Linkage   作:enz

11 / 40
そとのセカイ

 双子島の封鎖領域が、立ち入り禁止になったため、ほのか達は、間接制御と、力の源について、考えようとしていた。しかし、教師陣は、島の外へ出かけることを推奨していた。

「先生達が、外へ出かけろって行ってるけど、皆、考えることは、いっしょだね」

 Linkageの五人は、訓練の為に体育館の使用許可を取ろうとしていたが、既に、満員の為、使用許可が下りなかった。

「どうするんだ?また、Laboの研究室を借りるか?」

 二日続けて、研究室に邪魔するのは、気が引けるのか、全員が消極的だった。

「外……でも行ってみるか?」

 司から、思いもよらぬ提案が出てくる。それに対し、四人は、思い思いの意見を上げる。

「私、私服、持ってない」

「フェリーの予約取れるか?」

「人、多そう」

「行きたいところ、ないかな?」

 皆、乗り気でなかった。

 詩歌は、一つ、引っかかることがあった。

「ねぇ、ほのか、今、私服を持ってないっていった?」

 島外では、雨島学園の制服は目立つので、制服で島外への外出は、禁止されていた。

 その為、私服を持っていない生徒も、多い。

「だって、雨島じゃ、制服で間に合うし、必要ないかなって」

「ほ・の・か、今日は、ほのかの私服を選びましょ」

 詩歌は、笑顔だが、目が笑っていなかった。

「いや……でも……買っても、着ないし」

 たじろぎながらも、反論しようとする。

「司、ほのかの、私服、見たい、よね」

 空が、外堀を埋めるように、たたみ掛ける。

「ほのかなら、何着ても似合いそうだよな」

 埋まっているのか、埋まっていないのか、判断に迷う回答だった。

 匠が、司の肩を叩き、忠告をした。

「いいか、流れにのって答えろ。絶対にこっちに振るなよ」

 この流れの時、匠は、確実に逃げる。

 司は、匠に背中を押され、一つの決断をした。

「ほのか、モノレールでの話し、覚えてるよな」

 先日の、モノレールでの会話を持ち出した。ある意味、自分の首を絞めることになるが、それでも突き進んだ。

「明日、雨島の外で、私服デートしようぜ」

 顔を赤くしながら、言い切る。司は、準備があると言い、詩歌達に弄られる前に逃げ出す。

 司に逃げられた為、ほのかから、話を詳しく聞きだすため、二人は、ほのかを拘束し、連れて行く。

「さ、私服を選びながら、きっちり話してもらいますからね」

 

 

 

 

 次の日、島外への外出許可をとった五人は、フェリー乗り場で、待ち合わせをしていた。しかし、待ち合わせ場所にいるのは、司だけだった。

 正確には、待ち合わせ場所にいるのは、司だけだが、詩歌と空と匠が、遠くから眺めている。そして、ほのかは、制服以外を見られるのが恥ずかしいのか、なかなか出て行けずにいる。

