天華百剣 斬 短編集まとめ byわたち教徒   作:給料シーフ

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今回はヤンデレ物。
ヤンデレ物ゆえ言葉使いが汚く感じることもあるでしょうが平にご容赦を。




天国のような檻の中で

「兄様、今日もいっぱいなでなでしてぇ」

 

「あ、ああ。分かったよ、鬼丸」

 

「ねぇ、たいちょーくんは今わたしとお話してたんだけど。

 なにしゃしゃり出て来てんの?」

 

「あ、おばちゃん居たの?気付かなかった。

 それより兄様ぁ早くぅ~」

 

「あ゛あ゛!?」

 

「お、鬼切。大丈夫だ、話を中断したりなんかしないさっ」

 

「もぅ、お姉ちゃんって呼んでって言ってるじゃない~、

子供は無視してお姉ちゃんと大人なお話をしちゃおっか♪」

 

「は...ハハハハ....。はぁ...っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………初めはとても幸せだった。

 

天華百剣 斬というゲームを知っているだろうか?

いや、知らなくてもいい。そんなゲームがあることだけ理解してくれれば。

気が付いた時には俺はそのゲームの世界に取り込まれていた。

 

 

俺を慕う可愛い巫剣達、実質ハーレムだ。俺だって男だ、お気に入りだったキャラクター達に慕われ、お手入れという名のマッサージをせがまれたり日溜まりのような笑顔を見せられれば鼻の下も伸びるってもんだ。

男なら誰だってそうなるに決まってる。

 

勿論、天華百剣の世界観上たまに禍憑が出るときもあったし最初に禍憑を見たときなんざへっぴり腰でガクブルしちまってたよ。

まぁ、こっちの事情を知ってる巫剣達が俺を護りながら戦ってくれるからなんだかんだ俺は禍憑相手に刀を振るうことは一度もなかったし、まがりなりにも俺はサービス開始からやっていたこともあり、手持ちの巫剣は此方に来る前に手に入れた大典太含め全員好感度50のレベル80。刀装だって充実してるから巫剣の一振りで禍憑も即死だったが。

 

たまの禍憑だけは慣れないがまるで天国みたいな毎日にずっとここに居れればいいと思っていたりすらした。.....愚かなことに。

 

 

きっかけは....、そう、....そうだ。千人切りと話しをしていた時にたまたま一期一振が来て抱き付いてきた時だった。あの時に気付いていればこの世界から脱出出来ていたかも知れない。

....話を戻そう。その時の目が.....千人切の目がね、こう、死んでいたんだよ。ハイライトが消えてるって言えば分かりやすいか?

そんな目を一瞬だけしたんだ。そのあとすぐに目が戻ってにっこりと大主!って笑いかけてきたからその時は見間違えたのかと思ったんだ。

 

 

それからもそんなことがたまに起きた。だけど俺の巫剣達がそんなことあるわけ無いって信じてたんだ。....いや目を逸らしていただけか。

俺の天国でここは俺の為の世界だなんて本気で考えて目を逸らしていたんだな。

 

決定的になったのは珍しく本部から来た丙子椒林剣が俺にそろそろ結婚とかしないのかとか言い出した時だ。

結婚なんか考えたこともなかったと言う俺に、これだけ美少女に囲まれてるんだからと言って周りの巫剣達を見たアイツの口は....いや、まさか丙子椒林剣だって意図したわけじゃないだろう、さすがに八つ当たりだなこれは。

 

まぁ、それからが酷かった。

 

巫剣同士の口喧嘩は当たり前、酷いときは刀に手を掛ける所までいった。

その頃になるとどうしようもない馬鹿で底抜けに間抜けな俺でも気が付いた。

あ、これヤンデレがヤンデレしてるって。

いやすまない。当時は本当にそんな間抜けな感想を持ってしまったんだ。ヤンデレがヤンデレしてるとかいう感想を。

 

それからすぐに必死になって元の世界に帰る方法を探したよ。本当、今さら過ぎるよな。うん、本当に.....。

巫剣達が俺をこっちの世界に連れ込んだなら俺が元の世界に戻る方法だってあるはずだと閃いて、さすがに巫剣達には聞けなかったからゲーム内に好感度システムが無くてそういったことに詳しそうな八宵に聞いた。

そしたら、どうやらビンゴだった。コラボイベント時にあった黄金の禍要柱特異種。

八宵はあれを制御して俺たちの世界に繋げる装置を巫剣達に懇願され作ったらしい。

それを聞いた俺は歓喜した、これで帰れるって。

だが現実は非情だった。元の世界に帰るには行くときに使った禍要柱本体もしくは欠片が必要なのだが数日前に巫剣達が欠片すら残さずに壊したとのこと。

どうやら装置で操作したあと一ヶ月間は禍要柱が不安定な状態で危険だったから壊せなかったが、数日前に状態が安定して巫剣達が破壊したらしい。

当時のコラボイベントをクリアした巫剣達は欠片でも残っていれば別の禍要柱特異種を使って帰れてしまうことを知っていたのだ。

故に欠片たりとも残さぬように破壊した。

 

 

帰れないことを知った俺は困惑する八宵に反応すら出来ずに自室に戻った。

それから....「何を書いているんですか?隊長さん」

 

「ひっ、き、菊一文字っ」

 

「やだなぁ、僕のことは菊って呼んで下さいって言ったじゃないですか」

 

「あ、ああ、そうだな、すまない菊。これは俺の日記だ、見ても面白くもないし俺としても恥ずかしいから見られたくないな」

 

「ふふっ、ならそういうことにしておきましょうか。どうせ、もう、隊長さんは逃げられないんですから....」

 

「にっ....逃げるって何からだ?お前らが居るんだから怖くても護って貰うさ」

 

「嬉しいことを言ってくれますね。僕が貴方を傷付ける全てから護ってあげますよ、隊長さん。だから、ねぇ」

 

「ひっ....」

 

「そろそろ鞘入と銘入、お願いできないでしょうか?」

 

じわじわとこちらに寄ってくる菊一文字。その頬は赤く上気しその目は金色なのに鉛のように光が伴っておらずーーーー。

 

 

 

 

 

 

この日記を見た者へ。

俺はもう無理だが、君にはまだ時間が残されているかもしれない。

方法は記した。

 

 

 

ーーー早く逃げろーーーーハヤクニゲローーー

 

 

 

 




ゲーム内に取り込まれるヤンデレ物ってなんでお船のゲームにしかないんでしょうね?

ちなみにわたしはみつよさん持ってないです。
いいのです。私にはわたち様がいますから....(遠い目)

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