笑顔の魔法を叶えたい   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

前回またお気に入りしてくださった方がいらっしゃいました!ありがとうございます!
そして前回でついにUA10,000を突破しました!!まあ話数を重ねればいつかは到達するとはいえ、なんだか大台に乗った気分です!これからも頑張ります!!記念話とかも書ければいいんですけどね!あんまりなさそうですごめんなさい!!

今回はタイトル通りお餅つきです波浜君は餅つきして大丈夫なんでしょうか。


というわけで、どうぞご覧ください。




お餅つきは非力な人がやっていいもんじゃない

 

 

 

 

「お餅つきすると僕は死ぬんだよ」

「バカなこと言ってないで行くわよ」

「ひい」

 

 

というわけで、お餅つきするからって穂乃果ちゃんから呼び出された僕の逃走劇は失敗した。さすがにこちゃん。でもよくよく考えたらμ's全員集まるなら創一郎がなんとかしてくれるかもしれない。きっとそうだ。パワー担当は創一郎。僕は裏方担当。うん。

 

 

というわけでいっぱい厚着して外に出るさーむーいー。

 

 

「ほらそんなに厚着してないで」

「ああん」

「気持ち悪い声出さないで。昔着膨れしたまま転んで起き上がれなくなったの、忘れてないでしょうね」

「今は昔より筋力あるよ」

「無いわよ」

「断言されるとは」

 

 

あるよ。ちょっとは。握力13kgくらいにはなったよ。すごいでしょ。凄くないの?

 

 

上着の数枚はにこちゃんにあっさり脱がされたので、仕方なく震えながら穂乃果ちゃんのお家に向かう。さーむーいー。

 

 

寒いけど頑張って歩いて、穂乃果ちゃんのお家に着いた。穂乃果ちゃんは法被を着て色々用具を運んでいる。よく杵やら臼やらあったね。いや和菓子屋だから普通なのかも。普通かなあ?

 

 

というか、臼を運んでるのは創一郎だね。

 

 

鉢巻して上半身裸だけど。

 

 

冬に。

 

 

なんで上裸なのさ。裸祭りじゃないんだから。

 

 

「うわっ何してんのよ創一郎」

「ん?にこと茜か。見てわかるだろ、臼運んでる」

「そこじゃないよ。何で上裸なのか聞いてるんだよ」

「暑かったら脱ぐだろ」

「脱がないわよ」

「そもそも暑くないよ」

 

 

裸族か君は。

 

 

呆れていたら、穂乃果ちゃんの家の中から見覚えのある年中コート野郎が出てきた。おひついっぱいのもち米を抱えて。

 

 

「おい穂乃果、もち米はここでいいのか」

「うん!ありがとう桜さん!」

「うわぁごく自然に桜が高坂家に馴染んでる」

「馴染んでねー。つーかなんで茜がいるんだ」

「呼ばれたんだよ」

「μ's全員呼ばれてるのよ」

 

 

桜がなぜか高坂家の方々と一緒に準備してる。仲良しじゃん。外堀埋められてるじゃん。もう結婚しなよ。

 

 

「…しかし、炊いた米を叩くだけで餅になるんだから不思議だな」

「アミロペクチン同士の絡まりが原因だろう。多数の枝分かれを持つ高分子の接触機会を増やせば、互いに絡まることは容易に想像できる。何度も潰し、混ぜ合わせる過程で複雑に絡まりあい、高分子素材特有の柔軟性を示すのだろう」

「あー、簡単に言うとわたがしみたいなもんだよ。わたがしの糸一本はただの甘い糸だが、沢山集まって絡まるとふわふわになるだろ。あれだ」

「さすが天童、例えがわかりやすい」

「わかりやすいんですが、それ以前に知識量がすごいですよね天童君」

「餅つき用の補助外骨格を作ってきた」

「わぁみんないる」

 

 

喋った順に、ゆっきー、まっきー、天童さん、御影さん、松下さん、湯川君もいた。ほんとにみんないるわ。他にも音ノ木坂の子たちもいる。多くない?

