Linkage   作:enz

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みちびくセカイ

 夏休みが始まり、8月になると、一日中封鎖領域に篭る生徒が増えてくる。その中には、Linkage・Paladin・Laboの三チームも、水輪島に篭っていた。

 封鎖領域への宿泊は、許されるが、連泊は許されないので、三チームは、予定をあわせるようにしいた。

 そんなある日、雨島学園からの連合課題が出される。

 それについての会議を、三チームのリーダーで行っている。

「連合課題ね……夏休みの間に、他のチームをネクストまで引き上げろって」

「まったく、何故俺達がやらなきゃいけないんだ」

「簡単な事だろ。夜星ほのか、最上誠、お前達のチームは、結局トレーニングギアを使っているのだからな」

 最上誠がリーダーを勤めるPaladinも、独学でオリジンの制御をマスターしようとしたが、自分達だけでは行き詰まり、Laboのマルチトレーニングギアに、頼る事となっていた。

 三チーム共、同じ方法で、ネクストを発現するきっかけを掴んでいる。であれば、同じ方法を試すのは、当たり前だ。

 夜星ほのかは、簡単な結論に達する。

「つまり、私達にマルチトレーニングギアの使い方をレクチャーしろって事かな?」

「そういうことだな」

 その結論に達すると、日向智花は、PDAを操作し、マルチトレーニングギアのデータを表示させる。

「ああ、マルチトレーニングギアだが、名前が長いから、商品名は略称にした。これがデータだ」

 ほのかと誠は、そのデータを確認する。そこには、TGとMTGと書かれていた。本当に、ただ略しただけだった。

「見積もりも付いてるけど、MTGって名前付けて、商品にしただけで、値上がりしてる……」

「夜星ほのか、当たり前だ。お前達に売ったときは、原価と人件費などの最低限だけだ。商品として提供するのであれば、利益を乗せるのは、当然の事だ」

「俺達三チームは、ずば抜けて稼いでるから、簡単に使えたが、他のチームの平均的な基準で考えると、これ、手が出ないだろ」

「ようするに、学園側が、負担するから、生徒のレベルを引き上げろってことね」

 ほのかが、学園側の思惑を口にすると、二人も、同意する。

 5月の連休後に、この三チームは、全員がネクストに到達した。そして、水輪島の探索を開始し、半分以上の地図が出来上がっている。けれど、8月までの間に、他のチームは、ネクストへ到達していない。学園側は、このままでは、上位チームだけが突出してしまうと考え、今回の課題を出した。ということになっている。

 誠が、学園側から渡された資料の確認を始める。

「とりあえず、今回の対象は、三チーム各五人か」

「最上君、やる気になってるとこ悪いけど、気付いてない?」

「どうした?」

「ぶっちゃけ、私達が参加する意味あるのかな?」

 MTGを生徒に使わせる為に連合課題を出したということは、Laboが受ければ十分である。だが、対象チームが三チームとはいえ、一チームに一チームが付く必要が感じられなかった。

「夜星、よく考えろ。Laboのメンバーが、人に教えられると思うか?」

「……」

 ほのかは、答えられなかった。矢吹舞と、松下紳の二人は、問題ないが、日向智花と鈴木五十鈴の二人は、人に教えると言う面では、問題があった。

「夜星ほのか、何故答えない」

「えっと……智花なら大丈夫だよ」

 白々しかった。

「まぁいい、お前達が、私達をどう思っているかは理解出来たからな」

 二人は、返す言葉がなく、押し黙るしかない。

 場を仕切りなおし、対象となるチームの情報を確認する。

 その為に、ほのかは、わざとらしい咳払いをする。

「ごほん。今回MTGの特訓をするのは、新聞部と、Trustと、Gearsか」

「Gearsって研究型だよな。日向、知ってるか?」

「最上誠、それは、私達Laboが研究型のトップと言われているから聞いているのか?だとしたら、それは、安直な考えだな。だが、知っている。時々、意見を求められるからな。それに、あのチームは、中々優秀だ」