「遅い」

 フェリーの出向時間まで、余裕はある。だが、乗り込むにも、時間はかかる。それを想定して、時間を決めていた。

 詩歌達は、ほのかの位置を把握している為、もどかしい思いをしている。

 そんな時、空が、動いた。ほのかの後ろへと、素早く回り込み、押し出した。

「え、きゃ、空?」

 声を出したせいで、司に見つかる。

「ほのか、そんなところにいたのか」

「えっと、その、遅れてごめん」

 初めての私服姿で、気恥ずかしいのか、いつものより、元気がなかった。

 さらに、空は、素早く姿を消していた。

 司は、ほのかの、チェックのブラウスとミニスカートという組み合わせをみて、素直な感想を言おうとしていたが、その前に、ほのかが口を開いた。

「その、ね。詩歌が、雨島には、ろくなのが無いって嘆いててね」

「いや、でも十分かわいいよ」

 司からすれば、本心だった。

 気恥ずかしいのか、直ぐに話題を変えた。

「外じゃ基本的にPDA使えないし、機密多いから、申請して、全員分の携帯電話ってやつ借りたんだけど、皆遅いな」

「さっき、空がいたきがしたんだけど」

 三人は、声が聞こえる範囲にはいたので、直ぐに出てきた。

「司君、おはよう。皆もいるし、乗ろうか」

 詩歌の言うとおり、全員が揃ったので、フェリーに乗り込むことにした。

「空、さっき私のこと押した?」

「なんの、こと?」

 完全にしらばっくれられてしまう。

「はぁ、もっと時間があれば、通販でほのかに似合う、かわいいやつ揃えるのに……」

 フェリーは、ANTの役員が使うこともあるので、かなり豪華なつくりになっている。

 封鎖領域の件もあり、多くのチームが島外へ出ようとしている為、かなりの人数が乗っている。

「そういえば、着いたら、どうする?」

「ほのかは、司君とデートなんだから、二人で行動してね」

「俺達は、別行動するから、二人で楽しんでくれ」

「おみやげ、よろしく。たべる、ものね」

 三人は、前もって相談していた。そもそも、司が、私服でデートと言い出したのだから、当然だった。

「ハイハイ、わかってるよ。夜は、ANTの宿泊施設を手配してあるから、忘れないでね」

 雨島諸島からフェリーで東京にいくには、かなりの時間がかかるので、宿泊施設が用意してあった。

「ほのか、デートだけど、行きたい所あるか?」

「デートって何すればいいのかわかんないから、任せるね」

 二人とも、デートがどんなものかわかっていない。

「空に、お土産頼まれたし、何か買えるとこいくか」

 三人は、その光景を少し離れて見ていた。

「二人で遊びに行けば、何してもデートなのよ……」

 デートで、何をするという決まりはない。

「雨島じゃ、わからなくても、しょうが、ない」

「でも、空のお陰で、買い物に決まりそうだな」

 向こうの話が着いたようで、三人は、合流することを決めた。

「さて、着くのは、お昼過ぎだから、食堂にいきましょ」

 

 

 

 

 フェリーが東京に着き、それぞれ別行動をすることになった。

「買い物にいくなら、ショッピングセンターに行けって言われたけど……」

「ここで、何すればいいんだろうね」

 初デートということもあり、見て回ることにしたが、人が多く、何を買うという目的もなかった。

「本とかCDなら雨島でも、買えるよな」

「そうだよね。わざわざここでなくてもいいよね」

 二人は、実用的に使えるものを探すことにした。

「雑貨って、基本的に、どこでも買えるな」

「だね。だからって、変なもの買ってもしょうがないね」

 何処へ行っても、ここで買う必要が無い。そう結論づけてしまい、二人のデート内容は、ウィンドウショッピングになっていた。

 当ても無く回っていると、人が増えてきた為、なかなか歩けなくなってきた。

「ほのか、手貸せ。はぐれるなよ」

 そう言って、ほのかの手をとる。しっかりと握り、はぐれないようにする。

「あ……ありがと」

 そのまま、人ごみの中を抜け、地図の前で、立ち止まる。

「あっちこっち見て回ったけど、どっか入るか?」

「人がこんなに多いの初めてだから、ちょっと疲れたね」

 レストランのあるフロアへ行き、一つのファミレスの前で足を止める。

「和風ダイニングか、ここは、周りと比べて、列が短いな」

「ここにしよっか」

 和風のファミレスに入ろうとした時、二人は、異様な感覚にとらわれる。

 封鎖領域で、凛と出会った時のような、圧倒的な感覚。しかし、その時と比べ、強烈な敵意を感じた。二人は、何かいる、そう感じ取ったが、その原因がわからない。

「あっちにしようぜ。ちょっとくらい待ってもいいよな」

「そ……そうだね。」

 和風のファミレスから、ちょうど反対側にあるファミレスへ入ることにした。

 先ほど感じた感覚に戸惑いながらも、順番を待ち、中へ入る。

「さっきの、何だったんだろうな」

「凛さん見たいな、雰囲気だったけど、あの時よりも、異様って言うか、怖いっていうか、そんな感じだった」

 話しながら、メニューを選ぶが、一つ、新たな違和感を覚える。

「そう言えば、ハンバーグって、雨島じゃ見かけないよな」

「あー、確かに、食堂にも、商店街エリアでも、置いてるところないよね」

「まぁ、今は考えてもしょうがないな」

「それもそうだよね。私は、このパフェにしようかな」

 違和感を頭の隅に追いやり、今の時間を満喫する。

「お待たせ致しました。当店自慢の季節のパフェです。」

 運ばれてきたデザートを食べながら、司は、ドリンクバーへと行く。

 その時、いくつかの視線を感じた。

「そういえば、ANTの宿泊施設に泊まるとして、明日って朝早いのか?」

「ん?お昼ごろの出発の予定だよ。なつきにお土産頼まれてるけど、食べ物だから、宿泊施設でも買えるし。ゆっくりできるよ」

 ANTの宿泊施設には、お土産コーナーがあり、その土地ごとの名産品などを扱っていた。

 