 

 

「てゆーか湯川君も来たんだね」

「ああ、花陽が呼んでくれた」

「ん?反復する癖無くなったね」

「ああ、無くなった。完全ではないが治した」

「治るのあれ」

「いや…自力で治したなんて事例は聞いたことないぞ…?」

「自身の状態にまで天才的適応力を発揮するか…興味深いな…」

「チートだチート」

 

 

湯川君もいるのはびっくりだ。あと話し方がかなり自然になってる。天童さんとまっきーがびっくりしてるから相当だと思う。さすがチート筆頭。

 

 

「しかし何で餅つき…。できるのかよ穂乃果」

「お父さんに教わったもん!」

「こねる側が俺ってのも不可解なんだよ」

「いっくよー!!」

「聞けよ」

 

 

そんなハイパー男子軍団を放っておいて、穂乃果ちゃんは餅つき開始5秒前だ。てゆーか穂乃果ちゃんが杵持つのね。桜じゃないんだね。

 

 

で、始まった餅つきは普通に上手だった。穂乃果ちゃんパワーあるね。桜もなぜかうまい。まあ一応音楽の天才だからテンポが一定なら無敵ではある。たまに忘れそうになるけど桜は音楽の天才なんだよね。

 

 

「凛ちゃんやってみる?」

「やるにゃー!」

「おいこっち変われよ」

「俺が変わります」

「だから何で男がこねる側なんだっつーの」

 

 

創一郎と凛ちゃんだと余計にアンバランスだね。

 

 

「真姫ちゃんはやんないの?」

「いいわよ。それより何で餅つきなの?」

「在庫処分?」

「違うよ。なんか、学校のみんなや助けてくれた人たちに何のお礼もしてないなって」

「お礼?」

「うん。最終予選突破できたのってみんなのおかげでしょ?でもあのまま冬休みに入っちゃって、お正月になっちゃって」

「まあそれはいいんだけどなんでお餅つきなの」

「そうよ。お餅にする必要ないじゃない」

「だって他に浮かばなかったんだもん!」

「ほむまんでも配ってろよ」

「面白くないじゃん!」

「お前は何を求めてんだよ」

 

 

まあ要するにパッと思いついたことをやったわけね。さすが穂乃果ちゃん。行き当たりばったり。

 

 

っていうか知らぬ間にどんどん桜への敬語が消えてってるね。いいのかな。

 

 

「それに、みんなと会えばキャッチフレーズが思いつきそうだなって」

「思いつく?」

「「お餅つきだけに」!」

「…にこちゃん、茜くん、寒いにゃー」

「にこも茜もそれは無いわ」

「センスゼロだなお前ら…」

「悪かったわよ!ついよ、つい!」

「僕はにこちゃんとシンクロできたから満足でぶふぇ」

 

 

いや今の流れは「お餅つきだけに」でしょ。にこちゃんも言ってたし。僕は悪くない。悪かったとしても僕は満足。でもにこちゃんには殴られた。ひどい。

 

 

そして今度はお餅をつく側が凛ちゃん、こねる側が創一郎でお餅つき二回戦。桜も言ってたけど役割逆じゃないかな。いやでも確かに創一郎が杵を振り下ろしたら地球も割れそう。アラレちゃんかな?

 

 

「創ちゃんいくよ!」

「おう、こい」

「危なーい!!」

「うおっどうした亜里沙。危ないのはそっちだ」

「創一郎さんが怪我したら大変!」

「叩こうとしたわけじゃないにゃ」

「叩かれたとしても怪我しねぇよ」

「つーか、何で俺は心配されなかったんだ?」

「μ'sじゃないからじゃないの」

 

 

お餅つきを始めようと凛ちゃんが杵を振り上げたその時、絵里ちゃんの妹の亜里沙ちゃんが創一郎に飛び込んでいった。創一郎は相変わらずの謎反射神経で亜里沙ちゃんをキャッチした。どうやらお餅つきが攻撃に見えた模様。お餅つき見たこと無いんだね。っていうかいつのまに来てたの。

 

 

「安心しな。これは餅つきだ」

「??」

「餅つきっつーのはな…」

「創一郎って子供の相手は上手だよね」

「弟がたくさんいるからかな?」

 

 

まあ面倒を請け負ってくれるならありがたいことだね。頑張れ創一郎。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お餅……………スライム?」

「すごく嫌な例え方」

「食べてみて。ほっぺたおちるから」

「落ちないよ」

「茜は黙ってなさい」

「ああん」

 

 

お餅は初見の人にはスライムに見えるらしい。いや見えないでしょ。さすがにスライムよりは硬いよ。いやもしかしたらロシアのスライムはこんなもんなのかもしれない。そうかなぁ。

 

 

「…おいしい!」

「言っただろ。餅は美味しい食べ物だ」

「はい!とっても美味しいです!」

「お父さんと娘さんみたいだねこれ」

「お、お父さん?!」

「なんで凛ちゃんがリアクションするのさ」

 

 

創一郎が超優しい人になってる。やばい面白い。完全にお父さんだこれ。でもそこで凛ちゃんがうろたえるのはよくわかんない。そんなに創一郎がお父さんには見えないかな。

 

 

