わたしは気付いたのです、これ別に恋愛絡みじゃなくても問題なくね?と...。
と、いうわけで今回は日常回。
やぁ、こんにちは。
わたしは牛王吉光、明治館の巫剣だよ。
「たいちょーちゃん依頼終わったよー」
「鬼切、ありがとう。戻ったところ悪いんだけど西側の街道で禍憑が出たらしいんだ。幸い調査担当が見付けて街道を封鎖できたから討伐をお願いできないかな」
「もう、お姉ちゃんって呼んでって言ったでしょう?討伐ね。おっけー、行ってくる」
「なかなか気恥ずかしくてね...。それが終わったらあとは休みでいいから、気を付けて行ってくるんだよ」
「はーい、また後でね」
ふぅ....。
ああ、話の途中だったね。
えっと、何処まで話をしたかな。
ああ、そうそうそれで、最近「いちご任務から戻りました、姉様」
「おかえり一期一振、丁度よかった。さっき小夜左文字から伝言を頼まれていてね。一緒にパン作りをしないかって言っていたよ」
「わぁ、早速行ってきます!それと、姉様?私のことはいちごって呼んでくれるって約束しましたよね...?」
「まだ言い慣れなくてね。すまないね、いちご」
「えへへ、苺ジャムのパンが出来あがったら、良ければ姉様もどう...ですか?」
「そのくらいになれば仕事も一段落するだろうしいただこうかな」
「やったぁ。沢山作って待ってますね!」
何度も話を中断してしまってすまなかったね。
え?なんでわたしがたいちょーちゃんだなんて呼ばれているのかって?
.........10年ほど前だったかな、運が悪いことに走行中の馬車の中で政府のお偉いさま達が斬殺されるという事件が起きてね。
え?それが現状となんの繋がりがあるのかって?
話は最後まで聞くものだよ。
君達は巫剣の存在が秘匿されていて一般的には知られていないってことは知ってるよね。
実はだね、長い時の中でその秘匿性はさらに強固なものとなり、政府上層部でもトップとその次くらいしか知らされていないような状態となってしまっていたみたいなんだ。
......うん、察しがいい人は嫌いじゃないよ。
現在政府の中に巫剣を知っている人は誰もいない状態。
で、お華見衆は政府の書類上は存在しないことになってしまって、晴れて独立。
このままハッピーエンド、とはならなかった。
当時の巫剣使いの平均年齢は35~40くらいでね。
所謂あと数年も経てばお爺ちゃんって呼ばれるような人ばかりだったんだ。
勿論その頃からその事実を知った小烏丸が巫剣使いの育成に励んではいたみたいなんだけど......。
まぁ、巫剣使いの総数から言えば焼け石に水ってものだよね。
そんなわけで現在お華見衆は慢性的な巫剣使い不足に陥ってる状態なんだ。
「姉様ぁ、なでなでしてぇ...」
「鬼丸、戻ってきたんだね。...ほら、おいで」
「姉様ぁ....好きぃ....」
今は足りないところは巫剣使い無しでやってるわけなんだけども、ここ京都支部は前隊長くんの稜威能力のこともあって大勢の巫剣が居るからね。一人二人を寄越しても焼け石に水、なら巫剣が代理隊長をやるしかないって結論になったみたいなんだ。
それで何故わたしにお鉢が回って来たのかは分からないけど、...理解してもらえたかな?