 

 

 

 その頃、一人の喪失者(ロスト)が、車に乗って移動していた。

「八神君、機嫌悪いね。」

 30代になろうかという歳のスーツの男性と一緒に、車の後部座席に乗っている。

「バースト対応で戻ってきたと思ったら、直ぐにALUの手伝いだぞ。休みをよこせとは言わん。あやめとゆっくりさせろ」

「それは、僕には、どうしようもないよ。僕は、一介の公務員なんだから」

「雨島からの協力を取り付けたお陰で、対ロスト対策室の室長補佐になった人が、一介の公務員かよ」

「例え、トカゲの尻尾がわりの室長とは言え、上司がいるからね。それに、こうして、雨島の協力者の相手をしているんだから」

「別に、そっちの担当変えてもらってもいいんだぜ」

 一度担当を変えたことがある。しかし、その担当は、彼らの扱いを間違え、組織を危険にさらしたことがある。

 その為、担当は、室長補佐である、峰地(みねじ)総一(そういち)の仕事となっている。

「そうだ、流石に、あやめちゃんとゆっくりするのは無理だけど、僕が、甘いものをご馳走しよう。税金で」

 峰地は、隣にいる喪失者(ロスト)に対して緊張している運転手に向かって、近くのショッピングモールへ向かうよう伝える。

「そうそう、今回は、場所的に安いけど勘弁してね」

「まぁ、今回は、それで簡便してやるよ」

 

 

 

 

 ほのか達は、雑談をしていると、宿泊施設へ向かうには、いい時間になる。

「さて、結構長居したし、そろそろ空の食べ物買って行くか?」

「そうだね。忘れると、空怒りそうだし」

 そのまま、司が一人で会計をすませてしまう。

「自分で食べた分くらい、払うのに……」

「この後、空が満足するくらいの量の食べ物買うんだから、節約しとけ」

 雨島学園でトップを競うチームと言うこともあり、特殊鉱石(ロスタイト)の査定による貯金は、かなりの額になっている。その為、節約する必要もなかった。

 司の、男としてのプライドであった。

 

 

 

 

 空へのお土産を買い、ショッピングモールの出口へ向かう途中、二十歳前後の男達が大声をだしてくる。

「お前ら、待て」

 ほのか達は、自分達の知り合いが来ているわけが無いので、自分達ではないと判断し、歩き続ける。

「てめぇら、シカトしてんじゃねーぞ」

 そう言いながら近づいてくる。

「人間様が命令してんだから、言うこと聞け。この化物が!」

 とうとう、司の肩を掴み、振り向かせようとする。だが、一般人と、日ごろから、封鎖領域で喪失獣(ロストビースト)を相手にしている雨島の生徒とでは、力の差があり、力ずくで、振り向かせることが出来なかった。