「お、本格的だねー」

「へいらっしゃい!」

「ラーメン屋かよ」

「いらっしゃいヒフミのお嬢さんズ」

「波浜先輩は餅つきしないんですか?」

「するわけないじゃん。僕は裏方作業スタッフだもの」

「ふーん」

「あれっにこちゃん何で僕の袖を引っ張ってるの」

「はいこれ持って」

「これ杵」

「うん、杵」

「せめてこねる側がいいんだけど」

「さっきから間違った役割をやる流れじゃないの」

「そんな流れを踏襲しなくていいんだよ」

 

 

音ノ木坂の生徒たちも集まってきたところで、なぜか僕に杵が託された。そんなバカな。でもにこちゃんに任されたら頑張るしかない。

 

 

「おい、茜が餅つきするのか?やめておけ、腰を悪くするぞ」

「いや、これはいい余興ってやつさ。くぅー疲れましたwこれにて完結です!」

「それ終わっちゃうやつだよ天童」

「間違ってはいないさ。あの姿勢を見ればわかるだろう?間違いなく振りかぶった瞬間に腰が抜ける」

「見てわかるのは藤牧さんくらいだと思いますけど…」

「何でもいいから早くしろよ。こっちはついた餅を必死に千切って分けてんだから」

「…なんで水橋桜は当然のように手伝っているんだ?」

「外骨格を貸そうか、茜」

「くそうみんなしてバカにしよって」

 

 

なんだか男連中が煽ってきたのでムカついてきた。

 

 

やってやるわい。

 

 

「ほらやるよにこちゃん」

「はいはい」

「ふんぬっ」

 

 

というわけで、気合いを入れて杵を振り上げ…るのに既に苦戦してる。重いよこれ。

 

 

仕方ないので気合いを入れて。

 

 

ふんぬっ。

 

 

ってやったら。

 

 

 

 

 

腰がパキッていった。

 

 

 

 

 

「あ゛う」

「おい今パキッつったぞ」

「だろうと思った。ほら見せてみろ。湯川氏、マイクロミケランジェロを」

「わかった。マイクロミケランジェロを」

「やっぱだめかぁ…」

「にこちゃんよ、まあわかってた展開ではあるが、もうちょい慌ててあげようぜ」

「どうせ藤牧さんとか湯川くんが治してくれるので」

「だいぶ茜を痛めつけるのに慣れてらっしゃる」

「慣れてない!」

「ペレストロイカ!!」

「だから何なんですかその殴られた時のリアクション」

 

 

これにて僕はノックアウト。無理でした。無理だよ。言ったじゃん、餅つきすると死ぬって。いやこんな死に方は想定してなかったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな来てくれてよかったですね」

「冬休み中なのに随分集まったわね」

「みんなそんなにお餅好きだったのかなー」

「好きだよー、美味しいもん」

「万人が好きなわけではねーだろ」

「君たち何を何事も無かったかのように締めようとしてんの。僕は腰が崩壊したというのに」

「治してもらえたんだから文句言うんじゃねえよ」

「腰に直接ブスリと腕がぶっこまれて怖くないわけないじゃん何あれほんとにホラーなんだけど」

 

 

お餅つきも無事に…いや僕は無事じゃなかったんだけど、さも無事であったかのように締めるμ's+桜。他の人たちは帰った。 まったく、僕は腰ブレイクを引き起こしたというのに。ぷんぷん。

 

 

しかもまっきーは細い針みたいなのが生えた手袋を湯川君から受け取ると、それをグサッと僕の腰に刺してきたのだ。痛くないから余計怖かった。2分ぐらいで腰が治って余計に怖くなった。謎技術すぎるって。

 

 

「きっと、みんな一緒だからだよ」

「え?」

「みんながいて、私たちがいて…だからだと思う」

「何かわかるような…」

「わからないような…」

「いずれにしても僕はスルーされるわけね」

 

 

まあ穂乃果ちゃんが何かを掴めたならそれでいいよ。腰も治ったし。怖いけど。

 

 

「それがキャッチフレーズ?」

「うーん、ここまで出てる…」

「本当なのですか?」

「本当だよ!もうちょっとなの!もうちょっとでそうだってなる気がするんだけど…」

「みんながいて、俺たちがいて…?」

「何か僕この前そんなこと言った気がする」

 

 

何か白鳥君と話してる時に似たようなこと言った気がする。忘れたけど。

 

 