仕事が一段落し、鈍った体を少し解そうかと中庭に向かうと風鎮切が日向ぼっこをしていた。
「あ、ママ」
「風鎮切、日向ぼっこかい?」
「うん、今日は天気がいいから気持ちよか。ママも一緒にするがや?」
「せっかくだし、そうさせてもらうとしようかな」
わたしが草っぱに座ると風鎮切が私の足に頭を乗せて寝そべる。
「ママに膝枕してもらうと、なんだか安心するわ」
そう言ってくすぐったそうに笑う風鎮切の頭を優しく撫でてあげる。
「やっぱりママの手......優しゅう感じがして好きやわ......」
しばらく撫でてあげると笑みを浮かべていた風鎮切の顔が次第にあどけないものへと変わっていく。
.....子供は眠るのが早いものだね。
「おやすみ、ふぅ...」
「それでですね、その時の牛王さんの微笑みがすっごく母性溢れる顔だったんです。我が子を見守る母の顔でしたね」
「へぇ、牛王も随分風鎮切のお母さんしてるじゃない。結構満更でもないんじゃない?」
「そろそろこの話しは終わりにしないかな」
さきほどの風鎮切とのお昼寝を桑名江に見られていたらしい。
話を聞いていた城和泉も日頃の仕返しなのか、ニヤニヤしながらからかってくる。
まぁ、話が始まった時からこの事態を予測して城和泉のジュースに実験薬を仕込んどいたから、からかったことはそれで許してあげるとしよう。
「......子供、かぁ」
「城和泉さんもやっぱり子供が欲しいとか思ったことがあるのでしょうか」
「ちょ、桑名江、そんなわけないじゃない!というか思ったとしたって私達巫剣は子供なんて産めないわよ」
そう言って城和泉は顔を赤くしながらジュースを飲む。
......よし。
「城和泉は子供が欲しいんだね。子供を作らせてあげることは出来ないけど、子供にしてあげることは出来るかもしれないよ」
「ちょっと牛王、また私を実験台にするつもりでしょう。さすがに飲まないわよ私」
「大丈夫、今飲んでいる飲み物にすでに仕込んでいるから」
言うと同時に飲み物を噴き出す城和泉。
だけどもう十分な服用量は飲んでいるね。
「牛王あとで覚えておきなさい~~っ」
身体がどんどん縮んでいく城和泉の様子に正しく薬の効果が現れていることを確認する。
どうやら今回の薬は成功なようだ。
「わあ....っ、城和泉さん、凄く可愛いですよ」
「嬉しくないわよぉ......ってなでなでするなぁ!!」
人間でいうところの6才くらいの姿まで縮んだ城和泉の頭を桑名江が撫でる。
「やーん、可愛い~~」
「ちょっと、桑名江。目が危ないわよ」
「私決めました、この子は私が育てます!」
「何変なこと言ってるのよ!ってちょ、桑名江降ろしてー!!」
桑名江が城和泉を抱っこして何処かに行ってしまった。
......まぁ、1日で効果は切れるはずだし大丈夫か。
そろそろ私も部屋に戻ろうかな。
まだまだやることは沢山あるしね。
「ん....、そろそろ寝ようかな」
時刻は丑ノ刻、窓から見える外の景色はすっかり真っ暗になっている。
いつもの乳牛の寝間着に着替えて布団に入ろうしたところでノックの音が響く。
こんな時間に誰だろう?
「しゅ、主君、まだ起きているか?」
ノックの主は大倶利伽羅だった。こんな時間に来るなんて珍しい。
「こんな夜更けにどうしたんだい大倶利伽羅」
「じ、実はそのぅ.....怖い夢を見てしまってだな、できれば一緒に......うぅ~」
「ふふっ、一緒に、何がしたいのかな...?」
「寝て......えぇい!あんまり俺をからかうな!」
大倶利伽羅が言いたいことはすぐに分かったけどついからかってしまった。
この娘はたまに嗜虐心を誘う顔をするからついからかってしまう。
「すまなかったね。ほら、おいで?」
先に布団に入って隣に一人分のスペースを空けて掛け布団を捲ってあげる。
「あ、...お邪魔する......ぞ」
「はい、いらっしゃい。...ふふ」
布団の中で借りてきた猫のようにぎこちなく体を丸める大倶利伽羅に思わずクスッと笑みが零れる。
『へぇ、牛王も随分風鎮切のお母さんしてるじゃない。結構満更でもないんじゃない?』
不意に昼間の城和泉の言葉が脳裏をよぎる。
ーーー母性...か。
......うん、城和泉の言うようにわたしとしては結構満更でもないようだ。
カチカチに固まっている大倶利伽羅の体を優しく抱きしめてあげる。
「ひゃ...っ!?しゅ、主君!?」
「ほら、大丈夫だよ。わたしが居るから怖くはない。だから安心して眠るといい......」
「あ......っ」
少しずつ強張っていた大倶利伽羅の身体から力が抜けていく。
......うん、緊張が解れたようだ。
これならすぐに眠れるだろう。
「おやすみ、大倶利伽羅」
「しゅ...くん......」
ほどなくして大倶利伽羅から安らかな寝息が聞こえてきた。
さて、わたしもそろそろ寝るとしよう。
また明日も忙しくなるのだからーー
ガールズラブは保険です(目逸らし)
牛王は私の二振り目の愛刀です。わたち様が一番なのと二振りしか愛刀ないからセーフです()
沢山の閲覧に評価まで頂き本当にありがとうございます。
ストック無しで思いついたことを拙い文章で投稿間隔気にせず書いてるだけですが、よければこれからも読んでいただけると幸いです。