 自分達に用があると判断し、司は、振り返る。しかし、自分からは、話しかけない。

「お……おう、最初っから言うこときいてりゃいいんだよ」

 睨まれ、若干怖気づいたが、取り巻きが追いついて来たことにより、威勢を取り戻す。

「雨島がどうとか、話してたろ!化物が、人間様と同じ様な格好してあるいてんじゃねーよ」

 外では、よくあること。現在、法律で喪失者(ロスト)に対して、化物扱いすることを禁止しているが、罰則も無い為、ほとんど、守られていない。

 ほのか達は、喪失者(ロスト)が、どう思われているかを、よく知っている為、相手にする気はなかった。

「ほのか、行こうか」

 男達は、司の、眼中に無いという態度を見て、逆上し、殴りかかる。

「てめぇ、いいかげんにしやがれ」

 だが、雨島学園の生徒は、喪失獣(ロストビースト)との戦闘が、日常茶飯事なので、数少ない授業に、武道も入っていた。

 その為、ただの二十歳前後の男達では、相手にならなかった。

 リーダー格の男は、あっと言う間にねじ伏せられる。

 近くにいた警備員を呼ぼうとしたが、ほのかが遮る。

「警備員に突き出しても、こっちが不利だよ。学園に連絡して、そっち経由の方が楽だと思う」

 島の外では、喪失者(ロスト)に対する偏見は、ひどいものだった。

 今の出来事を見ても、ほのか達の味方をしようと言う人は、まず現れないだろう

「君達、何をしている。そこの彼を放しなさい」

 明らかに、最初から見ていた警備員さえ、この様子である。

 仕方が無いので、司は、殴りかかってきた男を放す。すると、男は、司を殴ろうとする。

 司は、押さえつけても同じことと思い、横にずれて、いとも簡単にかわしてみせる。

 警備員が、すきをついて、司を捕まえる。

「化物が!人間様に恥かかせやがって!」

 三度襲い掛かろうとする。その様子を見て、ほのかが、手を出そうとするが、突然、少年が横から頭にとび蹴りを喰らう。

 そのまま吹き飛び、周囲からは悲鳴が上がる。

 突然乱入した少年は、警備員を睨むが、その程度で、動じる警備員ではなかった。

 ほのか達は、日ごろから見慣れているが、島の外では、通常、着用が禁止されているものを見た。

「雨島の……制服、なんで」

 少年は、ニヤリと笑い、睨むとは違った恐怖を、警備員に与える。

 警備員は、司を離し、後ずさりをする。

「なんだね、君は!」

 少年は、その漆黒の髪をかき上げ、とび蹴りを喰らわせた相手を見る。

「てめぇ。その制服、化物の仲間か」

 雨島の制服を知っているようだった。

喪失者(ロスト)を化物と呼び、忌み嫌うもの達に問う。あなた達は、喪失者(ロスト)を人間ではなく、化物とするのであれば、喪失者(ロスト)が人間の法に縛られる必要はない。ということを理解しているのか?」

 雨島宣言と呼ばれるものの、後半部分の中心となる内容だった。

「何が言いたいんだ、てめぇ」

 男達は、頭に血が上り、冷静な判断力を失っていた。

「お前達が、俺達を、化物扱いするってことはよ、俺がお前に何をしても、俺達のルールで裁く事であって、お前達のルールで裁く事じゃねーよな!」

 少年は、機嫌が悪かった。それも、最悪に悪かった。

「八神君、そこまでにしてもらってもいいかい?あの警備員は、こちらで対処するし、彼らには、きつい説教が待ってるだろうから」

 峰地が、少年を止める。しかし、この二人の関係は、対等な協力者という関係なので、強制力はない。

「もうちょっと痛い目に合わせたいけど、まぁ、そっちの二人に任せる。」

 そういい、PDAを操作し始める。

「はじめまして。僕は、峰地総一。対ロスト対策室室長補佐を勤めています。通称ALUって呼ばれてる組織さ」

 二人は、ALUという組織を知らなかった。その為、名前の通りの組織だと誤解する。

 二人が、警戒した様子を見て、峰地は、言葉を足した。

「今は、名前とは違った活動をしてるよ。彼らの協力の下ね」

「あの、じゃあ、任せて大丈夫ですか?」

 峰地は、その言葉を聞き、頷きながら、部下に指示をする。

「あった、あった。Linkageのリーダーとサブリーダーか、他のメンバーとは、別行動か?」

「ハイ、そうですけど……」

 ほのかは、そう言いながら、少年の胸にあるエンブレムに目を奪われていた。

 ゴールドエンブレム、少年は、ユニオンを構成するチームの一人だった。

「峰地さん、ここは、部下に任せきっていいんだろ。ANTの宿泊施設まで送ってくれよ」

 そう言い、皆で、ここから離れようとするが、因縁をつけてきたリーダー格の男が、さらに因縁をつけてくる。

「まてよ。お前、俺になにしやがんだ。もう許さねぇ。この化物が!ふざけやがって」

 少年が動こうとするが、峰地がそれを制する。

「これ以上は、こちらでも止めきれなくなるよ。喧嘩を売るなら、相手を見ることだね。僕が知る限り、もっとも喧嘩を売ってはいけない相手だよ。彼は」

 温厚だが、毅然とした物言いに、たじろぐ。しかし、それでも諦めきれないそぶりを見せる。

 その為、峰地は、トドメを刺した。

「バースト時の映像、見たことないのかい?恥ずかしい話だが、僕達警察は、避難誘導しか出来ていない。全ての喪失獣(ロストビースト)を殲滅しているのは、彼を含む一握りの喪失者(ロスト)だけだ。しかも、一人で対処している。彼だって少し映ってたろ」

 バーストの映像は、ニュースで流れている。また、ネット上には、バースト発生地域の住人が取った映像が流れており、たった一人の喪失者(ロスト)が、その地域に出現した喪失獣(ロストビースト)を、圧倒的な力で殲滅している映像が存在している。

