っている様子。意外と自己評価低いですね。
「まあ俺たちも顔見せに来ただけだ、すぐに退散するさ。邪魔しちゃ悪いとは本気で思ってるしな」
「それはわかりますが…」
「わかっちゃうんだったなーそういえば」
「ほら天童さん、海未ちゃんも状況が飲み込めてないみたいやし、早く行こ」
「オッケーオッケー、俺もあまり些事に時間使いたくないしな。じゃ、うまくやれよ」
「当然です。それでは」
「俺も凛を探しに行きます。また会いましょう」
天童さんたちは言うだけ言ってさっさと帰ってしまいました。本当にデートの時間を減らしたくないようなので引き止めたりはしません。こちらも別に用はないですし。
「相変わらず嵐のような人ですね…。えーっと、海未さんおまたせしまし…た…」
「…………」
「…なんか怒ってます?」
「…………」
振り向いた先にいた海未さんは、頰を膨らませて何やら不機嫌な様子でした。何故です。しかも海未さんは読心に対抗するために無言を貫いているので心も読めません。僕の読心は会話しないといけませんから、黙られてしまうと読めないんです。
「えーっと、あれですか、ほったらかしにされたからご機嫌斜めなんですか?」
「…………」
「心は読めなくてもわかりますよ。当たりでしょう?お詫びにその服買ってあげますから。さあ、行きましょう?」
「………………………か」
「はい?」
「私の魅力は天童さんや創一郎以下なんですかーッ!!!」
「あっそこですか?!いや魅力云々の前に話しかけられたら返事をしないと失礼というかですね?!」
「それにしてももう少し私のことを気にかけてくれてもいいじゃないですか!ほったらかし以前に!せっかく頑張ってお洒落な服を着てみたのに!天童さんや創一郎との会話の方に意識を持っていかれて私は悔しいんですよ!!!」
「いや大体同じでは?!」
これは困りました。微妙に読み違えたようです。いや読心を持ってしても違いがわからないレベルの差でしたが。嫉妬心のような、ただの負けず嫌いのような…ややこしい感情ですね。
「とにかく!今日はデートなんですからちゃんとリードしてください!」
「僕がリードするまでもなく海未さんがどんどん先行しているような…」
「何か言いましたか」
「いえ、なんでも…」
そんなことを言いながら試着室のカーテンをシャッと閉める海未さん。再び出てきた時には元の服装に戻っており、試着していた服を僕に渡しました。ええ、まあ自分で言ったことなので買ってあげますけど。
海未さんはしばらくプンプン怒っていましたが、結構すぐに機嫌を直してくれました。そもそも怒っているといってもちょっと困らせてやろうとしていただけのようなので、深刻な話でもありませんでしたし。いつのまにかデートが楽しくて、怒っていたのも忘れてしまったようですからね。
さて、無事デートも終えたところで、何が困るかというと。
「…結局何が欲しいかわからなかったんですよね」
『ですから僕に言われましても』
そう、何だかんだ僕も楽しんでいたせいで、何を欲しがっているのか探るのを忘れていました。まあ探ったところで色々なものに興味を示していたのでわからなかったかもしれませんが。
なのでまた波浜君に相談です。
『あんだけ反則かもって言ってらしたのになんというザマでしょうか』
「いえ、まあ…ほんとにその通りです…」
『まあ、松下さんも湯川君とかまっきーと違って一応人間だということがわかったのでそれはそれでいいんじゃないですか』
「人間だと思われてなかったんですね…いや知っていましたけど」
『人智超えちゃってる系男子ですからね』
それは君も同じじゃないですか。
『まあわかんないなら考えるしかないですよ。他の人たちもそうしてきたんですし』
「そうですよねぇ…奏に聞いてみますか」
『妹さん?まあ参考にはなるかもしれませんね』
「あまりアテにはしない方がいいんでしょうか…」
『たぶん。そこは妹さんもわかってることだと思いますけど」
とにかく、僕には奏という身近な年頃の女の子がいるんです。何かの参考になるでしょう。
波浜君との通話を終えて、早速奏に聞きに行きます。今日はこの時間にも家にいますし。
「奏、入ってもいいですか?」
「あっお兄さま!いいですよ!どうぞ!」
奏の部屋の扉をノックして、返事を待ってから入ります。相変わらずぬいぐるみが散乱した部屋のままですね。自分で作ってるそうですが、よくこんなに余るほどの量を作れますね。