「それなら、LaboにGearsを任せるべきだな。あとLinkageに新聞部を任せていいよな」

「最上誠、私達は、それでかまわない」

 誠は、指導するチームの割り振りをしていくが、新聞部を担当する事を意図的に避けた。

 けれど、智花も、新聞部を避けられた事で、この案に、反対する理由が無くなった。

「ちょっとまった。なんで、最上君が、決めるのかな?」

「夜星、新聞部がいやなのか?」

「いやっていうか、その……」

 なんのひねりも泣く、直球で聞かれ、ほのかは、口を濁すしかなかった。

 智花が、賛成している以上、Laboも決められている事を利用できず、決定を覆す事が出来ない。

「じゃあ、夜星、決定だな」

「わかりました!新聞部に、Paladinの無い事、無い事、吹き込んでやる」

 その幼稚なやり取りに、智花は、笑いをこらえていた。

 新聞部の前では、ちょっとした噂話から、どんな記事にされるかわからない。だからこそ、三人とも、直接の指導を避けようとしていた。

 話がまとまったのを見計らい、智花が、話題を変える。

「夜星ほのか、喪失者保護連盟の会議での事を教えろ」

 喪失者保護連盟の会議の際に、日之影次が流した映像は、未公開の物も含め、ANTと雨島学園が所有している全ての映像を公開した。つまり、映像の中身を聞く必要はなかった。だが、ほのかは、あえてとぼけた。

「映像なら、公開されてるよ」

「夜星ほのか、余計な手間を取らせるな。襲撃者と、ユニオンの実力についてだ」

 襲撃者が元ユニオンだということは、まだ、公開されていない。現場にいたほのか達にも、緘口令が敷かれている。

「襲撃者の正体に関する質問には、答えるなって言われてるから」

「それは、全てのチームに対してか?」

「そう」

「なら、ユニオンの実力については、答えられるんだな」

「ユニオンの実力って言っても、私が見たのは、風花さんと、八神さんだけだよ。しかも、八神さんは、会場を吹き飛ばしただけで、具体的に何かしたわけじゃないし」

 実際、八神刹那は、姿を現す前に、会場の邪魔な部分を吹き飛ばしただけだった。

「死者がゼロと聞いているが、何があった?」

「それは……」

 ほのか自身、答えづらい問いかけだ。実際に、影次が殺し、刹那が蘇生したのを目撃している。さらに、刹那の発言は耳に残っている。

『人格が、本当に同じとは限らない。俺の場合、生きている状態を貼り付けてはいるが、俺の無意識下の影響を受けている。近い人間なら、確実に差異に気付く。だがな、あいつらがどうなろうと、しっちゃこっちゃない。そう思えば、やるさ』

 それは、自身の知る人間の中身が、変わると言うことだ。だが、その本人は、紛れもない本人である。

 ほのかは、自身の知る人物の中身が、突然変わる事を想像すると、ゾッとした。それは、言い表せぬ恐怖を内包している。

「夜星ほのか、私は、ユニオンの力を直接見たことはない。だから、気安く聞いているのかもしれない。だが、お前達と違って、見たことがないということは、自分達の成長の余地を、その身で感じ取れていないということだ。何でもいい、教えてくれ」

 Linkageは、風花凛・四谷命・八神刹那・空宮あやめ達と会い、その力を直接目にした。Paladinは、赤月ほむら・四谷命の力を直接目にした。たしかに、黒月紫苑や双月氷華は知っている。だが、その二人は、そこまでの実力を見せていない。だからこそ、Laboは、ユニオンの力を知りたかった。

 その思いを受け取り、ほのかは、重い口を開く。

「風花さんの戦闘だけど、相手の異能を知ってるみたいで、アクロバットな動きをしてた。絶対に攻撃を交えないようにしてた」

 影次の異能は、その物体が存在する空間を断ち切ることが出来る。その為、凛は、完全な回避を選択していた。

「あと、Evolution(エヴォルシオン)っていう第三段階ってのを使ってた。」

「第三段階だと……」

 誠は、第二段階であるネクストですら、完全に掌握したとは思っていない。だが、その上があると聞かされ、驚愕している。

「凛さんだと、自分自身が、風そのものになるらしいよ。物質型(マテリアルタイプ)の第三段階って言ってたkら。司る属性そのものになる力だと思う」

「つまり、貯蓄型(チャージタイプ)には、別の第三段階がある可能性もあるのか」

 智花は、言葉一つ一つを理解しようとし、一つの可能性に到達する。だが、それは可能性ではなく、真実だった。

「空気そのものを、完全に掌握してたから、呼吸の阻害とか、空気との接点からのゼロ距離攻撃とか、そういうのもしてた」

「聞けば聞くほど、わからなくなるな」

「ああ」

 智花も誠も、桁違いの異能に、理解が追いつかなかった。だが、一つだけいえることがある。

「夜星ほのか、ありがとう。自分達には、まだ上があることは十分理解できた。だから、連合課題についての、報告に行くぞ」

 智花は、話を打ち切り、職員室へ報告に行く事にした。

 この日は、このまま特訓の準備に明け暮れる事になった。

 