「君達が、それを知っても、まだ、彼に喧嘩を売るというのであれば、僕は、避難するよ。巻き添えは、ごめんだからね」

 その瞬間、周りの空気が変わった。ネット上の映像を見たことがある人が多く、その力を知っていた。それが、化物と呼ばれる理由の一つとなっているが、その力を、今、この場で振るうとなると、自分達が、どうなるかわからない。そんな、保身の為の雰囲気になった。

「峰地さん、めんどうだから、さっさと行こうぜ」

 その言葉に、峰地も頷き、部下に、男達と警備員を拘束するよう伝え、ほのか達を案内する。

「そういえば、八神君、甘いものはいいのかい?」

「興が削がれた」

 伊達や酔狂で生きていると公言しているだけあり、この場に固執する必要は無かった。

「それに、これ以上は、別の意味でまずくなる」

 

 

 

 

 ほのか達は、峰地に案内され、車に乗り込む。ほのかは助手席だった。

「後部座席に、男三人は、いやだな」

 普通の乗用車なので、運転手と四人が乗ると、必然的にそうなった。

「八神君、僕らは、窓側なんだから、まだましでしょ」

「い……いえ、僕は、問題は……ないです」

 司は、緊張のしており、多くを語れずにいる。

「そういえば、自己紹介、してなかったな。俺は、ゴールドエンブレム・チームLostWingリーダー、八神(やがみ)刹那(せつな)だ」

「僕は、さっき自己紹介したね。君達二人のことは、さっき八神君に聞いたから、大丈夫だよ」

 刹那だけが、自己紹介をして終わった。

「あの……八神さんは、どうして、制服をきているんですか?」

 雨島の外では、基本的に、着用を禁止されている。その為、制服を着ている刹那が、不思議だった。

「俺は、今日は、雨島から、対ロスト対策室――Anti Lost Unit ――の手伝いに来てるからな。学園のおつかいだ。だから制服だ」

 ALUに喪失者(ロスト)がいるという、少し不思議な状況だが、今の活動内容では、何の問題もない。

「僕達、ALUについても、少し説明させてもらうと、昔は、名前の通りだったよ、今は、バースト対策とか、一応、喪失者(ロスト)が起こしたり、喪失者(ロスト)を利用した犯罪や、それ以外もだね。機動隊の喪失者(ロスト)版見たいなものだよ。実働できる喪失者(ロスト)は、雨島からの出向してきてる一人だけしかいないけどね」

 その為に、今日は刹那が来ていた。

「ようするに、何でも屋だ」

 身も蓋も無かった。

「八神さんは、ゴールドエンブレムってことは、ユニオンの人なんですよね」

「確か、生徒会長が、LostWingも、ユニオンのチームの一つだって言ってましたよ」

 二人は、紫苑から聞いたことを伝えた。

「ああ、話したって聞いてる。だから、勝手に情報公開するなって釘さされたよ。ところで、明日は、お前らは早いのか?」

 突然の質問に、戸惑いながらも答える。

「い……いいえ、私達は、昼過ぎに宿泊施設を出る予定です」

 刹那は、それを聞き、ニヤリと凶悪な笑みを浮かべる。

 ほのか達は、それを見て、背筋が凍る思いをした。

「明日、朝、特訓してやるよ」

 

 

 

 

「それじゃあ、僕はここまでだから」

 そう言い、峰地は、三人を降ろし、車で去っていく。

「そんじゃ、俺は、手続きしないと、泊まれねーから。じゃぁな」

 そういい、刹那は、一方的に立ち去る。

「司、明日、私達、生きて帰れるかな?」

「ほのか、頑張ろうな」

 

 

 

 

 その日の夜、ほのか達五人は、その日あった出来事を話していた。

「まって、話が、見えない。」

 空は、お土産のお菓子を食べながら、脅えている。

「からまれるのは、予想してたけど、ゴールドエンブレムの人が、特訓してやるって、なにそれ。怖い」

「俺達、明日、どうなるんだ」

 三人も、理解が出来なかった。

「とりあえず、明日は、頑張って生き残るしかないんだよ」

 ほのかの言葉を最後に、五人は、寝ることにした。




前回、外の話を書くといいましたが、何故かデート回になってました。

相変わらず、この手の話が書けません。

とりあえず、チートさんの登場でした。

今回は、特に不慣れな感じになっているとは思いますが、お付き合いいただき、ありがとうございます。

これからも、お付き合いいただけると、幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。