「少し相談したいことがあるのですが…」
「お兄さまが…わたしに相談ですか?!ええ、ええ!何でもお聞きします!」
「何でそんなに嬉しそうなんですか…」
確かに僕が奏に相談したことなんてほとんどないですが、そんな食らいつくほど喜ばなくても。「お兄さまがわたしに相談してくれるなんて!!」って思っているのが見ただけでわかります。読心できなくてもわかりそうですね。
「それで、どんな相談ですか!わたしに何でもお任せください!!」
「何でも…?」
「あっ歴史はダメです!!」
「ふふ、わかってますよ」
奏は嬉しいことがあるとすぐ調子に乗ってしまうのが難点ですね。まあそこも可愛いところですが。
「相談というのはですね…。海未さんの誕生日プレゼントを考えているのですが、思いつかなくて…」
「海未さんの、ですか?」
「はい。何かアドバイスをいただければと思いまして」
「ふむむ…海未さんにプレゼント…」
奏は考え事をしている時にぶつぶつ独り言を言うタイプなので、読心が非常にやりやすいです。当然独り言は断片でしかありませんが、読心と合わせれば奏が考えていることを完全につなげることができるのです。
(ふむむ…ぬいぐるみとかでしょうか?いやそれはわたしが欲しいものですし…じゃあアクセサリー?指輪!!あっ指輪は結婚するときにお渡しするはずなのでまだ早いですね。いや誕生日とプロポーズを両立させるとか…あっ何それかっこいいですね!夜に高級ディナーを美しい夜景を見ながら2人で食べて、その後に指輪を見せてプロポーズです!きゃーっスーツ姿のお兄さまに求婚されたらイチコロじゃないですかー!!」
「…途中から声に出てますし、脱線してますよ。あと僕はまだ結婚しません」
「はっ!!」
そんな両頬に手を当ててくねくねしているとちょっと心配になってきます。あと恥ずかしいです。
「うぇへへ…と、とにかく!女の子へのプレゼントといえば、テンプレはアクセサリー!これは絶対です!あとお洋服とか、化粧品とか、お菓子です!!」
「結構いっぱいありますね?」
「あとぬいぐるみ!」
「それは奏が欲しいものでしょう?」
「お菓子はケーキが一番です!」
「それは奏が食べたいものでしょう?」
「そうです!!」
胸を張って答える奏。清々しいですね。いえ、僕は奏の好みを聞いているわけではないのですが。知ってますし。
「…お兄さま。わたしに聞いても、今みたいにわたしに分かることしか答えられないんです」
「それはそうでしょうが…」
「うふふ、わかりませんか?わたしは海未さんのことはわからないんです。一般的にはこうじゃないかなって答えしかわたしには返せません。それよりも、お兄さまが『これにしよう』って素直に感じたものをプレゼントするのが一番なのだと思いますよ!」
「はあ…」
「もう、納得してませんね?!」
「い、いえ…まあ…」
急に真剣に語り始めた奏ですが、結局具体的にはどういうことなのでしょうか。
「お兄さま、此度のお話に正解なんてないんです!お兄さまは心が読めるのでほとんどの会話や対応で正解を見つけることができますけど、普通はそんなことはありえませんからね?!相手が望んでるものをいつでも用意できるとは限らないんですから、自分が考え得る中で最善のものを選ぶしかないんです!!わかりましたかお兄さま!!」
「は、はい」
「…これが天才であるお兄さまへ、凡人であるわたしができるアドバイスです!わたしご飯作ってきます!!」
結構な早口でまくし立てた後、すごいスピードで部屋を出ていきました。怒っているわけではないはずなのですが、びっくりはしてしまいますね。
読心しても本当に何も思いつかなかったようですし、本当に自力で考えるしかないようですね。
というわけで早速自室に戻ってきたわけですが。
「…結局何がいいのでしょう?」
それがわかったら苦労しないわけですが。
色々と相談したり画策した結果、振り出しに戻ったようです。なんだか無駄な回り道をした気分です。
「海未さんへのプレゼント…海?いや海はあげられませんよ…バカですか僕は…」
今のは流石に自分でも頭悪いと思いました。
「詩集でもあげましょうか?しかしモノが被ったら申し訳ありませんね。これも却下です。…ううう、人のプレゼントを考えるのがこんなにも難しいなんて…。朴念仁の極致みたいな水橋君でさえ高坂さんにプレゼントあげていたのに…」
