賑やかな街。優しい人間関係。自由な生活。
それは長続きしないものである。
「速報です!Y市のY港に危険生物が現れました!近くにいる方は、すぐに建物に入って安全を確保してください!」
サイレン音と共に街の中に流れ出す速報。
先程まで人で溢れていた道は誰一人残っていない。
ただサイレン音が流れ続けるだけだった。
「…仕事の時間だ。」
僕はY港に向かって走り出した。
港に着いた僕の目に飛び込んだのは辺り一面に人々の死体を発見する。いつまでたってもこの光景には慣れない。
早く化け物を殺そう。
「グゴゴ…ガ?」
後ろから声が聞こえた。
振り返ると奴がいる。
バッタのような顔にゾンビのような体。
血飛沫で染まっている腕。
「グゴゲ!グゴゴゴゴゴ!」
奴が飛びかかってくる。
「…変身…」
僕は腰に装着しているベルトに手を当てると、一瞬ドス黒い光に包まれ、化け物の皮を身に纏う。
「化け物を殺すのは化け物だ。」
この仕事は僕にしか出来ない。
僕は襲いかかる化け物のみぞおちを殴り飛ばす。
「グゴゴゲャ!」
化け物はよろめきながら倒れこむ。
化け物は心臓を潰すまで死なない。
「グゴゴォォォ…グゴァ!?」
僕は指先の爪で化け物の心臓を抉り出した。
赤黒い塊は血飛沫を飛ばしながら蠢いている。
グシャッ、という音と共に化け物は灰色の液体となり、
辺り一面に広がる。
「うぅ…お…え"っ!」
人の姿に戻った僕は喉に込み上がる液体を必死に抑え、その場から逃げ出した。いつになったら僕はこんな仕事を終えることができるのか。もしかしたら僕が死ぬまで続くのかもしれない。少なくとも僕は死ぬまで働き続ける。
「ん?」
「生存者一名!至急保護せよ!」
「もう安心です!さあ、パトカーにお乗りください。」
僕は、恐怖に怯えている演技をした。
「も、もう化け物は、は…いないんですよ…よ…ね?」
逃げるのが遅れてしまった。このままでは不味いのでは…
だが、今の僕はフードを深く被っている。うまく逃げ出せれば…
「すでに危険生物の生体反応は消えています!なのでもう危険生物に襲われる危険はありません!」
「よ…よかった…」
警官2名は笑顔で僕に近寄った。
「ごめんなさい…」
「グハッ!」
「アッ!」
僕は、警官2人に腹パンをして逃げ出した。
そして僕はある程度遠くに逃げて、休憩を取ることにした。近くにあった自動販売機でコーラを買い、僕はまた歩き出した。
「おかえり、マサくん。」
「ただいま帰りました。サヤさん。」
僕はあの日からサヤさんの家に匿ってもらっている。
「そういえばY港に危険生物が出たんですって!怖いわねぇ、N区にも現れないか心配ですよねぇ」
「ハハッ、きっとヒーローが助けに来てくれますよ」
「あらマサくん!面白いこと言うねぇ!」
化け物のせいで悲しむ人はもう見たくない。
僕はそう思いながら自分の部屋に戻った。
どうでしょうか。筆者なりに努力をして描いた作品なので、読んで良かったと思っていただければありがたいです。2話も書く予定なので次も読んでいただけたらありがたいです。