「まあ、突発イベントは終わったんだし、動いてたら何か思いつくかもしれないから練習しよう」

「まあ元々その予定だったしな。穂乃果、いいキャッチフレーズが出てきたら言ってくれ。じゃあ神田明神までいくぞ」

「うーん…」

「いつまで唸ってんだ。早く行ってこい」

「うん…って、桜さんは来ないの?」

「行くわけねーだろ。お前らの練習だろ?決勝見る時の楽しみが無くなるだろ」

「そっかあ…」

「早く行くわよ穂乃果!練習の時間も限られてるんだから!」

「わっにこちゃん待ってよー!」

 

 

とりあえず、今は練習だね。お餅つきが終わったからってそのまま帰るわけにはいかない。決勝のために頑張らなきゃね。

 

 

何だかんだ桜がμ'sのライブを楽しみにしてるって初めて明言してたけど、言わないでおいてあげよう。桜も穂乃果ちゃんも気にしてないだろうし。

 

 

「で、何でみんな走ってんのかな」

「餅食って元気出たんじゃねぇか?」

「お餅しゅごい」

 

 

いつの間にかみんな走って遠くに行ってしまっていた。早いよ。元気すぎだよ。仕方ないから僕も創一郎に乗って追いかけよう。追いかけるどころか余裕で追い抜くけど。

 

 

というわけで即刻追い抜いて、神田明神の階段の上で先に待ってることにした。この上からμ'sのみんなを待ってるのも、随分見慣れた光景だ。

 

 

創一郎の肩から降りて、みんなが来るまでうろついていると、あるものが目に留まった。

 

 

 

 

 

 

それは、びっくりするほど大量の、絵馬。

 

 

 

 

 

 

「凄い数ね…」

「お正月明けですからね」

「あれっみんな早かったね」

「ふふ、私たちも伊達に走り続けていませんよ?」

「頼もしい限りだよ。それよりこれ、みんな音ノ木坂の生徒のだよ」

「ほんとだ…」

「あっ、こっちも」

 

 

もう追いついてきたみんなにびっくりしつつ、絵馬を見せてあげる。「μ'sファイト!」とか、「μ'sがラブライブで優勝できますように」とか。沢山のμ'sを応援する絵馬がある。

 

 

「…ん?銀次郎の…」

「『μ'sと兄さんが最高のパフォーマンスを発揮できますように』だって!銀次郎くんいい子にゃー」

「いつの間にこんなの書いてやがった?」

「サプライズでいいじゃん。僕これ好きだよ、『μ'sの皆様がラブライブ!で最高の成績を残せますように!』って。内容はともかく字がすっごい綺麗だ。誰だろうこの「奏」って人」

「隣に雪穂と亜里沙のもあるじゃねぇか。こんなにも応援してくれている人がいるのか」

 

 

もちろん知っている人のものもあった。大量の絵馬のほとんどが僕らを応援する声だ。なんだか嬉しい。

 

 

そんな、みんなの応援を見ていた時だった。

 

 

「そっか…」

 

 

穂乃果ちゃんが、やっと何かを悟った。

 

 

「分かった!これだよ!!」

「何よいきなり」

「μ'sの原動力!何で私たちが頑張れるか、頑張ってこられたか!μ'sってこれなんだよ!!」

「これが?」

「うん!一生懸命頑張って、それをみんなが応援してくれて、一緒に成長していける。それが全てなんだよ!みんなが同じ気持ちで頑張って、前に進んで、少しずつ夢を叶えていく…!それがスクールアイドル、それがμ'sなんだよ!!」

 

 

例えば。

 

 

最初に、花陽ちゃんが応援してくれなかったら、初ライブは頓挫していただろうし。

 

 

沢山の人が応援してくれて、音ノ木坂の入学者数が増えなかったら、μ'sの存続自体も怪しかったかもしれないし。

 

 

そもそもラブライブ決勝とか夢の中の話だっただろう。

 

 

 

 

 

 

僕らの軌跡は。

 

 

 

 

 

 

この絵馬が証明してくれた。

 

 

 

 

 

 

「…それが答え?」

「うん!」

「わかった。練習終わったら、みんなでキャッチフレーズ入力しようか」

 

 

どれもこれも、いつだって。

 

 

誰かの応援があったから、ここまで来れたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブライブ決勝、エントリーNo.11、μ's。

 

 

 

 

 

そのキャッチフレーズは。

 

 

 

 

「みんなで叶える物語」。

 

 

 

 

沢山の人の、夢と希望を乗せて。

 

 

 

 

僕らは、走り抜けよう。

 

 

 

 

最後まで!

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

男性陣をみんな連れてくると誰がしゃべってるのかわからなくなりますねこれ!大変です!なんとかしないと!
また、誰かさんの妹やら誰かさんの弟やらも名前は出てきました。今後も活躍するんでしょうか!!
あと水橋さんを出すとネタ感が増す気がします。

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