どう見ても両想いなのになかなかくっつかない水橋君よりも手が遅いというのはなんだか悔しいですね。何か妙案はないでしょうか。
「海未さん確か自然が好きでしたね…山とか。冬の海も好きと言っていましたし、写真集なんか意外とウケがいいかもしれませんね。まあ既に持っているかもしれませんが…ん?」
独り言全開で考えていると、電源入れっぱなしだったパソコンの画面が目に留まりました。モニターに映っているのは、波浜君から送られてきた、小説の表紙の試作品群です。頼んだ翌日に新作を30作品くらい送ってくるので逆に困ります。
「…」
…これは、もしかしたら。
「…そうです!これですよ!!」
むしろ何で思いつかなかったんでしょうか。
満足するようなプレゼントが無いなら。
「…というわけで、波浜君にも協力していただいて作った特注非売品の写真詩集がこの『海色少女に魅せられて』です」
「わざわざ作ってくださったんですかこの本?!」
「はい。僕も波浜君も、この手の創作はお手の物ですから。数日で印刷まで終えました。むしろ昨日は時間余ったのでひたすらラッピングを試行錯誤してたくらいです。あっ、題名はあなたの名前を元にして考えたんですよ」
「はわぁ…」
「…聞いてます?」
そして、誕生日当日。
海未さんを夕飯に誘って、その際にプレゼントもお渡ししました。写真詩集…写真と、それに連なる詩を載せた、僕が独自に考えたスタイルの本です。波浜君に海にまつわる写真を大量に送っていただき(パソコンがパンクしかけました)、その中から315枚を厳選して、そこに僕の詩を並べました。枚数は当然誕生日に合わせました。
題名が一番気に入っているのですが、海未さんは中を見て感動しているせいか聞いてないようです。なんだか波浜君の気持ちがわかった気がします。
「…あんなに悪い人だと思っていた人が、こんな素敵なプレゼントをくれるなんて…」
「まだその話するんですか…」
「ずっとしますよ。事あるごとに」
「勘弁してください…」
ちゃんと紆余曲折を経て和解したんですからいいじゃないですか。
「今でも自分の特殊さを鼻にかけて傲慢な態度をとりますけど…」
「あの、海未さん?僕そんなに言われるほどのことしましたっけ?」
「でも、何事にも手を抜かなくて、私へのプレゼントを考えるだけでもこんなに頑張ってくれるんですね」
「数日で作ったものなので頑張ったかどうかは怪しいですよ?」
「いえ、頑張ったはずです。慎重派のあなたが前日一日しか余裕がなかったんですから。いつもなら三日前にはラッピングも含めて全て終えてるはずですから」
「そ、そんなに僕余裕持って物事終わらせ…ますね…言われてみれば…」
たしかに大抵のことは三日以上前に準備完了してますね。よく見てますね…。
「私は嬉しいんです。このプレゼントも、あなたが自分以外の人のためにこんなに頑張ってくれたことも」
「喜ぶポイントが変な人ですね」
「そんなことありません」
わざわざ含みのある言い方をしてきていますが、ただの照れ隠しのようです。
思えば、僕と海未さんの関係も出会った頃と比べて随分変化したように思います。「人は変わらない」という自論は変わりませんが、表面的には少し変わったのかもしれません。以前の僕なら、他人に相談をしたりすることもなかったでしょうし。
もっと深く人と関わるようになってからは、今まで感じなかった喜びを知ることができましたし。
何より、今みたいに恋人が心から喜んでくれるのを見ることは、昔の僕では叶わなかったでしょう。
「本当に嬉しいです…素敵なプレゼントを、ありがとうございます!」
ああ。
僕はこの笑顔を見られるだけで、誰よりも幸せになれるような気がするんです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
松下さんの出番少ないので人となりが掴めないかもしれませんが、礼儀正しそうでそうでもないのが松下さんです。ついでに言えば、結構他の男性陣と比べて読心という才能を特別視してるタイプです。いや逆に他の男性陣が自分の才能を軽く見過ぎなのかもしれませんが。
文学者でもあり小説家でもあり詩人でもある、ということで自前の詩集をプレゼントしていただきました。非公開の詩集って価値高そうですよね!
ちなみに、2年後の時点で交際していないのは滞嶺君&凛ちゃんコンビと水橋君&穂乃果ちゃんコンビだけの予定です。このヘタレ!!笑