 

 

 

 次の日、Linkageは、新聞部の特訓に割り当てられた体育館へ赴く。

「それにしても、新聞部か」

 天野司は、新聞部に対して、苦手意識を持っていた。何故なら、新聞部のせいで、一部の生徒から、残念王子と呼ばれることとなったからである。

「あの二人にしてやられた」

「日向さんはともかく、最上君に一本取られるとはね」

「だらし、ない」

「珍しいな」

「うう、面目ないです」

 ほのか達が、体育館に着くと、そこには、新聞部リーダーである御机(みづくえ)(あや)が、待ち構えていた。

「やー、Linkage、お久しぶりなんだよ」

「御机さん、お久しぶり」

「夜星さん、とりあえず、新聞部一同、本日は、よろしくお願いするんだよ」

「新聞部は、四人だから、一人余るけど、どうしよっか」

 分け方を、相談していると、新聞部リーダーの文が、進言してくる。

「私が、風属性で、支倉君が、土属性、ミミが、電気属性で、写田君が、貯蓄型(チャージタイプ)だから、それで分けて欲しいんだよ?天野君は、全体を見て、フォローしてくれると、助かるんだよ」

 Linkageの、異能は、その成績のせいか、多くの生徒に知られている。だが、新聞部は、人の情報は、広めるが、自分達の情報は広めない為、その異能は、知られていない。だが、その情報を自ら教えるとは、思わなかった。

「御机さん、異能を教えていいの?」

「んー、秘匿する理由はないんだよ。それに、ここでは、教えた方が、スムーズな気がするから、教えるって、決めてたんだよ」

 ほのかは、文を。細川匠は、支倉(はせくら)鉄《てつ》を。皐月詩歌は、|写田(うつしだ)映二(えいじ)を。四葉空は、河原(かわら)ミミを担当し、司は、全体のフォローをすることになった。

 それぞれが、ある程度間隔をあけ、Laboから提供されたMTGを準備する。

「それじゃあ、御机さん、まずは、やってみて」

「わかったんだよ。暴風隊長(Gale One)

「ちょっとまって、何となく、言いたい事は、わかったんだけど、いつの間に、英語のルビまで振ったの?」

「それは、秘密なんだよ。さ、始めるんだよ」

 文は、MTGから力を引き出す。だが、暴走同然の力の奔流に驚き、引き出すのを止めてしまう。

 だが、ほのかは、続けるよう促す。

 何度も取り組むが、力の流れを制御する事が出来ず、MTGを持った手から、オリジンが無理やり引き剥がされるのを感じ、そのまま膝を突いてしまう。

「これ、夜星さん達は、制御してるの?」

 言葉の中に、ほのか達への、驚愕が見え隠れしていた。

 ほのかは、文の様子を見て、手本を見せ始める。

「とりあえず、一個は使い切ってもらう予定だったんだけど。こうするんだよ」

 ほのかは、MTGから力を引き出す、一見暴走しているように見えるが、常に同じ量が流れ出している。ただ、その量を、減らそうとする事を、ギア自体が、拒否している。常時同じ量が、でる時に、その入り口を狭めれば、その分、勢いが増してしまう。ギアの力を押さえつけるのではなく、オリジンを取り込む性質を利用し、その動きを制御する。取り出した力を、自身のオリジンと混ぜ、ギアに注ぎ込む。そうして、力を循環させる事で、ギアそのものを制御する。

 文は、まだ、オリジンを目で見ることが出来ない為、詳細を理解できない。だが、オリジンの動きを、気配として、感じ取る事は出来た。

「押さえつけちゃ、ダメなんだね。その力を、そのまま受け止めるんだね」

 MTGから、力を引き出す。暴走しているかのような、力の奔流は、理解した。それだけの量が流れ出る事を知り、その力を、制御できる事を、理解すれば、その勢いに、惑わされる事はない。

