この世界には魔法なるものがあるらしい。   作:スリー

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どうもスリーです。
今書いている小説が行き詰っているので書いてみました。
どれだけ続けられるかわかりませんが、頑張って書いてみるので読んでくれれば嬉しいです。


プロローグと出会い

「ほらほら~こっちだよ~。おおっ!見て薫さんこっち向いたよ。可愛いなあ~。」

 

そう口にした少々興奮気味な男性は鈴の付いたおもちゃを鳴らしている。顔をとても嬉しそうにしており、だらしなく緩んでいる。

 

「あらあら、純一さんはもうすっかりたくちゃんに骨抜きにされちゃってるわね。」

 

男性の隣には見た目二十代の女性が男性とたくちゃんと呼ばれた人物を見て、楽しそうに笑っている。

 

そして二人の視線を一身に受けているたくちゃんはというと………

 

「(めんどくせぇ………)」

 

赤ん坊として第二の人生を頑張って送っている。

 

「(早く大きくなりたいなあ。)」

 

その願いは何処にも届くことはなく、たくちゃんこと佐藤拓真(さとうたくま)は自分の育て親である佐藤純一(さとうじゅんいち)佐藤薫(さとうかおる)の親ばかに内心うんざりしながらも付き合うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ああ、この日をどれだけ待ち望んでいたか。」

 

俺、佐藤拓真は近所の公園に゙一人゙で来ていた。何時も自分を必要以上に愛でてくる両親はここにはいない。俺はその事実に天を仰ぎ感動している。

 

「3年も待ったかいがあったな。」

 

俺が転生して早3年。小説やアニメのように神様に会ったわけでもチート特典を貰ったわけでもないが、今世の両親の過剰な愛を受けながら何気ない日常を送っている。

 

そんな俺が最初に一人で外に出たいと両親に相談したのは1ヶ月前。その頃には一通り話せていたし、家の周りの地図は頭に入れていた。だからそろそろ一人で行動してみたいと思っての提案だった。それに何より両親の親ばかが年々酷くなっていくのも一人でいたい理由の一つだったりする。だがそれがいけなかった。

 

この提案を聞いた両親はなんと大泣きし始めたのだ。

 

「お母さん達のこと嫌いになっちゃったのね……ウウウッ」や「親離れはまだだと思ってたのに……そんなのヤダヤダヤダヤダー!」と絶望しながらむせび泣く両親を見た俺はと言うと、勿論ドン引きである。

 

最初は断られると予想していたが、まさかガチ泣きするとは思っていなかった拓真は、その後両親を慰めるのに二時間を費してしまった。

 

「しかし、これは大袈裟だろ………。」

 

俺の手に握られているのはGPSと催涙スプレーに加え、発射型のスタンガン。GPSはともかく残り二つは決して三歳児が所持していいものではない。まあ、近所とはいえ三歳児が一人で外を出歩くことが心配なのはわからなくはない。三歳といえばまだ親に甘えたい時期。それが急に一人にしてくれと言えば、あの両親の反応もおかしくは………いや、やっぱりあれはないな。うん。

 

「さて、それじゃあ何するか。」

 

ぶっちゃけ外に一人で出れればそれで良かったので、何がしたいかまで決めていなかった。とりあえず備付けのベンチに座り、辺りを見渡す。ボールで遊んだりブランコの高さを競ったりと、みんな笑顔で楽しそうだ。

 

「子供は元気だねえ、俺も子供だけど。」

 

このような光景を見ていると自分も身体を動かしたくなってくる。中身は大学生でも身体は三歳児だからだろうか、身体が動きたくてウズウズしている。俺も混ざってこようかと考えていると、あるものが目に入った。

 

「どうしたんだあの子。」

 

目線の先では自分と同い年くらいの女の子が一人砂場で山を作っていた。それだけなら目に止まることはなかったのだが彼女の雰囲気が周りから明らかに浮いていた。彼女の顔は周りの子供達と比べて暗く、とても哀しそうである。時々周りの子供達を見て泣きそうになるのを必死に耐えている姿はとても痛々しい。

 

「(ううん、どうしたものか……)」

 

気づけばどうしたら彼女の今の現状を改善出来るか無意識に考えてしまっていた。大きなお世話かもしれないが、あれをほっといたらいけないと思ってしまう。声をかけるかか否か考えていると女の子がこちらに気づいたのかこちらをじっと見ている。

 

「………。」

 

「………。」

 

無言で見つめ合う俺と女の子。流石にこのままでは進まないので俺が女の子の方へ歩いていく。もちろん目線はずっと合わせたままだ。

 

「………。」

 

「………。」

 

砂場までたどりついたのだが女の子はいっこうに喋ろうとしない。ここは年長者?として自分が話さなければならないのだろうが、如何せん何を話したらいいかわからず黙り込んでしまう。

 

「(三歳児の女の子に緊張するとは、情けないなあ俺。)」

 

「……ねえ?」

 

「……うん?」

 

最初に沈黙を破ったのは女の子の方だった。よもやあっちから話し掛けられるとは思っていなかったので少し反応が遅れる。

 

「何で一人なの。」

 

お前も一人だろうがと言いそうになるが寸での所で飲み込む。いきなりボッチ呼ばわりされてイラッ☆ときたが、せっかく女の子が勇気を振り絞って聞いた質問だ。ここはcoolになって答えなければ。

 

「え、えーと。遊び相手がいないから、かな……。」

 

「そうなんだ。」

 

またも訪れる沈黙。え、それだけ?今のはじゃあ一緒に遊ぼうってなるところじゃないのか。やっぱり俺から切り出していくしかないか。

 

「ねえ、よかったら一緒に遊ばない。」

 

「………何で?」

 

女の子の表情が先程の暗い表情から一変、目を見開き驚いている。その様子が可笑しくてつい笑ってしまう。女の子はというと、何を勘違いしたのか頬膨らませて睨んでくる。

 

「何で笑うの!」

 

「だって君の表情がコロコロ変わるからつい。」

 

「むー……。」

 

「ああ、ごめんごめん。悪かったよ。」

 

「ふんっ!」

 

女の子は頬膨らませたままそっぽを向いてしまう。ちょっとからかいすぎたようだ。

 

「ねえ。」

 

「何!」

 

「一緒に遊ぼう。」

 

「……何で?」

 

さっきと同じように聞いてくる女の子。まだ頬を膨らませているが、雰囲気は何処か嬉しそうだ。

 

「君と一緒に遊びたいから、じゃあ駄目?」

 

今の気持ちを素直に女の子に伝える。最初は可哀想だからと声をかけたが気が変わった。

 

「私と?」

 

「うん。」

 

「いいの?」

 

「いいも何も此方からお願いしてるんだから、いいに決まってるだろ。」

 

「………。」

 

俺の言葉を聞き終えた女の子は黙って俯いてしまう。あれ、もしかしてミスった。

 

「やっぱり、駄目か?」

 

「……じゃない。」

 

「うん?」

 

「ダメじゃない!」

 

「うわっ!」

 

急に顔を上げて声を荒げる女の子。その目尻には涙が溜まっている。

 

「ダメじゃない!だからその、私も一緒に遊びたいです!」

 

「………ははっ、それじゃあ何して遊ぶか決めようか。」

 

「はいなの!」

 

女の子表情は今日見たどの表情よりも輝き、まるで太陽のような笑顔だった。

 

 

 

この後、日が暮れるまで遊び、家に帰った拓真が両親に友達が出来たことを伝え、両親が半狂乱したのはまた別のはなし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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