 ギアの力が、腕を伝う。その時、腕から、オリジンが引き剥がされ、ギアの力と混ざる。

 文は、「そうじゃない」と心の中で考える。奪われるままにしてはいけない。ギアの力が、通るより先に、オリジンを置く。体に纏うオリジンに沿わせるのではなく、オリジンを使って、ギアの力の通り道を作る。

 突如、MTGから、力の放出が消える。

 それに合わせ、文自身の体から、力が抜け、へたり込んでしまう。

「MTG使い切っちゃったね」

 力を循環させることが出来なかった為、ギア自身の力を、引き出しきってしまった。消耗を回復させずに、使い切ったギアは、ただ消滅するだけだった。

「腕が、痛いんだよ」

 文は、力なく、笑うしかなかった。

「体を通すと、オリジンを無理やり持ってかれるから、結構痛いよね」

「そっか、経験あるんだね」

「私達だって、MTGを使いこなすには、時間かかったんだから」

 ほのか達も同じ、そういわれ、文は、痛む腕をさすりながら、特訓を再開しようとするが、足が震えてしまい、立つ事ができない。

「あはは、疲れたみたいなんだよ」

「集中してたから、どのくらいの時間が経ったか、気付いてないみたいね」

 ほのかは、司に合図を送ると、全員に聞こえるように伝える。

「きりのいいところで、手を止めてくれ、お昼だぞ」

「というわけで、御机さん、お昼は一緒に食べる?」

「そだね。もうちょっと感覚を知りたいから、新聞部一同、ご一緒させてもらうんだよ」

 そうはいいつつも、新聞部一同は、かなりの量のオリジンを消耗している為、中々動けずにいた。

「ここでも食べられるから、何か買ってくるよ。PDAに欲しいもの、送って」

 そういい、ほのか達は、お昼の買出しに向かう。

 文達は、へたり込んだまま、お礼をいい、倒れこんだ。

 ほのか達には、「疲れた」そう聞こえた。

 買出しの途中で、ほのかは、PDAで智花と誠の二人と連絡を取る。

「他も、お昼休憩だってさ。進み具合は、なかなからしいよ」

「なかなかってどんなもんだよ」

「新聞部も、なかなかよね」

「確かに、なかなか」

「そうだ、なかなかだ」

「まったく、皆して、同じ事ばっかり」

 馬鹿話をしながら、買出しに向かう。購買には、持ち運びの出来る食べ物もあり、封鎖領域に行く前に調達する生徒が、多かった。

 新聞部の希望や、自分達の分を含め、多くの食べ物を買ってきたほのか達は、全員で、昼食を囲む。

「パンなんだよー」

「ミミは、ご飯が一番」

 そんな会話をしながら、昼食をとると、文が、突然切り出した。

「夜星さん、一つ聞きたいんだよ。喪失者保護連盟の会議の時、中で、何を見たの?」

「映像は、公開されてるよ」

「襲撃者が流した映像じゃないんだよ。私達が知りたいのは、襲撃者と、ユニオンの実力」

「ミミ達が調べた結果ですと、司さん達は、二人と交戦し、手も足も出なかったと聞いてます。ちなみに、先生方の話を立ち聞きしました」

 情報の入手先すら口にするとは思っていなかったが、司達は、その時のことを思い出し、悔しそうな表情をした。

「ちょっと違うな。氷属性のやつと戦った。いや、戦ったなんていえるレベルじゃなかった。ただ、一方的にやられたよ」

「一撃、だった」

「司が、動けるようにしてくれて、詩歌だけが立て直したと思ったら、別のやつがきて、一発で無力化しやがった」

「ユニオン相当の実力者って聞いたけど、私達とは、桁違いだったよ」

 司達は、ShadowFangの水鏡剣と土生圭の事を思い出す。四人は、襲撃者の正体を知らない。だが、唯一会場にいたほのかだけは、知っていた。

「えっと、口止めされてるから、言えないことばっかなんだ」

「そうですか、なら、一つだけ教えてください。襲撃者の目的を教えてください」

 それは、普段の口調とは違い、真剣な眼差しをほのかへと向けていた。

「復讐だってさ。詳しい事は、いえないけどね」

「わかったんだよ。いずれ、ユニオンから聞き出すんだよ。さ、訓練の続きなんだよ」

 ちょうどいい時間となっており、空気を入れ替え、特訓を再開する。

「夜星さん、もう一度、見せて欲しいんだよ」

「いいよ。よく見ててね」

 ほのかは、MTGから力を引き出す。そして、その爆発的なその力を循環させる。それは、ギアの力を手にするのと同じこと。

 ほのかは、力が循環した状態を維持し、文に話しかける。

「こんな感じだよ。わかる?」

「何となくは、わかるんだよ。力が循環する事で、ギアの消耗が抑えられてるんだね」

 文は、自身の持つ感覚を総動員し、ほのかの力の流れを追い続ける。理屈では理解出来る。だが、その流れを、感覚で理解し切れなかった。

「御机さん、実際にやってみて、自分なりのやり方を見つけないとダメだと思うよ」

「とりあえず、出来るまで挑戦するんだよ」

 文は、MTGから力を引き出す。今までと違い、その圧倒的な力の流れには慣れてきた。もう、驚きはしない。この流れを制御できることを知っているからだ。

 今はまだ、体を流れるオリジンを遡って来ている。食われつつあるオリジンは無視し、途中からでも、無理やり分岐させる。今までとは違う、新しい道筋を作る。無理やり食われるのではなく、オリジンを餌とし、力の流れを掌握する。意思を持って動くオリジンを喰らう力は、文の力を受け付ける。それは、ギアの力を掌握するということ。

 力をMTGに注ぎ込む事で、力が循環する。

 文は、MTGの力を手にした。

 だがそれは、とても不安定だった。ふとした拍子に、力の奔流に負けそうになる

「これ、維持するだけでも、大変なんだよ」

「でも、きっかけは掴んだでしょ」

「これが、簡単に維持できるようになれば、ネクストになれるんだよね?」

 この特訓は、候補チームをネクストへ引き上げる事が目的だった。MTGによる特訓は、その為の通過地点でしかない。

「私達は、これが出来るようになって、すぐにネクストになったわけじゃないから……」

 ほのかがネクストになった時、それは、大きな怪我を負い、霧散する力を辿ったことがきっかけだった。

 だからこそ、ほのか本人が、何故ネクストになれたのか、わかっていなかった。

「ネクストになったときの事は、きいてるんだよ。無茶をする気はないけど、私達なりに、考えてみるんだよ」

 文がMTGの制御を達成したことを皮切りに、チームメンバーも制御に成功しはじめた。

 

 

 

 

 国内のバースト対応を、ALUに一任した為、ユニオンは、比較的時間に余裕が出来始めていた。さらに、建前である、ShadowFandの監視が終われば、運用できる戦力が四人増える事になる。それは、全体の負担軽減に繋がる。そういった様々な理由から、雨島の管理を任されている紫苑と氷華は、手が空きつつあった。

「峰地さんから、国内のバースト対応における、収支報告が届きましたが、苦戦してますね」

「ギアの本来の力を発揮するには、オリジンが必要だ。バースト終盤に出てくる大型の対処に苦労してるみたいだな」

 ALUには、峰地の直轄部隊もいるが、大型喪失獣(ロストビースト)を圧倒できる実力はない。遠距離用ギアとロスタイトによるコーティング弾を使い、飽和攻撃を加え、トドメと言わんばかりに、ロスタイトのみで作られた、ロスタイト弾を何発も打ち込む事で、ようやく倒している。

 バースト対応により、ロスタイトの原石を収集できるが、消耗品の補給で、そのほとんどが使われている。

「サブプランを実行できるといいのですが」

「報告は、来てるな。マルチトレーニングギアを使った、オリジンの制御訓練は、成功だな」

「後は、ネクストを発現してくれれば、シルバーエンブレムが六チームになりますね」

「ああ、可変型ギアを使えなくても、ネクストってだけで、十分な戦力だ」

「Laboには、他のチームにも使えるように、詳しくまとめるようたのんでありますから。雨島学園の一般生徒によるバースト対応も、現実味を帯びてきましたね」

 そう、国内の機関によるバースト対応が、うまくいかない場合の為に、雨島学園は、一般生徒を使えるように準備していた。後は、バースト時における、隊長格のチームを増やすだけだった。

「それに、Laboは、面白そうなものも作ってるしな」

 




こんばんは

今回は、苦労しました。
というよりも、大まかな道筋は決まっているのですが、ここから先は、決まってない事が多すぎるのです。

周一投降を目安にしているので、なんとか頑張ります。

今回も、お付き合いいただき、ありがとうございます。これからも、お付き合いいただけると、幸いです。
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